花宴の台所便り

北米在住20年、世界の家庭料理を取り混ぜながらのうちの食卓です。 現在はカナダのトロント在住。

カテゴリ: 和菓子

更新が滞っていて済みません! 旅行で家を開けると帰宅してからが落ち着かず、料理はしていても何となく気が抜けて写真を忘れたり(汗)。 トロントへ帰るとスーパーの店頭には栗♩
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トロントで簡単に手に入るのはイタリア産とアメリカ産。 イタリア産の方が美味しいかなあと思います。 今年は粒が大きい気がする。 一晩お湯に浸けて虫だしをして、鬼皮をむいた状態がこれ。 このまま渋皮を包丁で剥いてもいいのですが、ここが大変ですので、私は渋皮のまま牛乳と水を割った地でコトコト煮てしまいます。
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これが煮上がる頃には茶色になっています。 栗が柔らかくなったら地を捨てて、一度水から煮直してミルク臭を取り除きます。 牛乳を使うのは辰巳芳子先生の著書から。 アルカリで栗のアクが抜けるんですね。 大根おろしというのもあります。
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ここまで煮えると渋皮は竹串で外れてくれます。 
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渋皮を剥いた状態。 これを目の細かい裏ごしにかけて栗餡に!
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これは手間の掛かる上等なお菓子ですので、砂糖はあれば三温糖などを振ってから加えて甘みを加減します。
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ラップできゅっと締めて出来上がり。 しっとりと柔らかく、これが一番美味しい栗のお菓子だと思います。 日本でした長野のす屋など、美味しいのが買えますが、日持ちがしないのでこちらでは手に入りませんから、栗を見掛けると手間が掛かるのは知りつつ、つい手が出てしまうのです。
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折角の良いお菓子ですので、お抹茶で。  

9月に入ると街中の果物屋さんやスーパーマーケットの軒先に見事に蕾をつけた菊のプラントが並びます。
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 若い頃は薔薇やライラックのような洋花に惹かれ、菊など少しもロマンティックに思わなかったものですが(笑)、今この歳になってみると秋の冷んやりした空気に冴える菊の香気が素敵に思われるのです。 重陽に合わせて菊のお菓子を。
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夏の間は忘れていたのに、空気が冷えてくるとそろそろ練り切りのお菓子が美味しそうに思われます。 小豆の漉し餡は15gの餡玉に、白餡のこなしは半分に分けて一方を着色します。 
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こなしを丸く広げて白と橙を重ねます。
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橙を内側にして餡玉を包みます。
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腰高に丸く形を作ります。
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中央に5ミリくらいの円を定めて、周囲を囲むように鋏を入れていきます。
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鋏は糸切り鋏が向いています。 生菓子ですので熱湯で消毒して。
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これが鋏菊。 一周目が終わったら二周目と鋏を入れていくと重ねたこなしの橙色がほんのりと透けてきます。
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仕上げに色づけしたこなしを網に通してきんとんにして中央に飾ります。
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鋏菊のお菓子。 お菓子屋さんはそれは精密で美しい仕上げをなさいますが、この程度ならば誰でも気楽に作れます。 柔らかい練り切りのお菓子にお抹茶、初秋の楽しみですね。
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夏真っ盛りの今の時期はさっぱりつるりっなお菓子が美味しく感じます。 私は、小さい頃はぷるるんとした食感のゼリーを好んでいましたが、年齢が上がるにつれて、日本古来の寒天のすっきりした口当たりや風情に美しさを感じるようになりました。 海藻というのも海に囲まれた日本らしい食材です。
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寒天は水に浸して柔らかくなったらぎゅっと絞ります。 これを手で裂いて、地の水分と一緒に火にかけて溶かします。 これは七夕用に天の川の風情にしたかったので、2層の底はいわゆる水羊羹。 漉し餡に水を混ぜたものに寒天を溶かして一度漉してから型に注ぎます。 餡が沈みますのでゆっくりとかき回しながら冷やし固めます。 寒天は難しいのが分量。 種類や日付でも固まり方が違うようです。 
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上段は水にお砂糖を溶かしたシロップを着色したもの。 これは食紅を使っていますが、自然にするには紫キャベツの茹で汁は青い色が出ます。 リキュールのブルーキュラソーでも。 お茶席の場合は香りをつけない方が良いのですが、デザートでしたのでさくらんぼのキルシュで軽く香り付けしています。 夜空の風情で金箔を加えてみました。
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冷蔵庫で固めて出来上がり。 
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上段の青い部分は僅かにキルシュが香ってもいわば砂糖水、それだけのお味ですのに寒天の底味なのか食感なのか、不思議と美味しく感じるのです。 
 

