2009年10月21日
24時間働くシステムと止めていいシステム - 時差を利用したサービス
コンピュータとネットワークは24時間必ず動かさなければならないシステムばかりではありません。
たとえば企業の会計や人事のシステムは普通は昼間に動いていればよく、夜7時以降や土曜日曜の休日にメンテナンスをすることができます。コンピュータのエンジニアは昼間より、深夜働くことが多い職業です。
海外(特にアメリカ東海岸)に本社がある企業の場合、電話会議は朝7時とか夜9時からということが多くなります。ちょうど時差が逆なので、どうしてもそういう時間帯に作業をせざるを得ません。
逆に、日本時間の深夜に海外のオペレータに操作を依頼することもできます。この時差を利用して、たとえば深夜のコールセンターの業務を時差のある昼間のインドやシンガポールで行うというサービスがあります。普通のヒトはやっぱり昼間働きたいものですね。
都市部のデータセンターで働くことはとても厳しい勤務条件です。夜7時にメンテナンスを開始して、終わったら午前1時、帰りたくても電車がない。タクシーだと自腹で1万円。もちろん顧客が望んで支払ってくれる場合もありますが、そうは行かずに深夜喫茶で始発電車で帰って着替えて朝のラッシュで出勤ということが当たり前です。
逆にある程度郊外の顧客のシステムメンテナンスは楽な場合があります。勤め人には許されないことですが、顧客の構内に駐車場があれば、自家用車でご訪問することができます。お客様も帰りたいのは良くわかりますから、普通は喜んで許可してくれます。都心型のデータセンターでは自家用車通勤ができないのでこうは行きません。
たとえば地球の反対側のシステムを請け負っても、昼間にこちら側でメンテナンスができるという点で非常に有効な場合があります。また、日本は世界時刻では一日の始まりが早い(日付変更線が近い)ということで、世界的なネットワークのトラブルを一番最初に経験します。日本で始まったシステムのパンデミックが世界で観測されるということです。
困るのは、アメリカでのハッピーマンデー三連休の後、日本の普通の月曜日にトラブルを見ることです。何だろうと思ったら、アメリカで三連休で大きなシステムトラブルがあったということです。月曜日は気が許せないのがこの仕事の特徴です。