中部空知
2014年05月16日
自慰的発想,DC事業者のPUE値は、本当に効率を表す数値か
PUEというのは食べたハンバーガーのカロリーの何パーセントが自分のエネルギーとして使えて、何パーセントが糞になったのかを示す、データセンターの効率を表す数字です。PUEが1に近づけばそれだけ「効率の良い胃腸」を持っているということです。まぁ医者に言わせれば
「あなたの胃腸のPUEはいい数字ですね」
という事です。
サッカー選手のPUE 1.1 であれば、取得したエネルギー110の10%は寝ている時と練習中に使われ、100%はサッカーの試合中に使われた、という事です。
しかし実際に自分が口にするハンバーガーのカロリーを作り出すエネルギーがどれくらいかかったかを示す数値じゃございません。
ハンバーガーに使われる肉や小麦は海外からの輸入かも知れません。私たちの口に入るまで様々な流通コストとエネルギーが使われます。そこにどれだけ無駄なエネルギーを使ったかは、メニューのレシピには書かれていないのです。
あなたの口にしたものは、口からケツの穴までのエネルギー効率を考えた場合、PUEの換算はできる。それで自己満足してPUEを誇らしげに語るDC事業者は偽善者です。
口にしたものの種から排泄物のエネルギーの再利用まで考えた時、データセンターのPUEはどれだけDCの効率としての指標の価値があるのでしょうか。
--
PUEを引き下げつコツ
PUEを引き下げる事は簡単です。例えば、DCの事務所や冷暖房の電源を切る。DCのエレベータの電源を切る。ハウジングをしないでホスティングだけをする。当然DC内部の照明は切って真っ暗。エレベータも止まっているから、中に入るヒトは懐中電灯を持って階段を使う。PUEは下がります。
極端なハナシですが、事務棟をDCから徒歩5分の所に構えてガンガン冷房を利かせて、「節電なんて気にしない」で使いまくってもDCそのものは無人運転だから、最低限の冷房費だけで運用できるわけですね。
しかしハウジングをするならそれでは顧客は不満でしょう。顧客のシステムのハウジング、コロケーションをするDCはそれなりの維持コストがかかりますから、PUEは当然上がります。DC内部に訪問した顧客の「リラックススペース」だとか飲み物の自動販売機を設置するとか、小さな会議室を作ったり、出はいりの度にWEBカメラを動作させる、DCのラックスペースに照明をつける、などの余計な設備を作る必要があれば当然これはPUEに影響します。
しかしハウジングを止めて、
「全部ホスティング」
であれば、全て企画書通りの仕様でハードウェアを揃えることができるのです。真っ暗なDC内部。規格通りのサイズのコンピュータ。動かないエレベータ。人が入館して操作することのないリモート管理システム。そうすればPUEを下げることは簡単なのです。
ハウジングであれば規格外の機器がラックに入るため、いくらホットアイルとチルドアイルをわけてもラックの中のスカスカなスペースで無駄な冷気がホットアイルに流れるわけですから、冷房効率も良いわけがありません。
これでPUEという「ハコ」の性能を測定すること自体に意味がありません。
例えばさくらインターネットがやっているような直流送電システムなどで100の電力でコンピュータを80台動かそうが、100の電力をインバーター経由で非効率な電力の使い方で50台のコンピュータを動作させても、PUE値は冷房抜きで1.0です。勿論、効率が良い給電方法を使えば、冷却に必要な電力の削減には役立ちますが、そういうことを抜きにしてPUEだけでデータセンターの効率を測ることは非常に無意味なことだと思います。
TDP45WのコンピュータとTDP130Wのコンピュータで同じ作業を行ったとしても、電力代は前者が月あたり1000円、後者が2500円だったとしてもデータセンターのPUE値には関係ありません。PUE値はDC全体の効率を表す値であり、コンピュータの電力使用量と処理性能比ではないのです。
また、発電所>変電所>DCへと電力が送られるわけですが、この距離が長ければ長いほど非効率です。この非効率さも「DC」という口からケツの穴までの効率だけで「効率が良い」という考え方は、DC事業者の自慰的な満足値でしかありません。
口に入る植物が、地元で取れた野菜なのか、地球の反対側から航空便で運ばれたものなのかでも地球全体の効率からして阿保な比較なのです。茨城県沖で取れた1000円のアン肝と、フランス製のフォアグラ5000円を食べて、同じ栄養亜があったとしても、食べ物としてのPUE値は同じなのです。
石狩川中流域にある美唄市では地元美唄産の石炭を利用した豊富な砂川と奈井江の北電火力発電所の電力(短い送電区間)と、広大な土地の巨大なメガソーラーシステム、さらにはデータセンターの排熱温水を利用した、農業での再利用まで想定した、地域全体の取り組みというテーマを提案しました。DC単体ではなく、「地域全体でのPUE」、電力消費だけではなく地域住民の生活と他の産業との組み合わせによる、雪を使った水冷熱冷房システムを使ったデータセンターを提案しています。
http://www.net-bibai.co.jp/eneken/enekendatacen.html
石狩平野にデータセンターを誘致する身勝手なプロジェクト
「あなたの胃腸のPUEはいい数字ですね」
という事です。
サッカー選手のPUE 1.1 であれば、取得したエネルギー110の10%は寝ている時と練習中に使われ、100%はサッカーの試合中に使われた、という事です。
しかし実際に自分が口にするハンバーガーのカロリーを作り出すエネルギーがどれくらいかかったかを示す数値じゃございません。
ハンバーガーに使われる肉や小麦は海外からの輸入かも知れません。私たちの口に入るまで様々な流通コストとエネルギーが使われます。そこにどれだけ無駄なエネルギーを使ったかは、メニューのレシピには書かれていないのです。
あなたの口にしたものは、口からケツの穴までのエネルギー効率を考えた場合、PUEの換算はできる。それで自己満足してPUEを誇らしげに語るDC事業者は偽善者です。
口にしたものの種から排泄物のエネルギーの再利用まで考えた時、データセンターのPUEはどれだけDCの効率としての指標の価値があるのでしょうか。
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PUEを引き下げつコツ
PUEを引き下げる事は簡単です。例えば、DCの事務所や冷暖房の電源を切る。DCのエレベータの電源を切る。ハウジングをしないでホスティングだけをする。当然DC内部の照明は切って真っ暗。エレベータも止まっているから、中に入るヒトは懐中電灯を持って階段を使う。PUEは下がります。
極端なハナシですが、事務棟をDCから徒歩5分の所に構えてガンガン冷房を利かせて、「節電なんて気にしない」で使いまくってもDCそのものは無人運転だから、最低限の冷房費だけで運用できるわけですね。
しかしハウジングをするならそれでは顧客は不満でしょう。顧客のシステムのハウジング、コロケーションをするDCはそれなりの維持コストがかかりますから、PUEは当然上がります。DC内部に訪問した顧客の「リラックススペース」だとか飲み物の自動販売機を設置するとか、小さな会議室を作ったり、出はいりの度にWEBカメラを動作させる、DCのラックスペースに照明をつける、などの余計な設備を作る必要があれば当然これはPUEに影響します。
しかしハウジングを止めて、
「全部ホスティング」
であれば、全て企画書通りの仕様でハードウェアを揃えることができるのです。真っ暗なDC内部。規格通りのサイズのコンピュータ。動かないエレベータ。人が入館して操作することのないリモート管理システム。そうすればPUEを下げることは簡単なのです。
ハウジングであれば規格外の機器がラックに入るため、いくらホットアイルとチルドアイルをわけてもラックの中のスカスカなスペースで無駄な冷気がホットアイルに流れるわけですから、冷房効率も良いわけがありません。
これでPUEという「ハコ」の性能を測定すること自体に意味がありません。
例えばさくらインターネットがやっているような直流送電システムなどで100の電力でコンピュータを80台動かそうが、100の電力をインバーター経由で非効率な電力の使い方で50台のコンピュータを動作させても、PUE値は冷房抜きで1.0です。勿論、効率が良い給電方法を使えば、冷却に必要な電力の削減には役立ちますが、そういうことを抜きにしてPUEだけでデータセンターの効率を測ることは非常に無意味なことだと思います。
TDP45WのコンピュータとTDP130Wのコンピュータで同じ作業を行ったとしても、電力代は前者が月あたり1000円、後者が2500円だったとしてもデータセンターのPUE値には関係ありません。PUE値はDC全体の効率を表す値であり、コンピュータの電力使用量と処理性能比ではないのです。
また、発電所>変電所>DCへと電力が送られるわけですが、この距離が長ければ長いほど非効率です。この非効率さも「DC」という口からケツの穴までの効率だけで「効率が良い」という考え方は、DC事業者の自慰的な満足値でしかありません。
口に入る植物が、地元で取れた野菜なのか、地球の反対側から航空便で運ばれたものなのかでも地球全体の効率からして阿保な比較なのです。茨城県沖で取れた1000円のアン肝と、フランス製のフォアグラ5000円を食べて、同じ栄養亜があったとしても、食べ物としてのPUE値は同じなのです。
石狩川中流域にある美唄市では地元美唄産の石炭を利用した豊富な砂川と奈井江の北電火力発電所の電力(短い送電区間)と、広大な土地の巨大なメガソーラーシステム、さらにはデータセンターの排熱温水を利用した、農業での再利用まで想定した、地域全体の取り組みというテーマを提案しました。DC単体ではなく、「地域全体でのPUE」、電力消費だけではなく地域住民の生活と他の産業との組み合わせによる、雪を使った水冷熱冷房システムを使ったデータセンターを提案しています。
http://www.net-bibai.co.jp/eneken/enekendatacen.html
石狩平野にデータセンターを誘致する身勝手なプロジェクト
2013年12月06日
地方分散化するデータセンタービジネス
さくらインターネットの石狩データセンターが早くも黒字化
変貌を遂げるデータセンタービジネス(会員登録必要)
そのわけは、会員ではないと読めないページにあるのですが、ビジネスモデルとして、売り上げの高い分野に集中している、とだけ言っておきましょう。
変貌を遂げるデータセンタービジネス(会員登録必要)
そのわけは、会員ではないと読めないページにあるのですが、ビジネスモデルとして、売り上げの高い分野に集中している、とだけ言っておきましょう。
2013年09月03日
夏のPC熱対策 - DC運用は北海道で!
