データセンター立地条件
2017年10月13日
データセンター、クラウドサービス事業者の階層化
データセンター、クラウドサービス事業者の階層化
ファシリティ提供者
データセンターのファシリティ提供事業者は、データセンターの用地、建物、電力会社が提供する電源、予備電源、主なバックボーン回線を提供します。もちろん、自らIT機器を配置して、IT機器をサービスとして、時間貸やトラフィック量、CPU装置の利用量による課金も行います。まぁ、パンツとパジャマ、歯ブラシから、エレベータと玄関ホール、寝床まで提供するホテルの様なものです。データセンター専業の運用事業者や、巨大なインターネットサービス、例えば Facebook や Google なんかはこうしたデータセンターに投資します。勿論ピンキリがあって、都心のランドマークホテルから、地方の巨大なリゾートホテル、民宿程度の規模まで様々な企業がやるわけです。大手のSIベンダーやISP、通信事業者なんかも、こうしたファシリティに投資しています。中には、大手企業が「社員保養所」の様に、自ら土地建物、IT機器から通信設備まで、自社利用オンリーで運用するケースもあります。しかし、巨大なファシリティの利用率が自社だけで満たされない場合、余剰した設備をデータセンターとして「部屋貸し」することもあります。
IT機器のみの装置貸し
当然、巨額の費用をかけてファシリティを作ってもすぐに満室になるわけがないので、中小のデータセンター事業者は、こうした土地、建物を借りて、サーバールームを作り、IT機器を設置します。
よく、都心のホテル&オフィスのビルディングの様に、29階まではオフィスで30階から40階までホテル、42、43階と地下街はショッピング&レストランのようなものですね。ビルと土地の所有者は「✖✖金融不動産」なんかが所有しています。立地条件が都心の様に利便性だけ考えると非常に高価な値付けができるデータセンターです。都心型のデータセンターの主な事業形態です。「✖✖インターネットサービス」なんていう感じの企業が主に借りて、ホテルとして経営して、パンツとパジャマ、部屋とベッドを提供します。エントランスやエレベーター、電源、通信インフラはファシリティ事業者が提供します。もっともファシリティ事業者の用意した回線容量が足りない場合は、部屋借りしている事業者が自前でエレベータ、ならぬケーブルを引いてくる事もあります。
自前の設備を持たない事業者、利用者
言わば「旅行代理店」や「結婚式場企画会社」のような事業者です。機器から電源、IT設備の全てはファシリティやデータセンター事業者から借りて、中のソフトウェアサービスだけ、自社で運用する、クラウドサービス専門の事業者です。ホテルの部屋まではファシリティ事業者や、データセンター事業者が提供し、内装レベルからホテルの備品程度のサービスまで差はありますが自前で提供する、という業者ですね。「隣の部屋」とはチト違うのよ、と言った「差別性」を持たせる事で、チト違うサービスをクラウドとして提供するわけです。多くの零細なクラウドサービス提供者のスタートアップ企業は、こうした「部屋借り」をします。もっとも、部屋にどういったIT設備を持つかはそれぞれの事業者で違ったりします。また、多くの顧客企業が「データセンターに機器を置いてユーザに提供する」形態のサービスもこの中に含まれます。
Google の様なサービスもスタートアップの時は自前のガレージに機器を置き、次にデータセンターの部屋貸りをして、次に自社のファシリティを作った方が安いし、余剰したリソースを逆に他人に貸し出すという具合にエスカレートして行きます。Amazon のクラウドサービスも書籍の小売りを始めたころのスタートアップは小さく、そのうちに貸し部屋に移り、そのうちに自社ファシリティを持ち、今では言わば 「Amazon 書店の空きリソース」を他人に貸し出したようなものです。Google も初期では、こうしたデータセンターを借りて運営させていましたが、自社でデータセンターを持った方が安価であるため、自社のファシリティを使い、かつて隣人だった、中小事業者にファシリティを貸し出すまでになっています。
石狩川流域をシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
ファシリティ提供者
データセンターのファシリティ提供事業者は、データセンターの用地、建物、電力会社が提供する電源、予備電源、主なバックボーン回線を提供します。もちろん、自らIT機器を配置して、IT機器をサービスとして、時間貸やトラフィック量、CPU装置の利用量による課金も行います。まぁ、パンツとパジャマ、歯ブラシから、エレベータと玄関ホール、寝床まで提供するホテルの様なものです。データセンター専業の運用事業者や、巨大なインターネットサービス、例えば Facebook や Google なんかはこうしたデータセンターに投資します。勿論ピンキリがあって、都心のランドマークホテルから、地方の巨大なリゾートホテル、民宿程度の規模まで様々な企業がやるわけです。大手のSIベンダーやISP、通信事業者なんかも、こうしたファシリティに投資しています。中には、大手企業が「社員保養所」の様に、自ら土地建物、IT機器から通信設備まで、自社利用オンリーで運用するケースもあります。しかし、巨大なファシリティの利用率が自社だけで満たされない場合、余剰した設備をデータセンターとして「部屋貸し」することもあります。
IT機器のみの装置貸し
当然、巨額の費用をかけてファシリティを作ってもすぐに満室になるわけがないので、中小のデータセンター事業者は、こうした土地、建物を借りて、サーバールームを作り、IT機器を設置します。
よく、都心のホテル&オフィスのビルディングの様に、29階まではオフィスで30階から40階までホテル、42、43階と地下街はショッピング&レストランのようなものですね。ビルと土地の所有者は「✖✖金融不動産」なんかが所有しています。立地条件が都心の様に利便性だけ考えると非常に高価な値付けができるデータセンターです。都心型のデータセンターの主な事業形態です。「✖✖インターネットサービス」なんていう感じの企業が主に借りて、ホテルとして経営して、パンツとパジャマ、部屋とベッドを提供します。エントランスやエレベーター、電源、通信インフラはファシリティ事業者が提供します。もっともファシリティ事業者の用意した回線容量が足りない場合は、部屋借りしている事業者が自前でエレベータ、ならぬケーブルを引いてくる事もあります。
自前の設備を持たない事業者、利用者
言わば「旅行代理店」や「結婚式場企画会社」のような事業者です。機器から電源、IT設備の全てはファシリティやデータセンター事業者から借りて、中のソフトウェアサービスだけ、自社で運用する、クラウドサービス専門の事業者です。ホテルの部屋まではファシリティ事業者や、データセンター事業者が提供し、内装レベルからホテルの備品程度のサービスまで差はありますが自前で提供する、という業者ですね。「隣の部屋」とはチト違うのよ、と言った「差別性」を持たせる事で、チト違うサービスをクラウドとして提供するわけです。多くの零細なクラウドサービス提供者のスタートアップ企業は、こうした「部屋借り」をします。もっとも、部屋にどういったIT設備を持つかはそれぞれの事業者で違ったりします。また、多くの顧客企業が「データセンターに機器を置いてユーザに提供する」形態のサービスもこの中に含まれます。
Google の様なサービスもスタートアップの時は自前のガレージに機器を置き、次にデータセンターの部屋貸りをして、次に自社のファシリティを作った方が安いし、余剰したリソースを逆に他人に貸し出すという具合にエスカレートして行きます。Amazon のクラウドサービスも書籍の小売りを始めたころのスタートアップは小さく、そのうちに貸し部屋に移り、そのうちに自社ファシリティを持ち、今では言わば 「Amazon 書店の空きリソース」を他人に貸し出したようなものです。Google も初期では、こうしたデータセンターを借りて運営させていましたが、自社でデータセンターを持った方が安価であるため、自社のファシリティを使い、かつて隣人だった、中小事業者にファシリティを貸し出すまでになっています。
石狩川流域をシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
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2014年11月27日
PUEに代わる、データセンターの省エネ評価指標 DPPEとは
DPPEとは Datacenter Performance Per Energy の略でグリーンIT推進協議会が推進する、日本発のデータセンター効率の指標です。
http://home.jeita.or.jp/greenit-pc/topics/release/100316_j.html
http://home.jeita.or.jp/greenit-pc/topics/release/pdf/dppe_j_20120824.pdf
DPPEは次の4つの指標で表されます。
ITEU: IT Equipment Utilization - IT機器の運用による最大効率化
ITEE : IT Equipment Energy Efficiency - IT機器の消費電力に対する効率
PUE: Power Usage Effectiveness - IT機器以外の付帯設備の効率
GEC: Green Energy Coefficient - グリーンエネルギーの効率的な利用
従来はPUEのみで、データセンターの効率を指数化していました。
DPPE は、これに加え、データセンターで使う機器の効率 ITEU(IT機器を最大パワーで動かせるか)、IT機器そのもののエネルギー性能比 - ITEE(同じ性能でも、どちらがエネルギー効率が高いIT機器か)、おなじみのPUE(付帯設備、特に冷房の効率化)、そして自然エネルギー効率GEC(どれだけ自然エネルギーを効率的に使うか)
という4つの指標を組み合わせて、データセンターの効率化を考えようというものです。
ITEU は、どれだけ、機材の性能を引き出すかがポイントとなります。これは、広い意味でソフトウェア的な視点です。運用(ソフトウェア)面で、どれだけ機材の性能を使いきるかがポイントです。アイドリングして無駄な電力を使わないで、負荷の高い機材とのロードバランスを取るためには高度なソフトウェア的な視点でのアプローチが必要です。
ITTE はハードウェア的な視点です。同じ性能のハードウェアでも、消費電力が少ない方を選択することは重要な事です。
PUE は皆さんご存知の通り、総消費電力における、付帯設備(冷房、照明)の消費電力の割合いを表します。
GECは、同じ敷地内でどれだけ、自然エネルギーを使っているのか、の指標です。
--
ただし私は幾つか重要な視点が欠けていると思います。まず、GECが「光、風」の自然エネルギーをどれだけ使っているか、という視点は視野が狭いと思います。これは、グリーンIT推進協議会が、太陽光パネルや風力発電と言ったモノを作る企業、団体が設立した事。これにより、自然エネルギーをどう普及させようかと言った狭い視点しか生まれません。
また、GECが、「敷地内」に限定されたことで、データセンターの立地条件である、自然エネルギーの供給源を「地域」として定義できない事です。データセンターの立地条件が必ずしも「風圧が高く自然冷却ができる沿海部」とか、日照率70%以上の広い敷地であるとか、極論を言えば、水力発電所を併設するとかしなければ、高いGECは達成できません。
また、ITEE は、IT機器の性能に大きく関わります。当然新しいIT機器であれば、価格、使用電力量に対する性能比は大きく異なります。つまり「いつも最新の設備を使えばいい」という事になります。原発廃炉問題も含めると、原子力発電のコストは以外と高いと言われます。同じことがIT機器にも言えます。IT機器の廃棄コストと環境負荷の面でも指標が必要ではないでしょうか。これもグリーンIT推進協議会が最新のIT機器の調達を進めたいIT関連企業が作り出した指標の裏面です。
ITEU は運用上の問題です。当然ホスティングを行う事業者と、顧客の機器をハウジングする事業者との間では大きな運用の違いがあります。
限定された敷地というわがままがメーカーのわがままなら、周囲の地域というわがままは地域のわがままです。地域のわがままを考えると DEPP はそのままでは受け入れることはできないでしょう。それが、私たち「地域」の考えです。
PUEのみで語られるデータセンターの効率評価に対して、DPEEも「一つの指標」です。それぞれのデータセンターの運用目標の指針としての試みです。いずれにせよ、PUEのみで語られていた、データセンターの運用効率に代わる業界団体による、標準的な「データセンターの性能」を表す指標としては評価できるでしょう。
