2006年11月02日

早稲田大学 琉球・沖縄研究所について

早稲田大学 アジア研究機構「琉球・沖縄研究所」設立趣旨

早稲田大学におきましては、21世紀をアジアの世紀と見据え、「アジアにおける知の共創」をめざして、「アジア研究機構」が創設されました。これを機に、「沖縄」をアジア地域の結節点と位置づけ、沖縄研究を通してアジア研究の一翼をになうべく、「琉球・沖縄研究所」が開設されました。もちろんすでに沖縄研究の場は国際的にも広がり、今や日本研究の枠組みを超えて、アジア研究や島嶼研究に不可欠の学問領域となり、近代の学問体系そのものをも問いなおす貴重な視点を創り出しつつあります。

「早稲田大学 琉球・沖縄研究所」は、法政大学沖縄文化研究所や沖縄大学地域研究所、沖縄国際大学南島文化研究所、沖縄県立芸大付属研究所、沖縄学研究所などに結集してきた先人の蓄積につづきながら、国際化、学際化、若手研究者の育成を三本柱に、国内外の研究者ネットワークを広げていきたいと考えます。




プロジェクト1:早稲田大学 総合講座「沖縄学」の設置、並びに沖縄学若手研究者の育成

2006総合講座22006年度 前期総合講座「沖縄学の構築」、後期総合講座「沖縄学の現在」を全学部や一般に公開。今年度は、内外の沖縄研究者をゲストスピーカーに招いて学際的な「沖縄学」の講義を行います。次年度からは、若手研究者を執筆陣に迎えて沖縄学シリーズを総合講座のテキストとして出版し、後期講座に講師として迎えます。さらに、「沖縄学 総合講座」の成果発表の場を沖縄に据えて、「早稲田セミナー」を毎年公開します。




プロジェクト2:伝統芸能と現代芸術の相互交流

2006映像祭1宮古・八重山文化圏や奄美文化圏などの島嶼的・空間的な広がりと、琉球王国時代をも含む時間的な広がりを視野に入れた神歌や組踊、舞踊、芸能、現代ポップカルチャー、文学、音楽、映画などの継承と発展に寄与します。『おもろさうし』をはじめとする琉球古典の研究会や、COE演劇研究センターと連携した「組踊」研究に加えて、現代芸術の支援態勢をつくり、伝統芸能と現代芸術の交流をはかります。そのような交流の場として、毎年「沖縄芸能芸術祭」を開催します。第一回目の今年は、早稲田大学・小野記念講堂で7月7日(10:00〜20:00)に貴重なフィルム映像を一挙公開します。
関連ページ→イベント




プロジェクト3:「沖縄学 国際ネットワーク」の構築

2006ベネツィア各大学機関や学会などの協力を仰いで、沖縄関連分野の国際シンポジウムによって蓄積された多岐にわたる沖縄研究者ネットワークをつなぎ、学際的共同研究の推進や研究情報の共有をはかり、研究テーマの重複を回避できるような研究環境をつくります。たとえば、各国の研究者プロフィールをホームページに掲載することや、これまで数回にわたり開催されてきた沖縄研究国際シンポジウム(第1回「沖縄文化の源流を考える」1982年、第2回「沖縄文化の源流を探る」1992年、第3回「世界につなぐ沖縄研究」1997年 沖縄&オーストラリア・シドニー、第4回「世界に拓く沖縄研究」2001?2年 沖縄&ドイツ・ボン)などで継承されてきた沖縄国際研究の支援態勢などを含みます。具体的には、第5回大会「想像の沖縄:その時空間からの挑戦」2006−7年 沖縄&イタリア・ヴェネツィアにて開催決定)の事務局(東京)を務めています。




プロジェクト4:沖縄映像記録のデータベース化

沖縄の各大学・研究機関と連携しながら、文献資料のリストアップと、劣化・散逸を防ぐためのデジタル・アーカイヴ化を進め、各国からアクセスできる検索機能システムを構築します。とくに、映像資料の発掘・保存や、貴重なフィルムのDVD化も急務です。これらの作業は、「映像工房 ヴィジュアル フォークロア」とも提携して行います。また、毎年開催する「沖縄芸能芸術祭」で発掘した貴重フィルムの保存にも協力体制を組みます。
関連ページ→映像記録データベース(準備中)




プロジェクト5:「沖縄」のオーラル・ヒストリー・アーカイヴの設置

学術研究の最重要課題となってきた「周縁」を掘り起こすオーラル・ヒストリー収集を、サントリー文化財団の助成を受けて展開してきましたが、今後もさらにアーカイブの充実をはかりたいと考えています。これらの調査蓄積を、それぞれの専門分野の方法論を駆使して分析し、国際的・学際的に、「沖縄」の「新しい物語」を掘り起こして記録・研究します。




プロジェクト6:「沖縄トラウマ」の学際的共同研究

大戦後の沖縄では、精神的疾病、自殺、家庭内暴力、引きこもり、いじめ、離婚などが全国でもトップレヴェルで多発している事実が公的機関の調査などで明らかにされました。これら「負の遺産」の解決を目指して琉大や一ツ橋大の研究者と学際的な「沖縄トラウマ研究会」をすでに発足させました。今後は、テーマを同じくする国外の研究者とも提携して、「沖縄問題」解決のための研究拠点を構築します。
関連ページ→文献データベース








[早稲田大学 琉球・沖縄研究所]構成メンバー紹介 (順不同)

研究員:
勝方=稲福 恵子(国際教養学術院 教授 所長)
江上 能義(政治経済学術院 教授 副所長)
天児 慧(アジア太平洋研究科 教授)
池田 雅之(社会科学総合学術院 教授)
岡村 遼司(教育・総合科学学術院 教授)
紙屋 敦之(文学学術院 教授)
北村 毅(高等研究所 助教)
清水 重夫(法学学術院 教授)
白井 克彦(理工学術院 教授、総長)
棚村 政行(法学学術院 教授)
ヒュー・クラーク(法学部、客員教授)
水島 朝穂(法学学術院 教授)
ヴィクトリア・ミュライゼン(国際教養学術院 助教授)

客員教授:
我部政男(山梨学院大学大学院 教授)

客員研究員:
稲田隆司、ヴィッキー・ヤング、上地一郎、熊本博之、後藤育慧、金城正紀、栗盛須雅子、桑江友博、小山和行、佐藤壮広、佐藤よしみ、塩月亮子、重田辰弥、新城亘、高橋順子、高橋孝代、竹内重雄、田仲康博、玉城朋彦、照屋佳男、得能壽美、前嵩西一馬、松島泰勝、松永明、波照間永吉、波照間永子、本浜秀彦、八尾祥平、横田ライアン、ローザ・カーロリ、渡邊欣雄、他

研究助手(Research Assistant):
伊佐真一朗、上地聡子、小松寛、佐藤由紀、秦花秀、田幸亜季子、田中理子、田村将理、洪ヨンシン、真喜屋美樹、他

事務局:
岩崎りり子、川平いつ子、花井玲子、真栄田雄子