今年の東京の夏は暑いですね。特に残暑が厳しいです。
この季節はデータセンター運用担当者にとってはとても厳しい季節です。
猛暑 故障PC相次ぎ修理に
-雷-
2週間ほど前、落雷が近所にありまして、見事にモデムが壊れました。
雷様は「ヘソを取る」と言いますが、北海道空知地方ではあまり落雷がありません。珍しく雷がなると、外へ出て本当に「稲光」があるのかどうか「ヘソを取られる」よりも興味があったものです。
-室温-
今年もHDDが一台、お陀仏になりました。HDDだけではなく、コンピューターのセンサーが自動的に高温を検出してコンピュータの電源を切ってしまいます。
「電源は入れど立ち上がらない」
「一旦ファンは回るのだけれど立ち上がらない」
などの現象が出ます。
この場合、コンピュータの電源を抜いて数十分放置して、風を当てて電源を元に戻すと直る場合があります。これは以外と原因がわかりにくい。
こういう事象を繰り返すとHDDにも余分な負担がかかって更なる故障の原因となる場合があります。
石狩平野は、常時日本海と太平洋の冷気が通う平原地帯なので、7月の終わりの週を除けばまず、最高気温が30℃をこえることがありません。一般家庭ではまずエアコンはありませんし、北海道でのクーラーの普及率は10数%だそうです。
-熱対策-
コンピューターのクロック周波数を少し落として見ました。あまり変わらないようです。Linux の場合HDDを自動的に停止させる hdparm というコマンドがあるため、これを使ってHDDのスピンをとめています。しかしあまり効果はないようですけど。
-竜巻-
昨日、埼玉県地方で竜巻被害があり、停電も発生しました。北海道では2006年に佐呂間町で大規模な竜巻被害が出ています。
竜巻被害は大規模なもので、北米では「竜巻シェルター」を装備するのが住宅設計の基本、という地域もあります。
北海道ではこうした突発的な天候被害はフェーン現象が発生しやすい道東地方に多いようです。
-噴煙-
もし富士山が噴火したら。考えるのも怖いのですが、交通だけではなく電気、通信あらゆるインフラが混乱します。
中部空知で一番近い活火山は、洞爺湖、有珠岳付近です。60年に一度は必ず噴火するので、おおよその被害の予測は付きます。一度噴火したときは、庭の草花の表面にうっすらと降灰がありました。その程度です。
東には大雪山がありますが、北海道は一般的に西風なので、距離的には有珠岳より近いのですが被害はほとんど考えにくいでしょう。
この季節はデータセンター運用担当者にとってはとても厳しい季節です。
猛暑 故障PC相次ぎ修理に
-雷-
2週間ほど前、落雷が近所にありまして、見事にモデムが壊れました。
雷様は「ヘソを取る」と言いますが、北海道空知地方ではあまり落雷がありません。珍しく雷がなると、外へ出て本当に「稲光」があるのかどうか「ヘソを取られる」よりも興味があったものです。
-室温-
今年もHDDが一台、お陀仏になりました。HDDだけではなく、コンピューターのセンサーが自動的に高温を検出してコンピュータの電源を切ってしまいます。
「電源は入れど立ち上がらない」
「一旦ファンは回るのだけれど立ち上がらない」
などの現象が出ます。
この場合、コンピュータの電源を抜いて数十分放置して、風を当てて電源を元に戻すと直る場合があります。これは以外と原因がわかりにくい。
こういう事象を繰り返すとHDDにも余分な負担がかかって更なる故障の原因となる場合があります。
石狩平野は、常時日本海と太平洋の冷気が通う平原地帯なので、7月の終わりの週を除けばまず、最高気温が30℃をこえることがありません。一般家庭ではまずエアコンはありませんし、北海道でのクーラーの普及率は10数%だそうです。
-熱対策-
コンピューターのクロック周波数を少し落として見ました。あまり変わらないようです。Linux の場合HDDを自動的に停止させる hdparm というコマンドがあるため、これを使ってHDDのスピンをとめています。しかしあまり効果はないようですけど。
-竜巻-
昨日、埼玉県地方で竜巻被害があり、停電も発生しました。北海道では2006年に佐呂間町で大規模な竜巻被害が出ています。
竜巻被害は大規模なもので、北米では「竜巻シェルター」を装備するのが住宅設計の基本、という地域もあります。
北海道ではこうした突発的な天候被害はフェーン現象が発生しやすい道東地方に多いようです。
-噴煙-
もし富士山が噴火したら。考えるのも怖いのですが、交通だけではなく電気、通信あらゆるインフラが混乱します。
中部空知で一番近い活火山は、洞爺湖、有珠岳付近です。60年に一度は必ず噴火するので、おおよその被害の予測は付きます。一度噴火したときは、庭の草花の表面にうっすらと降灰がありました。その程度です。
東には大雪山がありますが、北海道は一般的に西風なので、距離的には有珠岳より近いのですが被害はほとんど考えにくいでしょう。
2013年06月26日
時代遅れのPUE:データセンターの効率指標として適切か?
久しぶりの更新です。
よくデータセンターのエネルギー利用率を表す指標として PUE (Power Usage Effectiveness)という単位が使われます。PUE が 2.0 であればコンピュータの稼動するエネルギーと同じ(トータルで2倍)の電気エネルギーを冷却などで使う、PUE 1.0 であればコンピュータ稼動の電力のみで、冷却や、事務所の電灯や冷房などのいわゆる「ホテルサービス」も一切電源を使わない、という事になります。PUEを指標とした場合、1.0を切る値というものは存在しません。
しかしコンピュータの設備というのは大変エネルギーを食うものなのです。
実際PUEが1.0に限りなく近くても、その分だけ明らかにエネルギーを消費しているわけです。
この逆の発想で考えられたのが DCiE(Data Center Infrastructure Efficiency)です。 PUE 1.0 の場合の DCiE は 100&, PUE 2.0 の場合は DCiE 50& (半分はIT機器以外で使われている)ということになります。ICiE を使った指標であれば、データセンターの放熱によるコ・ジェネレーションシステムと合わせて100%の数値を切ることもあり得るということになります。
他に WUE (Water Usage Effectiveness)というのがあり、「どの程度の水を冷却に使っているか」という指標のようです。
--
問題は「データセンター」という単体の設備でエネルギー効率を測定しても無駄なことなのです。
例えば、中部空知で研究されている「雪熱冷房」システムを使ったデータセンター構想は、莫大な量の「投げる雪」(日本の標準語では「捨てる雪」の意味)を使います。本来は「ごみ」に近い扱いなのですが、実際この「雪」を集めるという作業には多くの化石燃料とCO2排出を伴います。もっとも、これらの冷房エネルギーも地元にゴッソリ降る「粉雪」を原料とした「地産地消」なので、それほど環境負荷が高いわけではありません。大間のマグロを築地に運ぶ程度のCO2排出量でしょう。
おそらく中部空知地区にデータセンターを作り、雪熱冷房を使った水冷却システムを導入すれば、PUE値は限りなく 1.0 に近づくでしょう。
PUE 1.0 以下という指標は現実にはあり得ません。コンピューターは水力でも風力でも動かないのです。電力が必要です。
コンピュータが発生した熱を回収して、例えば凍結した道路のロードヒーティングに使うとか、水路の凍結防止に使うとか。こうしたエネルギーの再循環を考えたとき、PUEという指標がいかに「狭義」で自己満足的な指標であるか、と感じます。データセンターという巨大なエネルギー源を使った、コ・ジェネーレーションシステムを構築した場合、実質、
あるいは、データセンター全体を動かすために、あるいは、DCに通勤するオペレーターのエネルギー利用量など、どれだけの環境負荷が発生しているのか、といった指標が必要なのかも知れません。
石狩川流域をクラウド化、勝手に北海道に石狩川流域にデータセンターを誘致するプロジェクト
よくデータセンターのエネルギー利用率を表す指標として PUE (Power Usage Effectiveness)という単位が使われます。PUE が 2.0 であればコンピュータの稼動するエネルギーと同じ(トータルで2倍)の電気エネルギーを冷却などで使う、PUE 1.0 であればコンピュータ稼動の電力のみで、冷却や、事務所の電灯や冷房などのいわゆる「ホテルサービス」も一切電源を使わない、という事になります。PUEを指標とした場合、1.0を切る値というものは存在しません。
しかしコンピュータの設備というのは大変エネルギーを食うものなのです。
実際PUEが1.0に限りなく近くても、その分だけ明らかにエネルギーを消費しているわけです。
この逆の発想で考えられたのが DCiE(Data Center Infrastructure Efficiency)です。 PUE 1.0 の場合の DCiE は 100&, PUE 2.0 の場合は DCiE 50& (半分はIT機器以外で使われている)ということになります。ICiE を使った指標であれば、データセンターの放熱によるコ・ジェネレーションシステムと合わせて100%の数値を切ることもあり得るということになります。
他に WUE (Water Usage Effectiveness)というのがあり、「どの程度の水を冷却に使っているか」という指標のようです。
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問題は「データセンター」という単体の設備でエネルギー効率を測定しても無駄なことなのです。
例えば、中部空知で研究されている「雪熱冷房」システムを使ったデータセンター構想は、莫大な量の「投げる雪」(日本の標準語では「捨てる雪」の意味)を使います。本来は「ごみ」に近い扱いなのですが、実際この「雪」を集めるという作業には多くの化石燃料とCO2排出を伴います。もっとも、これらの冷房エネルギーも地元にゴッソリ降る「粉雪」を原料とした「地産地消」なので、それほど環境負荷が高いわけではありません。大間のマグロを築地に運ぶ程度のCO2排出量でしょう。
おそらく中部空知地区にデータセンターを作り、雪熱冷房を使った水冷却システムを導入すれば、PUE値は限りなく 1.0 に近づくでしょう。
PUE 1.0 以下という指標は現実にはあり得ません。コンピューターは水力でも風力でも動かないのです。電力が必要です。
コンピュータが発生した熱を回収して、例えば凍結した道路のロードヒーティングに使うとか、水路の凍結防止に使うとか。こうしたエネルギーの再循環を考えたとき、PUEという指標がいかに「狭義」で自己満足的な指標であるか、と感じます。データセンターという巨大なエネルギー源を使った、コ・ジェネーレーションシステムを構築した場合、実質、
あるいは、データセンター全体を動かすために、あるいは、DCに通勤するオペレーターのエネルギー利用量など、どれだけの環境負荷が発生しているのか、といった指標が必要なのかも知れません。
石狩川流域をクラウド化、勝手に北海道に石狩川流域にデータセンターを誘致するプロジェクト
2012年11月21日
シリコンバレーと石狩バレー
二度ほど仕事でサンフランシスコへ行ったことがあります。
ずいぶん昔の印象なのでご容赦ください。
「仕事で」というと「へぇーたいしたもんだ」と思われるでしょうが、親会社のご褒美で販売店向けの普通の日本人のツアーコンダクターが添乗する普通のビジネスツアーです。ラスベガスのコンベンションセンターへ1時間ほど見学へ行き、暗くなったら5セントでチマチマとスロットマシンと闘うか、グランドキャニオンで怖い思いをするという、非常にケチな旅の乗り換えで寄っただけです。
添乗員さん曰く
「右手でオッケーマークを作ったら、その親指がサンフランシスコ市街、中の丸いところがサンフランシスコ湾、真ん中にアルカポネも入ったアルカトラズ刑務所があって、人差し指と親指のスキマにあるのがゴールデンゲートブリッジです」
とのことです。解りやすいですね。
サンフランシスコ湾は北米西海岸が、北米大陸からみかんの皮みたいに「ペリペリ」と剥がしたスキマに海水が入った湾です。親指の第一関節あたり、フリスコ郊外に飛行場があり、親指と人差し指の付け根の骨のスキマの部分がサウスベイエリア。つまりアメリカのハイテク産業を支えるシリコンバレーです。("Frisco" と言っても地元の人はポカーンでした....がっかり、Michael Franks 先生、英語の博士号持ってるんでしょ...フリスコ言うなよなぁ...)
