くわな石取祭 まめ知識

くわな石取祭のまめ知識を紹介します。

国指定重要無形民俗文化財とは?

●そもそも国指定重要無形民俗文化財とはなんぞや?

国指定重要無形民俗文化財とは、衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能など、人々が日常生活の中で生み出し、継承してきた物である。国はこのうち特に重要な物について指定した物が重要無形民俗文化財といいます。
早い話が、国が学術的、伝統的な見地から桑名の石取祭を大変重要な価値のある伝統的年中行事として認め、これからも子々孫々と国の宝として守り伝えていってくださいというお墨付きを頂いたというわけです。
無形民俗文化財という言葉自体あまり聞きなれない言葉と思います。重要無形民俗?無形という事は山車や飾り物は形ある物なので関係無いのかな?と思いがちですが、指定の対象は桑名石取祭の祭車行事その物が指定されています。



●名前を聞くと何となく凄そうなんだけどやっぱり重要無形民俗文化財に指定されるって凄い事でしょうか?

誤解の無いように最初に付け加えておきますが、単純に指定を受けているから凄い、指定をうけてないからたいした事無いという事では決してありません。凄いという言葉が適切では無いとは思いますが、ボキャブラリーの少ない私は指定された事が凄いとしか表現できませんので予めご容赦ください。
単純に、数字的に見てみますと、日本全国で曳山、鉾、屋台、山車を使用する祭礼は1500ほどあるといわれています。その中で重要無形民俗文化財に指定されている祭礼は、合計で35件しかありません。1500分の35です。単純に数字的に見ただけですが貴重価値を認めてくれていることがわかります。

石取祭ばやし優勝大会

●石取祭ばやし優勝大会とは?●

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石取祭ばやし優勝大会は、コンクールと通称され、現在海の日である7月第3月曜日の午前11時から、桑名市民会館ホールで行っている。

この大会は、文化財である石取祭の保護・育成向上を目的に、石取祭保存会・桑名市観光協会・桑名市や関係団体で組織する桑名夏まつり推進協議会の主催で行われている。

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この大会は、昭和27年(1952)に春日神社の摂社である母山神社の合祀社祭の神賑わいとして始めれたものである。当時は合祀祭礼委員会の主催で、春日神社境内社合祀祭礼奉納石取コンクール大会と称していた。

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同大会規約によれば、祭日の5月15日の夕方には七つ拍子、5月16日夕方には五つ拍子の大会を行い、それぞれの終了後に参加長の取締長(現在の祭事長)の審判により、優勝町内を決定していた。こうした合祀社祭でのコンクールは昭和33年(1958)まで行われていた。

その後、現在の会場である桑名市民会館の完成記念として昭和44年(1969)に第一回石取祭ばやし優勝大会を実施し、現在に至っている。主催は当初桑名市観光協会であったが、その後、石取祭保存会、青年連盟と移管され、平成元年からは桑名夏まつり推進協議会の主催となった。ただし、現在も青年連盟が中心になって運営にあたっている。

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大会は一般の部、子どもの部(中学生以下)、女子の部の三部制で競われている。協議は、5人1チームで参加し、各チーム3分以内で行う。審査は技能、音量、態度について採点する形で行われ、各部で優勝、準優勝、第三位、春日神社賞、上田染工敢闘賞が決まる。

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大会には、各町内の希望で参加するものであり、すべての町内が参加するわけではない。なお、参加できるのは、一般の部と女子の部は各町1チームであるが、子どもの部は各町2チームまでとしている。
平成22年は第40回記念大会が行われ、子どもの部31チーム、女子の部は11チーム、一般の部は31チームと総チーム数73チームと多数の参加があった。

川原祓式(かわらばらいしき)

●川原祓式(かわらばらいしき)とは?