http://home.jeita.or.jp/greenit-pc/topics/release/100316_j.html
http://home.jeita.or.jp/greenit-pc/topics/release/pdf/dppe_j_20120824.pdf
DPPEは次の4つの指標で表されます。
ITEU: IT Equipment Utilization - IT機器の運用による最大効率化
ITEE : IT Equipment Energy Efficiency - IT機器の消費電力に対する効率
PUE: Power Usage Effectiveness - IT機器以外の付帯設備の効率
GEC: Green Energy Coefficient - グリーンエネルギーの効率的な利用
従来はPUEのみで、データセンターの効率を指数化していました。
DPPE は、これに加え、データセンターで使う機器の効率 ITEU(IT機器を最大パワーで動かせるか)、IT機器そのもののエネルギー性能比 - ITEE(同じ性能でも、どちらがエネルギー効率が高いIT機器か)、おなじみのPUE(付帯設備、特に冷房の効率化)、そして自然エネルギー効率GEC(どれだけ自然エネルギーを効率的に使うか)
という4つの指標を組み合わせて、データセンターの効率化を考えようというものです。
ITEU は、どれだけ、機材の性能を引き出すかがポイントとなります。これは、広い意味でソフトウェア的な視点です。運用(ソフトウェア)面で、どれだけ機材の性能を使いきるかがポイントです。アイドリングして無駄な電力を使わないで、負荷の高い機材とのロードバランスを取るためには高度なソフトウェア的な視点でのアプローチが必要です。
ITTE はハードウェア的な視点です。同じ性能のハードウェアでも、消費電力が少ない方を選択することは重要な事です。
PUE は皆さんご存知の通り、総消費電力における、付帯設備(冷房、照明)の消費電力の割合いを表します。
GECは、同じ敷地内でどれだけ、自然エネルギーを使っているのか、の指標です。
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ただし私は幾つか重要な視点が欠けていると思います。まず、GECが「光、風」の自然エネルギーをどれだけ使っているか、という視点は視野が狭いと思います。これは、グリーンIT推進協議会が、太陽光パネルや風力発電と言ったモノを作る企業、団体が設立した事。これにより、自然エネルギーをどう普及させようかと言った狭い視点しか生まれません。
また、GECが、「敷地内」に限定されたことで、データセンターの立地条件である、自然エネルギーの供給源を「地域」として定義できない事です。データセンターの立地条件が必ずしも「風圧が高く自然冷却ができる沿海部」とか、日照率70%以上の広い敷地であるとか、極論を言えば、水力発電所を併設するとかしなければ、高いGECは達成できません。
また、ITEE は、IT機器の性能に大きく関わります。当然新しいIT機器であれば、価格、使用電力量に対する性能比は大きく異なります。つまり「いつも最新の設備を使えばいい」という事になります。原発廃炉問題も含めると、原子力発電のコストは以外と高いと言われます。同じことがIT機器にも言えます。IT機器の廃棄コストと環境負荷の面でも指標が必要ではないでしょうか。これもグリーンIT推進協議会が最新のIT機器の調達を進めたいIT関連企業が作り出した指標の裏面です。
ITEU は運用上の問題です。当然ホスティングを行う事業者と、顧客の機器をハウジングする事業者との間では大きな運用の違いがあります。
限定された敷地というわがままがメーカーのわがままなら、周囲の地域というわがままは地域のわがままです。地域のわがままを考えると DEPP はそのままでは受け入れることはできないでしょう。それが、私たち「地域」の考えです。
PUEのみで語られるデータセンターの効率評価に対して、DPEEも「一つの指標」です。それぞれのデータセンターの運用目標の指針としての試みです。いずれにせよ、PUEのみで語られていた、データセンターの運用効率に代わる業界団体による、標準的な「データセンターの性能」を表す指標としては評価できるでしょう。
2014年05月16日
データセンターの排熱を利用する画期的なアイディア
まさかこの手があるとは思いませんでした。
「DCの排熱を農業に利用する」

--
データセンター構築運用展に行ってきました。
http://www.dc-expo.jp
あの凄まじい、コンピュータが作り出す無駄な熱をどう利用するのかは大変大きな問題です。美唄エネルギー研究会は一つの提案を出しています。
http://www.net-bibai.co.jp/eneken/enekendatacen.html
「排熱で農作物を作ればいいじゃん」
この発想はワタシにもありませんでした。スターリングエンジンは使えないかとか、精々
「温水を農作物の霜害対策に使えないか」程度でした。
この発想は都市圏のDC運用事業者には絶対にありえない発想です。データセンターの横にビニールハウスを並べて、DCでビニールハウスで冬でも野菜が作れる。また、農産地ならではの発想です。また農産物の産業廃棄物(もみ殻だとか豆殻だとか)をバイオマス燃料として使う。
全てセットで考えれば地産地消を上手く利用した、織田信長の合理的な考え方を踏襲しています。
うーん、無学の百姓でも100人集まればすごいアイディアが出るんだよな。そういう私も百姓出身です。このノブナガ的なアイディアは百姓出身のヒデヨシが実現するはず。
データセンターの排熱をどう利用するのか。
美唄市は一つの提案をしました。
「低熱源からは産業用エネルギーの再利用できない。なら農業に利用すればいい」
この発想は北海道の農産の中心部に位置する、石狩川中流域、中部空知地方のニンゲンでなければ発想できません。
勝手に石狩川中流域にデータセンターを誘致するプロジェクト
「DCの排熱を農業に利用する」

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データセンター構築運用展に行ってきました。
http://www.dc-expo.jp
あの凄まじい、コンピュータが作り出す無駄な熱をどう利用するのかは大変大きな問題です。美唄エネルギー研究会は一つの提案を出しています。
http://www.net-bibai.co.jp/eneken/enekendatacen.html
「排熱で農作物を作ればいいじゃん」
この発想はワタシにもありませんでした。スターリングエンジンは使えないかとか、精々
「温水を農作物の霜害対策に使えないか」程度でした。
この発想は都市圏のDC運用事業者には絶対にありえない発想です。データセンターの横にビニールハウスを並べて、DCでビニールハウスで冬でも野菜が作れる。また、農産地ならではの発想です。また農産物の産業廃棄物(もみ殻だとか豆殻だとか)をバイオマス燃料として使う。
全てセットで考えれば地産地消を上手く利用した、織田信長の合理的な考え方を踏襲しています。
うーん、無学の百姓でも100人集まればすごいアイディアが出るんだよな。そういう私も百姓出身です。このノブナガ的なアイディアは百姓出身のヒデヨシが実現するはず。
データセンターの排熱をどう利用するのか。
美唄市は一つの提案をしました。
「低熱源からは産業用エネルギーの再利用できない。なら農業に利用すればいい」
この発想は北海道の農産の中心部に位置する、石狩川中流域、中部空知地方のニンゲンでなければ発想できません。
勝手に石狩川中流域にデータセンターを誘致するプロジェクト
2014年02月17日
エネルギーと情報エネルギーの地産地消、
データセンターと太陽光発電所を超電導ケーブルで接続
石狩平野は言うまでもなく広大で、データセンターの立地にも、メガソーラーの立地条件にも恵まれています。
先日美唄市を通った時、中部空知工業団地の中に巨大な面積のメガソーラーが出来ていました。この地区にはほかにも露天掘りによる石炭採掘、砂川、および奈井江に合計4基の発電タービンが稼働しています。
いま石狩がっわ流域で生産されるものは「米」と「野菜」そして「電気エネルギー」と「情報」です。
情報はこの地で産出できる一つの「産物」ですが、消費地は都会であり、世界各地なのですね。
石狩平野をアジアのシリコンバレーにする勝手なプロジェクト
http://islandcenter.jp/surachipt
石狩平野は言うまでもなく広大で、データセンターの立地にも、メガソーラーの立地条件にも恵まれています。
先日美唄市を通った時、中部空知工業団地の中に巨大な面積のメガソーラーが出来ていました。この地区にはほかにも露天掘りによる石炭採掘、砂川、および奈井江に合計4基の発電タービンが稼働しています。
いま石狩がっわ流域で生産されるものは「米」と「野菜」そして「電気エネルギー」と「情報」です。
情報はこの地で産出できる一つの「産物」ですが、消費地は都会であり、世界各地なのですね。
石狩平野をアジアのシリコンバレーにする勝手なプロジェクト
http://islandcenter.jp/surachipt
2014年02月06日
データセンター立地条件- 中部空知での火山の影響
[4]BCP対策で見逃しやすいポイント――盲点は「噴火」対策
江戸っ子にとって怖いものは「地震雷火事親父」ということになりますが、火山の噴火も大きな障害をデータセンターに与えます。
1) 火山灰による降灰によるダスト
火山灰はサラサラでどんな隙間にも侵入します。このような状態では自然空調を使ったデータセンターでは窓を閉めざるを得ません。おまけに火山灰は酸性ですから、水分と合わさるとDC内のコネクタ、コンピュータ基盤の半田の接続部分にダメージを与えます。
2) 降灰による「出勤不能」
これが実はDC運用の一番のトラブルとなる可能性があります。都会では当然電車は止まり、道路も渋滞するどころか3Cmの降灰があれば、ほとんど自動車でも走ることはできません。東京で雪を経験した方なら誰もがわかっています。しかも雪と違って癖の悪いことに「自然に溶ける」ことが火山灰にはないのです。雨が降って洗い流すまでは道路は混乱します。
DCの中で働くエンジニアも人ですから、当然帰宅もしたければ、夜ぐっすり眠りたい。人手がたりなければ、非番のサポートが出勤しなければなりませんし、機器の故障があれば、ハードウェアベンダーのカスタマエンジニアが訪問しなければならないのです。DCに機器を預けたと言って安心していても、実際に水や電気、人の供給が止まればビジネスは停止してしまいます。
--
ここでは中部空知地区に影響がありそうな活火山をピックアップしてみましょう。
中部空知地区 <--> 有珠岳 直線でおよそ120Km
中部空知地区 <--> 蝦夷駒ヶ岳 直線でおよそ170Km
中部空知地区 <--> 大雪山系 直線でおよそ70Km
ちなみに富士山の場合
都心 <---> 富士山 直線でおよそ100Km
となります。
--
一番活発で影響が考えられるのは洞爺湖の横にある有珠岳です。釣鐘状で、粘ったマグマが地表を押し上げることで活動しています。雲仙の事故の映像で記憶に多いでしょう。爆発より、地表に出た冷えたマグマが駆け降りることにより、麓に被害を及ぼすタイプです。割と活動のパターンが決まっていて、前兆も多く、被害も想定しやすい火山です。
1970年代の噴火では私も空知に居ましたが、庭の植物の葉に薄らとホコリがたまる程度の降灰がありました。有珠岳は大爆発型ではないため、あまり火山灰をまき散らす火山ではないのでしょう。
--
蝦夷駒ヶ岳(北海道駒ヶ岳)は函館からJRに乗ると大沼公園付近で右手に見えて、活発に蒸気を吹きだしています。ただし中部空知からは距離も200Km近く離れているため、風向きがどんぴしゃりでもなければほとんど影響はありません。
大雪山系の十勝岳などは、距離が短いのですが、何しろ中部空知からは風向きが全く逆の西側にあるため、影響はありません。道東では降灰があるかもしれません。
他にも支笏湖横の恵庭岳などがありますが、ほとんど活動はしていません。しかし、支笏湖のカルデラを作ったほどのパワーがあり、一説には太平洋に流れていた石狩川の流れを石狩湾に変えてしまったほどの降灰があり得ます。千歳川下流部が異常に低いのもそのためだと言われます。
--
さて富士山は「成層型」と呼ばれるもので、爆発による大量の降灰、岩石が作り出した火山です。したがっていったん爆発すると西風にのって関東地方には莫大な量の降灰があるものと予測できます。有名な関東ローム層は、富士山の降灰によるものです。この水はけのよい土地により、武蔵野台地ではあまり稲作は活発ではありません。
