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テストも補習も終わり、通常の部活に戻った。



俺は相変わらず、インターハイ札幌予選での反省点の練習をしていた。



バックドライブは、殆ど習得していた。と言うのも中三の頃にも練習していたし、元々バックは得意だったから。


攻撃の練習が、自然と増えていた。


何故かというと、やる気のない部員は「カット打ち疲れるから嫌だ」と言い、俺は「じゃあ俺攻撃しかしませんので」と言う展開が多かった。


疲れるから嫌だと?何言ってやがる、疲れない練習など無い。と内心思っていたが、それは言えなかった。


その分、龍田さんと久保田さんで、カットの練習をしていた。


特に龍田さんはパワーがあるので、俺のカットをカット打ちできる唯一の人だったので、ありがたかった。

久保田さんは俺のカットをつっつくので、「一平対策」の対策ができた。



俺は回転のあるドライブをフォアカットで切ることは出来ても、バックはなかなか難しかった。


何故かと言うと、フォアはチャックでスポンジが威力を吸収してくれるので、切れるが、バックはノンチャックでラバーの厚さの薄なので、ボールの下を思い切り擦るので、オーバーしやすかった。


バックのラバーを730からもっと柔らかいラバーにしようか悩んだが、730は卓球を始めてからずっと使い続けており、粘着力が強いのが良かった。

硬いからこそ、つっつきや回転のかかっていないドライブは切ることが出来たし、攻撃もしやすい。つまりは応用力があったので、変えることはしなかった。





攻撃からのカット切り替えしは、正直しんどかった。

フットワークを使うのが大変なのではなく、タイミングを見計らわないと、後ろへ下がることが出来ない。

攻撃したらすぐ後ろへ下がる態勢を取るのが難しかった。




後陣でのドライブは、引き合い(ドライブ対ドライブ)の練習で、出来るようになってはいたが、バックの後陣ドライブは諦めた。


それはバックのラバーが薄なので、スピードがどうしても出ない。


だったら回り込めばいいとも考えたが、それなら、バックカットに切り替えた方が得策だと思い後陣での攻撃はフォアのみにした。


フォアは下手な俺だが、かなり練習したので、確実に出来るようになっていた。







苦労したのは、カットで粘る事、そしてブレ玉対策だった。



カットで粘る事、それは、苛々する。


正直、性に合わない。性格の問題。それでも、攻撃できない場面はあるだろうと、龍田さんにとにかく攻撃せずに粘る練習をしていた。苛々しながら(笑)



そして、ブレ玉対策も苦労した。


北海にはバックが表ラバーの選手が4人いた。太田さん、村岡、村石さん、志賀さん。



残念ながら、レベルが著しく低すぎる。


「カット切りますんで、つっついてください。」


と言っているのに、つっつきをネットミスする、ブレ玉どころかラバーがスリップしてただのチャンスボールにしかならない。俺が攻撃をした後攻撃同士のラリーがしたいのに、レベルが低いのでラリーにならない。


話にならない。



なので、OBの熊谷さんや大浦さん(共に左利きバックラバー表)が来てくれた時は、久保田さんに断って優先的に俺が相手をさせて頂くことにした。


とっても練習になる。俺なんかより、全然レベルの高い二人だからだ。


攻撃しても、ブロックされるので、連続攻撃からカットへの切り替えしも練習出来た。


本当に感謝していた。


他にも札幌市役所の鈴木さんもたまに来てくれていたので、カットで粘る練習が出来る。

鈴木さんの場合、苛々しない。何故なら、俺が攻撃できるような甘い球を返して来ないから。



久保田さんは、主将である阿部さんに頼んで、龍田さんより優先的にお客様の相手を俺にしてくれた。



久保田さんと龍田さん以外の部員とは練習にならない。




そしてサーブ練習は毎日久保田さんに教えてもらった。


フェイクのストレートサーブは大分上達したが、どうしても横上を出したつもりでも、横下になることが多かった。



「ま、まぁ、これはこれでいんじゃね?」


と久保田さんも諦めモードに入りそうになっていたが、どうしても納得が出来なかった。



「本当にすみません!どうしても出来るようになりたいんです!」


と、俺も引き下がらない。



下手したら、ブレ玉対策より苦労していた。









日に日に、俺は苛々を募らせていた。それは横上が出ないからじゃない。


部員のやる気の無さが、どんどん蔓延していったからだった。


特に一年の村岡と高井は顕著だった。練習を遊びの様にしていた。




お前ら、部員の中でも1位2位を争うくらいの弱さなのに、なぜ一生懸命やらない?


