こんばんは。なかよしかわ大好き、いぬもにです。

最後のコンクールについて書きたくなって、
とりあえず前編をブログにアップしました。



【響け!SS】優子「最後のコンクール」(前編)


音楽室は昨年よりも少し窮屈になっていた。

就任当時に心配していた音の薄さも大分マシになった。
ううん。
先輩達がいた頃以上に音の厚みが出ている。

これも、吹奏楽経験の新入部員が沢山入ったからだ。
しかも、北宇治を目指して来た実力者ばかりが。


これなら全国、そして全国金賞も夢じゃないと思った。



「滝先生が指導すれば、この部はもっと良くなる」

以前、高坂に言ったのが実現されようとしていて。
私は浮かれてしまった。


中学から吹奏楽経験の私は、後輩とコンクールメンバーを
実力で争う必要がなかったから。

プロに劣らない実力の高坂がいるからソロは無理だけど、
トランペット実力ナンバー2の私はコンクールメンバーに
確定したようなものだった。



「ペットには可愛い後輩が来たの。羨ましいでしょ」

ちょっとだけ煽ったつもりだった。

なのに、アイツは一瞬だけ凄く傷付いた顔をした。

「まあ、低音も個性豊かで即戦力な後輩が来たよ」

いつもよりワンテンポ遅れて、低い声で呟くアイツに
何も言えなかった。


「それに可愛いかどうかより、今年こそ全国金賞を
目指すなら即戦力でしょ」

何を言ってるの?

もし、ユーフォに即戦力が来たら。

アンタは、またコンクールに出られなくなるのに?

「じゃあね」

私には遠くなるアイツの背中を見てるしかできなかった。


不安は的中した。

ユーフォニアム担当の1年の久石奏は、中学から
吹奏楽部にいただけあって上手だった。

そう、アイツよりも。

今年も、コンクールメンバーになれるユーフォが
2人だけなら、アイツが外れる。

まだ、微かに望みがあった。

ユーフォニアムのパートで上下に分かれるところ。

このパートのどちらかがアイツだけなら、
アイツはコンクールメンバーになれる。


でも、アイツはどこまでも公正だった。


「ユーフォは上下パートをどう振り分けたのよ」

「上が黄前ちゃんで、下が久石と私」

「な、何で!」


よりによって、何で久石さんと同じパートを
選んだのよ。

「決まってるでしょ」


それじゃ、それじゃ・・・


「全国大会金賞を目指すなら、高音も得意な
黄前ちゃんが上パートを吹く方がいい。
彼女も上パートを選んだし」

「私は高音苦手だからさ、下パートで
コンクール目指して頑張るよ」

絶望していたのは私だけだった。
アイツは正攻法でコンクールメンバーを
目指していた。

そして、私は全く気が付いてなかった。
私たちの会話を聞いてた人物がいたことに。


<続く>


後編は、これから構想も含めて書きます。

どうするか決めてないですが、前編を
アップしたので最後まで書き上げる予定です。
できれば、今年中に仕上げられたらいいな。


ではでは、ここまで読んでくださり有難うございました。
感謝のぺっこりん!