過去これだけ「富士山爆発」という歴史の事実があるにも関わらず、あまり予知が進んでいないのは、あるとすれば富士山の爆発は全く予測がつかないという意味があります。
石狩川流域は地層的にも堆積層で火山の影響を受けにくいと言えます。
islandcenter.jp/surachipt
江戸っ子にとって怖いものは「地震雷火事親父」ということになりますが、火山の噴火も大きな障害をデータセンターに与えます。
1) 火山灰による降灰によるダスト
火山灰はサラサラでどんな隙間にも侵入します。このような状態では自然空調を使ったデータセンターでは窓を閉めざるを得ません。おまけに火山灰は酸性ですから、水分と合わさるとDC内のコネクタ、コンピュータ基盤の半田の接続部分にダメージを与えます。
2) 降灰による「出勤不能」
これが実はDC運用の一番のトラブルとなる可能性があります。都会では当然電車は止まり、道路も渋滞するどころか3Cmの降灰があれば、ほとんど自動車でも走ることはできません。東京で雪を経験した方なら誰もがわかっています。しかも雪と違って癖の悪いことに「自然に溶ける」ことが火山灰にはないのです。雨が降って洗い流すまでは道路は混乱します。
DCの中で働くエンジニアも人ですから、当然帰宅もしたければ、夜ぐっすり眠りたい。人手がたりなければ、非番のサポートが出勤しなければなりませんし、機器の故障があれば、ハードウェアベンダーのカスタマエンジニアが訪問しなければならないのです。DCに機器を預けたと言って安心していても、実際に水や電気、人の供給が止まればビジネスは停止してしまいます。
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ここでは中部空知地区に影響がありそうな活火山をピックアップしてみましょう。
中部空知地区 <--> 有珠岳 直線でおよそ120Km
中部空知地区 <--> 蝦夷駒ヶ岳 直線でおよそ170Km
中部空知地区 <--> 大雪山系 直線でおよそ70Km
ちなみに富士山の場合
都心 <---> 富士山 直線でおよそ100Km
となります。
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一番活発で影響が考えられるのは洞爺湖の横にある有珠岳です。釣鐘状で、粘ったマグマが地表を押し上げることで活動しています。雲仙の事故の映像で記憶に多いでしょう。爆発より、地表に出た冷えたマグマが駆け降りることにより、麓に被害を及ぼすタイプです。割と活動のパターンが決まっていて、前兆も多く、被害も想定しやすい火山です。
1970年代の噴火では私も空知に居ましたが、庭の植物の葉に薄らとホコリがたまる程度の降灰がありました。有珠岳は大爆発型ではないため、あまり火山灰をまき散らす火山ではないのでしょう。
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蝦夷駒ヶ岳(北海道駒ヶ岳)は函館からJRに乗ると大沼公園付近で右手に見えて、活発に蒸気を吹きだしています。ただし中部空知からは距離も200Km近く離れているため、風向きがどんぴしゃりでもなければほとんど影響はありません。
大雪山系の十勝岳などは、距離が短いのですが、何しろ中部空知からは風向きが全く逆の西側にあるため、影響はありません。道東では降灰があるかもしれません。
他にも支笏湖横の恵庭岳などがありますが、ほとんど活動はしていません。しかし、支笏湖のカルデラを作ったほどのパワーがあり、一説には太平洋に流れていた石狩川の流れを石狩湾に変えてしまったほどの降灰があり得ます。千歳川下流部が異常に低いのもそのためだと言われます。
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さて富士山は「成層型」と呼ばれるもので、爆発による大量の降灰、岩石が作り出した火山です。したがっていったん爆発すると西風にのって関東地方には莫大な量の降灰があるものと予測できます。有名な関東ローム層は、富士山の降灰によるものです。この水はけのよい土地により、武蔵野台地ではあまり稲作は活発ではありません。
過去これだけ「富士山爆発」という歴史の事実があるにも関わらず、あまり予知が進んでいないのは、あるとすれば富士山の爆発は全く予測がつかないという意味があります。
石狩川流域は地層的にも堆積層で火山の影響を受けにくいと言えます。
islandcenter.jp/surachipt
2013年12月06日
地方分散化するデータセンタービジネス
さくらインターネットの石狩データセンターが早くも黒字化
変貌を遂げるデータセンタービジネス(会員登録必要)
そのわけは、会員ではないと読めないページにあるのですが、ビジネスモデルとして、売り上げの高い分野に集中している、とだけ言っておきましょう。
変貌を遂げるデータセンタービジネス(会員登録必要)
そのわけは、会員ではないと読めないページにあるのですが、ビジネスモデルとして、売り上げの高い分野に集中している、とだけ言っておきましょう。
2013年11月02日
田中社長ありがとう
「石狩データセンター」裏話
風景がシリコンバレーに似ていること
本当、そう思います。
有難う田中社長。
シリコンバレーのあの茶けた山並みと、空知の緑あふれた山並みを見比べて、「シリコンバレーと似ている」という発言は大変力強さを感じました。
中部空知は、2番目の選択肢で、それでも十分です。ベスト1である必要はありません。ありませんが、第二のBCP地区として「シリコンバレー」を思い出させる風景であることは、とてもいいですね。
ちなみに、北海道にはゴキブリがほとんどいないことは有名ですが、獣害は多いので気を付けてください。一番いたずら者なのは「イタチ」の類です。金網を食い壊し、平気で建屋内に侵入します。ウチの鶏小屋もよくやられました。
もし、アドバイスができることがあるとするなら、
「データセンター犬」でも飼ってみたらいかがでしょうか。広大な敷地を一日2度散歩させる。室内作業がおおいオペレータさんのいい運動にもなるし、犬がアッチコッチで「主張」することで、イタチのような小動物は中々近づきたくなくなるでしょう。犬もアホではないので、「異常」な匂いには異様に反応してくれます。また、データセンターの通路の周回にも付き合ってもらいましょう。犬は短毛種がいいと思います。間違ってもレトリバーのような抜け毛が多い犬種は止めた方がいい。秋田犬とか、シェパード類が良いと思います。
ところで「日経コンピュータ 2013 10/31号 - 無防備すぎるサーバーの社内運用」の記事の中で各ISPのデータセンター所在地の一覧がありました。まず90%以上の「データセンター」が首都圏に存在していることがよくわかります。当然、東アジアでも最大のIT拠点の「一つ」(今はシンガポールかなぁ)である首都圏直下型災害が発生すれば、当然トラフィックとその影響はAPAC地区全体に影響します。
BCP対策として、データセンターの地域分散は重要ですが、通信の分散も考えた方がよいでしょう。
動植物に関しては「多様性」を模索するのに、通信システムの「多様性」はどこに行ったのでしょう。
石狩川流域をシリコンバレーに勝手に Surachipt Datastream
風景がシリコンバレーに似ていること
本当、そう思います。
有難う田中社長。
シリコンバレーのあの茶けた山並みと、空知の緑あふれた山並みを見比べて、「シリコンバレーと似ている」という発言は大変力強さを感じました。
中部空知は、2番目の選択肢で、それでも十分です。ベスト1である必要はありません。ありませんが、第二のBCP地区として「シリコンバレー」を思い出させる風景であることは、とてもいいですね。
ちなみに、北海道にはゴキブリがほとんどいないことは有名ですが、獣害は多いので気を付けてください。一番いたずら者なのは「イタチ」の類です。金網を食い壊し、平気で建屋内に侵入します。ウチの鶏小屋もよくやられました。
もし、アドバイスができることがあるとするなら、
「データセンター犬」でも飼ってみたらいかがでしょうか。広大な敷地を一日2度散歩させる。室内作業がおおいオペレータさんのいい運動にもなるし、犬がアッチコッチで「主張」することで、イタチのような小動物は中々近づきたくなくなるでしょう。犬もアホではないので、「異常」な匂いには異様に反応してくれます。また、データセンターの通路の周回にも付き合ってもらいましょう。犬は短毛種がいいと思います。間違ってもレトリバーのような抜け毛が多い犬種は止めた方がいい。秋田犬とか、シェパード類が良いと思います。
ところで「日経コンピュータ 2013 10/31号 - 無防備すぎるサーバーの社内運用」の記事の中で各ISPのデータセンター所在地の一覧がありました。まず90%以上の「データセンター」が首都圏に存在していることがよくわかります。当然、東アジアでも最大のIT拠点の「一つ」(今はシンガポールかなぁ)である首都圏直下型災害が発生すれば、当然トラフィックとその影響はAPAC地区全体に影響します。
BCP対策として、データセンターの地域分散は重要ですが、通信の分散も考えた方がよいでしょう。
動植物に関しては「多様性」を模索するのに、通信システムの「多様性」はどこに行ったのでしょう。
石狩川流域をシリコンバレーに勝手に Surachipt Datastream
2013年10月05日
10分でできるデータセンター?
オンラインオークションで有名な eBay のデータセンターは僅か10分で1500台のサーバーを増設するそうで....
[すごい増設スピード]サーバー1500台を10分で追加
実際には10分でこれだけの台数のサーバーを準備できるわけがない、と思います。記事ではコンテナDCなら10分で用意完了なわけですが、実際には、DCコンテナ1台を、発注>製造>運搬>設定、して初めて「運用」となるわけです。その期間を考えると現実には少なくとも数週間はかかるわけですね。
おもしろいのはこのDCは砂漠の気温40度以上にもなる立地条件の中で運用されているということです。
[すごい増設スピード]サーバー1500台を10分で追加
実際には10分でこれだけの台数のサーバーを準備できるわけがない、と思います。記事ではコンテナDCなら10分で用意完了なわけですが、実際には、DCコンテナ1台を、発注>製造>運搬>設定、して初めて「運用」となるわけです。その期間を考えると現実には少なくとも数週間はかかるわけですね。
おもしろいのはこのDCは砂漠の気温40度以上にもなる立地条件の中で運用されているということです。
2012年11月30日
MBs と mbps の違い、転送速度と通信容量の表現
よく 8メガ ADSL とか 100メガ光などという言葉を使いますよね。
この単位の意味は何なんでしょう。
通常 100メガ と言う場合 100mbps (mega bit/second:ビット/秒)です。
しかし、ファイルをコピーするときに MB/s とあるのは MB/second (Mega Byte/second: バイト/秒)です。
さて、ここで数学に弱い私(皆さんも?)は混乱し始めるわけですね。
基本的に 1 Byte = 1bit × 8 です。
だから 100mbps の回線で送れるデータ転送量は 100 の8分の1 = 12.5 つまり 12.5MB/sec なのです。
さて、ここで更に私のような数字に弱いヒトはお怒りになるわけです。
「100Mだから100Mのデータを送るのに8秒もかかるのはおかしい!」
とても大事なことなのですが単位が違うのですね。
また、話がややこしいことに 1000 = 1K ではないのですね。実際に 2 の倍数なので 1024 byte = 1 Kbyte, 1M byte =(およそ) 1024 kbyte ということになります。

--
普通、通信規格 bit per second の場合 bps と小文字で書き、転送速度 Mega Byte/Sec は MBs などと大文字で表現することが一般的なのですが、必ずしも「ルール」ではないので「光100メガ」などという広告表現がまかり通ってしまいます。
※実際 100Mbps の回線でデータを送っても途中の経路にある装置やディスクの速度によって 100Mbps で送受信、できる転送量は理論上 12.5MB/s なのですが実際の条件が良い環境でも現実には 8MB/s 程度のようです。
また、マンションのような集合住宅の場合、マンションの入り口は 100Mbps でも、中の100軒がみんな使えば1家庭あたり 1Mbps しか割り当てられません。同じことは無線回線にも言えることで、「40Mの高速無線通信回線」と言っても、同じ周波数をみんなで利用するわけですから、うたい文句ほど性能は出ません。以外と利用者の少ない地方都市の方が性能が出るケースは当たり前なのですね。
