「あなたは前のダンスパートナーよりいい。しかし、まだパーフェクトではない」... 途中まで完璧だったパテントダンスが「認可前の上市通知」により台無しにされた、とアムジェンはパートナーを非難する。 

半年前こんなタイトルを目にしても、私には理解不能で素通りしていたと思います。少なくともいま、引っかかるようになりました。 "You’re Better Than My Last Dance Partner But Still Not Perfect: Amgen Alleges that an Otherwise Complete Patent Dance Was Ruined by Pre-Approval Notice of Marketing" FDA Law Blog 8/17/2015  James C. Shehan

前のダンスパートナーとは、アムジェンの"Neupogen®"のバイオシミラーに対し初のFDA認可を得たサンド社のことです。ダンスに応じないサンドとの訴訟については、ここでもいくつかとりあげています。『第55話:速報!アムジェン v. サンドのバイオシミラー訴訟でCAFCが判決 - とりあえず「両者痛み分け(?)」の結論に』(7/22/2015)他

そして、今回アムジェンが提起した新たな訴訟。その相手は、カナダの大手ジェネリック薬メーカー、アポテックス社。2015年8月6日、フロリダ南部地区連邦地裁に提訴したということです。Amgen Inc. v. Apotex Inc. (SDFL, filed Aug. 6, 2015)

ちなみに、サンドとの訴訟対象はアムジェンの"Neupogen®"のバイオシミラー。今回のアポテックス訴訟の対象はアムジェンの"Neulasta®"のバイオシミラーですが、この"Neulasta®"は"Neupogen®"の「バイオベター」ということですね。(『第54話:これからは「バイオシミラー」より「バイオベター」(?) ...何がどれだけベターなのか』7/20/2015)... 少しずつ業界用語を覚えてきました(あくまで表面的ですが)。



この訴訟も争いの構造自体は、サンド社との訴訟とほぼ同じです。すなわち、BPCIA(生物製剤価格競争・イノベーション法)の規定に基づきバイオシミラーの簡易新薬申請をFDAに提出した相手と、先発薬メーカー(対照薬スポンサー)との間で行われる、効率的に特許問題を解決するための情報交換手続き(いわゆる「パテントダンス」)規定の順守をめぐっての争いです。 

大きな違いは、アムジェンとアポテックスの間では新法に基づく情報交換手続きが途中まで実施されていたということです。サンド事件と同様、この訴訟もまさに"first impression case"(先例のない事件)として注目されそうです。

FDA Law Blogによれば、 
 

「当初はうまくいっていた二人舞踏だったが、アポテックスが、351(k)条による簡易新薬申請への  FDA認可を得る前に、上市通知を出してきたことにより、台無しになった」とアムジェンは非難している。

 

(But) this beautiful pas de deux has been marred, according to Amgen, by Apotex’s providing notification of commercial marketing prior to FDA approval of its Section 351(k) application, or Abbreviated Biologics License Applications ("ABLA").



途中までは順調だったパテントダンスとは、どのように演じられたのか。どのようにつまづいたのか。
アムジェンがフロリダ地裁に提出した訴状(Complaint)から、具体的に見ておこうと思います... 次回第59話・続きにて。


8/27/2015  ヨシロー



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