サンフランシスコ自体は人口80万人の小さな街ですが、面積が狭く、一般的にはサンフランシスコ市とその周囲を合わせて、約400万人の人口があります。
街自体が小さく、坂が多く、面積が狭いため、多くの人々が親指の付け根とか、ベイブリッジの向こう側のオークランドなどから市街地に通勤します。このあたりに住んでいる人たちも「自分は Frisco の人間だ」と思っているようです。ちょうど川口や市川の市民が「東京から来た」と言っているようなものですね。サウスベイにはGoogle があるマウンテンビューやサンタクララ、原爆研究で有名なパロアルトなどがあります。まぁこの辺りの方々も「サンフランシスコから旅に来た」と言うでしょうね。
ちなみに、シリコンバレーの中心である、サンノゼ市は人口100万人。サンフランシスコ市より大きな街です。およそサンフランシスコ国際空港からバスに揺られて大体1時間。ちょうど、新千歳で降りて特急電車で1時間かかる石狩川流域と同じ時間間隔です。サンフランシスコの市街地は駐車事情がよくないので、おおよその人々はこれらの郊外住宅地から通勤するところも東京に似ているかもしれません。
ちょうど、都心3区がサンフランシスコで、東京駅からつくばエクスプレスや高速バスで1時間揺られると「筑波」の学園都市へ行けるのと同じ感覚でしょうか。後に筑波で仕事があり3ヶ月ほど通いました。学園大通り、通称「並木通り」はサンノゼの大通りを思い出させます。
まっすぐな通りと並木道。広い道路。並木の陰に見え隠れする「秘密基地」のようなカラフルなハイテク研究施設。
ちなみに「筑波」の秘密基地地帯へ行くには、つくばエクスプレスより東京からJRバスの方が乗り換えもなく便利です。
両側に山並みが広がるシリコンバレーは文字通り「谷」なのですが、石狩バレーと違うのは、シリコンバレーが大地の裂け目の谷であることで、中部空知のように川が作った平野ではないというところです。シリコンバレーは両側に山並みが広がりますが、空知山地と増毛山地にはさまれた狭い中部空知の石狩平野の隘路を思い出す風景です。しかし緑の少なさに。夏は気温低く、冬は寒くなく、雨が少ないアメリカ西海岸を感じます。
サンフランシスコをはじめとする米国西海岸は、その地形からも良くわかる通り、北米最大の地震地帯です。アフリカのナイル川沿いの大地溝帯と並んで有名なサンアンドレアス地溝もこの近くにあり、その断層帯の端の切れ目にあるのがシリコンバレーなのですね。ただ川がないので、データセンターの冷却用の水の確保は大変そうです。山並みも赤茶けています。この地震多発地帯に北米最大のデータセンターが集中しているという所に、日本人との「安全性」に対する価値観の違いがあります。まぁ大きな川がないので水害は少ないのでしょうが、データセンターの水に対する脆弱性を知らないのかも知れません。
住みやすい反面、以外とこの地区は地価が高く、ITバブルの跡、ずいぶん多くのハイテク産業がこの地を離れてユタとかテキサスあたりに移転したそうです。
石狩バレーをシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
ずいぶん昔の印象なのでご容赦ください。
「仕事で」というと「へぇーたいしたもんだ」と思われるでしょうが、親会社のご褒美で販売店向けの普通の日本人のツアーコンダクターが添乗する普通のビジネスツアーです。ラスベガスのコンベンションセンターへ1時間ほど見学へ行き、暗くなったら5セントでチマチマとスロットマシンと闘うか、グランドキャニオンで怖い思いをするという、非常にケチな旅の乗り換えで寄っただけです。
添乗員さん曰く
「右手でオッケーマークを作ったら、その親指がサンフランシスコ市街、中の丸いところがサンフランシスコ湾、真ん中にアルカポネも入ったアルカトラズ刑務所があって、人差し指と親指のスキマにあるのがゴールデンゲートブリッジです」
とのことです。解りやすいですね。
サンフランシスコ湾は北米西海岸が、北米大陸からみかんの皮みたいに「ペリペリ」と剥がしたスキマに海水が入った湾です。親指の第一関節あたり、フリスコ郊外に飛行場があり、親指と人差し指の付け根の骨のスキマの部分がサウスベイエリア。つまりアメリカのハイテク産業を支えるシリコンバレーです。("Frisco" と言っても地元の人はポカーンでした....がっかり、Michael Franks 先生、英語の博士号持ってるんでしょ...フリスコ言うなよなぁ...)
