• イヌのフィラリア症予防と治療(必ず行ってください)

フィラリア症は、イヌにとっては致死的な寄生虫の病気です。蚊が発生する時期には、フィラリアの予防をしっかりと行いましょう。投与時期は、5月から12月です。また、検査によってフィラリア陽性が確認された場合は、すみやかに治療を始めましょう。

  • ノミ・ダニの駆除と予防(人畜共通感染症の危険あり)

外で飼育しているネコには、ノミが寄生していることがあります。また、草むら等を歩くと、イヌ・ネコともにマダニに寄生されます。これらの寄生虫の駆除と予防は、フィプロニル含有のスポット剤が有効です。さらに、人におけるダニ咬傷が近年問題になっています。西日本では、ダニが媒介するウイルスによる人の死亡事例が報告されています。今後東日本でも、拡大が予想されます。

ダニの予防は動物だけでなく人の健康被害を防ぐ上でも大変重要です。

  • 農薬中毒や誤飲事故防止(死亡事例があり)

農薬・除草剤等の中毒事故が毎年発生しています。殺虫剤や殺鼠剤による中毒も多くみられます。イヌを散歩道で農薬等を使用していないかを確認することが大切です。食品ではタマネギやチョコレートなどが要注意です。さらに、1歳未満の若い動物にみられるのが、人工物(プラスチックや画びょうなど)の誤飲です。いずれにしても、人が薬品や物品の管理をしっかりと行うことが重要です。

  • 疥癬の感染予防(激しく痒がり毛が抜けるときは要注意)

疥癬(カイセンダニ)による感染が、ここ数年多くなっています。媒介しているのは、タヌキ等の野生動物と思われます。疥癬に寄生されると、激しいかゆみと皮膚の炎症が見られます。治療にはイベルメクチン製剤が有効です。また、動物の寝床をしっかりと殺虫することも重要です。ただ、フィラリア予防をしていないイヌには、イベルメクチンをうかつに注射できません。フィラリアの予防をしっかりと行うことで、ほかの病気も防ぐことができます。

  • 雄ネコの尿閉予防(尿閉は命の危険がある病気)

雄ネコが尿閉を起こした場合は、命に関わります。すぐに治療を始めましょう。24時間以上この状態が続くと腎不全や尿毒症を引き起こし、最悪の場合死亡します。頻繁に排尿をしようとする時は要注意です。排尿異常に気を付けてください。原因は、尿中の無機質による結晶です。新鮮な水を常に用意し、餌も下部尿路健康維持のものを利用しましょう。

  • ネコのけんか等による外傷への注意

雄ネコは縄張り意識が強いため、けんかをします。特に繁殖の時期は、頻繁に見られます。けんかにより、外傷を負った場合には、化膿や皮膚の壊死が起きたりします。ネコの皮膚は治りが悪く、自分で舐めたりするのでさらに悪化することもあります。足を引きずったり食欲が落ちたりしている場合は、早めに受診してください。また、咬傷等からエイズや白血病のウイルスに感染する場合もあります。できるだけ屋内で飼うことをお勧めします。

  • ネコの避妊・去勢手術の奨励

雌ネコは、生後6か月頃より発情し、妊娠することもあります。特に屋外で飼育している場合は要注意です。子猫を飼う余裕がない場合は、避妊手術をお勧めします。雄ネコは去勢することで、外に出る回数が減ったり、マーキングをやめさせたりする効果があります。                 

  • イヌ・ネコの腫瘍の早期発見(スキンシップが大切)

雌イヌでは、避妊手術を受けていない場合、乳腺腫瘍が見られることがあります。早期に発見して、手術をすることが望ましいと思います。その他に肥満細胞腫や血管腫等が見られます。早期であれば、手術等で治療が可能です。日頃から、動物の体に触れたり観察したりすることが大切です。

  • 熱中症や脱水症の予防(イヌは暑さと湿度に気を付けて)

イヌは暑さが苦手です。日当たりの良いところや閉め切った部屋、自動車の中に長時間置くことは、命の危険につながります。木陰や冷房等をうまく利用して、暑い季節を乗り切れるよう工夫してください。また、十分に水分をとらせて、水分量の多いウエットフードも与えるようにしてください。

  • 老犬にみられる前庭障害や起立障害

老犬になってくると、前庭障害や後肢の筋力低下により、ふらつきや歩行困難がみられます。いずれも老化現象の一つですが、適切に治療をすることで改善が可能です。老化を止めることはできませんが、遅らせることはできます。このような症状がみられた場合は、受診することをお勧めします。

  • コアワクチン接種について(ワクチンは5種で十分)

ジステンパー、伝染性肝炎、パラインフルエンザ、パルボウイルス感染症を予防するワクチンは、コアワクチンと呼ばれます。コアワクチンは、長い免疫期間を持つことがわかっています。従って、生後まもなくの2回接種と1年後の追加接種をしたあとは、3年に1回で十分であると考えます。