こんばんは。
秀久美大好き、いぬもにです。

フォロワーさんから「秀久美でカレーライス」の
お題を頂いてTwitterでSSを書きました。

結構頑張って書いたので、ブログにも加筆修正
して載せますね。

【響け!SS】「おさななじみカレーライス」

「カレー食べに来る?うちのカレー、隠し味に
トマト入れてるけど」

久美子が引っ越してきてから、互いの家で
ご飯を食べる家族ぐるみの付き合いをしている。

今日はうちの両親が出掛けてるから、おばさんが
カレーを多めに作ってくれたようだ。

ただ、俺を呼ぶ時はトマトを抜くと言ったのに、
今日に限って忘れたんだろうか?

「大丈夫だよ、うちのカレーのトマトは細かく
刻んでるからケチャップみたいなもんだって!」

俺の表情が曇ったからか、久美子は慌てて
フォローする。

でも、トマトはトマトだよなあ。小さくしても、
あのグニュっとした食感は残るしさ。

「家にいてもスナック菓子ばっかり食べるなら、
うちに来なよ。唐揚げもあるから」

久美子がこんなに熱心に誘うのは珍しい。
普段はおばさんが誘うと嫌な顔をしてる。

それはそれとして。
久美子の家の唐揚げは絶品なんだよなあ。
カレーにトマトが入っていても許せるほどに。

やっぱり、唐揚げのためにも行くか!トマトは
カレーと一緒に飲み込めば何とかなる!

「わかったよ。後で行く」

「うん。待ってるね」

普段なら、おばさんに伝えると言うのに。


一旦、家に戻って寝転びながら、先ほどの
久美子との会話の違和感について考えてた。

でも、わからなかった。

それでも良かった。
久美子の家に行けば、美味しい唐揚げが
待っている。トマト入りのカレーが怖いが。


晩ご飯の時間になったから、久美子に貸す
ジャズのCDを持って家に向かった。

家を出てから30秒で着くからあっという間だ。

チャイムを鳴らすと、久美子が出てきた。

玄関には、久美子の靴しかない。普段はおばさんの
物と思われる低いヒールの靴も玄関にあるのに、
今は茶色のローファーだけだ。

「さあ、入って。ご飯できてるよ」

いつも通りに、リビングに行くとカレーと
唐揚げの匂い。

でも、久美子以外、誰もいなかった。

「あれ、おばさんは?」

「あー、た、たった今、出掛けちゃった!」

この幼馴染は嘘をつく時は目が泳いで、
噛む癖がある。

たった今なら、俺とすれ違ってるんだが
気が付いていない。違和感の正体がわかった。

おばさんが作ったと思わせて、久美子が
全てを用意したのだ。
もしかしたら、俺を呼ぶこともおばさんは
知らないのかもしれない。

でも、嘘を暴いて、目の前の幼馴染を泣かせる訳
にはいかない。

騙されたフリをしておこう。

おばさんなら、俺が来る時はトマト入りのカレーを
絶対に作らないんだってことも胸にしまっておこう。 

「先に食べてて、はい」

出されたカレーは、いつもの黄前家のカレーよりも
材料の切り方が荒くて、唐揚げは少し焦げている。


でも、これはこれで美味しい。

普段のおばさんのお店のと遜色ないご飯に比べると
未熟だけど、俺の好みを熟知したカレーと唐揚げは
もう一度食べたいと思った。

トマトの欠片も入っていたが、気にならなかった。


「ど、どう?私も手伝ったんだけど」

上目遣いでドキドキが伝わる表情は、手伝った
のではなく、久美子が全て作った証拠だ。

最大限の誉め言葉を伝える。

「美味しい。お代わりあったら欲しい」

「ほんと!うん、よそってくるね」

嬉しそうに台所にカレーと唐揚げの器を持って
行く足音を聞いて、俺も嬉しくなった。

意外と、料理できるんだな。

調理実習で久美子が活躍した話は聞かないから
知らなかった。 率先してやるタイプじゃないから
料理ができるのは誰も知らないかもしれない。

「はい、どうぞ」

笑顔の久美子を見ながらの晩ご飯は美味しくて
楽しかった。

<Fin.>



では、ここまで読んで下さり有難うございました。
感謝のぺっこりん!