朝日新聞(2015.1.24夕刊)によると、米司法省が2014年9月までの会計年度中の1年間に18億6100万ドル(約2192億円)の罰金を集めたと22日に発表。『このうち、罰金が多かった5社はいずれも自動車部品のカルテルへの関与で有罪を認めた日本企業で、5社だけで10億ドル(約1178億円)を超えた』そうです。

情報武装するための英語力アップを目論む本ブログとしては、即、米司法省の発表原文をチェックです。
...それにしても便利な時代になりました。昔は(「ふた昔」前以上)、このような報道に接して原文を見たい場合、「朝日新聞に連絡して原文をいただけるか相談しようか」とか、「つき合いのあるアメリカの法律事務所に入手をお願いしようか。でも入手のためにいくら請求されるか、怖いな...」などと、思い悩む必要があったのでした。 

ともかく米司法省(DOJ:Department of Justice)のホームページへ行くと、ありました


司法省・反トラスト局(Antitrust Division)のプレス発表


FOR IMMEDIATE RELEASE    AT THURSDAY, JANUARY 22, 2015    
 
ANTITRUST DIVISION ANNOUNCES FISCAL YEAR TOTAL 
IN CRIMINAL FINES COLLECTED 
 
The Department of Justice collected $1.861 billion in criminal fines and penalties resulting from Antitrust Division prosecutions in the fiscal year that ended on Sept. 30, 2014.  Contributing in part to one of the largest yearly collections for the division, five of the companies paid in full penalties that exceeded $100 million, including a $425 million criminal fine levied against Bridgestone Corp., the fourth-largest fine the Antitrust Division has ever obtained.  The second-largest fine collected was a $195 million criminal fine levied against Hitachi Automotive Systems Ltd.  The three additional companies that paid fines and penalties exceeding $100 million were Mitsubishi Electric Corp. with $190 million, Toyo Tire & Rubber Co. Ltd. with $120 million and JTEKT Corp. with $103.2 million.  The collection total also includes penalties of more than $561 million received as a result of the division’s LIBOR investigation, which has been conducted in cooperation with the Justice Department’s Criminal Division.  ......

朝日新聞の報道は、DOJ発表の日本企業関連部分をほぼそのまま紹介しています。このDOJ発表は他に、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)レートの不正操作に対する調査の結果徴収した罰金の5億6100万ドル、禁固刑の平均期間(21の個人に対し、平均26ヵ月)を開示し、今後もアメリカ消費者のために悪と闘う決意表明で締めくくられています。


2014年に見られた中国、インド当局の活発な動き

自動車部品メーカーに対する独禁法当局の調査・取り締まりといえば、2014年夏の中国とインド当局の動きがまだまだ記憶に新しいですね。例えば、
 
過去最大、日本車部品メーカーに中国が制裁金 10社に200億円
中国の独占禁止法当局は20日、デンソーや三菱電機、矢崎総業、日本精工など日本の自動車部品メーカー12社に独禁法違反があったと認定し、10社に合計12億3500万元(約200億円)の制裁金を支払うよう命じたと発表した。価格カルテルを結ぶなど業界ぐるみで自動車部品の価格をつり上げる不正行為があったと判断。海外企業を対象にした中国の独禁法違反では過去最大の摘発となった≫日本経済新聞 2014/8/20 

 ≪インド、独禁法違反で自動車14社に制裁金-ホンダやトヨタも 
インドの独占禁止当局は、国内外の自動車メーカーが予備部品の販売について競争を妨げたと認定し、14社に対し計254億ルピー(約440億円)の制裁金を科した。中国でも独占禁止法違反について業界の調査が行われている≫ ブルームバーグ 2014/8/26


インドにおける競争法 - 知的財産適用除外

インド独禁法当局であるインド競争委員会(Competition Commission of India: CCI)が2014/8/25に下した命令書は全215頁。すべては読んでいないのですが、国内および外資系自動車メーカーが純正スペアパーツの販売や修理サービスを認定ディーラーに限定し、オープン市場で扱われることを制限した。それによりスペアパーツの価格や修理サービスの料金を不当に釣り上げたことがインド独禁法(「競争法」Competition Act, 2002)に違反すると認定されています。

215頁もある命令書の内容をここですべて紹介することはできない(スペースだけでなく、知識・能力もない)ので、個人的に最も関心のある「インド競争法の知的財産権適用除外」について少し触れておきます(CCI命令書p.185 "Availability of the IPR exemption under Section 3(5)(i) of the Act"という小見出しパート)。

競争法第3条(5)(i)は、インドの特許法、著作権法などによって与えられた権利(知的財産権)への侵害を権利者が抑止する権利、あるいは知的財産権を守るために必要な合理的制限を課す権利は、本法(競争法)によって制限されることはない、と定めています。

Section 3(5) in the Competition Act, 2002

(5) Nothing contained in this section shall restrict— 
(i) the right of any person to restrain any infringement of, or to impose reasonable conditions, as may be necessary for protecting any of his rights which have been or may be conferred upon him under: 
  (a) the Copyright Act, 1957 (14 of 1957); 
  (b) the Patents Act, 1970 (39 of 1970); ...... 
特に日米欧の外資系自動車メーカーは知的財産保護に対する適用除外規定に依拠したのですが、CCIはこれを認めませんでした。その理由は、...... 

長くなりそうなので、やはりこのトピックは第23話として改めて取り上げることにします。

1/26/2015 ヨシロー



↓ 一押しいただけると嬉しいです。     

                 
ビジネス英語 ブログランキングへ

 
         にほんブログ村 英語ブログ ビジネス英語へ       
にほんブログ村