初読み
フィクションではない
本物のダイイングメッセージの謎を解け
知念実希人さん
『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』
監視モニターに室内、出入口、廊下と監視されている術後の手術室で、麻酔科医が変死した。控え室では手術に立ち会った医師たちが見守る中、何者かと揉み合うようにもがく麻酔科医。そして……。医師たちが現場に駆け付けると、辺りは血の海と化し、気管支まで切断されるほどの大きな喉元の切り口からは夥しい鮮血が溢れていた。しかも、凶器となったメスを握り締めていたのは麻酔が切れたばかりで朦朧とする患者だった。麻酔科医は誰と揉み合い、誰に殺されたのか。果たして、麻酔で朦朧としている患者にそのような凶行が可能だったのか。
天医会総合病院の副院長で、診断統括部部長の天久鷹央(あめく・たかお)シリーズの長編作品。普段は自由奔放に事件へ首を突っ込み、好き勝手に振る舞う鷹央ですが、今回は一味違います。殺人犯の第一容疑を掛けられたのが、天医会総合病院の研修医・鴻ノ池舞(こうのいけ・まい)だったからです。物語りの語り部で鷹央の部下、「レンタル猫の手」こと小鳥遊優(たかなし・ゆう)と鷹央による、舞の無実を証明する戦いは困難を極めていました。
シリーズ特有の牧歌的な雰囲気を残しつつ、高度な医療知識と洞察力を求められるスリリングなミステリは、ファン必見、未読の方にもきっと愉しんで貰えるであろう、作品です。
一気読み度★★★★★
意外性度 ★★★★☆
感動度 ★★★☆☆
満足度 ★★★★★
続きを読む
フィクションではない
本物のダイイングメッセージの謎を解け
知念実希人さん
『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』
監視モニターに室内、出入口、廊下と監視されている術後の手術室で、麻酔科医が変死した。控え室では手術に立ち会った医師たちが見守る中、何者かと揉み合うようにもがく麻酔科医。そして……。医師たちが現場に駆け付けると、辺りは血の海と化し、気管支まで切断されるほどの大きな喉元の切り口からは夥しい鮮血が溢れていた。しかも、凶器となったメスを握り締めていたのは麻酔が切れたばかりで朦朧とする患者だった。麻酔科医は誰と揉み合い、誰に殺されたのか。果たして、麻酔で朦朧としている患者にそのような凶行が可能だったのか。
天医会総合病院の副院長で、診断統括部部長の天久鷹央(あめく・たかお)シリーズの長編作品。普段は自由奔放に事件へ首を突っ込み、好き勝手に振る舞う鷹央ですが、今回は一味違います。殺人犯の第一容疑を掛けられたのが、天医会総合病院の研修医・鴻ノ池舞(こうのいけ・まい)だったからです。物語りの語り部で鷹央の部下、「レンタル猫の手」こと小鳥遊優(たかなし・ゆう)と鷹央による、舞の無実を証明する戦いは困難を極めていました。
シリーズ特有の牧歌的な雰囲気を残しつつ、高度な医療知識と洞察力を求められるスリリングなミステリは、ファン必見、未読の方にもきっと愉しんで貰えるであろう、作品です。
一気読み度★★★★★
意外性度 ★★★★☆
感動度 ★★★☆☆
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