2009年08月

2009年08月31日

Sly Dunbar (4)

Dance Hall業界に、じわじわ打ち込みサウンドが浸透しはじめた80年代中期からしばらくは、シモンズ・ドラムで対抗してましたが、90年代に入りついにSly先生も打ち込みでトラックを作り始めます。

その時の武器となったのが日本製の画期的マシンMPCです。

mpc60

どこか画期的かと言うと
サンプリングが出来る!
さらに、それをエディット出来る!
MIDIシーケンサーの機能もある!
それらを比較的大きなPadを使ってリアルタイムに打ち込める!



Sly先生の場合、最後のPadで叩いて打ち込めるってのがよかったんじゃないでしょうか?

ちなみに、Sly先生にこのMPCを勧めたのが日本のミュージシャン、久保田麻琴氏であるのは有名な話。

このMPCで素晴らしいトラックを量産していきます。

例えば



とか、あとこんなの




とか。

とくにこのFed UPのダークな音世界は後の(今の)Dasecaなんかに通じる世界観があると思います。

救われない終末観とでもいいましょうか・・・

Dasecaの連中の年齢を考えると一番多感な年代にこの曲を聴いてたんじゃないかと想像してます。



irieyard at 17:20|PermalinkTrackBack(0)

2009年08月28日

Sly Dunbar (3)

80年代中期にはReggae史上画期的な出来事が起こります。

JammysによるSlen Tengの製作がそれです。

Slen Tengのリズム・パターンはカシオ・トーン・バージョンより以前にあったと推測されますが、(Patrick Andy / Sting We A StingをCheck!)チープな機材で作られた打ち込みテイクは、それまで聞いた事の無いサウンドをかましてくれました。

余談ですが、JammysのSlen Tengのマルチを日本のスタジオで聞いた事があるのですが、ミキサー卓がフラットな状態でもあの音がしてました。

掛け録り(レコーディングする時にエフェクターやEQ等をあらかじめ施して録音する事)であの音がつくられていたのか と驚いたもんです。

このサウンドが受けたものだから、ドラムマシーンを使ったトラックが台頭してきます。

それに対し、Sly先生はどう対処したか?

シモンズを組み込んだセットで音色的にドラムマシーンに対抗したのです。

例えばHalf PintのGreetings



今までの軽いスネア音から、ズシンと響くバズーカの様な音色になってますね。

キック、ハンドクラップともにPCM音源を使用し、ハイハット等のシンバル系をあえて使わず、生ドラムの音色を意識して排除している事に気がつきます。

Sly先生にとってSlen Tengはきっと面白い事をやるライバル的存在だったのでしょう。
やる気、気合が熱く燃えている事がこのトラックから伝わってきます。

こうゆうVibesが真空パックされているから、今もGreetingsはダンスの現場で心に響くんじゃぁないでしょうか?

このシモンズのドラム・サウンドはSlen Tengのライバル・トラック”Sta-Lag”のリメイクでも活躍しました。





これが原型的ないわゆるStalagの17番というやつですね。

これにドラム・パートをSly先生のシモンズに差し替えたのが19番。
で、代表曲としては、これでしょうか




この様にSly先生によるシモンズ・ドラムスは打ち込みサウンドへの以降をスムースに助成したんだと思います。
ソフト・ランディングさせた言えば良いのか。

この暴力的なまでのタフな音色の記憶があるからこそ、例えばPic OutなんかのチープなサウンドのトラックもReggaeファンは聴けちゃうんだと思います。


irieyard at 17:54|PermalinkTrackBack(0) Music | その他

2009年08月27日

Sly Dunbar (2)

80年代のSly先生は、Reggaeの中では新しいサウンドを数多く生み出し、その広げた枠で、Reggae以外の外部へと時には積極的に、時には懇願され手腕を提供し、一般の音楽好きにも広く名前が知れ渡る基盤を築いた時代と言えるでしょう。

その代名詞となったのがBlack Uhuruとの活動。

Bob Marleyを失ったIslandレーベルにとって、Marleyに変わる世界へ向けたReggaeの宣教師としての白羽の矢が立った というタイミング
は今思うと必然だったのかも知れません。