サンフランシスコ自体は人口80万人の小さな街ですが、面積が狭く、一般的にはサンフランシスコ市とその周囲を合わせて、約400万人の人口があります。
街自体が小さく、坂が多く、面積が狭いため、多くの人々が親指の付け根とか、ベイブリッジの向こう側のオークランドなどから市街地に通勤します。このあたりに住んでいる人たちも「自分は Frisco の人間だ」と思っているようです。ちょうど川口や市川の市民が「東京から来た」と言っているようなものですね。サウスベイにはGoogle があるマウンテンビューやサンタクララ、原爆研究で有名なパロアルトなどがあります。まぁこの辺りの方々も「サンフランシスコから旅に来た」と言うでしょうね。
ちなみに、シリコンバレーの中心である、サンノゼ市は人口100万人。サンフランシスコ市より大きな街です。およそサンフランシスコ国際空港からバスに揺られて大体1時間。ちょうど、新千歳で降りて特急電車で1時間かかる石狩川流域と同じ時間間隔です。サンフランシスコの市街地は駐車事情がよくないので、おおよその人々はこれらの郊外住宅地から通勤するところも東京に似ているかもしれません。
ちょうど、都心3区がサンフランシスコで、東京駅からつくばエクスプレスや高速バスで1時間揺られると「筑波」の学園都市へ行けるのと同じ感覚でしょうか。後に筑波で仕事があり3ヶ月ほど通いました。学園大通り、通称「並木通り」はサンノゼの大通りを思い出させます。
まっすぐな通りと並木道。広い道路。並木の陰に見え隠れする「秘密基地」のようなカラフルなハイテク研究施設。
ちなみに「筑波」の秘密基地地帯へ行くには、つくばエクスプレスより東京からJRバスの方が乗り換えもなく便利です。
両側に山並みが広がるシリコンバレーは文字通り「谷」なのですが、石狩バレーと違うのは、シリコンバレーが大地の裂け目の谷であることで、中部空知のように川が作った平野ではないというところです。シリコンバレーは両側に山並みが広がりますが、空知山地と増毛山地にはさまれた狭い中部空知の石狩平野の隘路を思い出す風景です。しかし緑の少なさに。夏は気温低く、冬は寒くなく、雨が少ないアメリカ西海岸を感じます。
サンフランシスコをはじめとする米国西海岸は、その地形からも良くわかる通り、北米最大の地震地帯です。アフリカのナイル川沿いの大地溝帯と並んで有名なサンアンドレアス地溝もこの近くにあり、その断層帯の端の切れ目にあるのがシリコンバレーなのですね。ただ川がないので、データセンターの冷却用の水の確保は大変そうです。山並みも赤茶けています。この地震多発地帯に北米最大のデータセンターが集中しているという所に、日本人との「安全性」に対する価値観の違いがあります。まぁ大きな川がないので水害は少ないのでしょうが、データセンターの水に対する脆弱性を知らないのかも知れません。
住みやすい反面、以外とこの地区は地価が高く、ITバブルの跡、ずいぶん多くのハイテク産業がこの地を離れてユタとかテキサスあたりに移転したそうです。
石狩バレーをシリコンバレー化する勝手なプロジェクト
2012年10月25日
雪熱冷房データセンターの要素、空知地方の雪
雪は生活の大敵でもあり、Surachipt に恵みをもたらすものです。
この地域での一冬での降雪量は約10mほどだそうです。本当にそれだけの雪が降るのかというのは私も知りませんでした。それほど、「雪が多い」という実感が無いのには大きな理由があります。
カナダ・バンクーバー、ウクライナ・キエフなどが北半球では札幌に近い緯度、気候、都市規模ですしかしこれらの街と一番異なるのはこの9~10mという莫大な降雪量です。
しかし、空知地方では、通行のための除雪は行いますが、重労働である屋根のいわゆる「雪下ろし」は全くと言って行われません。これは、
「雪の質があまりにも軽い」
ことが最大の理由です。「ほとんど綿飴」状態の雪なのですね。雪が軽いため、10mの降雪があっても累計で、実際に「積雪」となると2m程度にしかならないのです。それでも積雪自体が軽いため、よく校舎の天辺から度胸試しでジャンプして胸まで雪に漬かり、先生に怒られました。
屋根もトタン張りなので、ほとんど軽いまま落雪してしまいます。雪自体の重みやブリザードにより吹き飛ばされるため、実際には「雪によって孤立」といったニュースはまずお目にかかりません。実際に一晩で3フィートの雪が積もっても実際に道路を埋め尽くすのは沢山の吹き溜まりです。
実際に塩分や海砂を含んだ低い空気層の「重い湿った雪」は大部分が石狩の海岸で落ちてしまい、残った上空の「湿った空気」だけが増毛山系を越えて急速に冷やされて軽雪となって振ってきます。
日本でも有数の豪雪地帯でもあり、北海道の幹線が集中する空知地方では、除雪体制が整っているため、降雪が激しい日であれば、裏道でも一日何度もの除雪が行われます。除雪もロータリー車やキャタピラ付きブルドーザーではなく、雪が軽いためホイルローダーだけで除雪します。
実は、この廃雪された雪が住宅やガレージの入り口をふさぐため、この「雪投げ」が家庭や事業所での一番の重労働となります。しかし、ほとんどプラスティック製のスコップで十分な作業です。露天駐車をしていると、車はしっかり雪に覆われます。また大きなショッピングセンターの隅には巨大な雪山が作られます。
路肩や駐車場に寄せられた雪は見通しに影響するため、定期的にロータリー除雪機を使ってトラックで廃雪場に捨てられます。美唄市で行われている雪熱冷房を使ったデータセンター誘致のアイディアはこの廃雪を利用したものです。この時点では雪は締まって重くなり、プラスティックのスコップでは書き出せない状態になります。雪像を作るにはちょうど良い硬さです。
何もしなくても廃雪場の大量の雪は5月の連休明けまで残ります。増毛山系の山にも雪が見えなくなるのは6月に入ってからです。
--
開拓期の住宅や道路は、
「地面に直接ぶったてた」
作りだったため、雪対策は深刻でした。雪は屋根から落ちるのですが、冬の終わりになると、この落雪にツララ(氷)が混じるのです。ツララ混じりの屋根の落雪はガラス窓を突き破り、家の中に侵入しました。
また道路が地面の高さと同じため、除雪車が走った後の道路の両脇には3mもの雪の壁が出来ました。
しかし、最近では、主要幹線道路から農道まで、全て地表より高いところに路面があり、路面脇には大きな排水溝があるため、雪の季節に訪れてもここが「日本有数の豪雪地帯である」ということは忘れてしまいそうです。国道を走っていると路面より低いところに住宅があるのは、路面をかさ上げした名残です。
このような光景は古い農家の廃屋などに見られます。ほとんど屋根は潰れていないのに、壁や土台だけが傾いています。
ただし、札幌のような大きな市街地の裏側はまだ道が狭いところが多く、クルマでの通行は難儀します。
砂川市の場合、市内の北電砂川発電所の温排水を使った融雪溝があるため、市街地には全くと言っていいほど雪がありません。
この数十年で新築されたこの地域の家はご覧のとおり、地面から3フィートほど高いところにポーチがあります。このため、家の周りの除雪はほとんど行う必要がなくなりました。また、落説によりガラスが割れるという事故もほとんど皆無となりました。

冬季は氷点下20度近くになるため、(近い札幌とは10度近く違います)水道は地表1m以下に埋められてます。建物の基礎も1mくらいは掘り下げて、さらにかさ上げして1Fのフロアを作ります。そのため最近建てた住宅には小さな地下室があり、農家などではほぼ0度に近い常態で野菜の保管を行います。ビールも冷え冷えです。
ちなみに、北海道の最近の住宅はほとんどが魔法瓶のような二重窓の作りで、セントラルヒーディングです。シャツ一枚で快適に過ごせます。石炭が燃料だった時代は熾き火により深夜でも家中が凍らないように工夫していました。以外と道産子は寒がりが多いのです。
JR函館線のこの区間は最大の交通の要衝です。学校の窓から良く見えたものですが、30分に一度は雪を撒き散らして電車が走るわけなので、除雪車が走る風景というものはまず見たことがありません。列車自体が除雪車なのですね。ポイント付近だけ除雪したり融雪装置を使ってダイアを確保します。除雪車は主に、宗谷本線や小樽以南の函館本線で使用されるようです。
さすがにブリザードが激しい時になると特急が遅れたり、凍結した路面や見通しの悪い場所で自動車事故が起こることがあります。一般的には自動車専用道路より、幹線国道の方が交通量が多いため、除雪も早く、国道が通行止めになることはほとんどありません。
東京では雪が降ると子供達が「雪合戦」や「雪だるま」を作りますが、空知っ子はこれらのアソビを知りません。あまりにも軽い雪なので、「雪球」を作ることができないのです。雪合戦は「雪掛け」になってしまいます。
それでも3月の終わりになると雪も緩むため、屋根からの落雪などは危険です。時折「彼岸荒れ」もあります。堤防の坂に雪球を転がして巨大雪だるまを作るアソビもこのころならではです。もっとも、最近では川の堤防が巨大なスーパー堤防になってしまったため、利根川の堤防のような軟弱で幅の狭い急な堤防もなく、巨大雪だるまを作れる坂がなくなったことは残念です。
中部空知にデータセンターを誘致する勝手なプロジェクト
この地域での一冬での降雪量は約10mほどだそうです。本当にそれだけの雪が降るのかというのは私も知りませんでした。それほど、「雪が多い」という実感が無いのには大きな理由があります。
カナダ・バンクーバー、ウクライナ・キエフなどが北半球では札幌に近い緯度、気候、都市規模ですしかしこれらの街と一番異なるのはこの9~10mという莫大な降雪量です。
しかし、空知地方では、通行のための除雪は行いますが、重労働である屋根のいわゆる「雪下ろし」は全くと言って行われません。これは、
「雪の質があまりにも軽い」
ことが最大の理由です。「ほとんど綿飴」状態の雪なのですね。雪が軽いため、10mの降雪があっても累計で、実際に「積雪」となると2m程度にしかならないのです。それでも積雪自体が軽いため、よく校舎の天辺から度胸試しでジャンプして胸まで雪に漬かり、先生に怒られました。
