石川数学塾大阪

カテゴリ: 学園前教室からのメッセージ

先週前回の残りをどう書こうかと懊悩していたらそのまますっぽかしてしまいました・・・
と言っても本題については自分の知っている事項はほとんど書き切っています。残りの話題といえば歴史的な背景が少々といったところです。

そもそもこれ見よがしに書いてきましたが、全体の内容の優に8割ほどは
吉田洋一, 赤攝也『数学序説』ちくま学芸文庫, 2013年
こちらの第7章(pp.261-)から参考にしていますので、興味があれば読んでいただければと。
1章から読んで行けば、言わば数学史のような読み物としても楽しめると思います。

梅雨の季節になって来ましたね。電子機器を日常的に携行する時代になって久しいですので、傘は常備しておきましょう。
生活防水のあるモデルだから大丈夫、なんて油断していると後悔します。いや、本当に・・・

学園前教室 青木

ここのところ寒暖の差が大きい日が続いております。
真夏のような暑さかと思えば昨日おとといは半袖で過ごすには涼しすぎる陽気でした。
風邪など引かれないよう充分ご注意ください。

さて、表題について前回までの内容を結論だけでまとめると、
「複素数」はおろか「負の数」は実在する物理量ではなく、計算の利便性などから由来する代数学上の概念である。
補足するならば、いわゆる複素数などは計算規則のみ定義されただけのただの「記号的表現」に過ぎず、この定義に反しない限り、私たちが現実の世界でそれにどのような意味を与えても良い…と悪し様に言えば割り切ってしまったわけです。

特に複素数は\(x\)の2次方程式
\(x^2+x+1=0\)
を解の公式に従って解けば
\(x=\frac{-1\pm\sqrt{-3}}{2}\)
と簡単に出現してしまうので、数学として扱えるようになることは大いに意味がありました。

そんな記号的表現を用いて表された概念ですが、次の4つの定義と、それぞれの演算に対して交換法則・結合法則を満たしているかどうかで数学においての扱いやすさが変わります。
複素数の例と合わせて見ていきましょう。
1.相等
\(a+bi=c+di\)であるとは\(a=c\)かつ\(b=d\)である事を意味する。
2.和・差
\((a+bi)\pm(c+di)\)とは\((a+c)\pm(c+d)i\)を作る事を意味する。
3.積
\((a+bi)(c+di)\)とは\((ac-bd)+(ad+bc)i\)を作る事を意味する。
4.商
\(\frac{a+bi}{c+di}\)とは\(\frac{ac+bd}{c^2-d^2}+\frac{bc-ad}{c^2-d^2}i\)を作る事を意味する。ただし\(c^2+d^2\neq0\)
つまるところ四則演算がいかなる場合でも行えるかどうかがポイントです。

大雑把になりますが、1.は前提として、各種演算についてこれらのうちのいくつを満たしているか、結合法則・交換法則を満たしているかで「群」「環」などと呼ばれ、数学において重要な地位を確立出来るわけです。
ちなみに複素数は4つ全てに対して結合法則・交換法則等を満たしていますので「体」に属しています。

「体」である場合、今まで学んできた代数学的な性質や変形の大部分が利用できます。
未知の数値・変数を\(x,y,\ldots\)と置き換えて数式変形は十分に問題なく行えるようになります。
複素数の場合、\(a+bi=z\)と実部・虚部丸ごと1つの文字で表現する事も認められます。
そうなると数式展開や因数分解が出来るだけでもかなり便利ですね。
逆に\(z=a+bi\)に従って実部と虚部に分けて考える事も出来てしまうので複雑になる事もあるのですが・・・

学園前教室 青木

前回下手くそに話を切ってしまいましたがともかく続きです。

最後の質問について「負の数は実在するだろう」という意見があったり、あるいは星の数ほどいるであろう私より学のある方々から複素数の実在例が上がったりするかもしれません。
しかし、少なくとも歴史的な経緯からすれば、負の数だったり複素数というのは実在する物理的な数量ではないのです。