バハマ諸島、ナッソーに作られたコンパス・ポイントというスタジオでSly & RobbieのTaxi Gangにミキサーはステーヴ・スタンレーというのが当時の最先端のトレンドとなり、多くのRock〜POP系のレコーディングに参加。

有名&大物な所では、グレース・ジョーンズ、ボブ・ディラン、意外な所では上田正樹まで・・・

節操ない とも言えますが、これだけ多くの一流または有名なミュージシャンがSly & Robbieを欲しがったってのも事実。

その事実が、20数年後の現在も生ける伝説となってる訳で、そうじゃなきゃフジロックなんぞにブッキングされないだろうしねぇ。

この当時のSly & Robbieについて語られた事として強く印象に残ってるのが

『もし、Sly & Robbieが君の友達だったらノー・ギャラでも最高の演奏をしてくれるだろう。
ただし、それがメジャー・レーベルからリリースされるんだったら最高のギャラが必要だよ』


なんと正しいビジネス感覚!

この姿勢がなければ、あぶく銭で堕落してしまった事でしょう。



Sweetheart Like You by Bob Dylan(1983)

Sly & Robbieが参加したBob DylanのアルバムInfidelsからのナンバー

染みます。
ちなみにギターはマーク・ノップラー


irieyard at 18:08|PermalinkTrackBack(0)

2009年08月26日

Sly Dunbar (1)

さて、Sly先生

Sly先生のSlyはSly & The Family Stoneからいただいたのは有名な話。

Nivel3_335_220px-Sly-family-stone-1969-promo
これがSly & The Family Stone
一番手前の右手がSly Stone

70年代のファンクを創造した奇才人

この人から芸名をとってる事からも、Sly Dunbar先生がモダンな感覚を持っていた事がうかがえます。


さて、そんなSly先生が頭角を現した、というか我々非Jamaicanがその存在に気がついたのが、The Revolutionariesでの新しいドラミング・スタイルです。

ミリタント・ビートと呼ばれた、スネアやハイハットを細かく刻むスタイルは、只でさえポピュラー音楽の中では得意なBeatを持つReggaeの、さらにその枠をはみ出し、広げる結果となりました。




イントロの細かいフィル
どこからディレイがかぶさったのか分からない、不思議なサウンドを今でもインパクトあります。

自動小銃の一斉掃射の様なスネアの音にDub Wise

軽目の音色が活きてます。

これがあの深胴の様なスネアだとヘビーすぎちゃいますねぇ。

ノリを倍で捉える、例えばBPM=60の場合、BPM=120で感じてフレーズを詰め込むというBeatの解釈は、後にJungle〜Drum & Baseと同じ発想ですね。



irieyard at 17:31|PermalinkTrackBack(0) Music | その他

2009年08月25日

Carlton BarrettとWailers

Bob Marleyが世界へ打って出た時、Carlton Barrettのドラムは強力な武器の一つちなった事と思います。

Wailers自体、普通のバンド編成ですよね。
ドラム、ベース、ギター×2、キーボード、パーカッション。

後にアイ・スリーズというCuteなコーラス隊が加わりますが、それまではどちらかと言うとRock Band的な編成である事に気がつきます。

ちょっとこの曲で聴き比べてみてください。








基本、同じような事を演ってる訳ですが、Carlton Barrettのリム・ショットで強烈にReggaeになっているかと思います。

しかし、このWailersの演奏のWickedな事!
贅肉をそぎ落としたソリッドなサウンドは、ストイックな肉体的試練を自ら課すボクサーみたいです。

昔、Bob Marley & WailersがBBCのスタジオで演ったLiveのテープを持ってたのですが、この曲のイントロのリフの一発目が全く揃わず、あぶない!って思った所でCarlton Barrettが強引にFillを入れて立て直してました。

今、生きていたらどんなタイコ叩いてたんでしょうか・・・




irieyard at 18:13|PermalinkTrackBack(0) Music | その他