屋根もトタン張りなので、ほとんど軽いまま落雪してしまいます。雪自体の重みやブリザードにより吹き飛ばされるため、実際には「雪によって孤立」といったニュースはまずお目にかかりません。実際に一晩で3フィートの雪が積もっても実際に道路を埋め尽くすのは沢山の吹き溜まりです。
実際に塩分や海砂を含んだ低い空気層の「重い湿った雪」は大部分が石狩の海岸で落ちてしまい、残った上空の「湿った空気」だけが増毛山系を越えて急速に冷やされて軽雪となって振ってきます。
日本でも有数の豪雪地帯でもあり、北海道の幹線が集中する空知地方では、除雪体制が整っているため、降雪が激しい日であれば、裏道でも一日何度もの除雪が行われます。除雪もロータリー車やキャタピラ付きブルドーザーではなく、雪が軽いためホイルローダーだけで除雪します。
実は、この廃雪された雪が住宅やガレージの入り口をふさぐため、この「雪投げ」が家庭や事業所での一番の重労働となります。しかし、ほとんどプラスティック製のスコップで十分な作業です。露天駐車をしていると、車はしっかり雪に覆われます。また大きなショッピングセンターの隅には巨大な雪山が作られます。
路肩や駐車場に寄せられた雪は見通しに影響するため、定期的にロータリー除雪機を使ってトラックで廃雪場に捨てられます。美唄市で行われている雪熱冷房を使ったデータセンター誘致のアイディアはこの廃雪を利用したものです。この時点では雪は締まって重くなり、プラスティックのスコップでは書き出せない状態になります。雪像を作るにはちょうど良い硬さです。
何もしなくても廃雪場の大量の雪は5月の連休明けまで残ります。増毛山系の山にも雪が見えなくなるのは6月に入ってからです。
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開拓期の住宅や道路は、
「地面に直接ぶったてた」
作りだったため、雪対策は深刻でした。雪は屋根から落ちるのですが、冬の終わりになると、この落雪にツララ(氷)が混じるのです。ツララ混じりの屋根の落雪はガラス窓を突き破り、家の中に侵入しました。
また道路が地面の高さと同じため、除雪車が走った後の道路の両脇には3mもの雪の壁が出来ました。
しかし、最近では、主要幹線道路から農道まで、全て地表より高いところに路面があり、路面脇には大きな排水溝があるため、雪の季節に訪れてもここが「日本有数の豪雪地帯である」ということは忘れてしまいそうです。国道を走っていると路面より低いところに住宅があるのは、路面をかさ上げした名残です。
このような光景は古い農家の廃屋などに見られます。ほとんど屋根は潰れていないのに、壁や土台だけが傾いています。
ただし、札幌のような大きな市街地の裏側はまだ道が狭いところが多く、クルマでの通行は難儀します。
砂川市の場合、市内の北電砂川発電所の温排水を使った融雪溝があるため、市街地には全くと言っていいほど雪がありません。
この数十年で新築されたこの地域の家はご覧のとおり、地面から3フィートほど高いところにポーチがあります。このため、家の周りの除雪はほとんど行う必要がなくなりました。また、落説によりガラスが割れるという事故もほとんど皆無となりました。

冬季は氷点下20度近くになるため、(近い札幌とは10度近く違います)水道は地表1m以下に埋められてます。建物の基礎も1mくらいは掘り下げて、さらにかさ上げして1Fのフロアを作ります。そのため最近建てた住宅には小さな地下室があり、農家などではほぼ0度に近い常態で野菜の保管を行います。ビールも冷え冷えです。
ちなみに、北海道の最近の住宅はほとんどが魔法瓶のような二重窓の作りで、セントラルヒーディングです。シャツ一枚で快適に過ごせます。石炭が燃料だった時代は熾き火により深夜でも家中が凍らないように工夫していました。以外と道産子は寒がりが多いのです。
JR函館線のこの区間は最大の交通の要衝です。学校の窓から良く見えたものですが、30分に一度は雪を撒き散らして電車が走るわけなので、除雪車が走る風景というものはまず見たことがありません。列車自体が除雪車なのですね。ポイント付近だけ除雪したり融雪装置を使ってダイアを確保します。除雪車は主に、宗谷本線や小樽以南の函館本線で使用されるようです。
さすがにブリザードが激しい時になると特急が遅れたり、凍結した路面や見通しの悪い場所で自動車事故が起こることがあります。一般的には自動車専用道路より、幹線国道の方が交通量が多いため、除雪も早く、国道が通行止めになることはほとんどありません。
東京では雪が降ると子供達が「雪合戦」や「雪だるま」を作りますが、空知っ子はこれらのアソビを知りません。あまりにも軽い雪なので、「雪球」を作ることができないのです。雪合戦は「雪掛け」になってしまいます。
それでも3月の終わりになると雪も緩むため、屋根からの落雪などは危険です。時折「彼岸荒れ」もあります。堤防の坂に雪球を転がして巨大雪だるまを作るアソビもこのころならではです。もっとも、最近では川の堤防が巨大なスーパー堤防になってしまったため、利根川の堤防のような軟弱で幅の狭い急な堤防もなく、巨大雪だるまを作れる坂がなくなったことは残念です。
中部空知にデータセンターを誘致する勝手なプロジェクト
2012年10月23日
データセンターの敵、埃、塵
江ノ島から茅ヶ崎、平塚大橋までの湘南海岸にはサイクリングロードがあります。国道134号(通称湘南国道)と海岸の松林の間にあるのですが、ここをインラインスケート(ローラーブレード)で滑ったことがあります。
松林に囲まれているとは言え、当たり前ですがインラインスケート用の8000円の高価なマイクロベアリング1セット16個が一日で駄目になりました。
この地帯は、境川、相模川といった川が流れており、川が運んだ関東平野の火山灰を含む細かな砂が海岸に堆積しており、強い南風ですぐに住宅の窓のアルミサッシのローラーが痛んでしまいます。平塚の相模川河口の漁港には錆だらけの軽トラック。もちろん場所にもよりますが、湘南国道から数百メートルに渡って松林の防砂林があり、この地帯には住宅がないところもあります。ほとんどが夏場の防砂林に囲まれた駐車場です。
それでも少し離れた小田原、国府津付近は川がなく海岸と言っても砂利浜なので、あまり砂塵の影響は少ないのか、世界最大級のHDDの工場もこのあたりにあります。もっともHDDなどの部品はクリーンルームで作られるのであまり影響はないのでしょう。
一見、コンピュータと細かな砂、塵とは無縁に思えますが、コンピューターの穂器類である、密閉されたHDDは別としても、ファンや予備電源のためのディーゼル機関、テープドライブの読み取りヘッドやスピンドル、モーター、プリンタの紙送り装置、サーバー内の空調ファン類などの「回り物」には精密なマイクロベアリングがむき出しで使われており、これらは海岸の砂や塵には非常に弱いのも事実です。空調ファンなどは数千rpmで回っており、数百rpmで回るインラインスケートの比ではないほど小ささで、しかも高速、高回転です。もちろん防塵のためのフィルターは建物全体に必須なのですがフィルターを通すと十分な外気空調を得ることが出来ません。サーバールーム全体をクリーンルーム化する必要(それだけコストがかかります)が必要です。これら穂器類の故障も「寿命」で片付けられる可能性がありますが、顕微鏡レベルで見れば、細かな塵などでダメージを受けることが多いようです。
以外と微細加工をしている工場などに設置されたクリーンルームのコンピューターは何十年も使われることが多いのです(どうしてこんなに古いコンピュータが現役で動いているのか不思議なくらいです)が、数年前までオフィスで喫煙するのが当たり前だったころはオフィスのコンピューターが1年でブッ壊れるということは良くありました。
北海道で細かな砂が多い場所は、天塩海岸や石狩湾、オホーツク海沿岸などです。ほかは砂利海岸です。北海道ではほとんどが西風(南西風、北西風)なのでこれらの海岸から数十キロ離れた中部空知地区で塵や砂塵によるトラブルは少ないと言えます。
一番、怖いのが、水害と有珠岳の噴火による火山灰です。昭和40年代の有珠岳の噴火では、ごく僅かですが南西風に乗って農作物にうっすらと白い火山灰の降灰がありました。指先で触れてそれと解る程度です。
有珠岳は北海道でも一番の活火山でほぼ数十年に一度は活動する活発な火山ですが、爆発が小規模で溶岩ドームを作り出す系の火山です。雲仙普賢岳のようなタイプですね。
と言っても、有珠岳と札幌の距離はほとんど富士山と東京との距離くらいありますから、平成新山が出来たときもほとんど石狩平野には被害は無かったようです。
Surachipt Dtastream は、冬場の湿潤な冷気と、夏場の雪熱冷房を使った「水冷・空冷ハイブリッドタイプ」の密閉タイプのデータセンター構想です。冷たい大雪山系の空知川を引き入れた空知用水絽や空知山地の湧き水、冬場に集積した雪。湿潤な空知の稲作地帯の空気をコンピューター設備の冷却に利用できます。
寒冷地にデータセンターを。勝手に Srachipt Datastreamを作る無謀なプロジェクト
松林に囲まれているとは言え、当たり前ですがインラインスケート用の8000円の高価なマイクロベアリング1セット16個が一日で駄目になりました。
この地帯は、境川、相模川といった川が流れており、川が運んだ関東平野の火山灰を含む細かな砂が海岸に堆積しており、強い南風ですぐに住宅の窓のアルミサッシのローラーが痛んでしまいます。平塚の相模川河口の漁港には錆だらけの軽トラック。もちろん場所にもよりますが、湘南国道から数百メートルに渡って松林の防砂林があり、この地帯には住宅がないところもあります。ほとんどが夏場の防砂林に囲まれた駐車場です。
それでも少し離れた小田原、国府津付近は川がなく海岸と言っても砂利浜なので、あまり砂塵の影響は少ないのか、世界最大級のHDDの工場もこのあたりにあります。もっともHDDなどの部品はクリーンルームで作られるのであまり影響はないのでしょう。
