!自分の心の状態が良くない時、誰もが敵に見える。すれ違う人も知っている人も家族でさえも、みんなみーーーんな。この世のみーーーーんな。気を抜けば涙がこぼれ落ちそうになり、大声で泣き出したくなる。そして、そういう日にライブをすると、トゲトゲしいライブをしてしまって(それがいい作用になることもある)大抵の場合、みんなを遠ざけて終わる。

ちゃんと気づいた。誰も敵じゃないってこと。そうやって人を遠ざけて一番しんどいのは自分やってこと。

あるライブの時、心が疲れていた上に喉の調子も悪く、リハーサルが終わった時には今日歌えるんかなと不安が襲った。とりあえず喫茶店でホットミルクを飲んで、何回も何回も心の中で唱えた。
「誰も敵じゃない、誰も敵じゃない。こわくないこわくない。大丈夫大丈夫」

本番中も何度もおまじないを唱えた。
敵じゃないとわかると心が開いていく。みんなに受け入れられて、みんなを受け入れた。携帯を触っている人も眠っている人も、もちろん歌を聴いてくれている人も、その場にいる全ての人にありがとうの気持ちでいっぱいになって、何度も泣きそうになった。ちゃんと自分の心を自分のものにできて嬉しかった。
自分のことを撫でてあげた。

色んなことを恐れずに生きていきたいし、誰に対しても何に対してもフラットな自分でいられたらなと思う。まだまだ難しいけど。

そういうことを最近は考えている。

そしたらしんごさんに同じことを言われてやっぱりこの人には敵わんなーと思った昨日。

バイト先が改装することになり三週間お休みすることになった。その予定が11月20日からと、なかなか急やから困っていて、まあけど、掛け持ちするいい機会やと思ってバイト情報誌をめくってみたり、インターネットで「田端 バイト」と検索する日々。

家の近所のクリーニング屋さんが募集していたので、今日面接に行った。社長はとても優しいおじさんで、うちが大阪から上京して半年やとわかると「もう東京には慣れましたか?大阪は楽しいでしょう」と言って和ませてくれた。シフトはどれぐらい入れるか、とか、家はどの辺りか、とか今までの面接と同様の質問をされた。社長のiPhoneケースの中には娘さんのものだと思われるプリクラが二枚と可愛いキャラクターのシールが入っていて、家族思いな人なんやろうなぁと微笑ましく思った。

「ご結婚されてるんですね」と聞かれ、「はい、そうです」と答えると、社長は照れ臭そうに「こんなことを聞くのはあれなんだけど、あの、えっと、お子さんの計画とかはされていますか」と聞かれ、「今は結婚したばかりなので考えていません」と答えた。答えた後、心の中が一瞬でくすんでく、罪悪感のようなもので。それは未来の自分になのか、母になった周りの人たちに対してなのか。

計画していたら、例えば子どもができたら、この社長はどんな顔をするんやろう。プリクラの女の子や、シールをくれた子を見るような顔とは反対の顔をするんやろうな。今目の前にあるおじさんが一体何者かわからんくなって、面接が終わると自転車を立ち漕ぎして帰った。ダッシュで帰った。

うちの人生はうちのもん

活動休止とか引退とかそういう言葉の本当の意味はまだよくわからん、難しい。歌を聴きに来てくれる人やライブに誘ってくれる人がおらんくなったら歌わんくなるんやろなと思う。この街でいつまで歌えるんやろかと何度も何度も思うけど、焦るな焦るなと言い聞かす。まだ始まったばかり。

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