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2009年10月03日

耐震構造、免震構造

日本の建築物の耐震基準は世界的にみても厳しい基準です。地震の多い日本では当たり前とされる技術です。耐震とは「揺れても耐えて壊れない」構造です。

一方、免震構造という考え方があります。日本には古くから「五重塔」などの高層木造建築にこの技術が取り入れられており、古い寺社の木造建築が今でも残っているのは日本古来の「免震技術」の賜物でしょう。「揺れても力を分散させる」構造です。

通常のオフィスビルでは「耐震基準」に則り建設されますが、最近の高層ビルやデータセンターでは「免震技術」も併せて利用されます。耐震技術は、「建物が壊れない」技術ですが、免震技術は「建物の中のものを壊さない」技術です。多くのデータセンターは免震技術も併せて取り入れられます。

よほどのハイテクビルで無い限り、通常のオフィスビルでのコンピュータルームは「免震構造」ではありません。重量のあるコンピュータは背の高いキャスター付きのラックに搭載されます。地震に備えて、床の構造物に直接ボルト締めをすることがありますが、賃貸ビルではこのようなことはできません。そこでコンピュータラックを連結したり、天井や壁に近づけて倒壊を防ぐ工夫をします。

免震構造のコンピュータラックもあります。これは、床の上に盆のような構造をした曲線レールを置き、その上に自在にロールして動くコンピュータラックを設置する方法です。このような免震構造のコンピュータラックに載せた場合、大きな地震が来ても、コップの水がこぼれないほど優れたものです。高価で壊れやすいものを扱う美術館などで「壺」を飾る台にはこのような免震台が使われます。

いちど、免震コンピュータラックを敷設したコンピュータ室で仕事をしている最中に、東京で震度4強の地震を経験したことがありました。こんなチャンスは滅多にありません。揺れの怖さより「ラックはちゃんと揺れているか」をまず確認しました。この程度では、ラックはびくともロールしませんでした。震度4程度では免震ラックを必要としないようです。

まだ幸いにも震度5以上の激震を経験したことはないので何とも言えないのですが、低層のビルにコンピュータを設置する場合は、喧伝されるほどの建物全体の免震構造は必要ないと思っています。北海道の広い用地を確保すればそれほど高価な建物は必要ありません。

ただ、最近のスマトラ地震などでは電気や水の生活インフラはそれほど被害がなく、ネットワークや電話などが繋がらず、情報が手に入らないことが一番厳しいという現地のレポーターの報告がありまた。ニーズや重要度に併せて免震ラックを使うかどうかを判断すべきだと思います。

 

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