書きためたはずなのに1月中は2回しか更新しなかった…それでも多い方だというので、誰も読まないのも少し納得です。
 2009年にあった動きで、プルサーマルも忘れることができません。
[1]プルサーマルとは
 プルサーマルとは、一般の原子力発電所(軽水炉)で、ウラン燃料にプルトニウム(Pu)を混ぜて発電するものです。Puを使う原子力発電所として、国では「高速増殖炉」を考えていました。ところが、高速増殖炉は非常に難しい技術で、技術開発のために福井県敦賀市に建設された「もんじゅ」は、事故を起こした後、10年以上も運転できない状態が続いています。そのため、高速増殖炉は全く実現の目処が立っていません。
[2]プルトニウムについて
 Puは、軽水炉でウラン燃料を燃やした時、燃料に含まれるウランの一部が変化してできます。日本では、この使用済みのウラン燃料から、このPuと燃え残りのウランを取り出して(再処理といいます)、もう一度使う「核燃料サイクル」を進めています。これまでに、使用済み燃料を海外に運んで再処理し、ウランとPu、それと「高レベル放射性廃棄物」が日本に戻されています。
 Puといえば、長崎に投下された原子爆弾に使われました。そのため、大量に持っていると原爆を造るものと疑われるので、在庫が一定以上にならないように配慮が必要な物質です。発ガン性など、毒性も非常に強いことも知られています。
[3]やむにやまれぬプルサーマル?
 以上のような理由から、日本にはPuがたくさん在庫しているものの、それを何とか消費しなければならない状況にあります。そのためのプルサーマルととらえることができると思います。軽水炉の中でも、Puの一部が燃えているので、改めて大騒ぎする必要がないということですが…始めから燃料にPuを混ぜるのは、軽水炉の本来の使い方ではないと思います。
[4]うまみのあるプルトニウム利用?
 ウランと一口に言っても、実際には発電に使えるウランはごく微量しかなく、枯渇する日が必ず来ます。それよりは、原子炉でPuをつくると、限られたウラン資源が桁違いに使えることになります。原子力発電のうまみは、むしろこちらにあると思ったほうがいいと思います。

 毒性も強く、原子爆弾の材料にもなるPu。知ってはならないものを知ってしまったような感覚があるのは、私だけではないと思います。この物質は、すべての生命と共存することはできないと思われます。
 原子力にまつわる問題は多岐にわたり、物理学とか化学とか、そういった学問の枠ではとても収まるものではありません。
 原子炉の中は、おそらく今も人力に頼った保守点検が行われていることでしょう。そんな人々を思うと、原子力をどうとらえればいいのか、わからなくなるばかりです。私たちのレベルで答えが出るものではないのはわかりきっていますが、知ることが第一歩になると信じてやみません。