こんばんは。奏ちゃん大好き、いぬもにです。

たまに、黒いSSも書いてしまうけど、基本は
「物語はハッピーエンドがいいよ!」派
なので、そんなSSを書きました。

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【響け!SS】奏「センパイが口ずさんでた洋楽」

あの先輩が口ずさんでた洋楽。

たしか、中学の定期演奏会で演奏した曲。
すべての曲を暗譜してるから、吹ける。

本番で吹くことなかったソロも。

ソロをあの子に取られた苦い思い出もあるけれど、
今はあの先輩が好きな曲と上書きできて良かった。

誰もいないことを確認して、吹き始める。

別に誰かいても問題なかった。だって、
練習時間外に吹いてるんだから。

でも、あの先輩以外に聴かれたくなかった。
あの先輩は引退して、来るはずないのに。


「おーい、あれ?この曲…」

来るはずない先輩が3-3の教室に入ってきた。

「センパイ?」

思わず、曲の途中で吹くのを止めてしまった。

「いやさー、この教室の子に借りてた物を
返そうと思って来たんだけどさ」

相変わらず、ボサボサのポニーテール。
もう、寒くなってきたし、演奏の邪魔も
気にしなくてよくなったし、おろせばいいのに。

「奏が好きな曲を吹いててくれてビックリした」

ニカッて笑う顔が懐かしい。この顔が見たかった。

何か言いたいのに、言葉にできない。
言いたいことは髪型以外にも沢山あるのに。

「ねぇ、もう一回、さっきの曲を聴かせてよ。
奏の演奏、好きだから聴きたい」

もう、この人は。
私が言葉に詰まってるのに気づいてる。

数ヵ月間で、すっかり色々見抜かれたらしい。

「仕方ないですねぇ。では」

あの曲を吹き始める。
中学の定演ではなく、先輩の口ずさんだ様子を
思い出しながら、吹ききった。

「いいね。ねぇ、テキーラも吹いてよ」

「いいですよ」

植物園の演奏会を思い出す。

でも、旋律はメロディラインにした。小日向さんの
ソロもユーフォにアレンジして吹く。

たまには、主旋律を吹きたくて、勝手に
アレンジするのが好きだった。

ソロを吹かせて貰えない悔しさをメロディを
吹いて鬱憤を晴らしていたから。先輩が
喜んでくれたらと願いながら、吹き終えた。

終わった後、顔を上げたら、興奮した先輩の顔が
間近にあった。

「奏、もう少し時間ある?」

「私も一緒に吹きたくなった。ユーフォを
持ってくるから、待ってて!」

言うなり、楽器室にダッシュした先輩を初めて見た。
私の演奏を喜んでくれたのかな?ドキドキしながら、
髪を整えつつ、先輩を待った。

「お待たせ!テキーラを吹こう!私は普通に吹くから、
奏はさっきのを演奏してよ」

「わかりました」

「じゃ、奏のタイミングで始めよう」

先輩と目を合わせて、吹き始めた。
ふたりで合奏するテキーラはひとりで吹くよりも
植物園の本番よりも最高だった。

また、ふたりで吹けたらいいのにと思った時は、
あっという間に終わってしまった。

「有難うね。すごく楽しかったよ!」

高揚感に溢れる先輩を見るのは嬉しくて、
寂しかった。

「またさ、機会があったら、一緒に演奏させてよ!
奏と吹くのすごく楽しがったからさ」

「はい」

私も、また先輩と一緒に演奏したい。
先輩と合わせることだけ考えて、好きな曲を
笑いながら吹きたい。


夢みたいな演奏の翌日からも洋楽を吹いている。

最近は久美子先輩に頼んで、前年度の洋楽の
楽譜も見せてもらった。

何度か吹けば暗譜できるから。

一曲でもレパートリーを増やして、次に
先輩と演奏する時間を伸ばせたらと。

<Fin.>



では、ここまで読んで下さり有難うございました。感謝のぺっこりん!