埼玉県草加市では、9月2日の議会開催期間冒頭での草加市長不信任可決とそれを受けた議会解散で、草加市議会議員選挙が約一ヶ月前倒しとなり、10月10日に行われました。
その後、10月27日の草加市議会初日において、再び木下草加市長の不信任決議が可決し、12月12日に草加市長選挙が行われることになりました。

この事件については、いろいろなことがいわれていますが、単純に考えると大変わかりやすい事件です。

まず、一連の騒動で得をするのは誰でしょうか?

草加市長は、解任されたのですから、いいはずはありません。

実は、その直前の8月30日に、「草加経営者の会」というところから、市議会の定数を30人から20人に削減することを求める請願書が議会事務局に提出されており、議会は、9月議会で何らかの対応をせまられていました。
この会は、草加市は近隣の市町村と比べても人口当たりの議員数が多いとして、6月議会にも同じような要望を出していましたが、無視されたので、今回正式な請願となりました。

具体的な議員一人当たりの人口は、足立区が一万三千人にひとりとか、川口市が一万二千人にひとりというのと比べると、草加市は八千人にひとりと断然多いのです。足立区は、さらに次回選挙より区議会議員を5名削減する方向であり、草加市議会議員の定数が相対的にみていかに多いかがわかります。

議会は、この解散により、定員を減らすことなく今回の選挙を行うことが出来ましたので、議員にとっては当選しやすくなりましたし、そのうえ、予定より早まったことで、知名度の低い新人には不利となり、現職の議員には大変有利な状況でした。
今回の草加市議会議員選挙では、そのような事情で大部分の現職議員が再び議員になりましたが、議会が再び市長不信任案を可決したために、市長は失職して、草加市長選挙が行われることになります。

万一、今回の草加市会議員選挙が定数を一人でも削減して行われていたなら、最下位当選の佐藤勇議員による10月27日の木下博信草加市長の不信任決議は、形を変えていたことになります。

蛇足ですが、議会が市長不信任をした表面上の理由は、児玉前草加市助役の事件であり、この事件に関連して、市側は法を尊重してこれまで純粋に従っていたのですが、執行猶予期間も終了して法的な処理が終わった本年度になり、市が独自に前助役の事情聴取をして、市長がそれに対する反省や試行錯誤などを行ったことがあげられています。

その後の10月25日には、本年4月より実質的に副市長としての業務を担当してきた前総務部長の藤波孝氏が副市長として議会に提案されましたので、草加市議会の解任理由が中身のないものであることがはっきりとしました。

前助役の事件は、すでに終わった緊急性のないことであり、もし、このことのみが理由で、埼玉県では前例のない市長不信任という重要な議決を議会がするのであれば、9月議会を開催して、市民のために必要な政策を成立させ、議会としての義務を果たしたあとに議決してもなんら差し支えなかったはずですので、明らかに、9月議会開催期間冒頭での市長不信任可決は、表面上の理由として上がってなかった大きな理由があったことになります。

草加市議会の良識が、問われていると思います。