米IFI CLAIMS Patent Servicesの発表(2015.1.12)によれば、2014年のIBMによる米特許取得件数は7,534件。2位サムスン(4,952件)に圧倒的な差をつけて、22年連続首位の座を維持しました。

年間7000件超という数字

年間取得件数が7,000件を超えるのはIBMにとっても初ということですが、この数字のすごさをIBMはプレス発表の冒頭で次のように表現しています。

「IBMの発明者が1日平均20件以上の特許を取得したことになる」
--- なるほど平均すればその通りですが、米特許取得件数が「年間」20件という日本の有力企業も結構ありますから、1日だけで20件以上というのは、正に想像を絶する数といえます。

特許資産の「使い方」もより多様に?

これだけの特許をもっていると、先日第19話で取り上げたトヨタのFCV特許のように、様々な『特許資産の使い方』が可能になるのでしょう。というより、特許自体をビジネスの対象とする(と思われる)IBMの活用法は、より多様で、徹底したものとなっているようです。

ライセンスによるロイヤルティ収入が年間10億ドルを超えることは2000年代の早い時期から知られていました。--- 当時は「我が社もIBMのように特許で稼げるはずだ」と思い込むエグゼクティブが急増し、IBMのように特許取得とそのライセンシング/販売技術の構築に莫大なお金と時間をつぎ込むことなしに、ないものねだりをする企業に対し、”IBM-syndrome"ということばが使われたことを覚えています(広く流行った言葉ではありませんが)。

ともかく、当のIBM。最近では特許資産構築が十分でない新興企業などに自社特許ポーフォリオを売却することも盛んです。新興企業が特許紛争への防衛目的で購入するケースが多いため、「世界の知財兵器メーカー、IBM」などと称されることもあります。 

IBM, the world’s IP armourer, at it again with Pure deal” (iam-magazine 6/30/2014 Jack Ellis)
2011年にはGoogleに1023件、2012年 Facebookに750件、2013年 Twitter に900件を売却し、2014年には中国アリババグループが米国市場での新規株式公開前に20件のIBM特許を購入等々。特にTwitterへの売却は、IBM自身の特許侵害警告の結果であったことが明らかになっています。Twitterによる米証券取引委員会への報告の中で、3件の特許侵害への対応の結果、300倍の特許を購入することとなった事実が書かれています。

One important aspect of the Twitter deal that is public knowledge is that it appears to have been the direct result of an infringement complaint made by IBM. Back in November last year, the social media company indicated in a filing with the US Securities and Exchange Commission that it had received correspondence from IBM claiming that it infringed on “at least three” of the latter company’s patents. Less than three months later, Twitter had entered into an agreement to acquire three hundred times as many patents from its accuser.

IBMは2014年の特許取得についても目的の一つは「トロール/NPE防衛」といっていますが(Bernie Meyersonチーフ・イノベーション・オフィサー)、このような活動を見る限り、IBM自身トロール/NPEとの区別がつかないような...。もちろん、Twitterの特許購入は、IBMの一方的な押し付けでなく、Twitter自身の総合的なビジネス判断に基づくものだとは思いますが。

「捨てる技術」も...

実は、IBMは特許取得件数がダントツなだけでなく、特許を「捨てる」件数もスゴイらしいです。 例えば、IBM’s Patent Abandonment Strategy(patently-O 3/1/2012 Dennis Crouch)。次回、このあたりの事情を補足しようと思います。

1/18/2015 ヨシロー


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