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7月海の日の前日の日曜日、午前10時から、町屋川(員弁川)の町屋橋付近の川原で行われる。これは、保存会役員と青年連盟が、町屋川の川原の栗石(花崗岩)を拾うための行事である。

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参加するのは、保存会役員のほか祭事長会議の議長・副議長、青年連盟役員である。
この数年は花車の祭事長も正装で参加している。

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川原には、四方に笹を立てて注連を張った斎場で祭典が行われる。祭典後に参加者が献石俵に石を入れる。献石俵は、「春日神社」として二つ、「青年連盟」として二つ作る。献石表は「春日神社」として二つ、「桑名石取祭保存会」として二つ、「青年連盟」として二つ作る。献石俵に石を入れ終わると、上部を縛り、「春日神社」「桑名石取祭保存会」「青年連盟」と記された名札をつけた笹を挿した状態で神社に運ぶ。

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神社では参加者が拝殿に上がり、祭典の後、桑名神社と中臣神社にそれぞれひとつずつ献石俵を奉納する。この際には、祭主が神楽太鼓を打ち鳴らす「神楽」が行われる。各町内は、試楽の朝御饌祭の前に、拝殿前の左右にある玉石に献石するが、川原祓式で保存会役員と青年連盟が用意する献石は、拝殿上の献饌する場所に納める。この献石は、そのまま石取祭が終わるまで供えられ、祭り終了後には拝殿前に撒くこととなっている。

祭車曳回し会議(さいしゃひきまわしかいぎ)

●祭車曳回し会議(さいしゃひきまわしかいぎ)とは?

7月第一日曜日、午後3時から春日会館で祭車曳回し会議を開く。この会議は、試楽と本楽の祭車の曳き回しにあたって、交通規制や警備、本楽の祭車整列の害着や注意事項などについてが議題になる。

参加するのは、保存会役員と各町内の祭事長、青年連盟役員、これに警察関係者に出席を求めている。

会議は保存会会長が召集し、祭事長の議長が進行をする。資料は年番祭事委員が作成する。

また、会議の受付時には、石取ばやし優勝大会の参加申し込みを行う。

初寄合(はつよりあい)

●初寄合(はつよりあい)とは?

六月第一日曜日の御籤占式が終了すると、午後三時頃より春日神社境内にある春日会館において、初寄合を行う。

初寄合は、「桑名石取祭保存会規約」第17条に基づく定時会議(祭事長会議)である。保存会に改組してからもこの位置づけは同様である。この初寄合の議員は、各町の祭事長である。

従前の初寄合においては、前年度の決算と新年度の予算の審議と、会計監査員の選任を行っていたが、平成20年の規約改定以降は、保存会の事案年度を毎年10月1日から翌年9月30日と定め、決算、予算ならびにこれらの選任は10月に開催される総会で行われるようになった。

よって現在の初寄合は、その年度の各町祭車長の顔合わせと、その年の石取祭に関する伝達事項の連携が中心となっている。

御籤占式(みくじうらないしき)

●御籤占式(みくじうらないしき)とは?

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本楽で渡祭する各町内の祭車の順番を決めるための行事である。現在は、毎年六月第一日曜日の午後一時から春日神社拝殿で行っている。
昭和四十六年(1971)に本楽が八月第一日曜日になってからは、御籤占式を七月第一日曜日に行ってきたが、祭車の順番が決まってからの準備が難しいことから、御籤占式の期日が早くなった。

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参加するのは、神職、神社役員(保存会役員)、各町内の祭事長、青年連盟三役である。
服装は正装であり、神社役員は羽織袴、祭事長は自分の町内の浴衣に羽織、青年連盟三役は連盟の羽織袴である。

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祭事長が神社に到着すると、神社役員が正午から着到簿を用意して受付を行っており、この到着した順番で拝殿でのくじ引き順を決める予備抽選を行う。

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御籤占式では、祭祀(さいし)の後、拝殿で祭事委員が中心となり、各町の祭事長が予備抽選で決まった順にくじ引きを行い、本楽の渡祭順が決定する。各町の祭車は、このときに祭事長の引いたくじの番号の順番に渡祭をするのである。

その年の一番をひいた祭車を「花車」といい、引いた町は、名誉ある事として、花車を引いた町はお祝いをする町もある。また、本楽の花車渡祭に先駆けて執り行われる渡祭始式においては、近年、花車町より神々に対し、献酒やお餅等、供え物が奉納されることが多く見られる。

各町の祭事長がくじを引くと、年番祭事委員が「○○町○番」と読み上げ、祭事委員が記録する。
また、青年連盟三役が当該町の名札を拝殿前の順番表に掲げる。

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御籤占式の際には、各町の関係者などが少しでも早く順番を知ろうと拝殿前に集まっており、各祭事長が札を引くたびに、当該町の名札を拝殿前の渡祭順番表に掲げ、速報するような形になっている。この渡祭順番表は、すべての町内の名札が掲げられた後、そのままその年の石取祭が終了するまで掲示されている。
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