12年の非特許独占期間、特許保護の可能性、競合出現前の市場把握の期待…、生物製剤薬価競争イノベーション法(BPCIA)がもたらした最も重要なものは、「バイオシミラー」の導入ではなく、このような利点をもつ「バイオベター」へのインセンティブかもしれない≫  ”Biobetters: The Advantages And Challenges Of Being Better” (mondaq.com 7/1/2015 Irena Royzman and Andrew D. Cohen Patterson Belknap Webb & Tyler LLP)

「バイオシミラー」(biosimilar)について知ったばかりというのに、「バイオベター」(biobetter)という新たなことばに出会いました。バイオ医薬業界の方から見れば特に目新しいものではないかもしれませんが、知財・法務戦略という切り口で書かれたこの記事は、私にとってまたひとつ知識を増やすいい教材になりました。

大よそ、こんなことが書かれています。


BPCIAの成立 - 「バイオシミラー」競争の舞台整う

2010年3月にオバマ大統領の署名を経て成立した「生物製剤薬価競争・イノベーション法」(Biologics Price Competition and Innovation Act of 2009: BPCIA)は、「バイオシミラー」が簡略手続きによりFDAに承認されるための道をつくった。

2015年3月6日 BPCIAに基づくバイオシミラー第1号がFDAにより承認される。サンド社が、アムジェン社の先発バイオ医薬"Neupogen®"のバイオシミラーとしてFDAに提出していた"Zarxio®"。その後もFDAは、4件のバイオシミラー申請を審査中。その他有力バイオ医薬のバイオシミラー申請が間もなく提出される見込み。


バイオシミラー競争激化への対策:「バイオベター」 
 
バイオシミラーの急増などにより、情勢が変化しつつあるバイオ医薬の世界で、多くのイノベーターやバイオシミラー・メーカーが目論んでいるのが、「バイオベター」の開発。

 「バイオベター」とは、先発バイオ医薬と基本的に同じ効果をもたらすことが期待されるバイオシミラーに対し、先発薬より高い効果をもたらす改良品をいう。したがって、販売承認を得るための前臨床、臨床のデータを完全に備えた生物製剤承認申請(Biologics License Application: BLA)が必要とされる。

バイオベターの例:
アムジェン社 "Neulasta"  ー アムジェン自身のバイオ新薬 "Neupogen”のバイオベター。投与回数が少なくて済み、2014年売上は先発薬"Neupoge"8億8000万ドルに対し、380億ドル!
 

バイオベター戦略

実例1) PEGylation(PEG化)利用バイオベター。成功したバイオ医薬をさらに長時間作用させるために利用することができる。前出アムジェンの"Neulasta"もこれ。

  • ロシュ社"Mircera"は、アムジェン"Epogen"(貧血症治療薬)のバイオベター。2007年にFDAは ”Mircera"を承認。"Epogen"が週1回の投与を要するのに対し、"Mircer”は月1回の投与ですむ。
  • バイオジェンIdec社”Plegridy"(多発性硬化症治療薬)は、自社の"Avonex"の長時間作用薬

実例2) 成功した先発抗体医薬品のバイオベター
オリジナル抗体のフラグメントを利用して、抗体の効用を保持しつつ、デリバリーや安全性でさらなる改良点を提供する。

  • ロシュ社 "Lucentis"(加齢性黄斑変性症および浮腫治療薬)は、自社のAvastin抗体(結腸がんなどの治療薬)のフラグメント。フル抗体よりも目の網膜に浸透し、"Lucentis"のみが眼科用として承認されている。
  • 最新例:ロシュ社 "Kadcyla"  2013年承認 … ロシュの乳癌治療薬ブロックバスター "ハーセプチン"抗体のフラグメント複合体

 ... 辞書を引きながらなのでかなり時間がかかるため、今回はここまで。3連休の残りを使って後半を取り上げます。それにしても、新しいといいつつもバイオベターの例は決して少なくはないのですね。

 (後半)
バイオベターの利点
  • 商業上の利点:
  • 特許上の利点:
  • 薬事法上の利点および非特許排他権:
バイオベターの課題
今後の展望


7/20/2015 ヨシロー  日付が変わってすでに3連休最終日になってしまった...


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