November 18, 2008
Twenty Short Pieces for Piano

Twenty Short Pieces for Piano
「スポーツと気晴らし」の楽譜。輸入版。
サティの手書き楽譜をそのまま複写、シャルル・マルタンの挿絵付きと、当時発行された楽譜を意識した作り。
但しモノクロ。
几帳面なサティらしく、音符や記号から楽譜中の詩的な書き込みに至るまで、非常に丁寧に美しく描きこまれており、もはや芸術的でさえある。
音楽と(楽譜の)見た目という、聴覚と視覚の融合を見事に体現した曲集であり、そのような視点から愉しむ上でも、手書きであることのポイントは高い。(例えば「海水浴」では、上下にうねる波を思わせるように音符が配置されている。)
しかし、実際に弾くのであれば、コンピュータで打ち込まれた楽譜の方が使いやすい。あくまで見て愉しむ楽譜だと言える。
輸入版の楽譜というと値が張ることが多いが、1000円程度と非常に良心的。
なお、メインのタイトル表記が「Twenty Short Pieces for Piano」となっており、店頭で探す際には注意が必要。
(YAMAHAでは「スポーツと気晴らし」ではなく「20のピアノ小品集」という表記で販売している。)