2014年09月

2014年09月30日

真にすぐれた芸術というのは、感想やレビューを書くのが虚しいもの。ただ味わえばいい、間違っても解説を先に読むべからず。読点の使い方が特徴的というか個性的で、読みにくいと感じるかもしれないが、言葉のもつ音と脈動を汲みとれれば、気持ちよく韻律が心に沁みいってくることだろう。高橋健二訳のヘッセと梶井基次郎の間をゆくような詩情といった趣か。歳月に色褪せない幼少年期の譬えだろう、『銀の匙』という題号の響きと印象は秀逸。美しい日本語を味わいたいなら、必読の一冊だろう。不思議なことに涙する子ども心、いとうるわしきかな。


虚弱な少年。
お友だちはどっちかというと女の子。
なんかちょっぴり反抗的なくせに、心のどこかに虚無感をもてあましている。
ほんのり空想家であったり、臆病であったり、無鉄砲であったり。
あはは、私に似てるね。

蚕を育てる場面はやばかったなあ。

私の母の実家では養蚕を少しやっていたので、
あまりの懐かしさにほろほろと涙が出そうになった。

お蚕さんのあの手触り。
頭をもちあげて、くるくる回したりするあの動き。
手に乗せると、いくつもある足がぴとぴと吸いついてくる。

広い蚕小屋にいっぱいいて、みんなで桑の葉を食べると、
小雨が降るような音がする。
桑の葉の薫り、何もかもが懐かしい。

棚に入れられて、糸を吐き、少しほそながい繭玉を作りあげる。
子供ながらに神秘的な光景を見たような厳粛さがあった。

「ねえ、あのあとどうなるの?」
「お湯で煮て、糸にするんだよ。あんなになってるけど、あれ一本の糸でつながってるんだよ」
「へえー そうなんだあ」

声を聞きながら、
中にいるお蚕さんが死んでしまうことを知った悲しさ。

少年の日の思いでは、やはり曇りも錆もしない、銀の匙だ。


人びとは多くのことを見なれるにつけただそれが見なれたことであるというばかりにそのまま見すごしてしまうのであるけれども思えば年ごとの春に萌えだす木の芽は年ごとにあらたに我れらを驚かすべきであったであろう、それはもし知らないというならば、我々はこの小さな繭につつまれたほどのわずかのことすらも知らないのであるゆえに。

お手玉で遊ぶ場面読んでて思いだした……。
こちとら、どうしても、片手で二つをうまく投げられないのに、
母親ときたら、
「どーれかしてみー」とかいって、
余裕綽々で片手で三つとか四つの玉を投げてた。

口惜しかったけど、あれは感心したなあ。
落とさないようにって、寄目で、ちょっぴりおちょぼ口になってたけど、
瞳がキラキラしてて楽しそうだったなあ。

継はしの布でできたお手玉。
中身はたしか乾燥させた小豆だったんじゃあなかったかな。

おはじきを入れてた、毛糸で編んだ、細長い淡い水色の巾着。
ああー懐かしい懐かしい。

そうだ、古風なおはじきもあったけど。
普通のよりサイズの大きいのがあって、
ドラえもんとかのシールが貼ってあったはずだ。色は不透明の白だ。




ipsilon at 19:03コメント(5)トラックバック(0) 
IMG_4263

ああ、香ばしそうな抹茶色。
夏のあいだに藻がわいて、池はこの季節、なんとも味わい深い色になる。

IMG_4264

お、久しぶりに近くきたな、カイツブリ。
と思ってカメラを出して三倍ズームして手すりに固定するも、
ばいなら〜って、行ってしまうつれない奴(ダッフンダ)
体のわりに大きな足がかわいいのお。


歩いていると、どんぐり爆弾がときどき落ちてきて、ビビるw
でもそれも面白い。
まだ直撃をくらったことはないですけどね。

そうそう、カイツブリくん、目の前に蝶が飛んできたら、
びっくりしてたw

あははー 君もかーって思って、こころ温か。


いのちのきらめきは、美しいですなぁ。




ipsilon at 16:33コメント(2)トラックバック(0) 

2014年09月29日

前に一度、自己診断で疑ってみたが、さほど気にしていなかったが。
ほぼこれですね、私の症状は。

うつ症状もあるが、ようは元々ストレスに弱い体質、
過度のストレスがかかると、副腎疲労とうつと自律神経失調症を併発するというやつ。
多少調子がよくても、このどれかの症状がいつもあるというのが、ここ十年。

まあそれだけでなく、思考の癖とも、生命の傾向性ともいえる、
自己愛性人格障害、ようは自信の無さによる、過度な認証欲求、
そうしたものによる、買い物依存をはじめとする、依存傾向が強いわけだ。
まあこれはアダルト・チルドレンという範疇にも入るわけだが。

しかし凄いね。悪業のオンパレードだwww
ま、しょせん、宿業はかりがたしなので、根本的には題目で治すしかない。

もちろん、生まれながらに御本尊に出会い、題目を唱えられるという、
善根も積んできた証拠があるわけで、殊更にマイナス思考する必要など、どこにもない!

