科学革命 を含む記事

July 22, 2014

コナントの科学革命

読書猿さんに刺激されてJ.B. Conant (1947)  On Understanding Scienceとか読んでいる。クーンよりだいぶ前に科学革命という概念を不定冠詞付きで使っていたりする。概念図式という概念も使っている。

"We can put it down as one of the principles learned from the history of science that a theory is only overthrown by a better theory, never merely by contradictory facts. Attempts are first made to reconcile the contradictory facts to the existing conceptual scheme by some modification of the concept. Only the combination of a new concept with facts contradictory to the old ideas finally bring  about a scientific revolution. And when once this has taken place, then in a few short years discovery follows upon discovery and the branch of science in question progresses by leaps and bounds." pp. 36-37(強調 伊勢田)

試訳:科学史から以下のような原則が導き出せる。理論はよりよい理論によってのみ倒され、単に矛盾する事実によって倒されたりしない。まずは、概念に手を加えることで矛盾する事実を現存の概念図式とすりあわせる努力がなされる。古い考え方と矛盾する事実が新しい概念と組み合わさってはじめて、科学革命は起きる。そしてそれが起きてしまえば、何年かの間に発見があいつぎ、科学のこの分野は急成長することになる。


コナントがハーバード大学の学長でクーンがコナントに言われて科学史の授業をしていたのは知られているが、科学観の内容的なつながりが言及されることは少ない。例外的にこちらのページのまとめは詳しい。
http://www.philsci.com/book6.htm
このページもコナントが不定冠詞の科学革命という言葉を47年に使っていたことまでは言及していないようだ。
フラーの『クーン』でこの話って出ていたっけ?
→追記:S.Fuller, Thomas Kuhn: A Philosophical History for Our Timesではクーンの「革命」概念もヘンダーソンの率いるハーバード大学パレート研究グループの影響ではないかと推測している(pp.168-169)が、コナントによる用例には触れていない(たぶん)し、a scientific revolutionというそのものずばりの表現をパレート研究グループの他の誰かがしているみたいな話もない(たぶん)。(大部な本なので見落としはあるかも)



iseda503 at 14:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)