詳しい説明に入る前に、まずは「負の数が実在する」という意見に対する反証から入りましょう。うまく伝えられるか不安ですが・・・
実在する負の数としてよく思い浮かぶ例としては「陽子」と「電子」でしょうか。
確かに「陽子」は正の電荷を持つ一方で、「電子」は負の電荷を持つ粒子として自然科学では広く扱われていますし、そこに一石を投じるような度胸もおこがましさも私にはありません。
ただし、ある電気的な性質を持つ「陽子」及びそれと真逆の性質を持つ「電子」に対して、一方を正の電荷を持つ粒子、他方を負の電荷を持つ粒子と定めたのは科学的・数学的な利便さから来た後付けの解釈なのです。
こう定めた時に数学的・物理的に運動の様子などが論理的に説明が出来るようになった(もしくはしやすくなった)ので、これを踏襲しているといったところです。

正の数・負の数というのは元々ある基準に対する変化を表す変化量であって物理量ではありません。
例えば水が氷になる瞬間の温度を0℃として10度高い温度を(+)10℃、10度低い温度を-10℃として表現している訳です。
あまり頭のいい表現ではありませんが、「1個のりんご」は存在しても「-1個のりんご」は存在しません。あくまでりんごが1個増えることを+1個と表現した時、1個減ることを-1個と表現することしか出来ません。

兎にも角にも負の数や、ましてや複素数なる物理的な数量は存在せず、「あったほうが便利だから」という理由から現代数学において地位を得ているのです。
負の数はともかく複素数は果たして便利なのかというと、悲しいことに高校生で理系を専攻しないと実感出来ないかもしれません。
オイラーの公式まで話が出来るならば重要性がわかりやすい形で見えてくるのですが・・・これは大学生になってからの話です。

まぁそんなこんなで、実は負の数を扱い始めた中学1年生の段階で、実在する数だけを取り扱う「算数」から卒業していた訳ですね。


学園前教室 青木

ご無沙汰しております。
GWだったり法事だったり上からの雑務だったりで色々忙殺されておりまして更新が出来ませんでした。
授業自体はなんとか滞りなく行えたのが不幸中の幸いでして・・・

挨拶はそこそこに表題についてのお話。
標準のカリキュラムによれば高校2年生の方、学校によっては高校1年生ないしは中学3年生の方ですでにひとまず習ったという前提で話をしてしまいます。
複素数(Complex Number)の名が示す通り複雑で難解な代数における概念です。
虚数単位iを単なる文字のように見なすと割り切れるかどうかがまず1つの関門です。
苦手だったり毛嫌いする人の中には、
平方すると−1となる数なんて存在しないし、実在しない数について考える意味はない!
・・・なんて考えている方も少なくはないでしょう。
その意見は尤もですし、ある意味鋭い質問です。
ただし、この疑問を持つのは3年ないしは5年ほど遅かったと言わねばなりません。
逆にお尋ねしますが、負の数は実在するのでしょうか?

色々言いたい事はあるでしょうが、次回に続くという事で(笑)
中間テストが目前の方、真っ最中の方は頑張っていい結果を残しましょう!

学園前教室 青木

もうすぐGW含め10連休に突入しようかといったところですが、ここに来て何故か首都圏でインフルエンザが流行りだしているそうで・・・
原因は特にわかっていないようなのですが、ここ1週間で急に患者が増えたようで。
国立感染症研究所のHPにて流行レベルマップが掲載されていますので旅行の際などにチェックしておきたいですね。
注意しても罹ってしまうときは罹ってしまうので仕方ない部分はあるんですが・・・

それはそうと、当塾もGW中4月29日〜5月4日(来週月〜土曜日)はお休みとなってしまいますのでご注意ください。
お電話もつながりません。メールであればもしかしたら反応できるかもしれません。
申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。

学園前教室 青木

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