水羊羹・・・材料さえ揃えばさして難しいものではないのですが、和菓子というのは分量の配分がややこしい・・・餡の水分や甘さでも調子が変わりますし、寒天の種類が違っても凝固率に結構な差が出て来ます。 どう出来上がってもそれなりに美味しいのですが、同じように作るのは難しく、この辺が和菓子のややこしいところです。 洋菓子と違ってレシピーの本が少ないのはこの辺も影響しているのでしょうか? 
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寒天は水に浸して戻します。 直ぐに戻りますので、水気を絞って鍋に加えて水とお砂糖と一緒に煮溶かします。 和菓子は水の味に影響されますので、この時の水は美味しいと感じるものを。 一度漉してから餡を加えて温めます。
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専用の型も売っていますし、タッパーとかグラスに直接でも。 冷蔵庫で固めたら出来あがり。
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自宅で作る場合は柔らかい方が美味しく感じます。 寒天の量を出来るだけ抑えるのがコツですが、この場合は固まる工程でかき回すと餡が底へ沈むのが防げます。  寒天の量が多いと固めになりますが、作るのはその方が簡単です。 

昔は興味がなかった水羊羹ですが、今眺めるとこれだけですのに美しい姿です。 

V君は大学入学以降、2期目を終えて、3期目はインターンとしてトロントの会社で仕事をする事になりました。 私の頃はインターンシップと呼ばれて、履修の一環にはありましたがお遊び程度、V君の通う大学はこの制度が徹底していて、それが人気のひとつになっている大学です。 今はCo-opと呼ばれているようですが。 企業側が大学へ依頼を持ち込み、それを大学側がネットにリストします。 学生はそれを見て、仕事をしてみたい企業へ希望申請を出すというシステム。 仕事先はカナダ、アメリカの他、ヨーロッパや日本などもあるようです。 ベネフィットやお給料(バイト代か・・・?)も様々、仕事先もグーグルやアップル、マッケンジーなどのコンサルティング会社、ハイテク系の設立準備会社など多岐で、もちろんグーグルなどは狭き門(笑)。 簡易なりに就職活動と同じプロセスを踏みますので、卒業後、就職の準備が出来ている学生を育てる、インターン先で気に入られれば卒業後の就職に繋がるなど、実利的なシステムです。 V君はトロント市内の小さい会社でソフトウエア・エンジニア(の卵)として4ヶ月働く事になりました。 

最近、彼のいない生活にようやくなれてきた所にV君が舞い戻ったので、1合でよかった夕飯のご飯が2合になり、お弁当と朝食が欲しいと言われれば3合になりとまた調子が狂っていますが、それでも家族が増えると季節の決まり事に弾みが出るものです。
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味噌餡と小豆の漉し餡で2種類。
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材料は簡単。 上新粉(米粉)200gに水300g。 良く混ぜてから電子レンジで3−4分加熱します。 一度出して混ぜ合わせてから3分再加熱。
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お餅のような状態になっていますので、これを擂り粉木を水で濡らしてとんとんと突きます。 いわゆる餅つき。 ここでしっかりと粘りを出さないと硬い生地になってしまいますので。 濡れ布巾で包んでのしても。
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この分量で8個分。
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柏の葉です。 乾燥柏の葉を10分茹でて水をきったもの。 青々とした色目はないですが、香りは残っています。 旧暦の5月5日、今でしたら6月、その頃は柏の葉が大きく育っていたのでしょうか?
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餡玉は柏餅の場合は甘めに、水分も飛ばして緩くない程度に。 上新粉のお餅にお砂糖を入れていませんので、バランス良く。 味噌餡は白餡に西京味噌を合わせたもの。
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手を水で湿らせてお餅を伸ばして餡玉を包みます。 これを柏の葉で包んで出来上がり♩
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私は甘しょっぱい味噌餡が好きですが、V君は苦手のようで、小豆餡が早くなくなります。
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トロントはいきなり初夏の暖かさで、今日は街中に人が溢れかえっています。
 

