前回下手くそに話を切ってしまいましたがともかく続きです。

最後の質問について「負の数は実在するだろう」という意見があったり、あるいは星の数ほどいるであろう私より学のある方々から複素数の実在例が上がったりするかもしれません。
しかし、少なくとも歴史的な経緯からすれば、負の数だったり複素数というのは実在する物理的な数量ではないのです。

詳しい説明に入る前に、まずは「負の数が実在する」という意見に対する反証から入りましょう。うまく伝えられるか不安ですが・・・
実在する負の数としてよく思い浮かぶ例としては「陽子」と「電子」でしょうか。
確かに「陽子」は正の電荷を持つ一方で、「電子」は負の電荷を持つ粒子として自然科学では広く扱われていますし、そこに一石を投じるような度胸もおこがましさも私にはありません。
ただし、ある電気的な性質を持つ「陽子」及びそれと真逆の性質を持つ「電子」に対して、一方を正の電荷を持つ粒子、他方を負の電荷を持つ粒子と定めたのは科学的・数学的な利便さから来た後付けの解釈なのです。
こう定めた時に数学的・物理的に運動の様子などが論理的に説明が出来るようになった(もしくはしやすくなった)ので、これを踏襲しているといったところです。

正の数・負の数というのは元々ある基準に対する変化を表す変化量であって物理量ではありません。
例えば水が氷になる瞬間の温度を0℃として10度高い温度を(+)10℃、10度低い温度を-10℃として表現している訳です。
あまり頭のいい表現ではありませんが、「1個のりんご」は存在しても「-1個のりんご」は存在しません。あくまでりんごが1個増えることを+1個と表現した時、1個減ることを-1個と表現することしか出来ません。

兎にも角にも負の数や、ましてや複素数なる物理的な数量は存在せず、「あったほうが便利だから」という理由から現代数学において地位を得ているのです。
負の数はともかく複素数は果たして便利なのかというと、悲しいことに高校生で理系を専攻しないと実感出来ないかもしれません。
オイラーの公式まで話が出来るならば重要性がわかりやすい形で見えてくるのですが・・・これは大学生になってからの話です。

まぁそんなこんなで、実は負の数を扱い始めた中学1年生の段階で、実在する数だけを取り扱う「算数」から卒業していた訳ですね。


学園前教室 青木