「受託収賄」型政治ではないのか 「数に乗じ」は国会の命取り

 【正論】

 国会が始まった。「政治とカネ」の問題もあるが、民主党政権の最大の問題は、開かれた自由な議論がまったくないことだ。あるのは不明瞭(めいりょう)な政策決定プロセスと利益誘導型政治、そして選挙に勝つことがすべてとする政局至上主義だ。しかし民主主義というのは選挙に勝った多数派が、数に乗じて好き勝手にしていいということではない。国会は国のあり方を議論する場であり、選挙は、国民の代表として国会で議論する人を選ぶ営みである。選挙に勝てば議論はいらないというのは民主主義の死である。

 政治家が党のためでなく、日本のために働いていることを思い起こせば、国会においてはもっと真剣な、本質的な議論があってもいいのではないか。

 ただ国会に議論がないのは何も民主党政権に始まったことではない。確かに議論に似たものとして国会質疑はあるが、これは議論ではない。与党の質問はおおむね台本があるようなもので、それを大きく踏みはずすことはないし、野党の質問は議案に関係のないことを問いただし、答える方は何とかごまかすことに終始する。これで日本をどうするかというような重要なことを民主的に決めているといえるのかと疑問に思ってきた。

 しかし自民党政権時代には、少なくとも党内での開かれた自由な議論はあった。皇室典範改正も人権擁護法案も離婚後300日規定も、自民党の部会での議論の結果、間違った方向に行かずにすんだ。もちろん部会の議論は、1年生も党の執行部もなく、自分が正しいと信じることのために発言することができた。

 ≪政権の正当性疑う公約破棄≫

 ところが民主党政権は、部会制度をなくし、政治主導という名のもとで、およそ議論なしで独断的に政策決定がなされている。

 昨年末に平成22年度の予算案が提示されたが、小沢幹事長が側近とともに大挙して官邸に乗り込んで党の意向を総理に伝えると、一夜にしてガソリンの暫定税率が維持されることに決まった。暫定税率といえば、平成20年1月、民主党は「ガソリン値下げ隊」という派手なパフォーマンスまで行って委員会審議をつぶし、3月までに結論をだすと約束して、つなぎ法案を取り下げさせた。ところが約束は反故(ほご)、4月にいったんガソリンの値段が下がり、5月にまた上がるという混乱を招いた。

 そして昨年夏の総選挙では民主党のマニフェストの看板政策に暫定税率の廃止をうたい、念願の政権交代を実現させた。

 小沢幹事長は、「厳しい財政状況で子ども手当などの政策を実現するためのやむを得ない措置」というが、選挙中「無駄遣いをやめて」「予算を組み替えて」10兆円、20兆円を捻出(ねんしゅつ)するから、日本の防衛費よりも大きい子ども手当の財源も「心配いただくに及びません」と明言していた。心配する必要のない財源はどうなったのか、これは「消えた年金」ならぬ「消えた財源」であり、この莫大(ばくだい)な「消えた財源」の説明なくして民主党政権の正当性はない。

 政治主導というが、暫定税率での政策転換でわかるように、民主党に政治を主導している政治家は1人しかいない。あとは霞が関の官僚が国会議員になり民主党の官僚になったようなものだ。しかも、その主導する政治というものが「公」ではなく、「利害」で決められている。

 土地改良の団体が夏の参院選で自民党公認の候補を立てることにしたとたん、予算を半分に削られた。民主党に票を差し出す団体の陳情だけが幹事長室を通じて実現されていく。これを受託収賄型政治といわずしてなんというのか。ただ、この手法は古い自民党体質を極限まで推し進めたものであり、自民党としては、その再生のために決別すべきものなのだ。

 ≪自民党は闘う姿勢を見せよ≫

 求められるのは、支持団体への利益誘導から脱却し、国民全体の利益を目指す政治である。何が日本経済を回復させるために必要か、何が日本の農業を強くするのか、どうすればもっと日本を明るくし、国民を幸せにできるのかを党派を超えて議論し、政策を決めていく本物の議会政治だ。外国人地方参政権付与について、民主党は通常国会での成立を目指すというが、違憲の疑いすらある問題について党内でも議論がなされた形跡はない。国のあり方に重大な影響を及ぼし、いったん与えれば二度と剥奪(はくだつ)しにくい外国人参政権について与党内に議論がないことは、わが国に民主主義が全く機能していないことを意味する。

 翻って、わが自民党に問われているのは闘う姿勢だ。何のために闘うのか。政局のためでなく、選挙のためでなく、民主党政治により家族とふるさと、そして国柄が壊れてしまわないよう、この国を守るために闘う集団に生まれかわらなければならない。

 まじめに生きる国民のために、開かれた自由な議論によって新しい日本を創造するために闘う、真の国民政党になることだ。(衆議院議員、弁護士 稲田朋美)


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