2016年02月18日

怒り、その2【読まなくていいです】

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 この表紙のイラストほど、アダルト・チルドレンをわかりやすく表現したものはない気がしましたね。
 本屋でこの本を手にしたとき、そう思った。
(ああ、そうだね、洋服や靴には色彩があってさ、現実に存在しているしっかりした感覚があるんだけど、自分という存在が異常なまでに希薄だから、人物には表情もないし、生気もないし、表紙の色と同化してるってことで、それを伝えたいんでしょ)
 ということがすぐにわかった。そして、空恐ろしさを感じた。

 そのとおりですよ。
 わたしの感覚は、今でもそうですからね。
 あるのは怒りだけ。ありとあらゆるものに対する怒りだけ。

 強烈なまでの自己不在感。
 自己、すなわち自我がなんなのかがわからない、自分が何をしたいのかすらわからない。だから、自分をどう愛すればいいのかもわからない。愛しているようだけど、それがすごく偽善的だと自分で気づいている。自尊心? それっておいしいの? そんな感じなんですわ。笑っちゃうくらいそれがわかる。本当に欲しいものを買おうとすると襲ってくる罪悪感とかわかります?
 ブックオフに行ってさ、
「あーこの本、前から読みたかったんだァ。でも、今はそんな場合じゃないかも……」
 そうやって、誰が見てるわけでもないのに、ひたすら“よい子”であろうとする。くだらない強迫観念。
 読みたいという気持ちと、よい子でいなくてはという気持ちがぶつかりあって、冷汗が出るような感覚に襲われる。そんなことで葛藤していると、誰かが見てわかるわけじゃないのに、異様に他人の視線が気になる。だから、他人を消すために、葛藤しているときは、僕のまわりには真っ白な霧が漂っている。誰の姿も見えなくなる。

 わかるかなァ、わっかんねーだろうなァ、この辛さ。
 ただの愚痴ですわ。言っても解決しませんからね。
 だから何? 言わないでいたら気が狂うんですわ。


 (虐待をうけた子は自分で鎧を作り、敵を跳ねのけなければならない。これ以上傷つけられないように、叩きのめされないように、敵意を発して自分を守らざるをえない。相手の欠点を見抜く目が鋭くなるし、相手の弱点もすぐにわかるようになる。どうすれば相手が怒るか、傷つくか、逃げてゆくか、知らず知らずのうちに身につけてしまう。
 逆に相手に自分の弱点を知られてはまずいから、自分のことはできるだけ知られないようにしてしまう。(中略)自分が裏切りの行為のようなことをして、それでも相手が好意的だと、やっと少しだけ信用する。(中略)やがて相手が疲れてリタイアすると、ほぅらやっぱり信用できない、と抱いていた不信感を強めてしまうのだ。


 ハハハー、そのとおりでございますぅ。
 あるのは怒り。そして強烈で過剰な自己防御。
 寝ようとして床に入ると、いきなり頭が思考をはじめて、ありとあらゆる怒りが湧いてくる。自己防御策を考えはじめる。悪く言えば、極端な自己正当化ね。
 寝ることもままならないから、疲れ切るまで起きている。
 怒りは自律神経にも影響するから、日々いつも関節とかが怠い。
 本を読もうとしても、数行読むと、凄まじい苛々が湧きおこる。そして動悸だ。全身が何かに身構えるように無意識に緊張するんだ。それでも読む。ひたすら読む。
 引きこもって何もせず、本だけ読んでるお気楽極楽生活。いいね〜。そんな風に見てた人も多いんでしょうねェ。残念でしたー。ハズレです。

 わかるかなァ、わっかんねーだろうなァ、この辛さ。
 
 どうでもいいんですけどね。
 所詮、自分でどうにかするしかないですからね。
 ただの愚痴ですわ。言っても解決しませんからね。

 なんかもうよい子でいるの、疲れました。
 僕はね、すごく嫌な奴ですよ。とんでもない偽善者。



 もう疲れたんだ。
 ありのままを見せてあげますよ。
 その恐ろしい、僕の姿をね。
 同情なんて、いりませんよ。これっぽちもね。
 ただ吐き出したいだけですから。
 そうしないと気が狂いそうだし、寝ることもままならないだけですから。