最近のパソコンでは GBe (ギガビットイーサネット)の端子が付いているのでギガビット対応の HUB とケーブル同士で繋げると、一秒間に 1000分の8 つまり 125MB/s 程度のデータを理論上できることになります。DVD一枚分のデータをわずか1分弱で送れるということです。
しかし実際は 70MB/s 以上の転送はできないようです。これはまだ録画したビデオのデータのような巨大なデータ(シーケンシャルデータ)の場合で「数Mb のデジカメデータ数百本」などランダムなデータを転送する場合は 10MB/s も出ればよいほうです。これは送信する側の性能と受信する側の性能が異なれば、当然遅い方に合わせて転送されます。
当然DVDに書かれたデータを読み出すにはDVDの駆動装置がその速度に耐えられないわけです。
一般にデータセンターなどで使われるサーバー用ディスクは普通のパソコン用のものとは、一桁違う精度のものを使っています。性能はファミリーカーのエンジンとF1マシンほども違います。精度や回転数、耐久性は数倍、価格も一桁違います。もちろん全てがこのような高性能なものを使うわけではないのですが、アクセスの頻繁なデータベースシステムなどでは良く使われますし、逆に1日に一度もアクセスされれば良いような、このブログのようなデータはもっと安くて遅いディスクが使われます。
石狩川流域をシリコンバレーに、勝手なプロジェクト
この単位の意味は何なんでしょう。
通常 100メガ と言う場合 100mbps (mega bit/second:ビット/秒)です。
しかし、ファイルをコピーするときに MB/s とあるのは MB/second (Mega Byte/second: バイト/秒)です。
さて、ここで数学に弱い私(皆さんも?)は混乱し始めるわけですね。
基本的に 1 Byte = 1bit × 8 です。
だから 100mbps の回線で送れるデータ転送量は 100 の8分の1 = 12.5 つまり 12.5MB/sec なのです。
さて、ここで更に私のような数字に弱いヒトはお怒りになるわけです。
「100Mだから100Mのデータを送るのに8秒もかかるのはおかしい!」
とても大事なことなのですが単位が違うのですね。
また、話がややこしいことに 1000 = 1K ではないのですね。実際に 2 の倍数なので 1024 byte = 1 Kbyte, 1M byte =(およそ) 1024 kbyte ということになります。

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普通、通信規格 bit per second の場合 bps と小文字で書き、転送速度 Mega Byte/Sec は MBs などと大文字で表現することが一般的なのですが、必ずしも「ルール」ではないので「光100メガ」などという広告表現がまかり通ってしまいます。
※実際 100Mbps の回線でデータを送っても途中の経路にある装置やディスクの速度によって 100Mbps で送受信、できる転送量は理論上 12.5MB/s なのですが実際の条件が良い環境でも現実には 8MB/s 程度のようです。
また、マンションのような集合住宅の場合、マンションの入り口は 100Mbps でも、中の100軒がみんな使えば1家庭あたり 1Mbps しか割り当てられません。同じことは無線回線にも言えることで、「40Mの高速無線通信回線」と言っても、同じ周波数をみんなで利用するわけですから、うたい文句ほど性能は出ません。以外と利用者の少ない地方都市の方が性能が出るケースは当たり前なのですね。
最近のパソコンでは GBe (ギガビットイーサネット)の端子が付いているのでギガビット対応の HUB とケーブル同士で繋げると、一秒間に 1000分の8 つまり 125MB/s 程度のデータを理論上できることになります。DVD一枚分のデータをわずか1分弱で送れるということです。
しかし実際は 70MB/s 以上の転送はできないようです。これはまだ録画したビデオのデータのような巨大なデータ(シーケンシャルデータ)の場合で「数Mb のデジカメデータ数百本」などランダムなデータを転送する場合は 10MB/s も出ればよいほうです。これは送信する側の性能と受信する側の性能が異なれば、当然遅い方に合わせて転送されます。
当然DVDに書かれたデータを読み出すにはDVDの駆動装置がその速度に耐えられないわけです。
一般にデータセンターなどで使われるサーバー用ディスクは普通のパソコン用のものとは、一桁違う精度のものを使っています。性能はファミリーカーのエンジンとF1マシンほども違います。精度や回転数、耐久性は数倍、価格も一桁違います。もちろん全てがこのような高性能なものを使うわけではないのですが、アクセスの頻繁なデータベースシステムなどでは良く使われますし、逆に1日に一度もアクセスされれば良いような、このブログのようなデータはもっと安くて遅いディスクが使われます。
石狩川流域をシリコンバレーに、勝手なプロジェクト
通信回線は「遅い早い」は誤り「細い太い」が正解
「もしもし、黒柳さーン」
「...はぃ、黒柳でぇーす」
よく70年代にはやった衛星通信ごっこですね。
--
通信事業者はよく「早い遅い」という言葉を使いますが、これは大きな誤りだという話です。
地球の周囲は4万km、静止衛星の高度は3.6万Km、光は1秒で地球を7周半する。
この3つの数字で説明しましょう。
仮に久米さんが地球の裏側の黒柳さんに衛星電話をかけた場合、少なくとも36000Kmの向こうの衛星まで飛んでいって、地球の反対側まで36000Kmの距離を帰ってくるわけです。地球には半径があるので、まぁ仮に往復80000Kmとしましょう。
一方で、地球の周囲は40000Km。これはナポレオンがメートル法を決めたとき、地球の周囲の40000分の1を1mとしようということで、誤差はありますが40000Kmジャストです。これで地球半周の通信にかかる距離は20000Kmですね。久米さんが黒柳さんの返事を待つ1/4で到達できることになります。
ところで、電気信号の早さはほとんど光と同じだといわれています。つまり一秒で地球7週半、30万キロほど進むということです。
--
海外にデータセンターを設置するということは、この「光と同じ速度」が実はネックになります。それだけレスポンスに影響があるのですね。まだ、Evernote や iCloud のサービスのように「裏で同期してくれる」ようなサービスや、単なるバックアップ拠点であれば全く気にならないのですが、ファイルサーバーやイントラネットのサービスを海外に求めると、必然的に「なんだか反応が遅いなぁ」という気分になってしまいます。ほんの数msの差なのですが、「行って帰って」が多いアプリケーションサービスであれば致命的です。多くの事業者が首都圏にDCを建設して、首都圏の顧客にサービスをするのも、この「距離」が重要だということです。
逆にバックアップ用途であれば、どこにサーバーがあってもかまいません。
--
実は、信号の伝わる速度というのは、アナログモデムを使っても、デジタル回線を使っても同じなのですね。30万キロというとほとんど月ほどの距離があるので、伝わる信号が「遅いなぁ」と思うのはデジタル回線でもアナログ回線でも同じなのです。
-周波数-
通信速度は変わりなくても周波数が上がると、単位時間の「通信容量」は増えます。
なぜ「早い、遅い」と感じるのでしょうか。それは「処理が終わるスピードが早い」からに他ありません。
ボーレートというものがありまして、インターネットがまだテスト段階だった80年代は1200ボーなどの数字でした。これは1秒間に1200の信号を送れるということです。90年代半ばのボーレートは19200ボーくらいの「周波数」になりました。今8MのADSLで80000ボーくらいになります。
速度が上がったのではなく「通信量」が増えて「早く処理が終わった」ため「早い、遅い」と感じるわけですね。
石狩平野シリコンバレー化勝手なプロジェクト
「...はぃ、黒柳でぇーす」
よく70年代にはやった衛星通信ごっこですね。
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通信事業者はよく「早い遅い」という言葉を使いますが、これは大きな誤りだという話です。
地球の周囲は4万km、静止衛星の高度は3.6万Km、光は1秒で地球を7周半する。
この3つの数字で説明しましょう。
仮に久米さんが地球の裏側の黒柳さんに衛星電話をかけた場合、少なくとも36000Kmの向こうの衛星まで飛んでいって、地球の反対側まで36000Kmの距離を帰ってくるわけです。地球には半径があるので、まぁ仮に往復80000Kmとしましょう。
一方で、地球の周囲は40000Km。これはナポレオンがメートル法を決めたとき、地球の周囲の40000分の1を1mとしようということで、誤差はありますが40000Kmジャストです。これで地球半周の通信にかかる距離は20000Kmですね。久米さんが黒柳さんの返事を待つ1/4で到達できることになります。
ところで、電気信号の早さはほとんど光と同じだといわれています。つまり一秒で地球7週半、30万キロほど進むということです。
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海外にデータセンターを設置するということは、この「光と同じ速度」が実はネックになります。それだけレスポンスに影響があるのですね。まだ、Evernote や iCloud のサービスのように「裏で同期してくれる」ようなサービスや、単なるバックアップ拠点であれば全く気にならないのですが、ファイルサーバーやイントラネットのサービスを海外に求めると、必然的に「なんだか反応が遅いなぁ」という気分になってしまいます。ほんの数msの差なのですが、「行って帰って」が多いアプリケーションサービスであれば致命的です。多くの事業者が首都圏にDCを建設して、首都圏の顧客にサービスをするのも、この「距離」が重要だということです。
逆にバックアップ用途であれば、どこにサーバーがあってもかまいません。
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実は、信号の伝わる速度というのは、アナログモデムを使っても、デジタル回線を使っても同じなのですね。30万キロというとほとんど月ほどの距離があるので、伝わる信号が「遅いなぁ」と思うのはデジタル回線でもアナログ回線でも同じなのです。
-周波数-
通信速度は変わりなくても周波数が上がると、単位時間の「通信容量」は増えます。
なぜ「早い、遅い」と感じるのでしょうか。それは「処理が終わるスピードが早い」からに他ありません。
ボーレートというものがありまして、インターネットがまだテスト段階だった80年代は1200ボーなどの数字でした。これは1秒間に1200の信号を送れるということです。90年代半ばのボーレートは19200ボーくらいの「周波数」になりました。今8MのADSLで80000ボーくらいになります。
速度が上がったのではなく「通信量」が増えて「早く処理が終わった」ため「早い、遅い」と感じるわけですね。
石狩平野シリコンバレー化勝手なプロジェクト
2012年11月21日
シリコンバレーと石狩バレー
二度ほど仕事でサンフランシスコへ行ったことがあります。
ずいぶん昔の印象なのでご容赦ください。
「仕事で」というと「へぇーたいしたもんだ」と思われるでしょうが、親会社のご褒美で販売店向けの普通の日本人のツアーコンダクターが添乗する普通のビジネスツアーです。ラスベガスのコンベンションセンターへ1時間ほど見学へ行き、暗くなったら5セントでチマチマとスロットマシンと闘うか、グランドキャニオンで怖い思いをするという、非常にケチな旅の乗り換えで寄っただけです。
添乗員さん曰く
「右手でオッケーマークを作ったら、その親指がサンフランシスコ市街、中の丸いところがサンフランシスコ湾、真ん中にアルカポネも入ったアルカトラズ刑務所があって、人差し指と親指のスキマにあるのがゴールデンゲートブリッジです」
とのことです。解りやすいですね。
サンフランシスコ湾は北米西海岸が、北米大陸からみかんの皮みたいに「ペリペリ」と剥がしたスキマに海水が入った湾です。親指の第一関節あたり、フリスコ郊外に飛行場があり、親指と人差し指の付け根の骨のスキマの部分がサウスベイエリア。つまりアメリカのハイテク産業を支えるシリコンバレーです。("Frisco" と言っても地元の人はポカーンでした....がっかり、Michael Franks 先生、英語の博士号持ってるんでしょ...フリスコ言うなよなぁ...)
