2017年12月02日

中国、南シナ海に航空兵力を展開ーなぜ日本で問題にならないのか?

J11がベトナム沖に展開

中国中央電視台(中国中央テレビ)は29日、自局動画サイトで同国空軍のJ11B(殲11B)戦闘機が南シナ海上空で編隊訓練を行い、同戦闘機がパラセル諸島ウッディー島(西沙諸島永興島)に展開する様子を紹介した。(映像)(記事、レコードチャイナ) 同国が領土紛争を起こしている南シナ海で、航空兵力の展開が伝えられるのは初めてだ。


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気になるのは、その場所だ。パラセル諸島は中国とベトナムが領有権を主張しているが、現在は中国が全域を実効支配している。 南シナ海の中心にあたる。 ベトナムの港湾ダナンまでは300キロ程度。ここはベトナム戦争中に米海兵隊が展開したが、浜辺と港湾があり、軍が上陸、展開するのには最適地だ。東にはフィリピンがあり、マニラ湾に位置するかつての米艦隊の母港(今は大規模に米軍は展開していない)スービック基地がある。

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中国海軍は、南シナ海を重視している。ここは日本、韓国、米国、台湾の海上交通線が通る。さらに中国海軍は接近阻止・領域拒否(英語: Anti-Access/Area Denial, A2/AD)という戦略を採用していると米海軍は分析している。 

第一列島線、第二列島線を目標にし、南シナ海への敵兵力の接近を阻止。その海域を策源地にする。さらに南シナ海は中心部に1000メートル近い深い場所がある。そこに、攻撃が難しい戦略原潜を展開し、太平洋諸国を攻撃できる核抑止力を強化しようというものだ。パラセル諸島の北には、原潜艦隊の基地が置かれた海南島がある。また米軍は、中国が重要港湾を、ペルシャ湾までつなげていることを「真珠の首飾り」と呼んでいる。

ちなみにJ11はロシアのスホーイ27の中国版。米国のF15に対抗するために作られた世界最優秀機の一つだ。今年初頭から米軍が配備の可能性を報道していたが、それを中国自ら発表した。そうしても何も起こらないという自信の表れだろうし、一瞬映った基地は整備され、巨大な滑走路(3500メートル級と米国の報道にある)も、完全に完成、運用されているようだ。

中国の報道では、格納庫を「恒温密封」とわざわざ表明した。その言葉の意味は不明だが、中国は、「F22、F35にも匹敵する性能」として新たに開発したステルス戦闘機J20(殲20)の配備を念頭に置いている可能性がある。 ステルス戦闘機は、性能を維持するため特殊な格納庫を必要とする。

中国は日本の生殺与奪の力を得た

南シナ海は日本にとって死活的な場所だ。

第二次世界大戦で、日本の敗戦が決まったのは1945年8月だが、敗北が決定的になったのは1945 年1月のフィリピンへの米軍侵攻、それにより南方資源地帯を結ぶ海上交通線の海空の攻撃による切断であった。

日本には石油の100万トンクラスの原油タンカーが平日に30−40隻前後、LNG タンカーが同じく20隻前後入港するという。(口頭で聞いたので、正確な数字か不明)1億2000万人の人口を支え、さらに世界第三位の経済を運営するには、膨大な船の船舶でエネルギーを輸入しなければならない。日本は無資源国であり、またカロリーベースで7割の食糧を輸入している。貿易をして稼ぎ、輸入しなければ、国の存立が危ぶまれる国だ。その船の多くは南シナ海を通る。

その海上交通線が脅威にさらされたら。

実際に武力行使がなくても、緊張が高まれば、海運、保険料がはねあがり、実際の交通は困難になる。敵対国中国は、いつでも日本を締め上げられる体制を作り続けてきた。仮に国同士がけんかっ早かった19世紀だったら、これは開戦理由になるだろう 。

すさまじい平和ボケ

そうした状況にあるのに、日本の向き合い方は問題が多い。 中国が南シナ海の基地建設を始めたのは、2010年頃からだ。各国の抗議にもかかわらず、すでに17箇所に施設を作った。いずれも軍事基地とみられる。

沖縄では中国の南シナ海進出が本格化してから基地反対運動が過激化し、派手になった。明らかに資金が潤沢になっている。そして彼らは活動資金を公開していない。日米両軍が使う辺野古の航空基地は20年が経過してもできない。南シナ海の状況をみて、中国の関与を疑うのは当然だろう。

国会では、今もテレビに映る予算委員会では、「モリカケ」が騒がれている。北朝鮮の脅威、さらには中国の脅威が語られない。 なぜ深刻に野党議員は問題を受け止めないのか。

さらにメディアもおかしい。ネットを検索すると、このニュースを1日遅れで伝えたのは日経と産経のみ。私は英語と漢字しか読めないが、検索すると米英主要メディアは10ほど、中国やアジアの華字紙は15ほど、ネットで記事を出していた。ニュースへの感度が鈍すぎる。モリカケより、はるかに重要な問題だ。 中国への忖度なのか。それとも無能なのか。どちらにしても、メディアが日本社会に伝えるべき情報を伝えていない。

北朝鮮に加え、中国の脅威も日増しに高まっている。こうした現実を私たちは直視した方がいい。そして、「私たち日本人を後ろから刺す裏切り者、もしくは危機の現状を危機と分からない無能な日本人が日本に満ちている」という恐ろしい現実も知るべきだろう。


ishiitakaaki3 at 08:51│Comments(0)安全保障 | エネルギー

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