こんばんは。いぬもにです。

咲-Saki-阿知賀編、連載五周年おめでとうございます! 

連載は終わって、阿知賀編の続編は出ていないのに、彼女達のその後を
見られる不思議な作品ですね。

阿知賀女子をはじめ、阿知賀編に登場した彼女たちを好きな方には
たまらない展開だと思います。
あー、その反面、清澄の出番が減ってると思うのは被害妄想ですかねー

五周年お祝いのSSを書いたので、お読みいただけたら幸いです。



 【阿知賀女子SS】憧「オトナの味だねー」灼「麦茶だけどね」


二回戦終了後、ホテルに戻った私たちは麦茶で祝杯をあげていた。


「オトナの味だねー」

「麦茶だけどね」ズバアッ

「夏は格別!」


わいわい話しているみんなを眺めていた。

ぼーっと見ていたら、お姉ちゃんが隣で服を引っ張って

(玄ちゃんも楽しも?)

と小声で囁いた。



お茶目な事を言って盛り上げる憧ちゃん、珍しく強く突っ込む灼ちゃん、

更に盛り上げる穏乃ちゃん。お姉ちゃんも冷たいのは苦手なのに

ジョッキグラスに入った麦茶を手にして微笑んでいる。


― みんな、大量失点した私を無言で励ましてくれているんだ! ―


これ以上、みんなに気を遣わせちゃダメ。

みんなの好意を無駄にしちゃ・・・

 
「冷えてて美味しいよね」と言おうとした瞬間に、赤土先生にたしなめられて

何も言えなくなってしまった。


でも、この日。

赤土先生にたしなめられて。ううん、それだけじゃない。麦茶で乾杯した絆が

あったから、私たちは最高のインハイを過ごすことができたんだ!



<5年後>

「玄ちゃん、洗い物が終わったら、みんなのいるお部屋に行こう?」

「うん!今、終わらせるね」


あのインハイから5年。 

お姉ちゃんは松実館の若女将になって、私はプロの道に進んだ。

休暇は、学生の時のように実家の手伝いをしている。掃除や細々とした雑用を

していると、阿知賀女子を思い出して落ち着くから。

でも、今日は久しぶりにみんなと集まっているから、雑用はここまで。

お姉ちゃんとみんながいる部屋に向かった。


「玄ー、遅いよー」

「洗い物だったら手伝・・・」

「そうですよ。みんなでやった方が早いですから!」

「そんな! お客さんに手伝わせたら悪いよー」

「いやいや。その客を待たせる方が悪いよね?さ、早く、座って、座って!」

「う、うん」


毎年夏になると、自然と阿知賀女子OGで松実館に集まって、インハイを観戦する

ようになっていた。 


「今年こそ、連覇して欲しいよねー」

「どの学校も強いから難しいと思・・・」

「でも、今年も阿知賀女子がインハイに出られて良かった!!」

「あはは、シズ、はしゃぎ過ぎ。でも、本当に嬉しいよね」
 
「はい、おビールですよー」

「おっ、宥姉、気が効くぅ!」

「ふふっ、だって、若女将ですから」

「あ、宥さん、注いで回らないでくださいよー。みんなで注ぎあいましょう!」

「玄も座って。座ってくれなきゃ注げないじゃない!」

「はいはい」

「全員、ビール入ってる?じゃあ・・・」

「「「「「かんぱーいっ!!!!!」」」」」


「オトナの味だねー」

「麦酒(ビール)だからね!」ズバア

「夏は格別!」

「「「「「あははははっ」」」」」」

穏乃ちゃんが言った瞬間に、みんな笑い転げていた。


「やだ、何で覚えてるの!」

「先陣を切った憧に言われたくないなー」

「だよね」

「灼ちゃんは微妙に変えたよね」

「宥さん、細かいところまで覚え・・・」

「えー。あの時の麦茶は美味しかったもん。覚えてるよー」


え。

お姉ちゃん、あの時は冷たくて震えていて殆ど飲んでいなかったのに。


「でも、宥姉、あの時は殆ど飲んでなかったじゃん!」

「気持ちだよー。みんなで二回戦を突破できたのも嬉しかったけど、一緒に遊べて
嬉しいなって。そう思っていたんだあ」


ニコニコしながら、当時を話すお姉ちゃんの言葉に涙があふれ出た。


「ほら、玄ちゃん。楽しい会だから、泣かないで?」

「な、泣いてないもんっ!」グスッ

「あーあー、宥さんが泣かせたー。いけないんだー」

「もー、相変わらず、玄は泣き虫なんだから」

「あの時と同じだね。懐かし・・・」


みんなでしんみりした。そうだ、あれから五年経ったんだ。

あのインハイの翌年、赤土先生はプロになって、その次の年には

私がプロになった。まだ、ハートビーツ大宮の補欠だけど・・・


「そうだね。でもさー、玄もそろそろインハイの解説者になってよ。
玄が阿知賀女子の解説したら最高だよね!」

「うん。ハルちゃんの解説も最高だけど、玄の解説も聞きた・・・」

「ですよね!玄さん、赤土先生と一緒に解説してくださいっ!」

「私も玄ちゃんの解説を聞きたいなあ」

「お姉ちゃんまでー」

「玄ちゃんなら出来ると思ってるから。いつまでも待ってる」


お姉ちゃんの真剣な眼差しに、それ以上反論できなかった。


「だからさあ、玄はさっさとレギュラーになって活躍しなよ」

「ハルちゃんと戦ってもいいよ・・・」

「玄さんと赤土先生の試合も見たいです!」


みんなが次々にお姉ちゃんに賛同するようにはっぱかけてくれた。


「うん!レギュラー取って、インハイの解説者できるように頑張るよ!」


プロの世界には、小鍛治プロを始め、強い人ばかり。勝てる自信はない。

でも、みんなの応援に応えたいと思った。もっと強くなりたい。ううん、強くなる!



「じゃあ、玄が解説するインハイを夢見てー。かんぱーいっ!」

「「「「「乾杯っ!」」」」」



<更に5年後>

「ほら、インハイ始まっちゃう」

「宥さん、今年もお世話になりますっ!」

「はい、ビールですよー」

「阿知賀女子の解説がふたり・・・」

「そりゃあ、阿知賀女子から日本代表のプロがふたりいるからね!」

「赤土先生と・・・」

「「「「玄(さん)(ちゃん)!!!!」」」」


<カン>


ここまで読んでくださり有難うございました。ぺっこりん!