サンフランシスコ自体は人口80万人の小さな街ですが、面積が狭く、一般的にはサンフランシスコ市とその周囲を合わせて、約400万人の人口があります。
街自体が小さく、坂が多く、面積が狭いため、多くの人々が親指の付け根とか、ベイブリッジの向こう側のオークランドなどから市街地に通勤します。このあたりに住んでいる人たちも「自分は Frisco の人間だ」と思っているようです。ちょうど川口や市川の市民が「東京から来た」と言っているようなものですね。サウスベイにはGoogle があるマウンテンビューやサンタクララ、原爆研究で有名なパロアルトなどがあります。まぁこの辺りの方々も「サンフランシスコから旅に来た」と言うでしょうね。
ちなみに、シリコンバレーの中心である、サンノゼ市は人口100万人。サンフランシスコ市より大きな街です。およそサンフランシスコ国際空港からバスに揺られて大体1時間。ちょうど、新千歳で降りて特急電車で1時間かかる石狩川流域と同じ時間間隔です。サンフランシスコの市街地は駐車事情がよくないので、おおよその人々はこれらの郊外住宅地から通勤するところも東京に似ているかもしれません。
ちょうど、都心3区がサンフランシスコで、東京駅からつくばエクスプレスや高速バスで1時間揺られると「筑波」の学園都市へ行けるのと同じ感覚でしょうか。後に筑波で仕事があり3ヶ月ほど通いました。学園大通り、通称「並木通り」はサンノゼの大通りを思い出させます。
まっすぐな通りと並木道。広い道路。並木の陰に見え隠れする「秘密基地」のようなカラフルなハイテク研究施設。
ちなみに「筑波」の秘密基地地帯へ行くには、つくばエクスプレスより東京からJRバスの方が乗り換えもなく便利です。
両側に山並みが広がるシリコンバレーは文字通り「谷」なのですが、石狩バレーと違うのは、シリコンバレーが大地の裂け目の谷であることで、中部空知のように川が作った平野ではないというところです。シリコンバレーは両側に山並みが広がりますが、空知山地と増毛山地にはさまれた狭い中部空知の石狩平野の隘路を思い出す風景です。しかし緑の少なさに。夏は気温低く、冬は寒くなく、雨が少ないアメリカ西海岸を感じます。
サンフランシスコをはじめとする米国西海岸は、その地形からも良くわかる通り、北米最大の地震地帯です。アフリカのナイル川沿いの大地溝帯と並んで有名なサンアンドレアス地溝もこの近くにあり、その断層帯の端の切れ目にあるのがシリコンバレーなのですね。ただ川がないので、データセンターの冷却用の水の確保は大変そうです。山並みも赤茶けています。この地震多発地帯に北米最大のデータセンターが集中しているという所に、日本人との「安全性」に対する価値観の違いがあります。まぁ大きな川がないので水害は少ないのでしょうが、データセンターの水に対する脆弱性を知らないのかも知れません。
住みやすい反面、以外とこの地区は地価が高く、ITバブルの跡、ずいぶん多くのハイテク産業がこの地を離れてユタとかテキサスあたりに移転したそうです。
石狩バレーをシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
ずいぶん昔の印象なのでご容赦ください。
「仕事で」というと「へぇーたいしたもんだ」と思われるでしょうが、親会社のご褒美で販売店向けの普通の日本人のツアーコンダクターが添乗する普通のビジネスツアーです。ラスベガスのコンベンションセンターへ1時間ほど見学へ行き、暗くなったら5セントでチマチマとスロットマシンと闘うか、グランドキャニオンで怖い思いをするという、非常にケチな旅の乗り換えで寄っただけです。
添乗員さん曰く
「右手でオッケーマークを作ったら、その親指がサンフランシスコ市街、中の丸いところがサンフランシスコ湾、真ん中にアルカポネも入ったアルカトラズ刑務所があって、人差し指と親指のスキマにあるのがゴールデンゲートブリッジです」
とのことです。解りやすいですね。
サンフランシスコ湾は北米西海岸が、北米大陸からみかんの皮みたいに「ペリペリ」と剥がしたスキマに海水が入った湾です。親指の第一関節あたり、フリスコ郊外に飛行場があり、親指と人差し指の付け根の骨のスキマの部分がサウスベイエリア。つまりアメリカのハイテク産業を支えるシリコンバレーです。("Frisco" と言っても地元の人はポカーンでした....がっかり、Michael Franks 先生、英語の博士号持ってるんでしょ...フリスコ言うなよなぁ...)
サンフランシスコ自体は人口80万人の小さな街ですが、面積が狭く、一般的にはサンフランシスコ市とその周囲を合わせて、約400万人の人口があります。
街自体が小さく、坂が多く、面積が狭いため、多くの人々が親指の付け根とか、ベイブリッジの向こう側のオークランドなどから市街地に通勤します。このあたりに住んでいる人たちも「自分は Frisco の人間だ」と思っているようです。ちょうど川口や市川の市民が「東京から来た」と言っているようなものですね。サウスベイにはGoogle があるマウンテンビューやサンタクララ、原爆研究で有名なパロアルトなどがあります。まぁこの辺りの方々も「サンフランシスコから旅に来た」と言うでしょうね。
ちなみに、シリコンバレーの中心である、サンノゼ市は人口100万人。サンフランシスコ市より大きな街です。およそサンフランシスコ国際空港からバスに揺られて大体1時間。ちょうど、新千歳で降りて特急電車で1時間かかる石狩川流域と同じ時間間隔です。サンフランシスコの市街地は駐車事情がよくないので、おおよその人々はこれらの郊外住宅地から通勤するところも東京に似ているかもしれません。
ちょうど、都心3区がサンフランシスコで、東京駅からつくばエクスプレスや高速バスで1時間揺られると「筑波」の学園都市へ行けるのと同じ感覚でしょうか。後に筑波で仕事があり3ヶ月ほど通いました。学園大通り、通称「並木通り」はサンノゼの大通りを思い出させます。
まっすぐな通りと並木道。広い道路。並木の陰に見え隠れする「秘密基地」のようなカラフルなハイテク研究施設。
ちなみに「筑波」の秘密基地地帯へ行くには、つくばエクスプレスより東京からJRバスの方が乗り換えもなく便利です。
両側に山並みが広がるシリコンバレーは文字通り「谷」なのですが、石狩バレーと違うのは、シリコンバレーが大地の裂け目の谷であることで、中部空知のように川が作った平野ではないというところです。シリコンバレーは両側に山並みが広がりますが、空知山地と増毛山地にはさまれた狭い中部空知の石狩平野の隘路を思い出す風景です。しかし緑の少なさに。夏は気温低く、冬は寒くなく、雨が少ないアメリカ西海岸を感じます。
サンフランシスコをはじめとする米国西海岸は、その地形からも良くわかる通り、北米最大の地震地帯です。アフリカのナイル川沿いの大地溝帯と並んで有名なサンアンドレアス地溝もこの近くにあり、その断層帯の端の切れ目にあるのがシリコンバレーなのですね。ただ川がないので、データセンターの冷却用の水の確保は大変そうです。山並みも赤茶けています。この地震多発地帯に北米最大のデータセンターが集中しているという所に、日本人との「安全性」に対する価値観の違いがあります。まぁ大きな川がないので水害は少ないのでしょうが、データセンターの水に対する脆弱性を知らないのかも知れません。
住みやすい反面、以外とこの地区は地価が高く、ITバブルの跡、ずいぶん多くのハイテク産業がこの地を離れてユタとかテキサスあたりに移転したそうです。
石狩バレーをシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
2012年11月05日
ハリケーンSandyで見えた都市の脆弱性
人の不幸を笑うわけではありません。
NYC はじめ近くのニュージャージー州など、大混乱が続いているようです。
大型ハリケーン「Sandy」の影響で「Gizmodo」や「Buzzfeed」が停止に
何度か東京駅から新宿駅まで歩いたことがあるのですが、意外と近いものなのですね。しかしこの間を歩こうという都市市民はほとんどいない。
都市は精密なスイス製の腕時計のように全てがバランスが取れて精密に動くように結果的に出来上がっており、この精密機械のどこかに水が入り込んだだけでその機能は失われてしまいます。
変電所の故障により停電が発生し
Massive explosion at NY power plant
多くのデータセンターの電力が失われています。
Massive Flooding Damages Several NYC Data Centers
これは、NYCでのことではなく、首都圏でも同じシナリオが描けるわけですね。
ハリケーンで公共交通が破壊されたNY:ギャラリー

私が住んでいる街からは西東京市はすぐそこなのですが、電車で行くとなると非常に面倒な乗換えが沢山必要で1時間以上かかります。おそらく自転車でも同じ程度なのでしょうが、この距離感覚は、首都圏では「遠い」という感覚です。
都心部がNYCのように水没すると、まず、首都圏郊外へのデータセンターの「復旧」のための出勤は不可能になります。
東京一極集中という日本の「今のあり方」を真剣に考えてみたいものです。
NYC はじめ近くのニュージャージー州など、大混乱が続いているようです。
大型ハリケーン「Sandy」の影響で「Gizmodo」や「Buzzfeed」が停止に
何度か東京駅から新宿駅まで歩いたことがあるのですが、意外と近いものなのですね。しかしこの間を歩こうという都市市民はほとんどいない。
都市は精密なスイス製の腕時計のように全てがバランスが取れて精密に動くように結果的に出来上がっており、この精密機械のどこかに水が入り込んだだけでその機能は失われてしまいます。
変電所の故障により停電が発生し
Massive explosion at NY power plant
多くのデータセンターの電力が失われています。
Massive Flooding Damages Several NYC Data Centers
これは、NYCでのことではなく、首都圏でも同じシナリオが描けるわけですね。
ハリケーンで公共交通が破壊されたNY:ギャラリー

私が住んでいる街からは西東京市はすぐそこなのですが、電車で行くとなると非常に面倒な乗換えが沢山必要で1時間以上かかります。おそらく自転車でも同じ程度なのでしょうが、この距離感覚は、首都圏では「遠い」という感覚です。
都心部がNYCのように水没すると、まず、首都圏郊外へのデータセンターの「復旧」のための出勤は不可能になります。
東京一極集中という日本の「今のあり方」を真剣に考えてみたいものです。
2012年10月25日
雪熱冷房データセンターの要素、空知地方の雪
雪は生活の大敵でもあり、Surachipt に恵みをもたらすものです。
この地域での一冬での降雪量は約10mほどだそうです。本当にそれだけの雪が降るのかというのは私も知りませんでした。それほど、「雪が多い」という実感が無いのには大きな理由があります。
カナダ・バンクーバー、ウクライナ・キエフなどが北半球では札幌に近い緯度、気候、都市規模ですしかしこれらの街と一番異なるのはこの9~10mという莫大な降雪量です。
しかし、空知地方では、通行のための除雪は行いますが、重労働である屋根のいわゆる「雪下ろし」は全くと言って行われません。これは、
「雪の質があまりにも軽い」
ことが最大の理由です。「ほとんど綿飴」状態の雪なのですね。雪が軽いため、10mの降雪があっても累計で、実際に「積雪」となると2m程度にしかならないのです。それでも積雪自体が軽いため、よく校舎の天辺から度胸試しでジャンプして胸まで雪に漬かり、先生に怒られました。
屋根もトタン張りなので、ほとんど軽いまま落雪してしまいます。雪自体の重みやブリザードにより吹き飛ばされるため、実際には「雪によって孤立」といったニュースはまずお目にかかりません。実際に一晩で3フィートの雪が積もっても実際に道路を埋め尽くすのは沢山の吹き溜まりです。
実際に塩分や海砂を含んだ低い空気層の「重い湿った雪」は大部分が石狩の海岸で落ちてしまい、残った上空の「湿った空気」だけが増毛山系を越えて急速に冷やされて軽雪となって振ってきます。
日本でも有数の豪雪地帯でもあり、北海道の幹線が集中する空知地方では、除雪体制が整っているため、降雪が激しい日であれば、裏道でも一日何度もの除雪が行われます。除雪もロータリー車やキャタピラ付きブルドーザーではなく、雪が軽いためホイルローダーだけで除雪します。
実は、この廃雪された雪が住宅やガレージの入り口をふさぐため、この「雪投げ」が家庭や事業所での一番の重労働となります。しかし、ほとんどプラスティック製のスコップで十分な作業です。露天駐車をしていると、車はしっかり雪に覆われます。また大きなショッピングセンターの隅には巨大な雪山が作られます。
