『犬山焼徳利盃館』へのご招待No.7

公共出版物での紹介・その2

平成20年に岐阜県が発行した「ぎふ まちかど美術館・博物館」の紹介小冊子に紹介された『犬山焼徳利盃館』の記事をご紹介します。

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コレクション紹介0007

 






染付花鳥文徳利について

         犬山焼徳利盃館

 館長 土田 晃司

 

今日は渋い犬山焼の代表、染付の徳利をご紹介します。

番傘を閉じた様な形をした、典型的な傘徳利で、一般的には犬山焼の徳利の中では古い形とされている。

筆先が良く走った作品である。窯印もなく底は平らで、犬山焼きの特長とされている捨て釉も付いていない。



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コレクション紹介000

染付花鳥文徳利(江戸末期)

徳 利:75×高165

 右 ST0001E・左 ST0002E

 

 

 

 

 

 

 
 

 

館長随想No.1

 

コレクション収集の条件について
 

 コレクション収集の条件は結論から言うと、「集める物の産地に近い」「安い」「数が有る」の三条件と考えている。

尾張と美濃の国境に住んでいる私は、本当は美濃物を集めたかったのだが、一般的に高価で資金的に継続が困難になり、途中で収集を断念せざるを得ない場面が予想された。

それに一言で美濃焼と言っても、種類は多く、歴史も永く、非常に難しい。或る程度解るまでに資金が枯渇する恐れがある。

そこで比較的解り易く、しかも安価で数も期待できる犬山焼きに目を付けた次第である。

犬山焼の大部分は歴史が浅いのだが、それでも物の新旧は初めからは判らない。

従って買い求めては自分の目を養い育ててゆくしかないのだ。

だから、当初は徳利・盃以外の収集品も多かった。それも勉強代なのだ。

昔から鑑定眼を養うには、物を手元に置かないと力が付かないと言われている。

物を絶えず観て触って、幾つかの物を比較して観ている内に、鑑定の目が肥えると言うことでしょうか。

その甲斐有ってか、今では若い道具屋に犬山焼の新旧について聞かれるまでになりました。

 

昔の物の流れは、川上から川下へ流れました。従って犬山焼の古い物は江南・一宮・笠松・桑名と木曽川の川下へ多く流れています。

著名な収集家が一宮・江南に多いのはその為です。

戦前にも一宮には著名な収集家が居たそうですが、残念ながら戦災で焼失したそうです。

犬山焼は成瀬家の御庭焼風な一面もあって、尾張藩内の城下町には、佳品が流れています。又美濃市には成瀬家の一族が住まいしていたので、ここにも優品が出たとの事です。

何れにしても、幕末までの犬山焼は貴重品で、焼かれた数も限られています。そこで収集品の徳利と盃の殆どは明治以降に焼かれた作品ですが、これが大変バラエティに富んだ焼き物で、私は収集の目をそこに注いだのです。

 

このブログをご縁に犬山焼の徳利・盃にご興味をお持ち頂けたら、是非実物をご覧頂きたく、ご来館を心よりお待ち申し上げます。

 

尚、本館は年中無休・朝9時~21時開館・入場無料です。ご来館の節は、前もってご一報頂ければ幸いです。


 

 

           可児市塩河3431
    TEL&FAX0574-65-6416

     『犬山焼徳利盃館』館長