2011年05月21日
石狩平野と Surachipt: データセンターの要件を満たす地形、災害
石狩平野中央部 Surachpt 地域は、海抜ゼロメートルの石狩川河口から約80Km、一番低い「砂川ヘリポート」がある西豊沼地区が標高21.5m ヘリポートの脇には計画最高水位25mに耐えられる石狩川堤防があり、その下に石狩川が流れています。
石狩平野全体は数万年の年月を重ねた洪積層で、明治の開拓民は泥炭に悩まされてきました。
砂礫が体積した地盤は良いとは言えませんが、直下型地震の原因となる、活断層は、対岸の樺戸断層が対岸の雨竜ー浦臼間にある程度です。もし、この地域にデータセンターの適地を探すとすれば、市内の国道12号線沿い高台、空知農業用水路(高台の稜線上にある)付近が良いでしょう。
小規模な地震は多いのですが、鋭い縦揺れより、遠くで発生した地震の影響が多いゆったりした横揺れが多いためデータセンターを設計するには耐震性より免震性を検討したほうが良いと思います。このあたりは建築の専門家と相談する必要がありそうです。
地震調査研究本部の資料によると、札幌南方の勇払原野、千歳、苫小牧方面により大きな断層があります。
内陸よりも、十勝沖のプレート断層の影響が大きく、今回の東日本震災を引き起こした三陸沖とほぼ同じ地域で昭和43年の十勝沖地震が発生しました。
日本海側では渡島半島沖から積丹半島、石狩浜をはさんで石狩厚田、石狩浜益、留萌、小平の沖合いに北海道が大陸に押し付けられて造られた「皺」である活断層が数多くあり、直接の大規模な震災にはなりませんが、小規模な津波が発生する可能性があります。奥尻島震災もこの周囲で発生した地震が原因です。ちなみに、秘境駅として有名な函館本線「張碓駅」は小樽、銭函海岸にあります。オロロン街道から手塩に向かう道は、崖から垂直に海岸に落ち込むリアス式の海岸です。かつて幻の国道と言われた国道231号線が今では整備されました。途中の雄冬港は「陸の孤島」と言われ、高倉健主演の映画「駅(Station)」の舞台として有名です。また太平洋沿岸の噴火湾から、苫小牧の浜をはさんで襟裳岬にかけての地形も険しく、黄金をばら撒くほど費用がかかった落石の多い通称「黄金国道」と呼ばれました。インラインスケートで北海道を一周した友人の話によると「徒歩通行禁止」で、仕方なくバスに乗らざるを得なかったと言っていました。この太平洋岸地域にも有名な「秘境駅」室蘭本線「小幌駅」があります。
Surachipt は最低でも標高20m、石狩川河口ゼロメートル地帯より80km上流にあり、海との間には緩やかに増毛山系があるため津波の影響はありません。Surachipt から、石狩川対岸を眺めると、山脈が地平線に消える様子が良く分かり、「地球の丸さ」を実感します。日本最長の直線国道12号線、日本二番目の直線線路函館本線が走ります。ちょっと高台に上ると北海道電力「奈井江」「砂川」の両発電所と今は休止中の「滝川」発電所の煙突が見られます。
石狩川は開拓期より暴れ川でした。今では日本で5番目の長さですが、明治初期は日本で3番目の長さがあったといいます。対岸の樺戸監獄(月形町)からよく囚人が冬の凍結した石狩川を越えて脱走したと言われますが、今は河川改修の影響で、流れが停滞することなく流れるため、今では氷結することはありません。小河川はよく氷結します。
最大の洪水は昭和37、38年の洪水で、この後、石狩川最後のチョークポイントだった砂川付近の歪曲部が開削されました。今でも対岸に袋地と呼ばれる飛び地があります。この開削以降、石狩川流域の洪水は下流部に移りました。
この後、石狩川の治水対策は進み、丁度札幌オリンピックの影響もあり、作りたての堤防は子供たちの格好のジャンプ練習場となりました。その後、昭和58年の下流の千歳川洪水の後、Surachipt の小河川は全て遊水地にマージされ、かつて壁のように聳え立っていた石狩川堤防は底が強化され、なだらかな法面を構成しています。おそらく、東武伊勢崎線から見るかぎり、利根川、渡良瀬川合流部、栗橋付近の堤防より作りは巨大です。残念ながら、スキージャンプの練習には不向きななだらかな造りになりました。
このあたりの情報は北海道開発局のページに詳しく公開されています。
※日本地球惑星科学連合2010年大会の配布資料に北海道石狩平野の上部更新統~完新統の地質学的検討という資料が公開されています。主に石狩川下流部の地層についての具体的な科学的な解説です。
