日記風(再)

しゃかりきコロンブス

ボールの投げ方が自分の中で今ひとつまとまらないので、
別のこと書きます。


主に球技における守備の一歩目の踏み出し方についてです。

多くの競技、球技で、相手の行動に対し早い一歩目を切るほど、
良い位置に移動出来るため、球を受ける瞬間の行動がより安易になります。

守備というものは基本的に待ちであり、
相手の行動に対して受け身、受動的に行うもの、
つまり、こちらで動く方向を決めることが出来ません。

なので早い一歩目を切るためには、
攻撃方向に対し、より短い時間で対応・反応する力、
つまり、瞬間的な読み、反応速度、瞬発力という、
いわば感覚や筋力における爆発力的な何かが必要ですが、
それはセンスや筋トレがいるのでだめです。


それらを使わずに良いスタートを切るカギになるのは、
タイミングと構え方です。


守備において良い構えと呼ばれるものは、多くの競技で中腰になります。
ファンダメンタルポジションと呼ばれます。
 
なぜ中腰が良いのか。
重心を落とすと安定するからという指導者は、
本質を理解していないのでだめです。 
じゃあ座ってなさいという感じです。

そもそもの目的がすばやく前後左右に動くためなのだから、
この姿勢で一番大切なのは、
「全身を前後左右方向に動かすために、
 重心がどの方向へも偏ること無い上に動かしやすく、
 なおかつ脚が最も大きな力を発揮できる形である」
ということにあります。

なので、膝が135℃ぐらいになるように曲げる、
右の脚は左に進むため、左の脚は右に進むため力を出す必要があるので、
それぞれ最適な角度に開脚し、
膝の方向も進む方向へ内旋させ(内股方向へ回す)、
足は各脚の目的を考えると外側でなく内側
かかとではなくつま先に(拇指球)で地面を捉え、
脚によって動かされるもの=上体は出来る限り重心を中立な位置におき、
(前に突っ込むことが多いものであればそちらに重心を傾ける)
 動く方向へより早く重心を動かせるように骨盤を立てておく(猫背にならない)。

など、これらの、より全ての方向へ移動するために
都合の良い要素を詰めあわせた結果が、
たまたま中腰になっているのだと自分は思います。

まずこのフォームを知り身に付けることです。
 上記の理屈をふまえつつ、一流選手の実際のフォームを見るのが、
良いかと思います。
 
 
もう一つ大切なのが、タイミングです。

確かに上記のフォームが動き出すのに最も効率が良い形だとしても、
あなたのそのクソ重い体を動かすのに大きなパワーが必要なのには変わりありません。
 
楽に動き始めるにはどうすればよいか。
ボールを投げるでも説明しましたが、慣性の法則というものがあり、
止まっている物体を動かすことが最も大きな力を必要とするため、
少ない力で動かすためには予め動かしておけばよいということになります。

一流選手は相手のフォームを見てどちらに来るか分かるとかいうので、
そういうのを身に付けろということですか?いいえちがいます。

前後左右に干渉せず、均等に動かしやすさを保ちつつ、
かつ、重力というアシストを使える方向があります。
もうおわかりですね!予め動かす方向というのは「上から下」です! 
 
直立から中腰になるまでの落下エネルギー、それを利用するのです。

もちろん、膝が曲がる角度やそこにかかる時間というのはとても短いため、
その力が発生している時間は非常に僅かですが、
球技というものは多くの場合、球自体は速いですが、
バッティングなどもいわばピッチャーが投げたボールに対する
受動的なアクションなので、
いつボールが飛び始めるかというタイミング自体は簡単につかめるため、
それに合わせて腰を落とすということも簡単に出来ます。

そして、 打球方向など、動くべき方向が分かり次第、
その下方向への動きの向きを動くべき方向へ変えてやるのです。


なので、楽して良いスタートを切ることのコツは、タイミングと構え方、
正確には「タイミングよく構える」ということです。


盗塁のスタート、相手のドリブル&フェイント、格闘技など、
動く方向だけでなくタイミングまでも相手が能動的に決めるようなものに対しては、
直接的にこの手法は使えませんが、多くの場面において、
完全に構えきった静止した状態で待つのではなく、
相手のアクションにタイミングを合わせて構えるという手法は使えると思います。