一見、コンピュータと細かな砂、塵とは無縁に思えますが、コンピューターの穂器類である、密閉されたHDDは別としても、ファンや予備電源のためのディーゼル機関、テープドライブの読み取りヘッドやスピンドル、モーター、プリンタの紙送り装置、サーバー内の空調ファン類などの「回り物」には精密なマイクロベアリングがむき出しで使われており、これらは海岸の砂や塵には非常に弱いのも事実です。空調ファンなどは数千rpmで回っており、数百rpmで回るインラインスケートの比ではないほど小ささで、しかも高速、高回転です。もちろん防塵のためのフィルターは建物全体に必須なのですがフィルターを通すと十分な外気空調を得ることが出来ません。サーバールーム全体をクリーンルーム化する必要(それだけコストがかかります)が必要です。これら穂器類の故障も「寿命」で片付けられる可能性がありますが、顕微鏡レベルで見れば、細かな塵などでダメージを受けることが多いようです。
以外と微細加工をしている工場などに設置されたクリーンルームのコンピューターは何十年も使われることが多いのです(どうしてこんなに古いコンピュータが現役で動いているのか不思議なくらいです)が、数年前までオフィスで喫煙するのが当たり前だったころはオフィスのコンピューターが1年でブッ壊れるということは良くありました。
北海道で細かな砂が多い場所は、天塩海岸や石狩湾、オホーツク海沿岸などです。ほかは砂利海岸です。北海道ではほとんどが西風(南西風、北西風)なのでこれらの海岸から数十キロ離れた中部空知地区で塵や砂塵によるトラブルは少ないと言えます。
一番、怖いのが、水害と有珠岳の噴火による火山灰です。昭和40年代の有珠岳の噴火では、ごく僅かですが南西風に乗って農作物にうっすらと白い火山灰の降灰がありました。指先で触れてそれと解る程度です。
有珠岳は北海道でも一番の活火山でほぼ数十年に一度は活動する活発な火山ですが、爆発が小規模で溶岩ドームを作り出す系の火山です。雲仙普賢岳のようなタイプですね。
と言っても、有珠岳と札幌の距離はほとんど富士山と東京との距離くらいありますから、平成新山が出来たときもほとんど石狩平野には被害は無かったようです。
Surachipt Dtastream は、冬場の湿潤な冷気と、夏場の雪熱冷房を使った「水冷・空冷ハイブリッドタイプ」の密閉タイプのデータセンター構想です。冷たい大雪山系の空知川を引き入れた空知用水絽や空知山地の湧き水、冬場に集積した雪。湿潤な空知の稲作地帯の空気をコンピューター設備の冷却に利用できます。
寒冷地にデータセンターを。勝手に Srachipt Datastreamを作る無謀なプロジェクト
2012年10月03日
空知の面積は 5,791.19 平方km ほぼ三重県と同じ広さです。
北海道は、日本国の一地方自治体に過ぎませんが、広さは広大で、ひとくくりに「北海道は.....」という事は大変難しいことです。
Wikipedia によると
空知地方だけでもの面積は 5,791.19 平方km
この広さは 三重県 5,776.8 平方km とほぼ同じ、おおよそ東京都と神奈川県を合わせた程度の広さです。「北海道」全体でほぼ日本の国土の1/5はあるのです。
北海道の中心が札幌であるとすれば、石狩川、および支流の空知側流域「石狩、空知、上川地方」だけでも、ほぼ利根川流域に匹敵する広さであるということがご理解いただけるでしょうか。
よく「北海道は地震が少ない」と言われますが、一方では当たりでもあり、一方では外れです。特に 1968 年の十勝沖地震は、ほぼ昨年の東日本震災ほどの規模、震源地であるし、奥尻災害なども記憶に新しいわけです。
北海道の主な地震の震源地は、太平洋側の日高、十勝沖と、日本海東縁地溝帯に接する、利尻、礼文、天売、焼尻、奥尻、渡島大島の各島とその中央にある積丹沖、石狩湾です。この地溝帯は直下型地震が多く発生します。特に1940年の積丹沖地震は石狩湾を中心に大きな被害をもたらしましたが、被害の記録が北海道庁にないのは「被害を受けたヒトが住んでいなかった」僻地だったからに過ぎません。
そのほかには小規模な断層がいくつかあるため、まれに震度4程度の局地的な地震が発生します。
「北海道××市で震度4」と言っても、北海道の反対側では何のゆれも感じないことがほとんどです。
実際、道産子が「震度4」を体験すると「大地震だ」と大騒ぎします。東京では年に数回あるのですけどね。私もすっかり東京の日常の地震になれてしまいました。私は鉄筋工のアルバイトで「北海道奈井江商業高等学校」の基礎工事をしたことがあるのですが、こんな頑丈な作りの「東京基準の耐震基準」は「北海道では税金の無駄遣いだ」と鉄筋屋の親方が言っていました。たぶん建設現場で経験を積んだ現場のエンジニアの意見そのとおりなのでしょう。
「北海道で地震」と言っても「北海道全体が大被害」を受けるというわけではありません。また、「沖縄で最高気温28度、北海道で32度」などということも梅雨時であればよく聞く話ですが、「だから北海道でも暑い日があるンだなぁ」というのこれは全くの誤解です。
道東地方特有のフェーン現象で、「北海道」というほぼアイルランドに匹敵する世界で21番目に大きな島の「一地方」での気象条件でしかありません。中部空知は札幌の「都市圏」からも微妙な距離があり、周囲は日本最大の稲作地帯で、内地が梅雨時のころ耕地は常に水で覆われています。
先日も竜巻で長万部町が被害を受けましたし、数年前にはオホーツク沿岸で竜巻の被害がありました。同じ道内の被害で大きく報道されましたが、東京の感覚では浜松とか、東北地方南部で起きた災害程度の感覚かもしれません。
アメリカではハリケーンや竜巻の被害が多いのですが、だからと言って「北米はハリケーンと竜巻が多くて自然災害が多い」とは言えないことと同じ意味です。
落雷も少ないのが中部空知の良いところです。雷が落ちると臍が取られると祖母に子供のころに教えられましたが、私が子供のころはそんな話はつまらないジョークにしか聞こえませんでした。もっとも本当に雷が落ちるのは空からではなく、私の父からでした。
石狩川流域の「空知中部地方」は、おおよそ首都圏で言うところの「神奈川県西部地方」とか「茨城県南部地方」「群馬県南部地方」と言った感覚で捉えると理解しやすいと思います。おおよそ、東京駅から「新幹線で二駅目」、距離では小山とか小田原とか熊谷という感覚でしょうか。
現実には、自動車での移動も中央バスやJR北海道での特急移動で、ほとんど信号もなく、停滞が無いため短時間で楽なのです。これらの首都圏の「東京から新幹線二駅目」よりは、実際には、遥かに札幌に近い感覚があります。JR北海道で特急利用の場合、全席リクライニングシートで「中央線に次いで長い直線線路」を 130Km で走るため、70Km 圏でも30 分程度なのですね。
今はこれらの街はすっかり「首都圏」の一部ですが、札幌都市圏は首都圏ほどの広さがないため、空知中部は完全に「札幌」という大都市から離れた感覚があります。
石狩を日本の情報革命拠点にしようという勝手なプロジェクト
Wikipedia によると
空知地方だけでもの面積は 5,791.19 平方km
この広さは 三重県 5,776.8 平方km とほぼ同じ、おおよそ東京都と神奈川県を合わせた程度の広さです。「北海道」全体でほぼ日本の国土の1/5はあるのです。
北海道の中心が札幌であるとすれば、石狩川、および支流の空知側流域「石狩、空知、上川地方」だけでも、ほぼ利根川流域に匹敵する広さであるということがご理解いただけるでしょうか。
よく「北海道は地震が少ない」と言われますが、一方では当たりでもあり、一方では外れです。特に 1968 年の十勝沖地震は、ほぼ昨年の東日本震災ほどの規模、震源地であるし、奥尻災害なども記憶に新しいわけです。
北海道の主な地震の震源地は、太平洋側の日高、十勝沖と、日本海東縁地溝帯に接する、利尻、礼文、天売、焼尻、奥尻、渡島大島の各島とその中央にある積丹沖、石狩湾です。この地溝帯は直下型地震が多く発生します。特に1940年の積丹沖地震は石狩湾を中心に大きな被害をもたらしましたが、被害の記録が北海道庁にないのは「被害を受けたヒトが住んでいなかった」僻地だったからに過ぎません。
そのほかには小規模な断層がいくつかあるため、まれに震度4程度の局地的な地震が発生します。
「北海道××市で震度4」と言っても、北海道の反対側では何のゆれも感じないことがほとんどです。
実際、道産子が「震度4」を体験すると「大地震だ」と大騒ぎします。東京では年に数回あるのですけどね。私もすっかり東京の日常の地震になれてしまいました。私は鉄筋工のアルバイトで「北海道奈井江商業高等学校」の基礎工事をしたことがあるのですが、こんな頑丈な作りの「東京基準の耐震基準」は「北海道では税金の無駄遣いだ」と鉄筋屋の親方が言っていました。たぶん建設現場で経験を積んだ現場のエンジニアの意見そのとおりなのでしょう。
「北海道で地震」と言っても「北海道全体が大被害」を受けるというわけではありません。また、「沖縄で最高気温28度、北海道で32度」などということも梅雨時であればよく聞く話ですが、「だから北海道でも暑い日があるンだなぁ」というのこれは全くの誤解です。
道東地方特有のフェーン現象で、「北海道」というほぼアイルランドに匹敵する世界で21番目に大きな島の「一地方」での気象条件でしかありません。中部空知は札幌の「都市圏」からも微妙な距離があり、周囲は日本最大の稲作地帯で、内地が梅雨時のころ耕地は常に水で覆われています。
先日も竜巻で長万部町が被害を受けましたし、数年前にはオホーツク沿岸で竜巻の被害がありました。同じ道内の被害で大きく報道されましたが、東京の感覚では浜松とか、東北地方南部で起きた災害程度の感覚かもしれません。
アメリカではハリケーンや竜巻の被害が多いのですが、だからと言って「北米はハリケーンと竜巻が多くて自然災害が多い」とは言えないことと同じ意味です。
落雷も少ないのが中部空知の良いところです。雷が落ちると臍が取られると祖母に子供のころに教えられましたが、私が子供のころはそんな話はつまらないジョークにしか聞こえませんでした。もっとも本当に雷が落ちるのは空からではなく、私の父からでした。
