352空

2010年11月07日

この二日ほど、体調は悪いし苛々感は酷いしで、
大したことをしてません。

微熱かな? そう思って体温を測ると
36.1度。低っ!
「なんか温かいものでも食べて体を温めなきゃ」と
出来ることをやってましたが、
体がだるくてどうしようもない。

てことで、私の生活には直接関係ない、
どうでもいいような尖閣の記事を書いたり(笑)
一番完成に近いところで放置していたキットをいじってました。
IMG_3435


アリイのキットは古いキットなんです。
発売から30年以上経ったキットでしょうね。
でも、1:48スケールでいまだ現役で
全身にリベットのモールドがあるキットはこれぐらい。

考証的にはスタイルにもパネルラインにも
間違いのあるキットですが、
それをいじり始めると大変なことになるので、
気楽に作ったという代物です。

とにかく、リベットびっしりの零戦が作りたかったんです。



これを作る前に、同じスケールで三菱の
暗緑黒色を塗った「雷電」を作っていたので、
中島の暗緑黒色の機体にしたい。
そういう気持ちも反映してます。

雷電はあっちこっち手を入れて、
リベットもけがき針で全身にモールドしたんですけどね。
(控えめすぎて、画像じゃわからないですけどね。。。)



IMG_3436


いわゆる「ごーにーへい」型は、
零戦の中では結構人気のある型です。
歴史でも、各型の中で最大生産数の機体ですが、
私はあまり好きではなかったんですね。
初期の21型なんかと較べたら改悪された機体。
そういう感が長い事拭えなかったので、、。

それまで機首に7ミリ7機銃×2
翼内に20ミリ機関砲×2だった兵装を
機首に13ミリ×1、翼内に20ミリ×2、13ミリ×2
を装備した型なので、
見た目的に重武装でカッコイイ。
そういうことで零戦の中では人気があるんでしょう。

それは確かに認める。
でも、エンジンの出力があんまあがってないよ、、、。
そりゃー、これまでの集合排気をやめて
推力式単排気管にしてスピードも上がったし、
機体強度を増したりして
急降下制限速度も上がったけどさ、
かかか、、、肝心の馬力あがってないもん。。。

零戦の型式番号は前の一桁が
機体の改良回数、後ろの一桁がエンジンの改良回数を表します。
エンジンの改良が進んでいなかったのがわかりますよね。

もっとも41型は計画のみ、42型は、
「死に」なので4系列は存在しないんですけどね。

52の後継機は62型。
ようするに大型の爆弾を装備して特攻できるようにした型。
「戦爆」なんて言われますが
もともと制空戦闘機だったものに
爆弾を積むという思考事態が間違いです。
この型は改悪以外の何者でもないと私は思ってます。

私にはそういう気持ちがあって
52型は62型に近いようなイメージが湧き、
どうも好きになれない型だったんですね。

でも色々な資料を紐解くと
この52丙こそ零戦各型の中で
実は一番優秀かもしれないと思うようになったんですね。


IMG_3437



戦争が進み、空戦の形態も開戦した頃とは様相が変わってきました。
1対1での格闘戦、あるいは、多数が入り乱れての乱戦。
そういう状況では21型のような
軽快なゼロが良かったのでしょう。

ですが、米軍が2機一組でペアを組んで互いに援護しあいながら
行動を取るようになったり、
零戦がついていけない速度で急降下して逃げるのを
照準機に捉えるためには
21型では厳しくなったという部分がありましたからね。

そうなると52丙のような型のほうが良い。
「そうだね」と、頷けるんですね。

ちなみに、
零戦のことを良く
防弾もない人命軽視の代物と言いますが、
それは間違いです。

1グラムでも軽量化する。
限られたエンジンの出力を最大限に発揮するためには
軽量化しかなかったのです。
当時の各国の戦闘機にしたって
防弾はあまり考慮されていなかったってのが実情です。

そもそも海軍の仕様要求を満たすためには
軽量化という技術しかなかったってのが本当のところです。

それでも52乙型からは防弾装備もかなり充実し
52丙では45ミリ〜55ミリの防弾ガラスと
操縦席後方に8ミリの防弾鋼板を装備していたってのが事実です。
翼内燃料タンクの消化装置に到っては
無印52型で既に実施していました。