ここまでの行程で運動エネルギーの大半を稼ぎました。

次にやるべき事は、現在の
「重くて遅い」運動エネルギーを
「軽くて速い」運動エネルギーに「変換」するという作業です。

変換にわざわざ括弧を付けたのは、
ここから加速していくのですが、力を使って加速していくわけではなく、
あくまで現在の運動エネルギーを両替するということであり、
つまりそれ自体にパワーは必要がないということです。

より手数料の少ない両替、ロスのない変換の方法を探ることが求められます。


変換はいくつもの行程の複合によってリレーされていきます。

一つは「全身の運動エネルギーを上半身のみに移す」です。

現在、運動エネルギーは全身が前進するのに使われています(キタコレ)
この状態から、
「下半身の移動を一瞬で停止させ、上半身のみが前進する状態に変わること」
によって、運動エネルギーが上半身に伝わるのです。
 

下半身の移動を一瞬で停止させる方法は、踏み出した足を着地させ、
地面との巨大な摩擦を発生させることです。 
 
しかし、この踏み出し足が「踏み出すこと」が目的でなかったように、
踏み出し足の着地も、「着地すること」が目的ではありません。 
下半身、つまり「腰から下の移動を停止させること」が目的になります。
 
そのために「こうなってしまってはいけない」という状態があります。
着地の時に踏み出し足の膝が曲がるという状態です。

 膝を伸ばしたまま着地しろと言っているのではなく、
着いた勢いで曲がってしまうなということを言っています。

膝が曲がるということはどういうことかというと、
「下半身がまだ進みゆく状態」であり、
目的とする上半身だけが進むという状態になりません。


しかし、普通に着地すると自然に大股歩きのように、
膝を曲げて勢いを殺しながら体は止まろうとします。

餅論、これを必死に耐えろと言うわけでもありません。

 どうすればよいかというと、
勢いを膝関節ではなく、太ももの付け根の関節で受け止めるのです。
ごうだの頭突きスペシャルみたいな形です。 


こうすることで膝の負担が非常に少なくなり、
少し力を入れていれば折れてしまうことがなくなります。
踏みだし脚の太ももの付け根の関節がちょうつがいのようになり、
上半身だけが踏みだし脚の方に倒れ込んでいく感覚が掴めるかと思います。


逆に、膝関節は曲がらないものの、股関節さえも曲がらないというのも、
なってはいけない状態の一つです。

ボールが投げるのが苦手な人の多くは、
ボールが飛ぶ方向、つまり斜め上に向かって一緒に体を進める傾向があり、
そういう人はそのような状態なってしまうかもしれません。

しかし、その動きは下半身も一緒に進んでしまっているため、
正しい変換になっていません。

正しい変換とは、運動エネルギーの総量を出来るだけ変えないまま、
動かす質量(ここで言えば下半身の質量の移動)だけを減らすことなのです。
動く質量が減ればそれだけ速度が速くなっていきます。



余談になりますが、よく踏み出し脚の膝を突っ張って着地するフォームの投手がおり、
あまりよくないという解説者の方もいます。

自分は、一概に悪いとは思わず、
長所と短所があると言えると思います。

長所は、膝を曲げていないため、
膝が曲がらないようにする負担がゼロなり、楽に止まれると言うことです。
非常に蹴りだしが強い投手や、脚の筋力が落ちてきたベテラン投手などは、
この方が良いのではないかと思います。
 
逆に短所は、膝を曲げた方が、
長い距離かつより低いところまで進めるということです。
低いところまで進めると言うことはそれだけ
位置エネルギーを運動エネルギーに変えられると言うことであり、
膝を曲げないスタイルでは、高さと時間を最大限に使えないため、
球速を他の筋力、主に上体の力で補う必要があるのではないかと思います。


なんにせよ大切なことはしっかり下半身を止めることと、
太ももの付け根を軸に上半身だけが吹っ飛んでいくようにすることであり、
これが満足に出来る着地であればよいのではないかと思います。

運動エネルギーを発生させる力の源として、
足の力と位置エネルギーを上げましたが、
より少ない力でより多くの運動エネルギーを発生させる要素として
非常に重要なものがあります。
 