路肩や駐車場に寄せられた雪は見通しに影響するため、定期的にロータリー除雪機を使ってトラックで廃雪場に捨てられます。美唄市で行われている雪熱冷房を使ったデータセンター誘致のアイディアはこの廃雪を利用したものです。この時点では雪は締まって重くなり、プラスティックのスコップでは書き出せない状態になります。雪像を作るにはちょうど良い硬さです。
何もしなくても廃雪場の大量の雪は5月の連休明けまで残ります。増毛山系の山にも雪が見えなくなるのは6月に入ってからです。
--
開拓期の住宅や道路は、
「地面に直接ぶったてた」
作りだったため、雪対策は深刻でした。雪は屋根から落ちるのですが、冬の終わりになると、この落雪にツララ(氷)が混じるのです。ツララ混じりの屋根の落雪はガラス窓を突き破り、家の中に侵入しました。
また道路が地面の高さと同じため、除雪車が走った後の道路の両脇には3mもの雪の壁が出来ました。
しかし、最近では、主要幹線道路から農道まで、全て地表より高いところに路面があり、路面脇には大きな排水溝があるため、雪の季節に訪れてもここが「日本有数の豪雪地帯である」ということは忘れてしまいそうです。国道を走っていると路面より低いところに住宅があるのは、路面をかさ上げした名残です。
このような光景は古い農家の廃屋などに見られます。ほとんど屋根は潰れていないのに、壁や土台だけが傾いています。
ただし、札幌のような大きな市街地の裏側はまだ道が狭いところが多く、クルマでの通行は難儀します。
砂川市の場合、市内の北電砂川発電所の温排水を使った融雪溝があるため、市街地には全くと言っていいほど雪がありません。
この数十年で新築されたこの地域の家はご覧のとおり、地面から3フィートほど高いところにポーチがあります。このため、家の周りの除雪はほとんど行う必要がなくなりました。また、落説によりガラスが割れるという事故もほとんど皆無となりました。

冬季は氷点下20度近くになるため、(近い札幌とは10度近く違います)水道は地表1m以下に埋められてます。建物の基礎も1mくらいは掘り下げて、さらにかさ上げして1Fのフロアを作ります。そのため最近建てた住宅には小さな地下室があり、農家などではほぼ0度に近い常態で野菜の保管を行います。ビールも冷え冷えです。
ちなみに、北海道の最近の住宅はほとんどが魔法瓶のような二重窓の作りで、セントラルヒーディングです。シャツ一枚で快適に過ごせます。石炭が燃料だった時代は熾き火により深夜でも家中が凍らないように工夫していました。以外と道産子は寒がりが多いのです。
JR函館線のこの区間は最大の交通の要衝です。学校の窓から良く見えたものですが、30分に一度は雪を撒き散らして電車が走るわけなので、除雪車が走る風景というものはまず見たことがありません。列車自体が除雪車なのですね。ポイント付近だけ除雪したり融雪装置を使ってダイアを確保します。除雪車は主に、宗谷本線や小樽以南の函館本線で使用されるようです。
さすがにブリザードが激しい時になると特急が遅れたり、凍結した路面や見通しの悪い場所で自動車事故が起こることがあります。一般的には自動車専用道路より、幹線国道の方が交通量が多いため、除雪も早く、国道が通行止めになることはほとんどありません。
東京では雪が降ると子供達が「雪合戦」や「雪だるま」を作りますが、空知っ子はこれらのアソビを知りません。あまりにも軽い雪なので、「雪球」を作ることができないのです。雪合戦は「雪掛け」になってしまいます。
それでも3月の終わりになると雪も緩むため、屋根からの落雪などは危険です。時折「彼岸荒れ」もあります。堤防の坂に雪球を転がして巨大雪だるまを作るアソビもこのころならではです。もっとも、最近では川の堤防が巨大なスーパー堤防になってしまったため、利根川の堤防のような軟弱で幅の狭い急な堤防もなく、巨大雪だるまを作れる坂がなくなったことは残念です。
中部空知にデータセンターを誘致する勝手なプロジェクト
この地域での一冬での降雪量は約10mほどだそうです。本当にそれだけの雪が降るのかというのは私も知りませんでした。それほど、「雪が多い」という実感が無いのには大きな理由があります。
カナダ・バンクーバー、ウクライナ・キエフなどが北半球では札幌に近い緯度、気候、都市規模ですしかしこれらの街と一番異なるのはこの9~10mという莫大な降雪量です。
しかし、空知地方では、通行のための除雪は行いますが、重労働である屋根のいわゆる「雪下ろし」は全くと言って行われません。これは、
「雪の質があまりにも軽い」
ことが最大の理由です。「ほとんど綿飴」状態の雪なのですね。雪が軽いため、10mの降雪があっても累計で、実際に「積雪」となると2m程度にしかならないのです。それでも積雪自体が軽いため、よく校舎の天辺から度胸試しでジャンプして胸まで雪に漬かり、先生に怒られました。
屋根もトタン張りなので、ほとんど軽いまま落雪してしまいます。雪自体の重みやブリザードにより吹き飛ばされるため、実際には「雪によって孤立」といったニュースはまずお目にかかりません。実際に一晩で3フィートの雪が積もっても実際に道路を埋め尽くすのは沢山の吹き溜まりです。
実際に塩分や海砂を含んだ低い空気層の「重い湿った雪」は大部分が石狩の海岸で落ちてしまい、残った上空の「湿った空気」だけが増毛山系を越えて急速に冷やされて軽雪となって振ってきます。
日本でも有数の豪雪地帯でもあり、北海道の幹線が集中する空知地方では、除雪体制が整っているため、降雪が激しい日であれば、裏道でも一日何度もの除雪が行われます。除雪もロータリー車やキャタピラ付きブルドーザーではなく、雪が軽いためホイルローダーだけで除雪します。
実は、この廃雪された雪が住宅やガレージの入り口をふさぐため、この「雪投げ」が家庭や事業所での一番の重労働となります。しかし、ほとんどプラスティック製のスコップで十分な作業です。露天駐車をしていると、車はしっかり雪に覆われます。また大きなショッピングセンターの隅には巨大な雪山が作られます。
路肩や駐車場に寄せられた雪は見通しに影響するため、定期的にロータリー除雪機を使ってトラックで廃雪場に捨てられます。美唄市で行われている雪熱冷房を使ったデータセンター誘致のアイディアはこの廃雪を利用したものです。この時点では雪は締まって重くなり、プラスティックのスコップでは書き出せない状態になります。雪像を作るにはちょうど良い硬さです。
何もしなくても廃雪場の大量の雪は5月の連休明けまで残ります。増毛山系の山にも雪が見えなくなるのは6月に入ってからです。
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開拓期の住宅や道路は、
「地面に直接ぶったてた」
作りだったため、雪対策は深刻でした。雪は屋根から落ちるのですが、冬の終わりになると、この落雪にツララ(氷)が混じるのです。ツララ混じりの屋根の落雪はガラス窓を突き破り、家の中に侵入しました。
また道路が地面の高さと同じため、除雪車が走った後の道路の両脇には3mもの雪の壁が出来ました。
しかし、最近では、主要幹線道路から農道まで、全て地表より高いところに路面があり、路面脇には大きな排水溝があるため、雪の季節に訪れてもここが「日本有数の豪雪地帯である」ということは忘れてしまいそうです。国道を走っていると路面より低いところに住宅があるのは、路面をかさ上げした名残です。
このような光景は古い農家の廃屋などに見られます。ほとんど屋根は潰れていないのに、壁や土台だけが傾いています。
ただし、札幌のような大きな市街地の裏側はまだ道が狭いところが多く、クルマでの通行は難儀します。
砂川市の場合、市内の北電砂川発電所の温排水を使った融雪溝があるため、市街地には全くと言っていいほど雪がありません。
この数十年で新築されたこの地域の家はご覧のとおり、地面から3フィートほど高いところにポーチがあります。このため、家の周りの除雪はほとんど行う必要がなくなりました。また、落説によりガラスが割れるという事故もほとんど皆無となりました。

冬季は氷点下20度近くになるため、(近い札幌とは10度近く違います)水道は地表1m以下に埋められてます。建物の基礎も1mくらいは掘り下げて、さらにかさ上げして1Fのフロアを作ります。そのため最近建てた住宅には小さな地下室があり、農家などではほぼ0度に近い常態で野菜の保管を行います。ビールも冷え冷えです。
ちなみに、北海道の最近の住宅はほとんどが魔法瓶のような二重窓の作りで、セントラルヒーディングです。シャツ一枚で快適に過ごせます。石炭が燃料だった時代は熾き火により深夜でも家中が凍らないように工夫していました。以外と道産子は寒がりが多いのです。
JR函館線のこの区間は最大の交通の要衝です。学校の窓から良く見えたものですが、30分に一度は雪を撒き散らして電車が走るわけなので、除雪車が走る風景というものはまず見たことがありません。列車自体が除雪車なのですね。ポイント付近だけ除雪したり融雪装置を使ってダイアを確保します。除雪車は主に、宗谷本線や小樽以南の函館本線で使用されるようです。
さすがにブリザードが激しい時になると特急が遅れたり、凍結した路面や見通しの悪い場所で自動車事故が起こることがあります。一般的には自動車専用道路より、幹線国道の方が交通量が多いため、除雪も早く、国道が通行止めになることはほとんどありません。
東京では雪が降ると子供達が「雪合戦」や「雪だるま」を作りますが、空知っ子はこれらのアソビを知りません。あまりにも軽い雪なので、「雪球」を作ることができないのです。雪合戦は「雪掛け」になってしまいます。
それでも3月の終わりになると雪も緩むため、屋根からの落雪などは危険です。時折「彼岸荒れ」もあります。堤防の坂に雪球を転がして巨大雪だるまを作るアソビもこのころならではです。もっとも、最近では川の堤防が巨大なスーパー堤防になってしまったため、利根川の堤防のような軟弱で幅の狭い急な堤防もなく、巨大雪だるまを作れる坂がなくなったことは残念です。
中部空知にデータセンターを誘致する勝手なプロジェクト
2012年10月23日
データセンターの敵、埃、塵
江ノ島から茅ヶ崎、平塚大橋までの湘南海岸にはサイクリングロードがあります。国道134号(通称湘南国道)と海岸の松林の間にあるのですが、ここをインラインスケート(ローラーブレード)で滑ったことがあります。
松林に囲まれているとは言え、当たり前ですがインラインスケート用の8000円の高価なマイクロベアリング1セット16個が一日で駄目になりました。
この地帯は、境川、相模川といった川が流れており、川が運んだ関東平野の火山灰を含む細かな砂が海岸に堆積しており、強い南風ですぐに住宅の窓のアルミサッシのローラーが痛んでしまいます。平塚の相模川河口の漁港には錆だらけの軽トラック。もちろん場所にもよりますが、湘南国道から数百メートルに渡って松林の防砂林があり、この地帯には住宅がないところもあります。ほとんどが夏場の防砂林に囲まれた駐車場です。
それでも少し離れた小田原、国府津付近は川がなく海岸と言っても砂利浜なので、あまり砂塵の影響は少ないのか、世界最大級のHDDの工場もこのあたりにあります。もっともHDDなどの部品はクリーンルームで作られるのであまり影響はないのでしょう。
一見、コンピュータと細かな砂、塵とは無縁に思えますが、コンピューターの穂器類である、密閉されたHDDは別としても、ファンや予備電源のためのディーゼル機関、テープドライブの読み取りヘッドやスピンドル、モーター、プリンタの紙送り装置、サーバー内の空調ファン類などの「回り物」には精密なマイクロベアリングがむき出しで使われており、これらは海岸の砂や塵には非常に弱いのも事実です。空調ファンなどは数千rpmで回っており、数百rpmで回るインラインスケートの比ではないほど小ささで、しかも高速、高回転です。もちろん防塵のためのフィルターは建物全体に必須なのですがフィルターを通すと十分な外気空調を得ることが出来ません。サーバールーム全体をクリーンルーム化する必要(それだけコストがかかります)が必要です。これら穂器類の故障も「寿命」で片付けられる可能性がありますが、顕微鏡レベルで見れば、細かな塵などでダメージを受けることが多いようです。
以外と微細加工をしている工場などに設置されたクリーンルームのコンピューターは何十年も使われることが多いのです(どうしてこんなに古いコンピュータが現役で動いているのか不思議なくらいです)が、数年前までオフィスで喫煙するのが当たり前だったころはオフィスのコンピューターが1年でブッ壊れるということは良くありました。
