SEP(標準必須特許)のライセンス契約などをめぐり世界各国で法廷闘争を展開したアップル・クアルコム間の和解成立後、益々注目度が高まるFTC v. クアルコムの反トラスト法訴訟の行方。前回は、この反トラスト法訴訟が行われているカリフォルニア北部地区連邦地裁に対し、司法省(Department of Justice: DOJ)反トラスト局から意見書(Statement of Interest)が提出されたことを紹介しました(『第136話:アップルとの和解成立後、注目度が高まるFTC v. クアルコム反トラスト法訴訟の行方 ... 司法省も異例の意見書提出』5/10/2019)。

極めて異例といわれるDOJからの意見書提出(5/2/2019)からちょうど一週間後の5月9日、この意見書に対するFTCの回答書がカリフォルニア北部地区連邦地裁に提出されました。全2頁で本文は10行にも満たない短いものですが、DOJの意見書と同様、その行間に含みが込められています。


PLAINTIFF FEDERAL TRADE COMMISSION'S RESPONSE TO STATEMENT OF INTEREST FILED BY UNITED STATES DEPARTMENT OF JUSTICE ANTITRUST DIVISION
Filed 05/09/2019    (FTC v. Qualcomm, NDCA, Case No. 5:17-cv-00220-LHK)

「FTCは、米司法省反トラスト局提出の時機を逸した意見書について、FTCとしてそれに参加することも要請することもなかったということを明らかにしておくために、この短い回答書を提出する1)。...」
注1) 意見書を認めるか否定するかは、地裁の裁量に委ねられている。e.g. LSP Transmission Holdings, LLC v. Lange, 329 F.Supp.3d 695, 703-04 (D. Minn. 2018)...
 
上記は回答書の最初の一文ですが、「余計なことはしないで欲しい」という感じがします。
この後も、「DOJの意見書は、すでに救済について地裁が行った命令や当事者のブリーフィングを無視している」、「適用法についての誤解がある」などピシャリと言っています。そのうえで「裁判所から要請がない限り、これ以上のコメントは控える」と。

*回答書原文は、トーマス・コッター教授のブログ記事でリンクを張ってくれています("FTC Tells DOJ to Back Off" Thomas F. Cotter, Comparative Patent Remedies 5/10/2019)。コッター教授によれば、FTC回答書の「最初の一文がすべてを語っている」ということですが、教授の記事タイトルもさらにコンパクトにすべてを語っていますね。
最初の一文(原文) --  "The FTC files this short response to the untimely Statement of Interest submitted by the Antitrust Division of the U.S. Department of Justice to clarify that the FTC did not participate in or request this filing."

さて、事態はどう展開してゆくのでしょうか...


5/12/2019  ヨシロー





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