それは「時間」です。


「慣性の法則」という物理法則があります。
一般的には、現在の速さが維持されることを
表す言葉として使われる慣性という言葉ですが、
現在の速さというのには「遅さ」も含まれます。

「遅い」から「速い」にすぐに変えるのには
大きなエネルギーが必要なのです。
スピードを出した車の急ブレーキの制動距離が長いように、
「速い」から「遅い」に変えるのも同じです。


少ない力で「遅い」を「速い」に変えるには、
長い時間をかければよいのです。

ボールを投げることに関して言えば、
全ての運動エネルギーを発生させる動作を
できるだけ長く時間をかけて取ろうという考えが必要です。

少しでも長く時間をかけるには、
少しでも長い距離を動かせばよいのです。


落下速度は時間の二乗に比例します。
どういうことかというと、
位置エネルギーは一瞬では運動エネルギーに変わらず、
また逆に、長い時間をかければ
非常に巨大な運動エネルギーに変わるということです。
 
なので、位置エネルギーを運動エネルギーに変える部分に関しては、
斜め下に腰を進めていくのではなく、
二次曲線のカーブを描くように、
まず重力で大きく無理のない範囲で体を落とし、
その稼いだ下向きの速度を横向きに変えるという動かし方が
時間を長く掛けて速度を出す動きと言えるでしょう。


蹴り足で体を進めるのも、言ってしまえば1歩分の助走であり、
助走が取れるのであれば2歩3歩、
または、蹴り足で前進するケンケンをするというのも、
運動エネルギーを時間を掛けて稼ぐという感覚に
近づくのにはよいかもしれません。


先の話になりますが、
腕の動きも最後に力んで一気に腕を加速するのではなく、
ハンマー投げのハンマーのようなイメージを持ち、 
ボールが離れるタイミングまで
時間を掛けて腕を加速していくという感覚があると、
より楽に速いボールが投げられるのではないかと思います。

大いなる力にはもう一つあります。
それはもうボールを投げる1で既に登場している「位置エネルギー」です。

振り子の原理はご存じだと思いますが、
振り子は、空気抵抗が無い場合、
糸が張られた状態で支点の高さまで持ち上げて離すと、
無限に振れ続けます。

このことを力学的エネルギーの観点から説明すると、

高さ(位置エネルギー)が速度(運動エネルギー)に変わり、
再び高さ(位置エネルギー)に戻っている。

それが無限に続くということは、
位置エネルギーと運動エネルギーの合計値は常に一定である。

このようなことが言えるかと思います。


位置エネルギーは運動エネルギーに変換できる、
つまり、「高さ」は「速度」に変えられるということです。 
 
一見全く力学的エネルギーを持っていないように見える、
「直立している」
という状態は、実は非常に位置エネルギーが蓄えられた状態なのです。


しかし、この位置エネルギーは何も手を加えなければ真下に進む力になります。
運動エネルギーには変わりませんが、投げたい方向と合致していません。
なので、位置エネルギーを投げる方向の運動エネルギーに変える、
こういうアクションが必要になります。

ここは時間の変化とともに力が変換されていくため、
状態をリアルタイムで感覚で捉えていかなければいけないので、
イメージによる流れの説明になりますが、
落ち行く体を右投げで言えば右脚(蹴り脚)で
前方に滑らせる、受け流すような脚の使い方をします。
スノーボードのハーフパイプ断面のように体を滑らせる感じでしょうか。
片足で横方向に立ち幅跳びをする、そういう意識かもしれません。


ここでも意識すべき点は腰の位置であり、前に沈み込みながら進もうとすると
上体から進んでしまう可能性があります。
上体ではなく、腰を落とし込みつつ滑らせる、
加えて、腰が落ち行くことにより、蹴り脚の膝が曲がっていくため、
蹴り脚で地面をより強く押せる形にもなっていきます。

位置エネルギーと蹴り脚、この二つの力を使って巨大な運動エネルギーを発生させる。
これがボールを投げる力の源です。

 
ちなみに、直立しているよりも位置エネルギーを稼ぐ方法があります。
それは投げる前に踏み込み脚を上げることです。
ヤクルトの小川投手、巨人の星投手などが良い例になります。