 だが冷静さも、理性も失わないんだなァ。
 それもまた辛いところですがね。いっそのことそういうものを失えたら楽なんでしょうけどね。
 それで街に出て暴れて、警察とかのご厄介になる。そして施設に送られる。そのほうが楽な気がするぐらいですわ。
 今さら、自分の不甲斐なさや弱さを赤裸々に見せることに恐れなんてありませんよ。




ipsilon at 03:25コメント(5)AC(アダルトチルドレン)  

コメント一覧

1. Posted by なおぼん   2016年02月18日 23:30
5 アダルトチルドレンはアダルトなのかチルドレンなのか?
あたしは、人間というものは子供の時が完璧で、だんだん大人になっていくにつれて、引き算されて文字通り「大人しく」なると思っています。
生まれた時が最大限に混沌であり、誰はばかること無く泣き叫び、怒り狂うことができる。
また、そうさせてやらないと、もう自由に発散することは世間が許さなくなると。
引き算されて完成した「大人」は、冷えて固まった溶岩のようにあたしには見える。
しかし、ごく一部に、まだ溶岩のままの人がいる。
それがアダルトチルドレンなのだろうか?
彼らは大陸に成長するかもしれないし、大きくなれず海中に没するのかもしれない。
「教育する」とは「型にはめる」ということだと感じ、この言葉にあたしはいい印象をもっていません。
ACの詳しいご説明を読ませていただき、思うところを勝手に書きました。
では、また。
2. Posted by イプシロン   2016年02月19日 09:45
なおぼんさん、おはようございます。

ACは「背伸びしすぎた子ども時代を送ってしまった大人」といえばいいでしょうかね。確かに、アダルトなの? チルドレンなの? どっちよ!? って思いますよね。

そうですね。誰しもが生まれてきたときは真っ白なわけです。で、そういう子どもは親や周囲のやることを見聞きして、模倣して自分を作っていくわけです。心理学的にいえば、無防備なこのミラー効果を通して学ぶ期間に、親を手本にして無意識に学ぶわけです。その弊害がいつまでも残っているのがACといえるんでしょうね。
至極簡単にいえば、愛された経験がないと、自分の愛し方も人の愛し方もわからないようになるということです。そして、暴力や虐待、言葉の暴力しか受けていなければ、あらゆる感情表現をそういう方法であらわす(または抑圧=自虐、自己卑下や自己否定する)ことしか出来ないわけです。

同じ環境で育っても兄弟で違う。当人の持つ感受性(宿命・運命)に差があり、ACになる人もいればならない人もいます。それぐらい複雑なので、言葉で説明するのは非常に難しいのです。
わたしは赤ん坊時代から、強力なエネルギーの持ち主だったそうです。まだハイハイしか出来ない時期に、柱から伸びた紐に繋がれている写真が残っているくらいです。つまり、親からすれば抑えつけないと家事がままならない子だったわけです。少しもじっとしていない。そうなれば、親からすれば、身体的にも拘束したり、言葉でも言ってきかせるしかなくなりますよね。結果わたしは記憶の無い頃から、やりたいことをさせてもらえなかった怒りを溜めていたということですね。しかし、その発散や表現のしかたは教わらなかった。こういうことがACになるきっかけなんですね。抑圧されたものが怒りであろうと、好奇心による行動であろうと、抑圧されたわけですから、当然うつ病の原因も既にそこで埋め込まれていたのです。

