2010年07月15日

なんでだろうう? と思うこと

抜けるような青空を見上げ、ぽっかりと浮かんだ雲が
ゆっくりと風に流される空を見上げて、
ふと考えたことがある。

あれ? 俺なんでこんなところで、こんなことしてるんだろう? これでいいのかな? と。

あの何とも言えない虚無感の到来を、
私はかなりはっきりと覚えている。

それは22歳くらいの時のことだった。
羽田の整備場であっちこっち汚れだらけになり、
何度もドライクリーニングされて繊維自体も痛んだ
白いつなぎを着て、昼休みに空を見上げていて
何度もそう思ったことがあった。

思えば、それが鬱の始まりの兆候だったのだろう。

別に仕事に絶望するような状況ではなかった。
プライベートに問題があることもなかった。
毎日の忙しい時間の中で、何もしなくて良いという昼休みという時間が、
なぜ突然に、私の心にぽっかりと不安を届けたのかがわからない。

あの時みた空は何度でも思い出せる。
しかし、あの時何を感じて何に不安を覚えたのかは、
何度考えても思い出せないのだ。

人はある時期、何にでも疑問に思う頃がある。
母親の背中をしつこく追い回しては
「お母さん、お母さん、これなぁーに? これなぁーに?」
一日に何度も何度も同じ質問をしたことがあるはずだ。
大概の親達は、そんな子供の行動に辟易する。
毎日永遠に繰り返されるかのような質問攻めに
我が母はちゃんと答えてくれたのだろうか?

世の中にゴマンとある不思議に興味を持つのは自然なことだろう。
例えば人間の指が5本あるということ。
だがしかし、人間は自分が見て触れるものに興味は持っても、
自分自身に対して案外そういう疑問を持たないものなのかもしれない。

人間の指が5本であることは誰が決めたのだ?
神がそうヒトを作ったからだ。
そう答えることもできるだろう。
しかし、世界にはそういう誰もが答えに困るような疑問が
実に山のようにあるのだ。

子供が大人になるということは、
そういう事が不思議だと思わなくなることなのかもしれない。

蒸し暑い夏の夜、子供部屋に吹き込んできた強い風に乗って
カナブンが部屋にブーンという羽音と共に迷い込んできたことが度々あった。
いきなりバチンと顔に当たったカナブンに驚きはしたが、
パタンと着地したカナブンの、あの虹色の美しさに
瞬時に心を奪われ、なんでこんな綺麗な色をしているのか?
立ち止まったり、這ったりするカナブンを指でつまめば、
足をジタバタとさせた。
腹側の複雑な構造が面白かったりして、じっくり眺めたりもした。
飽きることなくカナブンと遊んだあと、
そっと外に帰したことが何度かあった。
畳に足先をがっちりとひっかけると、カナブンは凄く力があった。
そういうひとつひとつに私は不思議や感動を覚えたものだ。

大人になってカナブンと出会うと、
そういう子供時代に湧いた気持ちを懐かしむだけだった。
ただ懐かしいという感覚が湧くだけだった。
あまり不思議に思うことはなかったのだ。

では何故、22歳になったあの頃、
自分の生き方はこれでいいのかな?
と自分の人生を不思議がったのだろうか?
昼休みの太陽と青空が私に子供の心を送ったからだろうか?

いや違うだろう。
人は遅かれ早かれ生きる意味を悩むものだからだ。
問題はそこから先だろう。
そこからどこに向かって、何を指標として歩くかなのだろう。

残念なことに、私は何に従い、何処にいけばいいのか
分からなくなったのだろう。
もしかすると不思議なことの答えばかり探していたのかもしれない。
だがしかし、それも過ちではないはずなのだ。

人間の指が5本あることに、理由が無いわけではない。
理由らしきものはある。しかし、それに誰も確実な答えを持たないだけなのだ。

自然界に生きる多様な生物を眺めていると、
人間のように向かい合った指を手を持つ種は意外に少ない。
何かを安定して行うために必要なのは最低限3本あれば事足りるのだそうだ。

例えば鳥の足などはその良い例。
前方に長く伸びた部分は多くの種は3本のはずだ。
その3本は後ろに伸びた部分と向かい合って曲げることが出来る。
それで
物を掴むという機能を与えられているのだ。
彼らが難なく枝に止まれるのは、そういう足を持っているからだ。

動物が安定して歩くには最低限3本の足が必要なのだそうだ。
だが、この場合、1本を地面から離した時に非常に不安定だ。
だから、本当の意味で安定する足の本数は4本が理想だということらしい。