北海道で細かな砂が多い場所は、天塩海岸や石狩湾、オホーツク海沿岸などです。ほかは砂利海岸です。北海道ではほとんどが西風(南西風、北西風)なのでこれらの海岸から数十キロ離れた中部空知地区で塵や砂塵によるトラブルは少ないと言えます。
一番、怖いのが、水害と有珠岳の噴火による火山灰です。昭和40年代の有珠岳の噴火では、ごく僅かですが南西風に乗って農作物にうっすらと白い火山灰の降灰がありました。指先で触れてそれと解る程度です。
有珠岳は北海道でも一番の活火山でほぼ数十年に一度は活動する活発な火山ですが、爆発が小規模で溶岩ドームを作り出す系の火山です。雲仙普賢岳のようなタイプですね。
と言っても、有珠岳と札幌の距離はほとんど富士山と東京との距離くらいありますから、平成新山が出来たときもほとんど石狩平野には被害は無かったようです。
Surachipt Dtastream は、冬場の湿潤な冷気と、夏場の雪熱冷房を使った「水冷・空冷ハイブリッドタイプ」の密閉タイプのデータセンター構想です。冷たい大雪山系の空知川を引き入れた空知用水絽や空知山地の湧き水、冬場に集積した雪。湿潤な空知の稲作地帯の空気をコンピューター設備の冷却に利用できます。
寒冷地にデータセンターを。勝手に Srachipt Datastreamを作る無謀なプロジェクト
松林に囲まれているとは言え、当たり前ですがインラインスケート用の8000円の高価なマイクロベアリング1セット16個が一日で駄目になりました。
この地帯は、境川、相模川といった川が流れており、川が運んだ関東平野の火山灰を含む細かな砂が海岸に堆積しており、強い南風ですぐに住宅の窓のアルミサッシのローラーが痛んでしまいます。平塚の相模川河口の漁港には錆だらけの軽トラック。もちろん場所にもよりますが、湘南国道から数百メートルに渡って松林の防砂林があり、この地帯には住宅がないところもあります。ほとんどが夏場の防砂林に囲まれた駐車場です。
それでも少し離れた小田原、国府津付近は川がなく海岸と言っても砂利浜なので、あまり砂塵の影響は少ないのか、世界最大級のHDDの工場もこのあたりにあります。もっともHDDなどの部品はクリーンルームで作られるのであまり影響はないのでしょう。
一見、コンピュータと細かな砂、塵とは無縁に思えますが、コンピューターの穂器類である、密閉されたHDDは別としても、ファンや予備電源のためのディーゼル機関、テープドライブの読み取りヘッドやスピンドル、モーター、プリンタの紙送り装置、サーバー内の空調ファン類などの「回り物」には精密なマイクロベアリングがむき出しで使われており、これらは海岸の砂や塵には非常に弱いのも事実です。空調ファンなどは数千rpmで回っており、数百rpmで回るインラインスケートの比ではないほど小ささで、しかも高速、高回転です。もちろん防塵のためのフィルターは建物全体に必須なのですがフィルターを通すと十分な外気空調を得ることが出来ません。サーバールーム全体をクリーンルーム化する必要(それだけコストがかかります)が必要です。これら穂器類の故障も「寿命」で片付けられる可能性がありますが、顕微鏡レベルで見れば、細かな塵などでダメージを受けることが多いようです。
以外と微細加工をしている工場などに設置されたクリーンルームのコンピューターは何十年も使われることが多いのです(どうしてこんなに古いコンピュータが現役で動いているのか不思議なくらいです)が、数年前までオフィスで喫煙するのが当たり前だったころはオフィスのコンピューターが1年でブッ壊れるということは良くありました。
北海道で細かな砂が多い場所は、天塩海岸や石狩湾、オホーツク海沿岸などです。ほかは砂利海岸です。北海道ではほとんどが西風(南西風、北西風)なのでこれらの海岸から数十キロ離れた中部空知地区で塵や砂塵によるトラブルは少ないと言えます。
一番、怖いのが、水害と有珠岳の噴火による火山灰です。昭和40年代の有珠岳の噴火では、ごく僅かですが南西風に乗って農作物にうっすらと白い火山灰の降灰がありました。指先で触れてそれと解る程度です。
有珠岳は北海道でも一番の活火山でほぼ数十年に一度は活動する活発な火山ですが、爆発が小規模で溶岩ドームを作り出す系の火山です。雲仙普賢岳のようなタイプですね。
と言っても、有珠岳と札幌の距離はほとんど富士山と東京との距離くらいありますから、平成新山が出来たときもほとんど石狩平野には被害は無かったようです。
Surachipt Dtastream は、冬場の湿潤な冷気と、夏場の雪熱冷房を使った「水冷・空冷ハイブリッドタイプ」の密閉タイプのデータセンター構想です。冷たい大雪山系の空知川を引き入れた空知用水絽や空知山地の湧き水、冬場に集積した雪。湿潤な空知の稲作地帯の空気をコンピューター設備の冷却に利用できます。
寒冷地にデータセンターを。勝手に Srachipt Datastreamを作る無謀なプロジェクト
2012年10月12日
サーバールームの温度はどれくらいが適当か
まず、コンピュータの動作保障範囲が諸元表に掲載されていますので確認しましょう。たいてい -5度から+35度です。
低すぎる場合は結露します。空中の水分が凍って基板を痛めるため、冷やしすぎは危険です。よく、コンピュータをオーバークロックさせるために窒素冷却などをしますが、一歩間違えると壊れる可能性があります。スパーコンピューターなどではよく窒素冷却する場合があるようです。
逆に暑すぎる場合の方が問題になります。
CPU内部そのものは大体60度から70度以上、物によっては90度になります。一度ファンが壊れたCPUの放熱板を手のひらに載せたことがありますが、ほとんどやけどする位で素手では持てませんでした。経験では大体CPUの周辺センサー温度が60度を超えると動作しなくなります。
最近ではほとんど内部にセンサーがついているため、装置が異常な温度を検出すると「勝手に」電源が切られます。
よく、室内クーラーが壊れた後のお話をよくお客様から聞きましたし私も経験しました。大体そのような場合、室内の温度は50度前後になるようです。ほとんどの機器は「勝手に」電源が切られます。また、緊急でサーバールームの窓を全部開けて凌いだというお話も聞いたことがあります。
電子機器はこの温度で壊れることは少ないのですが、駆動部品であるHDDやファンなどのグリースが劣化して壊れることが良くあります。特にサーバー用HDDは10,000-15,000rpm で高速回転しています。HDDも発熱の多いパーツです。クーラー故障からHDDはすぐ壊れませんが数週間から数ヵ月後に壊れるケースがよくあります。
コンピュータールームの温度は20度に設定しているところもありますし、24度に設定しているところもあります。しかし、それはエアコンの温度設定の問題で、実際には吸気側が25度程度で問題になることはまずないと考えています。30度を超えると問題が起こりそうです。排気側は当然40度とかの熱が出てくるため、部屋全体の室温という目安は意味がありません。
これは私の経験ですが人間が普通に快適に過ごせる室温で充分です。またその程度の温度を保っていて充分な冷却能力があればトラブルは少ないようです。
以前のデータセンタがーの設計では、「室温全体」20度前後というのが目安になっていたようです。熱風も冷風もごちゃ混ぜにして部屋全体を冷やしていました。
夏場のデータセンター勤務というのはまさに暑い炭鉱で働くこととは、まったく逆の意味で「体に良くない」職業でした。しかし、最近では「吸気側25度」さえ守れば充分冷却されます。その代わり排気側の室温は30度以上になります。この「熱気」をどう排出するか「エアフロー」が設計のポイントになります。近年ではデータセンター自体を冷やす発想から、「機器だけ」をどう効率よく冷やすかに焦点が置かれています。
ホットアイル、チルドアイルというのは「暑い通路」「冷たい通路」を意味します。コンピュータの前面をチルドアイルに、背面をホットアイルにして、ホットアイルの排気を充分に行われれば、機器の持つエアフローにより自然にチルドアイルに冷風を吸い込み、ホットアイルに排出されます。ホットアイルの廃熱は冬季の暖房用などに応用できます。
せっかくホットアイルに熱源があるのだからなぁ、もったいないなぁと思って何か別な用途に使えないかとも考えています。
かつては、床下から冷風を取り込み、天井から熱気を排出する形式が主流だったようですが、最近は冷たい空気は下に下りる。熱い空気は上に昇るという自然のエアフローを作り出したほうが効率が良いようです。したがってラックの列と天井との区切りを分離して熱風と冷風を分離する試みが行われています。
私は別にコンピュータルームの温度は30度だろうが40度だろうがかまわないと考えています。
基本的には、「機器類」が冷えていることが重要です。つまり「冷やす対象」はラックの中身だけだと思います。
データセンターを構築する上で、冷水を使ったラックの冷却設備、またはラック内だけに冷風を閉じ込めておくシステムで十分ではないでしょうか。
北海道は冷却に必要な雪が豊富です。
北海道、空知中部は非常に冷水の確保が容易です。夏場の川の水温も20度前後です。
自然空冷よりも、安定した雪熱を使った冷却システムが構築できます。
美唄自然エネルギー研究会
実際、中部空知の美唄市では雪熱を使った雪蔵工房があり、優秀な道産米で知られる「おぼろづき」などの冷蔵貯米施設があります。この設備をそのまま拡張してしまえば容易にデータセンターのファシリティが構築できます。
自然風を利用したデータセンターのファシリティはあくまでも「風任せ」です。しかも、埃や塩害とも闘わなければなりません。しかし、中部空知では有数の豪雪地帯(しかも粉雪)であることを最大限に利用した雪冷房システムが使われています。
北海道で雪熱冷房を使ったデータセンターを作るのであれば、そもそも冷却エネルギーが「雪と冷水」であるため、わざわざ巨大な冷房装置は必要ありません。冷水を流すポンプと熱交換した冷風をラック内に流すだけの送風機があれば十分です。どうせコンピュータールームの冷却に使う90%以上のエネルギーは、コンピューターを冷やすためではなく、周囲の関係のない目的のためにあるのです。
美唄市ホワイトデータセンター構想
これらコンピュータ機器を「冷やす」ことが目的で「データセンターという建物」あるいは「コンピュータールーム」を冷却する必要はないのです。
都心型の高層ビルのデータセンターではこのエアフローを建屋全体に施せません。元来、熱気を放出する窓が高層ビルでは開かないからです。したがってこのような高層ビル型データセンターでは、従来のように「建物全体」を冷房で冷やす対策しか取れません。屋上に巨大な放熱施設があります。 Google Earth などで「データセンターだな」という建物を上空から拡大すると、馬鹿でかい冷房設備が見えます。
石狩川流域をIT拠点に! 勝手なプロジェクト
a href=
低すぎる場合は結露します。空中の水分が凍って基板を痛めるため、冷やしすぎは危険です。よく、コンピュータをオーバークロックさせるために窒素冷却などをしますが、一歩間違えると壊れる可能性があります。スパーコンピューターなどではよく窒素冷却する場合があるようです。
逆に暑すぎる場合の方が問題になります。
CPU内部そのものは大体60度から70度以上、物によっては90度になります。一度ファンが壊れたCPUの放熱板を手のひらに載せたことがありますが、ほとんどやけどする位で素手では持てませんでした。経験では大体CPUの周辺センサー温度が60度を超えると動作しなくなります。
最近ではほとんど内部にセンサーがついているため、装置が異常な温度を検出すると「勝手に」電源が切られます。
よく、室内クーラーが壊れた後のお話をよくお客様から聞きましたし私も経験しました。大体そのような場合、室内の温度は50度前後になるようです。ほとんどの機器は「勝手に」電源が切られます。また、緊急でサーバールームの窓を全部開けて凌いだというお話も聞いたことがあります。
電子機器はこの温度で壊れることは少ないのですが、駆動部品であるHDDやファンなどのグリースが劣化して壊れることが良くあります。特にサーバー用HDDは10,000-15,000rpm で高速回転しています。HDDも発熱の多いパーツです。クーラー故障からHDDはすぐ壊れませんが数週間から数ヵ月後に壊れるケースがよくあります。
コンピュータールームの温度は20度に設定しているところもありますし、24度に設定しているところもあります。しかし、それはエアコンの温度設定の問題で、実際には吸気側が25度程度で問題になることはまずないと考えています。30度を超えると問題が起こりそうです。排気側は当然40度とかの熱が出てくるため、部屋全体の室温という目安は意味がありません。