土曜日の朝の雨が雹になり、午後になって雪、4月の雪は積もりませんが通りはぐしゃぐしゃ。 今週末のトロントはこんな冬戻りのお天気が2日続いて、引きこもりにピッタリの週末でした。 我が家も近所のスーパーへ一走りするくらいで家でゴロゴロ。 天気に強いられた形ですが、案外ノンビリ過ごせた週末になりました。
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東京では既に葉桜も終わった頃と思いますが、気持ちだけ春のトロント、桜餅を作りました。 

材料は道明寺粉80g、熱湯120g、砂糖大さじ1、桜の葉の塩漬け5枚、漉し餡の餡玉15gを5個。 桜の葉は15分くらい水で塩抜きして準備します。 道明寺、熱湯、砂糖、食紅少々を合わせて、ラップで覆って10分蒸します。 さっと混ぜたらラップをしてレンジで2分、その後15分ラップをしたまま置いておきます。 道明寺の粒が蒸されたら全体を軽く練って粘りを出したら餡玉を包んで桜の葉で包んだら出来上がり。

トロントの桜の開花、今年は5月の半ばでしょうか?  


 

東京からはちらほら桜の便りが聞かれるようになりました! トロントは日差しは春めいても気温は零度前後、春には遠い陽気ですがおやつには桜大福を!
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私は餡も作って冷凍保存していますが、市販の漉し餡と白玉粉、桜の花の塩漬けがあれば簡単に作れます。  求肥が柔らかいので餡は水を加えて柔らかめに、ひとつ15グラムの餡玉に作ります。 白玉粉50g、上白糖50g、水100gに食紅少々。 これで8個分です。 色素は安定はしませんがピーツを使うと自然なピンクになります。 求肥は電子レンジと相性が良いので、ラップをしてレンジを使うと簡単に出来ます。 手粉は片栗粉、水に浸けて軽く塩気を切った花漬けを飾りに。

頂くまでに時間がある場合は砂糖を減らして水飴を混ぜると求肥と餡の浸透圧が安定します。 時間が経つとお餅が餡の水気を吸いますので。 和菓子の化学ですね。 小豆餡の甘さに桜の塩漬けの塩気が効いて、美味しい大福です。 

トロントの2月はまだまだ真冬、今週はずっと雪景色が続いています。 気温は低いですが、日は長くなっていて、そこだけが春! 日本でしたら梅に鴬の季節でしょうか? 

うぐいす餅は本来は漉し餡と白い求肥に鴬きな粉を使います。 若草色の綺麗なきな粉ですが、専門店でないと扱いがありませんので、求肥生地にお抹茶を加えて代用。 
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餡玉はひとつ15gで。 求肥が柔らかいので水分を調節して柔らかめの餡で。
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きな粉を広げて準備しておきます。 丁寧になさる場合はきな粉をふるっておくと、玉がほぐれて口当たりがいいです。
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生地は白玉粉50g、上白糖50g、抹茶少々、水100g。 求肥は電子レンジで調理しやすいです。 ラップをかけて加熱してお餅の状態に。 
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きな粉の上に広げて粉をまぶして切り分けます。
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餡玉を求肥で包んで出来上がりです。
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出来立てが美味しいです。 時間をおくと求肥が餡の水分を吸いますので、早めに作る場合でしたら、求肥生地に水飴を混ぜておくと同じ状態を維持しやすいです。 いわゆる浸透圧ですが、小豆、砂糖、餅粉、水だけで構成されるお菓子の化学です。 

