初読み

誰もが一度は夢見る!?
憧れのシチュエーション。


橘真児さん
『診てあげる 誘惑クリニック』


ポルノです。

だいぶご無沙汰していましたので、リハビリも兼ねて簡単なのを読んでみました。

内容はいたってシンプル。

38歳の主人公・犬崎健太郎(いぬさき・けんたろう)は40歳を手前にして人間ドックに掛かることにしました。そのクリニックは犬崎が勤める会社の社長の縁故にあたるクリニックのようで、人間ドックの費用の最大60%もの補助を会社が出してくれると云う。それまでは不安や億劫さから敬遠していた犬崎も、これは…と割安感から気楽な気持ちで受診するのですが…。

…とまあ、ありがちですね。

ただ結構そのシチュエーションの作り方が面白くて、飽きずに一気に読めてしまいました。だいたいこう云うパターンの作品は半分辺りからは同じことの繰り返しで、後半はポルノであるにもかかわらずセックスに辟易してしまうのですが、珍しく面白かったですね。

この作家さんは元々教師だったようで、デビュー当時は教師と兼業でポルノ作家やっていたみたいですね。いったいどんな方なのか、むしろ作品以上に興味深いのですが、まぁ、気になる方は読んでみて下さい。

この方、作品内の心理描写に限って、物凄くくだらない駄洒落を差し込んで来ます。それはもう鬱陶しいくらいに「これでもかっ!」とぶち込んで来ます。なかには多少強引なものもありますが、全体的にはこの駄洒落が面白い。結構笑わされてしまいました。

良いリハビリになりました。


一気読み度★★★★★
意外性度 ★★☆☆☆
感動度  ★☆☆☆☆
満足度  ★★★★☆