強くなりたくないのか?


インターハイで、出番がないからか?


部活は所詮部活としか考えていないのか?






俺には理解が出来なかった。全く理解が出来なかった。


阿部さんも注意をしなかった。いや、したことはしたが、変わらなかった。


二年は久保田さんと龍田さん以外やる気がなかった。


一生懸命やっている「フリ」をしていた。ただこなすだけ。それに一体何の意味がある?






強くなろうとしないで、練習の何の意味がある?




それでも俺は、笑って済ますしかなかった。俺がキレたところで何も変わらないだろうし、そんな立場でもない。




俺は俺で、やれることをするしかない。



殆ど諦めだった。はっきり言ってやる気の無い奴らを軽蔑していた。



私立の授業料の高い高校に入って、部活にも金がかかるというのに、入らせてもらって、部活もやらせてもらって、そのご両親へのありがたみを分からない奴は屑だと思った。



でも、それもあくまで俺のエゴ。


その意見を押し付けることはエゴイストだ。


俺はリアリストでいたかった。それが俺の色々な面でのプライドだった。













苛々を募らせながら練習の終わったある日、金山からメールが来ていた。


金山は中学の頃からの友達だった、尚志の一年で一番強く、団体戦にも出ていた。


少し話はずれるが、札幌の強豪校の中の一年で、実力があり、結果を出していたのは、北海の一平、尚志の金山、龍谷の宮島、の三人だけだった。


色んな人達から話を聞いていたが、一年の内から結果が出るというのは、やはり一握りでしかなかった。


この三人の実力は、俺の独断でしかないが、1宮島、2一平、3金山だと思っていた。


金山、読んでいたらすまん、別にお前を見下していた訳ではないのだよ・・・



金山は中学で初めて全国へ行っていたが、俺とお互い「全国へは行けるのに優勝はなかなか出来ないねぇ」と話していた。


俺は金山を羨んでいた。何故なら、尚志の選手の層は北海とは比べ物にならないくらい厚かったからだ。

ダブルエースの羽田さん、菅原さん。カットマンの水戸さん、鈴木さん。とにかく攻撃の中村さん。


お客様もきっと北海より沢山来ていただろうし、練習相手は飽きるくらいにいただろうに。









話を戻す。



メールは「テスト終わった?」だった。



「終わったよ。世界史9点だった(笑)」


「俺も赤点ばかりだった。でさ、今度飯食いに行かね?」


「ん?良いけど、サシ?」


「いや、羽田さんと水戸さんとで。」









Why?








何故その人選?




羽田さんは、閉会式で少し話しただけだし、水戸さんに関しては、全く関わったことが無かった。


まぁ、人見知りするキャラでもないし、細かい事は気にしないことにした。


「いいよ、いつ?」



「来週の日曜。」



「その日は調度良く17時に練習終わるわ。」



「うん、知ってた。だからその日ならいいかなと思って。」



なんで知ってんだ?まぁいいか。



「いいよ。何処?」



「うちの近くにあるしゃぶしゃぶ屋。」



「うち」と言っても、北海高校と尚志高校はかなり近くにあったので、好都合だった。



「しゃぶしゃぶなんて、外で食ったと事ないわ。いいよ。18時には確実に行ける。」



「その後カラオケに行く予定。」



「いいねぇ。ストレス発散になるわ、ありがたい。」



「そのカラオケには栗山さんが合流予定。」








Why?






再び謎の人選。何故そこに更に光星の栗山さんが?まぁ、いいか。






「あいよー。しゃぶしゃぶはなんて店?」



「店名忘れたわ、うち来てくれたら、案内する。」



「了解。」






この日にストレスを発散しようと、少し糧となった。































好きな時に泣いて、好きな時に安らいで。
シンプルな事だったはずが、難しかったりする。