ちなみに、副腎疲労というのは、日本ではまだあまり認知されておらず、
うつ病に似た症状ゆえ、見過ごされたり、誤診され、
効きもしない精神安定剤なんかを飲むはめになるのだが、
まさしく私がそうだった。
なにしろ、ちっとも薬が効かなかったですからね。

先にリンクしたページにある項目。

朝起き出す気力がない
喜怒哀楽が激しくなった
食事をすることが疲れる
午前中に仕事に集中する気力がない
風邪などをひきやすくなった
風邪をひいても治りにくい
夕食を食べた後に気分がハイになる(低血糖)
傷がいつまでも治らない
日中でも頭の中に霞がかかったような状態
立ちくらみが頻繁に出る
原因不明の微熱が続く
PM3〜6時、猛烈な睡魔に襲われる
睡眠薬を飲まないと寝れない
朝食べたものが夜には思い出せない


まあ、風邪だけは一人暮らしなので気をつけているので、引かないが、
その他は、この十年、日常茶飯事だった。

他にも調べて見たが、
副腎の機能が落ちると、
背中が痛くなったり、首が張って痛いとか、顎や首回りにいつも不快感があるとかいう症状もあるらしいのだが、
まさにそれ! そうそれ! そうなんですよー! って感じ。

今も首が回らないくらい張っている。それも必ずなるのは右側。
で、調子が悪いときは、必ず背中が張れて痛む。

上のリストで言えば、
PM3〜6時、猛烈な睡魔に襲われる
とかね、そうそれ! そうなんだ! どんなに頑張っても起きてられないとかね、
バッチリ当てはまる症状なんだなァ。

頭の中、靄とか言うまでもない。
立ちくらみもよくしてた(最近はないが)

朝食べたものが夜には思い出せない
いや、酷い時はそれどことろじゃあなかった。
三分前にコンビニに何買ったかも憶えてなかったww

傷がいつまでも治らない
そうそう、公園ですっ転んでできた擦り傷が3ヵ月くらい治らなかったりしたァ。


まあ、大分改善してきたけど、まだまだだなァ。
がんばんべ。

参考サイト、教えて頂いたので、リンクしておきます。感謝!

避けるべき飲み物。
避けるべき食べ物。




ipsilon at 21:46コメント(14)トラックバック(0) 
ネタバレ 女性の結婚観をかなり大袈裟さにおもしろおかしく書いた挿話と、悪というものは、小悪であっても、だんだんと大きくなり、長年月が経つことで親兄弟(社会悪)にまでなるという、挿話のふたつ。どちらの話にも、宗教、信仰(法華経・熊野詣で)などが書かれており、当時の人の宗教観も伺われる。(太宰の『新釈諸国噺』にも念仏か題目かとあった)。二つめの挿話が、七年後にというのは、いわば法華経の思想なのだろうが、熊野は浄土宗であるという部分から当時(江戸時代)すでに宗教はいい加減に解釈されていたことが伺えるのではないだろうか。

太宰曰く――
西鶴は天才だ!

確かに、読んでみると、小気味いいリズムでもって、
実に見事な短編を書いている。
しかも、記録によると、異常なまでに筆が早かったらしい。
世の中にある、あらゆる物事を題材に、書くわ書くわだったらしい。

西鶴の時代以前は、
書物というものは、現在の常識のように、
同じ題号のものが大量に市場に出回っていたのではない。

それなりに技術のある人々が、
細々と筆写して、回し読みをするといった程度。

だが、それに変化が起きた。
印刷技術の革命だ。
はたまた、そうした印刷した書物を流通させ、
販売する小売店などの商業の発展がそれだそうだ。

現在では当たり前になった、こうした、
印刷、製本、流通、販売といったものも、
かつては当り前でなく、
一日に、数ページという、物理的限界のある筆写によって、
世に伝え残されてきたものだと思うと、そう気づくと、
数百年前の人々の努力と勤勉性があったことに感動する。

こうした先人たちの血の滲むような筆写があって、
古典が存在しているのだから。

ともあれ、西鶴という人は、
先に述べた印刷技術の発展という時世を掴み、
庶民の気軽に物語を楽しみたいというニーズに応えたという面において、凄い人だ。
ではあっても、西鶴自身の文才も相当に大したものですけどね。




ipsilon at 10:06コメント(0)トラックバック(0) 