(つづきます)
3. Posted by イプシロン   2016年02月19日 09:57
作家でいえばヘルマン・ヘッセがそういうタイプです。あり余るエネルギーをもって生まれてきた。ゆえに母親に強力に抑圧された。結果学生時代には、教科書を買うお金でピストルを買い、自殺を決行しようとした。母親に抑圧されたことで、女性とも関係を築くのも下手で最初の結婚には失敗し、ノイローゼですっと苦しんだ。抑圧された怒りのエネルギーを創作活動や、権力への言論活動とすることで生きてこれた人といえますからね。
ようは強力な怒りも、役立つものに転換すればいいのですが、人間、なかなかそうもいかないので、苦しいんでしょうね。逆に太宰の場合は、過保護と過干渉ゆえにACになったタイプですね。恵まれた環境に育ってもACになる人はなるわけです。家柄で見られた。自分本来を見てもらえなかったことで、太宰は自己不在感を常に感じていたわけですね。

でも変に嘆く必要もないのですけどね。あのアインシュタインだって自閉症だからこそ、驚異的な忘我状態で思索や研究ができた結果、偉大な結果を残したのですから。わたしが偉大という意味ではないですけどね。

教育はわたしはルソーの自然教育に最も共感しています。仰るとおり、型にはめる方法は教育とはいえないと思ってますよ。大事なのは理論理屈ではなく、感受性を豊かに育てること。情緒ある環境で自分の力の可能性を、自分で見いだす力を養う手伝いをする。これが教師(大人)の役目なんだと思うのです。

しち面倒くさいことに興味を持っていただけて、嬉しいです。
コメント、ありがとうございます。
4. Posted by なおぼん   2016年02月19日 20:45
5 ヘルマン・ヘッセや太宰のお話、興味深く読ませていただきました。
小さい頃の抑圧(多くは親によるのでしょう)は、あとあといろんな形で尾を引くのですね。
自閉による外界との遮断は、思索を深めるには最良の「個室」だということもあるわけだ。
ルソーの自然教育にあたしも共感します。
あたしがルソーのことを知らない頃から、「すべては自然から教えられる」と信じてました。
あなたがプロフィールで書かれている「人生に必要な知恵は幼稚園の砂場で学んだ」ということに尽きるんじゃないですか?
あたしも砂場で学んだことは多いのです。
一人で遊んでいても、だれかが干渉してくる。
それをどうあしらうか、協力して大きな事業(トンネル作り)をおっぱじめるか…
はたまた喧嘩してしまうのか…
あきらめて、ほかの遊びに逃げるのか?
あの四角い砂場は、ナマの人間がぶつかり合う「リング」だと思います。

5. Posted by イプシロン   2016年02月20日 10:52
なおぼんさん、こんにちは。

理論的な説明より人物(物語性)でお話するほうが、やはり伝わりやすいものなんですね。小説を書く意味はそこにあるのかなと考えていたりしたので、なんだか嬉しく思いました。

教育についての思いは、心ある人なら、直感的に自然であることが良いと気づくんだと思います。しかし、だんだんと開発や都市化に呑まれてゆくと、その直感力(感受性)を子ども時代に養えない環境になってきているのが、ちょっと心配ですね。将棋を教えられた記事、素晴らしいなァと思って拝見しましたよ(感想はあちらに書くべきですがね、すみません)。相手に勝つことを教えているように見えて、実は自分に負けない自分(諦めない力)を本人に持たせてあげようとしてるんだな、と。それを楽しみながら(若干喧嘩もしながら)というのがポイントなんだと思うのです。勝負事ゆえ、仰るとおり「リング」でもあるのでしょうね。勝負事は社会が競走であるゆえ、そういう心構えも学べると思って読んでいましたよ。

プロフィールにある『人生に必要な知恵は幼稚園の砂場で学んだ』は、20代前半の頃(自称、第一次うつ引きこもり時代なんですが)に読んだ、ロバート・フルガムの本にあった言葉なんです。なんだかわたしは、いつも本に救われてきている気がします。しかし本といってもそれを書いた人がいるので、これもまた仰るとおり、ある意味では「人間がぶつかり合う」ことなのかもしれませんね。
結局のところ人は人間的な出来事に出会うことで開けたり、成長するのだと思うのです。

ありがとうございます。

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