貸与
2017年01月26日
日本、中古の装備品供与に向けて法整備へ
「自民党の国防部会と安全保障調査会の合同会議は25日、自衛隊が使用した中古防衛装備品の海外への無償譲渡を可能とする自衛隊法改正案を了承した。政府・与党は今国会中の成立を目指す」と、1月25日付の毎日新聞が報じた。
現行の財政法では防衛装備品の無償譲渡を禁じている為、自衛隊法に財政法の特則を盛り込む。発展途上国が災害対策、情報収集、教育訓練などの目的で譲渡を求め、防衛相が能力向上支援に必要と認める場合、無償譲渡または時価より低い価格で売却できるようにする。また、相手国との間で、目的外使用など禁じる防衛装備品・技術移転協定を締結することも義務付けた。
「経済力の乏しい途上国が自衛隊の装備品を導入しやすくし、共同訓練などの防衛協力につなげる。東アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などとの連携を深め、南シナ海の軍事拠点化を急ぐ中国をけん制する」狙いがある。(日経)
自衛隊法や防衛省設置法など関連法の改正案を20日召集の通常国会に提出し、成立を目指すという。
現行の財政法では、自衛隊の装備品など国の財産を他国などに提供や貸与する際は、適正な対価を得るように義務付けられている。昨年10月、日本政府がフィリピン政府に海上自衛隊の訓練機「TC90」を貸与を決定した際も、フィリピン側は無償供与を求めたが、財政法により有償となった。同訓練機5機を年間9000万ドルで貸与している。
改正案は財政法の特則を新設し、中古の航空機や船舶を途上国に無償で提供または貸与したりできるようにする。「途上国はコストをかけずに警戒監視の能力などを高められるようになる」と同紙は指摘した上で、「防衛省幹部は『中国が影響力を強めているASEANや南アジア諸国との装備協力につながる』」と話した。
また、朝日新聞は、「政府は今後も東南アジアの国々に対し、『災害救援』などの名目で練習機などを譲渡していく方針」と述べた。
an Arms Watcher
記事元
毎日新聞
自衛隊法、防衛装備品、譲渡可能に 改正案を自民部会了承
日本経済新聞
自衛隊の中古装備品、無償で途上国に 中国にらみ連携朝日新聞
自衛隊の中古装備品、他国へ無償譲渡可能に 政府方針2016年10月27日
海上自衛隊訓練機、フィリピンに貸与へ
フィリピンのデトゥルテ大統領が訪日してい中、日本とフィリピンは、海上哨戒任務用に日本の海上自衛隊のTC90訓練機を貸与する事で合意し調印が行われると、10月26日付のABS-CBNは報じた。
フィリピン側からはRaymundo de Vera Elefante国防次官が出席し、5機のTC90訓練機を年間9000ドルで貸与され、毎年更新が可能だ。
日本政府関係者によると、当初日本側は同訓練機を譲渡する方向で検討していたが、国有財産を無償で供与したり実際価格より安く売却することを禁じた財産法が障害になっていたと、ロイターは伝えている。中古の市場価格3000万円程度で売却する事をフィリピン側に打診したが、無償供与を求めるフィリピン側と折り合わなかった。財産法を変える案も浮上したが、時間がかかりすぎるために却下された。
an Arms Watcher
Philstar
Japan to lease 5 surveillance aircraft to Philippines
ABS CBN
PH, Japan to sign lease agreement for 5 trainer aircraft
ロイター通信
日本が比軍に自衛隊を貸与へ、譲渡できず苦肉の策