もっとも、重くなることを操縦者が嫌って
防弾装備を外してしまうこともあったので
防弾云々に関しては技術者や海軍の責任だとは
言えない部分もあるんですね。

「こんな重い機体じゃー敵に喰われる」
操縦員が生きる為にとったそういう行動を
防弾がない人命軽視の戦闘機だったというのは間違いです。

熟練搭乗員は重くなることを嫌い、
防弾を外して命を落としていった。
未熟な搭乗員は実戦経験を積むために防弾を外すことがあまりなかった。
そうして生き残った。
そういう事実こそが悲しいことなのだと私は思うのです。

自分は死ぬかもしれん。だから後は頼むぞ。
そういう思考を植えつけた教育が
いかに悲惨を生むかってことでしょう。

俺も生きる! 貴様も生きろ!
そういう精神こそが本物だと私は思います。




そもそも、開発時の軽量化がなかったなら
零戦は零戦足り得なかったんです。
そこをつついて欠点というのは酷ってもんです。

良く良く零戦を調べてみればわかります。
よくぞここまで苦心して
軽量化と空気抵抗低減をしたものだと。
驚くばかりの工夫があちこちに見られますから。

結局は、小型で出力(馬力)のあるエンジンを開発できなかった
国力や技術力にこそ問題があったのです。
大馬力のエンジンがあれば
防弾だって当たり前に検討されて実施されていたことは
52型を見れば充分わかることなんです。


IMG_3438


チームプレイによる編隊空戦。
高速一撃離脱戦法。
52丙はそういう戦術に向いた機体だった。
でも日本軍の無線はアースが不十分で使い物にならず、
編隊空戦が困難だった。
乱戦になり気が付くと格闘戦になっている。
そうなった時、かつての21型のような軽快さを発揮したとしても
米軍はもうその手に乗ってくることもなかった。

なんだか悲しいですね。

IMG_3439



それでも、この52丙型は頑張ったんですな。
他国からの技術情報の流入が絶たれたあと、
日本は自国で技術開発に挑むことになったんです。
でも、技術者達にそんな余裕はなかったんです。
零戦ひとつみてもそれが分ります。
矢継ぎ早に改良型を作るという仕事が舞い込む、
その上、他の機体の開発の仕事がいくつもあった。

過労で倒れるまで働いてもどうにもならん。
そういう現実があったんですね。
実際に零戦の開発主務者の堀越氏は倒れてます。

そんな中で新技術の開発なんて無理です。
そういう技術者への物理的限界の配慮など
当然、当時の日本には無かった訳です。
あったのは、「精神力で乗り切れ!」ってな無茶な要求。

なんともかんともです。。。

IMG_3440


操縦席の計器などは全て塗装で塗り分けました。
古いキットなのでデカールなんて便利なものは付属してませんでしたので。

IMG_3441


あらま、これまでの写真、
プロペラがだらしない位置で止まってたのね(笑)
ちゃんとした位置にして撮っておこう。

当時、「お偉いさんが基地にくるよー」なんてことになると、
プロペラの停止位置もきちんとしたんだそうです。
日本人の生真面目さ、なんとも素敵です。

IMG_3442


キットの風防は一体だったのですが、
やはり開状態にできるようにしたい。
ということで切り離しております。

カウリングの機銃用の溝が右側だけ大きくされ
そこに13ミリ機銃を積み、
左側はなにも積んでないのが分る
52丙ならではの構図。

操縦席内に突き出している機銃のおしりの部分も
左側はパネルで塞いでいるのがわかりますね。

IMG_3443


空戦ってのは忙しいんでしょうね。
機首の13ミリ機銃用の目視照準用の白ラインがカウリングに
書いてあるのが、
それをうかがわせます。

もちろん、機内に照準機はあるんですが、
それは翼内の20ミリと13ミリ用の照準に使っていたのかもしれませんね。

機首の13ミリは
機体の中心軸からずれた位置に装備されてますから
翼内銃とは少し按配が違ったんでしょうかね。

IMG_3444


カウルは一応はずせますが、
なにぶん古いキットなので
エンジンの出来は良くありません。
エンジン架すら再現されてないので
外すと変です。。。
でも整備中の試運転みたいな感じも楽しめます(笑)

ドライヤーで風をあてるというアナログな方法で
プロペラ回すんですけどね(笑)


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