もしも、足が5本も6本もあったなら、
歩く、走るという機能が複雑になりすぎる。
だいたい見た目がキモイ(足)
タコの足は8本だぞ! とか言わないように(笑)
あれは触手であって、歩行する為の足ではないのだからね(^^)

どこぞの国のタコが話題になったけど、
パエリエにされなくて良かったですね(笑)

つまり、生物はそうして進化の過程で最も効率の良い形態を
選んできたわけだ。

だから人間の指にも同じことが言えるのだ。
向かい合った指を持ち、複雑で細かな作業を
最も効率の良く行える本数として、片手に5本という本数を
選んだのだと言えるのだ。

不思議なことではあるが、それが自然の法則なのだろう。
考えても観察しても研究しても、
そうそう答えの出ない不思議ではあるが、
そこには間違いなく法則があるのだ。

つまり、私たち人間は今現在の環境に
理想的に生きられる形態を持って生まれてきたということだ。
体がそうなのであるなら心だってそのはずだ。
理想的な心を持って生まれてきたはずなのだ。

科学や哲学は、まだ自然界の法則や、人間の心の半分をも知っていないだろう。

ならば、人間は何を頼りに生きればいいのか?
初めから理想的であったという法則があると信じ、
かつ、不思議に思う気持ちを失わないことが大切なのだろう。
そして自分なりに納得できる答えを探す姿勢だろう。

だが人間は生まれながらに理想的であるのだから、
無理に答えを見つけ出す必要もないのだ。
答えが見つけられなかった時は
いまの自分が理想だからいいのだ。と、そう開き直って思うのが良いのだ。

それこそが人生なのだろうし、
生きる意味なのだろう。
天才バカボンのパパのように生きればいいのだ。
「これでいいのだぁ〜!」とね(笑)

もし、自分の人生が「なぜテレビは写るのか」のように
簡単に解き明かせてしまったなら、
きっとつまらないものになるのだろう。
全てを知ってしまったうえで生きるなど苦痛でさえあると思える。
いや、間違いなく苦痛だろう。
アナタは何月何日に死にますと言われているようなものだからね(笑)
だれがそんなことを知って人生を楽しめるというのか。

知らないから、分からないから、人生は面白いのかもしれない。

IMG_2957


この絵は2005,6年にデジタルで描いたもの。
こういう絵、今も嫌いではない。

ただ思うのは、あーこの頃はこういう絵が描きたかったんだな。
楽しんで描いて、完璧とはいかないまでも、
出来る範囲で理想として完成させたのだろうな。
眺めていてそんな思いがよぎった。
なにより、このキャラには元気を感じるし、
眼にも生気や人生の楽しさを感じる。
こういう描き方は私の大好きなイラストレーター
鶴田 一郎さんの影響が色濃い。
かつて、ノエビアのCMで脚光を浴びた人といえば
すぐに分かるんでしょうね。
「理想の線を捜し求めて」という氏の言葉が私は大好きだ。


もう毎日の自分に理想を求めるのはやめようと思う。
肩を怒らせて「やらなくちゃ! 何とか上手くやらならなくちゃ!」なんてしなくても、
楽しんで、今出来ることをして、作る姿勢さえあれば
出来上がったものは、その時その時の理想形なのだから。

大切なのは人生を途中で諦めずに歩き続けること。
絵だって同じだ。また明日描こう。
一番大切なのは、そういう気持ちを失わないことなのだし。

今夜は窓でも開けておいたら、カナブンが舞い込んで来てくれるといいなぁ。
随分、あの綺麗な背中を見ていないもんなぁ〜。
あれは本当に綺麗なんだ。
玉虫も綺麗なんだけどね(^^)


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コメント一覧

1. Posted by 桜餅   2010年07月15日 22:08
これで、いいのだぁ〜 ♪
天才バカボンの歌に
すっごい深い意味があったんですね!(笑)

少しずつ、答えを見つけ出しているようで…

カナブンで遊んでたって全然知らなかったなぁ
昔、虫や爬虫類は苦手だったけど
今は綺麗だと思えるようになったかな
毛虫を手に乗せろとか言われたら無理だけど

私は、空を見上げると恐怖感に襲われます
巨大な空の中に吸い込まれそうな…
自分が、ちっぽけな存在だって気づく瞬間?
自然界の不思議、考えるとたくさんありますね




2. Posted by イプシロン   2010年07月16日 14:44
だって「天才」ですからね!(笑)

答えらしきものは出ても、
すぐに実行できるわけじゃないところがミソです(笑)

昔は東京も窓を開けていれば
昆虫くらい入ってきたんですけど、
今は昆虫のこの字も入ってこないですよ。
寂しい限りです。

空はいいですよ〜!
飛べたら最高ですけど。
それは出来ないんですよねー、残念!(笑)

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