2009年09月30日
Surachipt を支える豊富な電力
Surachipt を中心とする中部空知地区は、20世紀の石炭産業、農業増産政策のため豊富な電力があります。
写真は砂川市の南西から見たものですが、目の前に北海道電力砂川発電所、5Kmほど奥に北海道電力奈井江発電所があります。
安定したデータセンターを運用するためには、「堅牢な建物」「安定した通信回線」「厳重なセキュリティ」などが求められますが、意外と忘れやすいのが「安定した電力供給」です。
Surachipt には、砂川、奈井江の発電所だけではなく、豊富な石狩川、空知川水系を利用した水力発電も豊富です。多くは需要地である北海道西部に送電されますが、砂川はこれらの電力の集散地でもあります。
北電 主な電力設備分布図
電力は送電ロスがあり、たとえば日本海沿岸で原子力で作られた電力が関東に届くためには何パーセントかのエネルギーロスが生じます。
また、通常大規模なコンピュータシステムを運用するためにはUPS(無停電電源供給装置)と呼ばれる巨大なバッテリーを建屋内に設置します。それでも24時間の停電を予測して巨大なディーゼル発電機を備えることも珍しくありません。電力の安定供給を絶たれ、正常な都市活動、市民活動もできない大都会ではこのような無駄で莫大な投資を行ってデータセンターを運用しています。職員も出勤できないのにも関わらず、唸りを上げるデータセンター。力強さも感じますが不気味でもあります。
Surachipt にデータセンターを作ることはは電力も地産地消することで、電力ロスを大幅に減らすことができるのです。おそらく、電源の安定のためUPSは必要かもしれませんが、見えるところにあるこれらの二つの発電所から煙が立ち上っているところを見れば、電力面の不安はないでしょう。
都会でデータセンターを考えた場合、「自分たちのデータセンターはどれだけ電力を使ったか」を公表して、いかにCO2排出削減に役立ったかを誇らしげに宣伝できますが、実際にそこまで電力を「輸送」するコストには触れられません。
Surachipt の考える電力とは「地産地消型」の電力を使ったデータセンターです。データセンターが一部に集中していることは「メンテナンス」という「経営面」のコスト削減には役立ちますが、「地球環境」を考慮した経営方針とはいえないでしょう。
電力も情報もリスクを考えるために都市から離れて「産地」に創ることはアイディアだと思います。
キーワード
雪冷データセンター、省電力データセンター、低環境負荷データセンター
リンク
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