石狩川流域の「空知中部地方」は、おおよそ首都圏で言うところの「神奈川県西部地方」とか「茨城県南部地方」「群馬県南部地方」と言った感覚で捉えると理解しやすいと思います。おおよそ、東京駅から「新幹線で二駅目」、距離では小山とか小田原とか熊谷という感覚でしょうか。
現実には、自動車での移動も中央バスやJR北海道での特急移動で、ほとんど信号もなく、停滞が無いため短時間で楽なのです。これらの首都圏の「東京から新幹線二駅目」よりは、実際には、遥かに札幌に近い感覚があります。JR北海道で特急利用の場合、全席リクライニングシートで「中央線に次いで長い直線線路」を 130Km で走るため、70Km 圏でも30 分程度なのですね。
今はこれらの街はすっかり「首都圏」の一部ですが、札幌都市圏は首都圏ほどの広さがないため、空知中部は完全に「札幌」という大都市から離れた感覚があります。
石狩を日本の情報革命拠点にしようという勝手なプロジェクト
2012年09月27日
9月になっても溶けない雪山
空知、美唄市のハイテクセンター内に9月のお彼岸になってもまだ残っている雪山です。ちょっと感動しました。

この雪山は実際にデータセンターの冷却実験や冷房、夏場のイベント会場などに利用されています。もっとも、この地域は「暑くてジッとしていられない」季節がほとんどありません。何しろ北海道では家庭向け冷房装置の普及率はわずか14%だそうです。
昨年、札幌市で数十年ぶりの「熱帯夜」が観測されたそうですが、今年は2回だとか。それくらい真夏でも夜は冷え込みます。
その他の情報はこちらで
美唄自然エネルギー研究会
勝手に石狩川流域をIT拠点にしようというプロジェクト

この雪山は実際にデータセンターの冷却実験や冷房、夏場のイベント会場などに利用されています。もっとも、この地域は「暑くてジッとしていられない」季節がほとんどありません。何しろ北海道では家庭向け冷房装置の普及率はわずか14%だそうです。
昨年、札幌市で数十年ぶりの「熱帯夜」が観測されたそうですが、今年は2回だとか。それくらい真夏でも夜は冷え込みます。
その他の情報はこちらで
美唄自然エネルギー研究会
勝手に石狩川流域をIT拠点にしようというプロジェクト
2012年09月25日
穀物冷蔵倉庫をデータセンターに
中部空知の石狩川中流域は日本国内でも有数の穀倉地帯です。多くの米や道産野菜が、空知の冷蔵穀物倉庫から全国のスーパー、牛丼チェーンに出荷されます。特に道産米「きらら397」は独特の食味と安さ、そして丼物の汁気との相性が抜群に良いため、今日貴方が食べた「すき屋のカレ牛」¥480円のほとんどが、中部空知産のお米かも知れません。
ジャガイモ、玉ねぎなどの野菜は、湿気と細かな海辺の砂や、塩分を嫌います。石狩川中流域は、日本海との間に標高600m~1000m程度の増毛山系があり、日本海から強烈に吹き上げられる塩分や海砂などから巧みに保護される地形です。石狩川流域で生産された米は空知の雪熱を使った冷蔵備蓄倉庫で「もみ米」として貯蔵されます。砂や塩分を嫌うこれらの中に「電子機器」も含まれます。
当然、数百トンの重量の商品を預かるための床がある「倉庫」ですから、建築物としての耐久性は抜群ですし、冷蔵のための付属の雪熱を使った冷却システムもあります。重量のあるコンピュータシステムなどの貨物も、大型のエレベータがあれば楽にインサートできるのです。床も天井も高さがあるため、倉庫の内装をデータセンター向けに改装して床下や天井裏のスペースを冷却風や廃熱管として利用することが出来ます。
冷やす対象が「コンピュータと通信機器」であれば、別に通路をコールドアイルにする必要はありません。床からダクトで冷風を吹き上げて、天井裏のスペースに熱風を逃がすように密閉された「煙突」の中に「冷やすべき対象物」であるコンピュータ設備を置けば良いのです。
しかし建築物の償却期間は長いので、わずか数年で撤退を決める事業者もあるでしょう。
その場合、土地は「更地」として売却、あるいは返却する必要があります。
しかし、食料倉庫として再利用できるのであれば、建物ごとをそのまま「冷却倉庫」として使いたい業者は北海道内には沢山あります。
初めから「データセンター」として設計された建築物であれば、他の用途には転用が困難です。事業から撤退を決めたときの損失額は莫大なものとなる可能性があります。
だから空知にデータセンター事業者は空知にも注目していいしょと勝手に叫ぶプロジェクト
ジャガイモ、玉ねぎなどの野菜は、湿気と細かな海辺の砂や、塩分を嫌います。石狩川中流域は、日本海との間に標高600m~1000m程度の増毛山系があり、日本海から強烈に吹き上げられる塩分や海砂などから巧みに保護される地形です。石狩川流域で生産された米は空知の雪熱を使った冷蔵備蓄倉庫で「もみ米」として貯蔵されます。砂や塩分を嫌うこれらの中に「電子機器」も含まれます。
当然、数百トンの重量の商品を預かるための床がある「倉庫」ですから、建築物としての耐久性は抜群ですし、冷蔵のための付属の雪熱を使った冷却システムもあります。重量のあるコンピュータシステムなどの貨物も、大型のエレベータがあれば楽にインサートできるのです。床も天井も高さがあるため、倉庫の内装をデータセンター向けに改装して床下や天井裏のスペースを冷却風や廃熱管として利用することが出来ます。
冷やす対象が「コンピュータと通信機器」であれば、別に通路をコールドアイルにする必要はありません。床からダクトで冷風を吹き上げて、天井裏のスペースに熱風を逃がすように密閉された「煙突」の中に「冷やすべき対象物」であるコンピュータ設備を置けば良いのです。
しかし建築物の償却期間は長いので、わずか数年で撤退を決める事業者もあるでしょう。
その場合、土地は「更地」として売却、あるいは返却する必要があります。
しかし、食料倉庫として再利用できるのであれば、建物ごとをそのまま「冷却倉庫」として使いたい業者は北海道内には沢山あります。
初めから「データセンター」として設計された建築物であれば、他の用途には転用が困難です。事業から撤退を決めたときの損失額は莫大なものとなる可能性があります。
だから空知にデータセンター事業者は空知にも注目していいしょと勝手に叫ぶプロジェクト
首都圏への出張はパーク&トレイン、AirDO の道民割引で
もし、あなたの様な若くて優秀なシステムエンジニアが首都圏から北海道のデータセンターに
「飛ばされてきた」
としましょう。はじめは「出世コースから外された」と思い、余りの田舎っぷりに愕然とするかも知れません。
しかし上司は「貴方でなければ出来ないから」北海道に転勤させたのだと、前向きに考えましょう。
やっと毎日クルマで10分ほどの短い通勤時間や、雪かき(道産子は「雪を投げる」と言います)にも慣れました。
そんな時、貴方は東京の本社や顧客とのうち合わせで東京に出張する必要が出てきました。
経営者やお客様が貴方の仕事を正しく認めてくれた証拠です。
そんな時、JR北海道の「パーク&トレイン」と AirDO の「道民割引」が貴方の出張費用を「安上がり」にしてくれます。
パーク&トレイン(JR北海道)
道民割引運賃/適用条件/AIR DO
パーク&トレインはほぼ中部空知地区のほぼ全ての特急停車駅で特急の往復チケットを購入して予約すれば「無料」でクルマを預かってくれるサービスです。特に中部空知地区では、駅裏などが昔の石炭列車の貨物ヤードだったため、無料で止められるスペースも広く、台数に余裕があります。
札幌や旭川のような「大都会」では、駅前の高額な有料駐車場を「自腹」で借りるしかありませんが、中部空知地区のような「微妙に都会から離れた」ところは駐車場が無料なのですね。
もちろん住民票を北海道に移した貴方は AirDO の「道民割引」が利用できます。全日空との共同運航便であれば、「道民価格」で 「ANA便」 が利用できます。
サラリーマンの常識として、東京の本社の上司や経理担当者には教えないで「マル秘」にしておきましょう。
「出張手当+快適なリクライニングシートでの「特急スーパーカムイ」での移動+道民割引+帰りは駅から自家用車で自宅へ10分」
と、まるで夢のような快適な大都会への出張手段です。
よくサラリーマンは出張費を安く仕上げるため工夫します。しかし東京-博多間の日帰り出張に深夜長距離バス「はかた号」で不愉快で窮屈な旅行をするような必要はありません。自家用車+特急電車+航空機で出張費を安上がりにするには中部空知は理想的なのです。
どうでしょう。
ちなみに新千歳空港-札幌間の「快速エアポート」を使う場合は「パーク&トレイン」は適用されません。この区間は特急電車を使った「快速扱い」となります。岩見沢以北の空知地方の函館本線区間は、そのまま「快速」が「特急スーパーカムイ」に変身するので「パーク&トレイン」が利用できるはずです。
問題は羽田空港のAir Do のカウンターが、東京モノレール駅や京急線の空港駅からひどく離れたところにあることだけです。
なお、浮いた出張費で本社の経理担当者さんや本社のエライさん、お客様へのお土産に空知名物「砂川スィーツロード」のお菓子を忘れずに。
石狩流域を勝手にデータセンターを誘致するぞ
「飛ばされてきた」
としましょう。はじめは「出世コースから外された」と思い、余りの田舎っぷりに愕然とするかも知れません。
しかし上司は「貴方でなければ出来ないから」北海道に転勤させたのだと、前向きに考えましょう。
やっと毎日クルマで10分ほどの短い通勤時間や、雪かき(道産子は「雪を投げる」と言います)にも慣れました。
そんな時、貴方は東京の本社や顧客とのうち合わせで東京に出張する必要が出てきました。
経営者やお客様が貴方の仕事を正しく認めてくれた証拠です。
そんな時、JR北海道の「パーク&トレイン」と AirDO の「道民割引」が貴方の出張費用を「安上がり」にしてくれます。
パーク&トレイン(JR北海道)
道民割引運賃/適用条件/AIR DO