勝手に北海道 Surachipt データセンターを誘致しようと言う独善的なプロジェクト
石狩平野全体は数万年の年月を重ねた洪積層で、明治の開拓民は泥炭に悩まされてきました。
砂礫が体積した地盤は良いとは言えませんが、直下型地震の原因となる、活断層は、対岸の樺戸断層が対岸の雨竜ー浦臼間にある程度です。もし、この地域にデータセンターの適地を探すとすれば、市内の国道12号線沿い高台、空知農業用水路(高台の稜線上にある)付近が良いでしょう。
小規模な地震は多いのですが、鋭い縦揺れより、遠くで発生した地震の影響が多いゆったりした横揺れが多いためデータセンターを設計するには耐震性より免震性を検討したほうが良いと思います。このあたりは建築の専門家と相談する必要がありそうです。
地震調査研究本部の資料によると、札幌南方の勇払原野、千歳、苫小牧方面により大きな断層があります。
内陸よりも、十勝沖のプレート断層の影響が大きく、今回の東日本震災を引き起こした三陸沖とほぼ同じ地域で昭和43年の十勝沖地震が発生しました。
日本海側では渡島半島沖から積丹半島、石狩浜をはさんで石狩厚田、石狩浜益、留萌、小平の沖合いに北海道が大陸に押し付けられて造られた「皺」である活断層が数多くあり、直接の大規模な震災にはなりませんが、小規模な津波が発生する可能性があります。奥尻島震災もこの周囲で発生した地震が原因です。ちなみに、秘境駅として有名な函館本線「張碓駅」は小樽、銭函海岸にあります。オロロン街道から手塩に向かう道は、崖から垂直に海岸に落ち込むリアス式の海岸です。かつて幻の国道と言われた国道231号線が今では整備されました。途中の雄冬港は「陸の孤島」と言われ、高倉健主演の映画「駅(Station)」の舞台として有名です。また太平洋沿岸の噴火湾から、苫小牧の浜をはさんで襟裳岬にかけての地形も険しく、黄金をばら撒くほど費用がかかった落石の多い通称「黄金国道」と呼ばれました。インラインスケートで北海道を一周した友人の話によると「徒歩通行禁止」で、仕方なくバスに乗らざるを得なかったと言っていました。この太平洋岸地域にも有名な「秘境駅」室蘭本線「小幌駅」があります。
Surachipt は最低でも標高20m、石狩川河口ゼロメートル地帯より80km上流にあり、海との間には緩やかに増毛山系があるため津波の影響はありません。Surachipt から、石狩川対岸を眺めると、山脈が地平線に消える様子が良く分かり、「地球の丸さ」を実感します。日本最長の直線国道12号線、日本二番目の直線線路函館本線が走ります。ちょっと高台に上ると北海道電力「奈井江」「砂川」の両発電所と今は休止中の「滝川」発電所の煙突が見られます。
石狩川は開拓期より暴れ川でした。今では日本で5番目の長さですが、明治初期は日本で3番目の長さがあったといいます。対岸の樺戸監獄(月形町)からよく囚人が冬の凍結した石狩川を越えて脱走したと言われますが、今は河川改修の影響で、流れが停滞することなく流れるため、今では氷結することはありません。小河川はよく氷結します。
最大の洪水は昭和37、38年の洪水で、この後、石狩川最後のチョークポイントだった砂川付近の歪曲部が開削されました。今でも対岸に袋地と呼ばれる飛び地があります。この開削以降、石狩川流域の洪水は下流部に移りました。
この後、石狩川の治水対策は進み、丁度札幌オリンピックの影響もあり、作りたての堤防は子供たちの格好のジャンプ練習場となりました。その後、昭和58年の下流の千歳川洪水の後、Surachipt の小河川は全て遊水地にマージされ、かつて壁のように聳え立っていた石狩川堤防は底が強化され、なだらかな法面を構成しています。おそらく、東武伊勢崎線から見るかぎり、利根川、渡良瀬川合流部、栗橋付近の堤防より作りは巨大です。残念ながら、スキージャンプの練習には不向きななだらかな造りになりました。
このあたりの情報は北海道開発局のページに詳しく公開されています。
※日本地球惑星科学連合2010年大会の配布資料に北海道石狩平野の上部更新統~完新統の地質学的検討という資料が公開されています。主に石狩川下流部の地層についての具体的な科学的な解説です。
勝手に北海道 Surachipt データセンターを誘致しようと言う独善的なプロジェクト