ピッチャーが大きく脚を上げる一番の理由は、
位置エネルギーを稼ぐためなのです。

この意味が分かっていないと、どこまで脚を上げて良いかの判別がつきません。
ただ形式的に上げてるだけになってしまいます。

しかし、全ては運動エネルギーに変えるためにやっていることという
明確な認識があれば、自分にとってどう上げてどう下ろすのが
一番楽に運動エネルギーが稼げているか、
そういう部分に意識を集中させることが出来るため、
ベストな位置に自力で近づけていくことが出来るかと思います。
 

これが、ボールを投げる1でも書きました、
スポーツが苦手な人が決定的に掛けている、
「コンパスとなる認識」であり、こういう認識をたくさん集め、
応用していくことで全ての運動に対応できるようになっていくのではないかと思います。

ボールを動かすために、
まずボールを動かそう、という発想を捨て、
まずボールを動かすための運動エネルギーを生み出そう、
そして、その運動エネルギーは体重が移動するという運動エネルギーなのだ、
この考え方を手にしただけで、20ぐらい上がったと言えるでしょう。


そもそも、「体重が移動する」ということが、
具体的にどれぐらいエネルギーを発生しているかという事を
知っておくべきとはおもうのですが、

運動エネルギーという観点から見れば、
例えばですが、体重50kg(50,000g)の人が10km/hで移動する運動エネルギーは
単位を考えなければ
50,000x10x10=5,000,000
であり、
この運動エネルギーをロス無く140gのボールに伝えると、
140x速度x速度=5,000,000 この式を満たす速度=189km/h
となるのです。
 
そんなに発生してるか、と思うかもしれませんが、
逆に考えると、200km/hぐらいのボールを、
あなたの家のそのヌルヌルの床の上で正面からグローブでキャッチした場合、
10km/hぐらいの速度で滑るよと言われれば、
確かにそうかも!こんなにヌルヌルだし!と思うはずです。

体重が動くという莫大な運動エネルギーはご理解いただけましたでしょうか。
 

次に知るべき事、それは体重を動かすために使う大いなる力とは何かです。

大いなる力は2つあります。

まず1つは、軸足の力です。
右投げの人は右脚、左投げの人は左脚が、一般的に軸足と呼ばれます。

ちなみに、書いておいて何ですが、自分はこの「軸足」という単語は
使うべきではない非常に悪い単語だと思っています。

なぜなら、この軸足と呼ばれる脚は、軸になるのは大した仕事ではなく、
地面を蹴り、エネルギーを生み出すのが一番の仕事になるからです。

今後、軸足は蹴り脚と呼びます。逆に右投げの左脚は踏み込み脚と呼びます。


脚は腕の3倍の筋力があると誰かが言っていましたが、
 どんなに力が弱い人でもそれなりに健康であれば脚で歩くことは容易であるのに対し、
力が強い人でも逆立ちで移動することは非常に困難であることから分かるとおり、
脚は筋力、持久力ともに腕よりも非常に高い性能を誇ります。 

別の見方をすれば、体を動かすということは、
ボールを投げるよりもたくさんの力を発生させなければ出来ないことであり、
動けているというのは脚がそれだけのエネルギーを発生させたということでもあります。


なので、
投げ始める際のステップ=右投げで言う左脚(踏み込み脚)を踏み出す際
にすべきことは、

「蹴り脚で出来るだけ強く地面を押して体を進める=運動エネルギーを発生させる」

であり、これが大いなる力その1です。 


ボール投げが苦手な人は、九分九厘、投げ始めのステップで、

「踏み込み脚を前に進める」 

というアクションをしています。
これは前者のアクションと似ているようで月とすっぽんほどの差があります。
 
何が違うかというのは、腰の移動っぷりを見ると一目瞭然です。
体重が移動するというのは、言い換えると体の重心が移動するということであり、
体の重心は、上体が傾いてなければ大体腰の位置になります。 

「蹴り脚で地面を押し込む」ことをすると、その分だけ腰が前に進みます。
しかし「踏み込み脚を前に進める」ことをしても腰はほとんど進んでいきません。

開脚することが目的ではなく、重心を進めることが、
投げ始めのステップの真の目的なのです。


前側の足(踏み込み脚)を踏み出すのではなく、
後ろ側の足(蹴り脚)で地面を押して重心を出来るだけ速く前に進める。
もうこれで+30です。 

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