隣のスーパーマーケットで見つけてしまった新栗、買わなければ苦労はないものを、と知りつつ、つい、手が伸びてしまうのです(笑)。 
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面倒な場合は一晩お湯に浸けてから、包丁目を入れてアルミフォイルでしっかり包んでオーブンで焼き栗に。 これは美味しくてお手軽です。 今日は手は掛かりますが、年に一度の栗絞り。 栗は一晩お湯に浸けてから、鬼皮を剥きます。 栗の底を包丁で落とすと後は割と楽な作業です。 これを牛乳で柔らかくなるまでゆっくりと煮ます。 栗が煮えましたら、一度水で洗って牛乳のカゼインを落としてもう一度お湯で煮ます。 これを蜜で煮含めると渋皮煮。 栗絞りの場合はこの後、渋皮を剥いてしまいます。 栗絞りは栗が崩れても構いませんので、手でも簡単に外れます。
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栗を目の細かい裏ごしにかけましたら、お砂糖を加えます。 今日は贅沢に三温糖! 
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ラップで絞ったら出来上がりです。 栗の下ごしらえは手間が掛かりますが、それさえ済ませれば後は簡単。
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これは秋の上等なお菓子♩ 傷みやすいので保存は冷蔵庫、または冷凍で。 

 

10月になりました。 気温の上下が激しかった9月から、少し落ち着きを取り戻した10月へ。 そして10月の声がすると一年の過ぎる足音が聞こえて来るのです。

秋の早いトロントはそろそろ錦秋の季節♩
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オレンジと緑に染めたこなしで小豆の漉し餡を包んでから木の葉の形に成形。 こういうお菓子は職人さんにはかないませんが、手仕事っぽい鄙びた仕上がりも小さなお集まりならご愛嬌かと思います。
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今週末はカナダではアメリカより一ヶ月早い感謝祭、そろそろターキーの算段をしないと・・・と気が急くのです。 

寒天や葛のお菓子の夏が過ぎ、9月!! 冷凍しておいた白餡と小豆の漉し餡を解凍、こなしを作って久々の練りきりです。
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白餡に少量の水で溶いた白玉粉を加えて少量なら電子レンジへ、これをこねたものがこなし。 色彩をつけて、菊に仕上げます。 餡玉は小豆の漉し餡で。 これは15gの餡玉ですが、私の手のサイズだと12gくらいが良いようです。
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ぼかしを作りますので、無着色のこなしと橙色のこなしを重ねて、これで餡を包みます。
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中央を決めて、糸切鋏で菊の花弁を作っていくので、鋏菊。
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中央に緑のきんとんを箸で添えて菊の見立て。 鋏菊はプロはそれは美しいものを作られますが、大雑把な私の鋏入れでもそれなりに鄙びた姿になってくれます。 鋏菊の場合はこなしは水分を飛ばし目の方が鋏が綺麗に入るようです。 今日のはちょっと水分が多すぎ。
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こちらでも今は菊の鉢植えが沢山出回っています。 洋菓子とは違う発展をした和菓子、季節に添って生きていく日本人に通じますね。


 

寒天のお菓子を試作中です。 角がキリッと立って、かつ口溶けの柔らかい寒天と水の配合、どの位が良いのかなあと。 餡を使う水羊羹に較べると簡単に出来る寒天寄せです。

これは寒天一本の半量に水300g、ミントシロップで色目と香りを添えて、お砂糖で甘さを加減して固めたもの。
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固める際に底に甘煮の黒豆とか甘納豆を川辺の小石に見立てて沈めておきます。 これだけの事ですのに風雅なものです。 寒天寄せですと別に固めた寒天を抜いて沈めたりと色々な事が出来ますが、私はものの姿をはっきり写すものよりこのくらいの感じを好んでいます。 

 

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