2009年10月19日
首都圏集中とBCP
BCP (business continuity plan) - 「事業継続計画」という言葉があります。危機管理の考え方のひとつです。
NYでの911テロでは、大きな被害があったにも関わらず、ほとんどの企業が数時間から数日で業務を再開できたのはBCPがしっかりしていたからだと言われます。
ちょっと調べれば簡単にわかることなのですが、砂川市で利用しているコンピュータ設備は全て西新宿のある33階建てのデータセンターにおかれています。「西新宿のデータセンター」と聞いて「ああ、あの電源盤のボヤ事故起こしたところか」とピンと来るのはそうとうの業界人でしょう。
運用業者は日本では誠実でしっかり情報公開をしている企業なので、その点では問題ないと思っています。
しかし、ここでは二つの問題を指摘しておきます。
1) 地方自治体の税金が首都圏の事業者に支払われている。
大きな問題とは思いません。全て地元を使えというのは理にかなったわけではありません。車は市外で作られて、海産物は他の市町村で獲れたものです。
ここでは逆に発想すると、地方にデータセンターを作るというアイディアは「情報システム」を特産物として、全国、そして全世界にビジネスができるという点です。全てのデータにそういう印がつくわけではないのですが、 Made in Surachipt の事業です。道内のみならず、全国、全世界を相手に収入を確保することができます。
2) 地方自治体のBCPは首都圏の安全が握っている
財政も情報も全てが首都圏を頼っているということは問題だと思います。市役所のお知らせは、市内から東京を経由して配信されています。仕組みそのものは問題ありませんし、BCPはコストとの兼ね合いですから、無駄だとは思いません。
しかし、市役所のシステム、市民病院のシステムが全て東京にあるということは、もし東京が大規模な停電や災害に見舞われた場合、確実に地方自治体の業務も停止してしまうことを意味します。
もちろん、西新宿一帯は東京では台地で、地盤がしっかりしているため、高層ビルが多くあります。その点では心配していませんが、停電事故や公共交通機関の停止によって、東京の機能は簡単にシャットダウンします。先日の台風の影響で全ての首都機能が麻痺したことを思い出しました。