これは私の経験ですが人間が普通に快適に過ごせる室温で充分です。またその程度の温度を保っていて充分な冷却能力があればトラブルは少ないようです。
以前のデータセンタがーの設計では、「室温全体」20度前後というのが目安になっていたようです。熱風も冷風もごちゃ混ぜにして部屋全体を冷やしていました。
夏場のデータセンター勤務というのはまさに暑い炭鉱で働くこととは、まったく逆の意味で「体に良くない」職業でした。しかし、最近では「吸気側25度」さえ守れば充分冷却されます。その代わり排気側の室温は30度以上になります。この「熱気」をどう排出するか「エアフロー」が設計のポイントになります。近年ではデータセンター自体を冷やす発想から、「機器だけ」をどう効率よく冷やすかに焦点が置かれています。
ホットアイル、チルドアイルというのは「暑い通路」「冷たい通路」を意味します。コンピュータの前面をチルドアイルに、背面をホットアイルにして、ホットアイルの排気を充分に行われれば、機器の持つエアフローにより自然にチルドアイルに冷風を吸い込み、ホットアイルに排出されます。ホットアイルの廃熱は冬季の暖房用などに応用できます。
せっかくホットアイルに熱源があるのだからなぁ、もったいないなぁと思って何か別な用途に使えないかとも考えています。
かつては、床下から冷風を取り込み、天井から熱気を排出する形式が主流だったようですが、最近は冷たい空気は下に下りる。熱い空気は上に昇るという自然のエアフローを作り出したほうが効率が良いようです。したがってラックの列と天井との区切りを分離して熱風と冷風を分離する試みが行われています。
私は別にコンピュータルームの温度は30度だろうが40度だろうがかまわないと考えています。
基本的には、「機器類」が冷えていることが重要です。つまり「冷やす対象」はラックの中身だけだと思います。
データセンターを構築する上で、冷水を使ったラックの冷却設備、またはラック内だけに冷風を閉じ込めておくシステムで十分ではないでしょうか。
北海道は冷却に必要な雪が豊富です。
北海道、空知中部は非常に冷水の確保が容易です。夏場の川の水温も20度前後です。
自然空冷よりも、安定した雪熱を使った冷却システムが構築できます。
美唄自然エネルギー研究会
実際、中部空知の美唄市では雪熱を使った雪蔵工房があり、優秀な道産米で知られる「おぼろづき」などの冷蔵貯米施設があります。この設備をそのまま拡張してしまえば容易にデータセンターのファシリティが構築できます。
自然風を利用したデータセンターのファシリティはあくまでも「風任せ」です。しかも、埃や塩害とも闘わなければなりません。しかし、中部空知では有数の豪雪地帯(しかも粉雪)であることを最大限に利用した雪冷房システムが使われています。
北海道で雪熱冷房を使ったデータセンターを作るのであれば、そもそも冷却エネルギーが「雪と冷水」であるため、わざわざ巨大な冷房装置は必要ありません。冷水を流すポンプと熱交換した冷風をラック内に流すだけの送風機があれば十分です。どうせコンピュータールームの冷却に使う90%以上のエネルギーは、コンピューターを冷やすためではなく、周囲の関係のない目的のためにあるのです。
美唄市ホワイトデータセンター構想
これらコンピュータ機器を「冷やす」ことが目的で「データセンターという建物」あるいは「コンピュータールーム」を冷却する必要はないのです。
都心型の高層ビルのデータセンターではこのエアフローを建屋全体に施せません。元来、熱気を放出する窓が高層ビルでは開かないからです。したがってこのような高層ビル型データセンターでは、従来のように「建物全体」を冷房で冷やす対策しか取れません。屋上に巨大な放熱施設があります。 Google Earth などで「データセンターだな」という建物を上空から拡大すると、馬鹿でかい冷房設備が見えます。
石狩川流域をIT拠点に! 勝手なプロジェクト
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2012年10月03日
空知の面積は 5,791.19 平方km ほぼ三重県と同じ広さです。
北海道は、日本国の一地方自治体に過ぎませんが、広さは広大で、ひとくくりに「北海道は.....」という事は大変難しいことです。
Wikipedia によると
空知地方だけでもの面積は 5,791.19 平方km
この広さは 三重県 5,776.8 平方km とほぼ同じ、おおよそ東京都と神奈川県を合わせた程度の広さです。「北海道」全体でほぼ日本の国土の1/5はあるのです。
北海道の中心が札幌であるとすれば、石狩川、および支流の空知側流域「石狩、空知、上川地方」だけでも、ほぼ利根川流域に匹敵する広さであるということがご理解いただけるでしょうか。
よく「北海道は地震が少ない」と言われますが、一方では当たりでもあり、一方では外れです。特に 1968 年の十勝沖地震は、ほぼ昨年の東日本震災ほどの規模、震源地であるし、奥尻災害なども記憶に新しいわけです。
北海道の主な地震の震源地は、太平洋側の日高、十勝沖と、日本海東縁地溝帯に接する、利尻、礼文、天売、焼尻、奥尻、渡島大島の各島とその中央にある積丹沖、石狩湾です。この地溝帯は直下型地震が多く発生します。特に1940年の積丹沖地震は石狩湾を中心に大きな被害をもたらしましたが、被害の記録が北海道庁にないのは「被害を受けたヒトが住んでいなかった」僻地だったからに過ぎません。
そのほかには小規模な断層がいくつかあるため、まれに震度4程度の局地的な地震が発生します。
「北海道××市で震度4」と言っても、北海道の反対側では何のゆれも感じないことがほとんどです。
実際、道産子が「震度4」を体験すると「大地震だ」と大騒ぎします。東京では年に数回あるのですけどね。私もすっかり東京の日常の地震になれてしまいました。私は鉄筋工のアルバイトで「北海道奈井江商業高等学校」の基礎工事をしたことがあるのですが、こんな頑丈な作りの「東京基準の耐震基準」は「北海道では税金の無駄遣いだ」と鉄筋屋の親方が言っていました。たぶん建設現場で経験を積んだ現場のエンジニアの意見そのとおりなのでしょう。
「北海道で地震」と言っても「北海道全体が大被害」を受けるというわけではありません。また、「沖縄で最高気温28度、北海道で32度」などということも梅雨時であればよく聞く話ですが、「だから北海道でも暑い日があるンだなぁ」というのこれは全くの誤解です。
道東地方特有のフェーン現象で、「北海道」というほぼアイルランドに匹敵する世界で21番目に大きな島の「一地方」での気象条件でしかありません。中部空知は札幌の「都市圏」からも微妙な距離があり、周囲は日本最大の稲作地帯で、内地が梅雨時のころ耕地は常に水で覆われています。
先日も竜巻で長万部町が被害を受けましたし、数年前にはオホーツク沿岸で竜巻の被害がありました。同じ道内の被害で大きく報道されましたが、東京の感覚では浜松とか、東北地方南部で起きた災害程度の感覚かもしれません。
アメリカではハリケーンや竜巻の被害が多いのですが、だからと言って「北米はハリケーンと竜巻が多くて自然災害が多い」とは言えないことと同じ意味です。
落雷も少ないのが中部空知の良いところです。雷が落ちると臍が取られると祖母に子供のころに教えられましたが、私が子供のころはそんな話はつまらないジョークにしか聞こえませんでした。もっとも本当に雷が落ちるのは空からではなく、私の父からでした。
石狩川流域の「空知中部地方」は、おおよそ首都圏で言うところの「神奈川県西部地方」とか「茨城県南部地方」「群馬県南部地方」と言った感覚で捉えると理解しやすいと思います。おおよそ、東京駅から「新幹線で二駅目」、距離では小山とか小田原とか熊谷という感覚でしょうか。
現実には、自動車での移動も中央バスやJR北海道での特急移動で、ほとんど信号もなく、停滞が無いため短時間で楽なのです。これらの首都圏の「東京から新幹線二駅目」よりは、実際には、遥かに札幌に近い感覚があります。JR北海道で特急利用の場合、全席リクライニングシートで「中央線に次いで長い直線線路」を 130Km で走るため、70Km 圏でも30 分程度なのですね。
今はこれらの街はすっかり「首都圏」の一部ですが、札幌都市圏は首都圏ほどの広さがないため、空知中部は完全に「札幌」という大都市から離れた感覚があります。
石狩を日本の情報革命拠点にしようという勝手なプロジェクト
Wikipedia によると
空知地方だけでもの面積は 5,791.19 平方km
この広さは 三重県 5,776.8 平方km とほぼ同じ、おおよそ東京都と神奈川県を合わせた程度の広さです。「北海道」全体でほぼ日本の国土の1/5はあるのです。
北海道の中心が札幌であるとすれば、石狩川、および支流の空知側流域「石狩、空知、上川地方」だけでも、ほぼ利根川流域に匹敵する広さであるということがご理解いただけるでしょうか。
よく「北海道は地震が少ない」と言われますが、一方では当たりでもあり、一方では外れです。特に 1968 年の十勝沖地震は、ほぼ昨年の東日本震災ほどの規模、震源地であるし、奥尻災害なども記憶に新しいわけです。
北海道の主な地震の震源地は、太平洋側の日高、十勝沖と、日本海東縁地溝帯に接する、利尻、礼文、天売、焼尻、奥尻、渡島大島の各島とその中央にある積丹沖、石狩湾です。この地溝帯は直下型地震が多く発生します。特に1940年の積丹沖地震は石狩湾を中心に大きな被害をもたらしましたが、被害の記録が北海道庁にないのは「被害を受けたヒトが住んでいなかった」僻地だったからに過ぎません。
そのほかには小規模な断層がいくつかあるため、まれに震度4程度の局地的な地震が発生します。
「北海道××市で震度4」と言っても、北海道の反対側では何のゆれも感じないことがほとんどです。
実際、道産子が「震度4」を体験すると「大地震だ」と大騒ぎします。東京では年に数回あるのですけどね。私もすっかり東京の日常の地震になれてしまいました。私は鉄筋工のアルバイトで「北海道奈井江商業高等学校」の基礎工事をしたことがあるのですが、こんな頑丈な作りの「東京基準の耐震基準」は「北海道では税金の無駄遣いだ」と鉄筋屋の親方が言っていました。たぶん建設現場で経験を積んだ現場のエンジニアの意見そのとおりなのでしょう。
「北海道で地震」と言っても「北海道全体が大被害」を受けるというわけではありません。また、「沖縄で最高気温28度、北海道で32度」などということも梅雨時であればよく聞く話ですが、「だから北海道でも暑い日があるンだなぁ」というのこれは全くの誤解です。
道東地方特有のフェーン現象で、「北海道」というほぼアイルランドに匹敵する世界で21番目に大きな島の「一地方」での気象条件でしかありません。中部空知は札幌の「都市圏」からも微妙な距離があり、周囲は日本最大の稲作地帯で、内地が梅雨時のころ耕地は常に水で覆われています。
先日も竜巻で長万部町が被害を受けましたし、数年前にはオホーツク沿岸で竜巻の被害がありました。同じ道内の被害で大きく報道されましたが、東京の感覚では浜松とか、東北地方南部で起きた災害程度の感覚かもしれません。
アメリカではハリケーンや竜巻の被害が多いのですが、だからと言って「北米はハリケーンと竜巻が多くて自然災害が多い」とは言えないことと同じ意味です。
落雷も少ないのが中部空知の良いところです。雷が落ちると臍が取られると祖母に子供のころに教えられましたが、私が子供のころはそんな話はつまらないジョークにしか聞こえませんでした。もっとも本当に雷が落ちるのは空からではなく、私の父からでした。
石狩川流域の「空知中部地方」は、おおよそ首都圏で言うところの「神奈川県西部地方」とか「茨城県南部地方」「群馬県南部地方」と言った感覚で捉えると理解しやすいと思います。おおよそ、東京駅から「新幹線で二駅目」、距離では小山とか小田原とか熊谷という感覚でしょうか。
現実には、自動車での移動も中央バスやJR北海道での特急移動で、ほとんど信号もなく、停滞が無いため短時間で楽なのです。これらの首都圏の「東京から新幹線二駅目」よりは、実際には、遥かに札幌に近い感覚があります。JR北海道で特急利用の場合、全席リクライニングシートで「中央線に次いで長い直線線路」を 130Km で走るため、70Km 圏でも30 分程度なのですね。
今はこれらの街はすっかり「首都圏」の一部ですが、札幌都市圏は首都圏ほどの広さがないため、空知中部は完全に「札幌」という大都市から離れた感覚があります。
石狩を日本の情報革命拠点にしようという勝手なプロジェクト