2014年09月27日

大東亜戦争後半、この『お伽草紙』を書いたというだけで絶賛ものだ。人間の持つ明暗両面を描きつつ、なにげに戦争への反旗を翻しているのが凄い。嘘や悪口の横行、一億総批評家となり、鬼畜米英云々、物知り顔で講釈を垂れる連中に太宰がどれだけ辟易していたかがわかる(舌切雀が顕著)。が、それを感じさせないユーモアがあるのが、太宰の太宰たる所以だ。昭和二十年一月発表の『竹青』は踏みにじられた中国の人々への哀歌である。あの時代にこうした人権感覚を持てたことは尊敬に値する。太宰ファンではあるなしに読むべき逸品揃いの作品集だ。

『新釈諸国噺』では、選ばれた作品自体が、太宰の訴えたかったことを語っていると思えた。『義理』……読後、久しぶりに本をぶん投げたくなった。実際は投げる前に呆れたが(苦笑)。戦争に対する太宰の怒りの強さはこの作品で十分読み取れる。余談だが、荒木村重は、黒田如水を牢に入れた狡猾な人物だ。


言葉を失うような感動というのはある。
この一冊はまさにそういう一書。


武士には、信の一字が大事ですぞ。手にとって見なければ信ぜられぬとは、さてさて、あわれむべき御心魂。それ心に信なくば、この世に何の実体かあらん。

信じたことが事実なんですよ。
太宰だってそんなことは知っていた。
この後に、さらに力強い文が続くが、それはご自分で読んでください。

別の場所だったかで、信じずに右に行こうが、信じて右に行こうが、結果は同じだ。
とも言っている。
なら信じるほうがいいに決まっている。
違う? そうでもない?(笑)


人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならぬものです。のがれ出る事は出来ません。忍んで努力を積むだけです。

犬や猫を見て、幸せそうだなァと思ってるようじゃ、
人間としての修行が足りないのだよ。
などということを優しい語り口で伝えてもいる。
嫌われものの烏が神の鳥として描かれている『竹青(ちくせい)』は読メの感想にも書いたが、
戦火に焼かれた中国の人々への哀悼の意が溢れる作品だ。
作品それ自体も一級品なのだが、その背景も文体も、なにもかもが素晴らしい。
これは一読すべきものだ。
実際、中国語訳されたものが、先に出版され、そのあと日本語のものが出版された経緯がある。

言うまでもなく、太宰は、『惜別』という作品で、魯迅が日本人の学生と交流したときの話を書いている。
『惜別』の執筆は戦中であり、出版されたのは、昭和二十年九月のことだ。
この時代に、既に日中友好を見据えていた太宰の先見はどうなんだ。
凄いんじゃあないのかね。


「人は、なぜお互いを批判し合わなければ、生きて行けないのだろう。」という素朴の疑問に就いて鷹揚に首を振って考え、「砂浜の萩の花でも、這い寄る小蟹も、入江に休む雁も、何もこの私を批評しない。人間も須くあるべきだ。人おのおの、生きる流儀を持っている。その流儀を、お互いに尊敬しあって行く事が出来ぬものか。誰にも迷惑をかけないように努めて、上品な暮しをしているのに、それでも人は、何のかのと言う。うるさいものだ。」と幽かに溜息をつく。

なァーんて浦島さん、恰好いいこと言ってますが、
このあとの、亀と浦島さんの会話が、まあなんとも面白いんだなァ。
でたな! 太宰節! ってなくらい笑わせてくれる。

だが、竜宮城でしばらく過ごすシーンはまたなんとも物悲しい。
すべてを「許され」「許しあっている」世界。
いわゆるユートピアがそこにはあるのだが、
太宰は決してそんな世界があるという意味では描いていない。
そういう心の状態もありえるんじゃあないか、そういう意味で描いていると思う。

だが、人はそうしたあまりにも安穏とした世界にも、また長くいることは出来ないと語る。
批判や批評、時に非難さえされる世界を懐かしみだすという。

ハハハ、結局、安穏な世界は娑婆世界にあるんだというオチは、
もうこれ仏法そのもの。

本当に成仏した人というのは、
死後、長遠な時間(数百年)、兜率天とかで過ごすと言われているのは、
まさにこの竜宮城のイメージとぴったりだ。

ともあれ、太宰作品の中でも、この一冊は読んで絶対に損のない一冊だ。




ipsilon at 22:42コメント(0)トラックバック(0) 
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