パーク&トレインはほぼ中部空知地区のほぼ全ての特急停車駅で特急の往復チケットを購入して予約すれば「無料」でクルマを預かってくれるサービスです。特に中部空知地区では、駅裏などが昔の石炭列車の貨物ヤードだったため、無料で止められるスペースも広く、台数に余裕があります。
札幌や旭川のような「大都会」では、駅前の高額な有料駐車場を「自腹」で借りるしかありませんが、中部空知地区のような「微妙に都会から離れた」ところは駐車場が無料なのですね。
もちろん住民票を北海道に移した貴方は AirDO の「道民割引」が利用できます。全日空との共同運航便であれば、「道民価格」で 「ANA便」 が利用できます。
サラリーマンの常識として、東京の本社の上司や経理担当者には教えないで「マル秘」にしておきましょう。
「出張手当+快適なリクライニングシートでの「特急スーパーカムイ」での移動+道民割引+帰りは駅から自家用車で自宅へ10分」
と、まるで夢のような快適な大都会への出張手段です。
よくサラリーマンは出張費を安く仕上げるため工夫します。しかし東京-博多間の日帰り出張に深夜長距離バス「はかた号」で不愉快で窮屈な旅行をするような必要はありません。自家用車+特急電車+航空機で出張費を安上がりにするには中部空知は理想的なのです。
どうでしょう。
ちなみに新千歳空港-札幌間の「快速エアポート」を使う場合は「パーク&トレイン」は適用されません。この区間は特急電車を使った「快速扱い」となります。岩見沢以北の空知地方の函館本線区間は、そのまま「快速」が「特急スーパーカムイ」に変身するので「パーク&トレイン」が利用できるはずです。
問題は羽田空港のAir Do のカウンターが、東京モノレール駅や京急線の空港駅からひどく離れたところにあることだけです。
なお、浮いた出張費で本社の経理担当者さんや本社のエライさん、お客様へのお土産に空知名物「砂川スィーツロード」のお菓子を忘れずに。
石狩流域を勝手にデータセンターを誘致するぞ
2012年09月16日
建物の償却期間は30年、でもコンピュータの償却期間は5年
建物の償却期間は30年、でもコンピュータの償却期間は5年
この問題を解決する一つの方法が「コンテナ型」データセンターです。
しかし、日本の法律では「コンテナ型」DCが実現できる法整備は整っていません。
この話はまた別に考えます。
建物の償却期間は30年、でもコンピュータの償却期間は5年
その現実解を考えるとデータセンターを初めから「保冷倉庫」として作ることなのかなと思います。
「保冷倉庫」であればそれなりの設備があるわけで、冷却に必要なインフラも整った状態でコンピューターのシステムインフラも導入することが出来ます。
実際、「倉庫」として設計された建物がDCとして再利用するケースは多くありますがDC専用設計の建物は、簡単に他の目的に転用できません。
「1Fは農産物の倉庫、2Fはデータセンター」
であれば、DCとしての機能が十分果たせないのなら、保冷倉庫として運用すればいいし、DCとしての業務が増えれば1Fの「倉庫」の役割をDC運用に振り向けてもいいわけです。
少なくとも、日本ではDCという概念はまだ20年くらいしか歴史がありません。そもそも通信機器とかPCをネットワークにつなげるという技術自体がわずか20年しか歴史が無いのです。これはLAN(構内ネットワーク)の黎明期から従事してきた私の意見に過ぎませんが、それだけ栄枯盛衰が激しいのが世のIT産業の実態です。
その中で30年かけて償却する施設を作るという発想で考えると「冷熱」を使った、「食料倉庫」の中でコンピューター設備を預かるという発想もあっていいのかなと思うわけですね。
何しろ、ニンゲンはコンピューターが無くても食料備蓄があれば「何とかなる」のがクロマニヨン人以来の人類の創世記からの歴史です。この基本技術者がずらりとそろっているのが中部空知の強みです。
食料の冷蔵備蓄倉庫として基本設計をして、内装の一部をデータセンターとすれば、建物の償却期間30年を十分満たす建築物として利用できます。そもそも倉庫は室内の高さがあるので、床冷却、天井放熱といった構造で内装転換すれば作りやすい。
初めからDCとして設計するとDC以外の目的で利用することが出来ないわけで、事業者の栄枯盛衰を考えると「長い目」で見て、「食料備蓄倉庫」をデータセンターとして利用したほうが、後々の再利用にも有効だと思います。
石狩川流域をIT基地化する勝手なプロジェクト
この問題を解決する一つの方法が「コンテナ型」データセンターです。
しかし、日本の法律では「コンテナ型」DCが実現できる法整備は整っていません。
この話はまた別に考えます。
建物の償却期間は30年、でもコンピュータの償却期間は5年
その現実解を考えるとデータセンターを初めから「保冷倉庫」として作ることなのかなと思います。
「保冷倉庫」であればそれなりの設備があるわけで、冷却に必要なインフラも整った状態でコンピューターのシステムインフラも導入することが出来ます。
実際、「倉庫」として設計された建物がDCとして再利用するケースは多くありますがDC専用設計の建物は、簡単に他の目的に転用できません。
「1Fは農産物の倉庫、2Fはデータセンター」
であれば、DCとしての機能が十分果たせないのなら、保冷倉庫として運用すればいいし、DCとしての業務が増えれば1Fの「倉庫」の役割をDC運用に振り向けてもいいわけです。
少なくとも、日本ではDCという概念はまだ20年くらいしか歴史がありません。そもそも通信機器とかPCをネットワークにつなげるという技術自体がわずか20年しか歴史が無いのです。これはLAN(構内ネットワーク)の黎明期から従事してきた私の意見に過ぎませんが、それだけ栄枯盛衰が激しいのが世のIT産業の実態です。
その中で30年かけて償却する施設を作るという発想で考えると「冷熱」を使った、「食料倉庫」の中でコンピューター設備を預かるという発想もあっていいのかなと思うわけですね。
何しろ、ニンゲンはコンピューターが無くても食料備蓄があれば「何とかなる」のがクロマニヨン人以来の人類の創世記からの歴史です。この基本技術者がずらりとそろっているのが中部空知の強みです。
食料の冷蔵備蓄倉庫として基本設計をして、内装の一部をデータセンターとすれば、建物の償却期間30年を十分満たす建築物として利用できます。そもそも倉庫は室内の高さがあるので、床冷却、天井放熱といった構造で内装転換すれば作りやすい。
初めからDCとして設計するとDC以外の目的で利用することが出来ないわけで、事業者の栄枯盛衰を考えると「長い目」で見て、「食料備蓄倉庫」をデータセンターとして利用したほうが、後々の再利用にも有効だと思います。
石狩川流域をIT基地化する勝手なプロジェクト
2012年08月19日
北海道のデータセンターの立地条件:車で何分は意味がない
中部空知地区以外にも、北海道の冷涼な気候をや雪熱冷房を使ったデータセンターをご検討している方にお伝えしたい重要なことがあります。
空港から車で1時間**分以内で移動できること
道内各自治体が売り文句としているこの「交通の便の良さ」という言葉でごまかされてはいけません。
ほとんど首都圏の私鉄沿線の不動産広告並みの胡散臭さです。
(ちなみに私が住んでいる駅は不動産広告では「新宿まで直通特急で17分」ですが、それはサッカーの試合がある日だけ。実際には朝のラッシュアワーでは各駅停車で45分くらい、通勤快速では2度乗り換えて40分はかかります.....)
道民は車で移動するのが当たり前なので、「車で何分」というのが基準なのですが、御社では「出張時にレンタカーを利用する」という社内規定はどうなっていますか?
当然、レンタカーを使ってデータセンターへ「出張」する場合、その移動中に発生した交通事故は「労働災害」扱いになります。
また、北海道警や住民の努力により、1970年代の「交通事故死日本一」の汚名は返上できるようになりましたが、一年の半分をスタッドレスタイヤで過ごす北海道のドライバーならまだしも、内地のドライバー、特にスタッドレスタイヤを必要としない関東地方のドライバーにとっては、
「吹雪の中の運転は地獄」を見ます。特に国道275や道央新道、オロロン街道あたりの冬場の国道は、士別出身の身内に言わせると、トヨタのテストコース並みに吹雪がひどく1月2月頃は恐くて「おっかない」道路だと言います。
空港から往復4時間もの間、道央自動車道と札幌近郊の市街地を走るという行為がどういう危険性があるかを知っているのは道産子ドライバーだけです。雪道の脱出用プレートや、大きめの金属製スコップが装備されているレンタカーを借りなければなりません。
エンジニアがこんな緊張した2時間を過ごしてから冷静に「仕事」に取り掛かるのは、エンジニアとして経験している私にとっても困難です。
もちろん私も北海道のド田舎出身ですが、正直申し上げて、除雪された一般国道でさえかなり怖いものです。もちろん道央自動車道なんか雪道に慣れていなければ冬はまず走れないと申し上げます。(私も実際走ったことはありませんし、地元の親戚一同、誰もETCをカードを持っていません)ちなみに、道央自動車道より、幹線国道の方が除雪も早く、事故も少なく、規制解除もなく安全に走れます。
冬の間、JR函館線で平行して走っている国道12号線で、どの車もトラックも同じ車間距離を取りながらコンボイを組んで走行しているバランス感は、首都高C1環状線で飯田橋あたりのジャンクションで車間距離を詰めて走る感覚とはまったく違います。
もっと怖いのは、市街地の裏道です。除雪されていても、道路と歩道との間には3mの雪の壁があり、その間から子供が飛び出したり、ツルツルのスノーボードのハーフパイプ状態の道路で車が乗り上げてしまってひっくり返ったりすることは日常茶飯事です。雪道経験数十年の私の父もやっやっちゃったことがあります。そこで発生した「事故」は全て御社の損害として跳ね返ってきます。自損事故であればまだしも、人身事故や物損事故が発生したときの危険性を考えると普通の「出張」ではまず会社としてレンタカー利用は許可されません。
道産子は「事故は全て自己責任」のが当たり前で通勤などでは自動車を使いますが、内地の「雪道素人の出張会社員」がレンタカー利用を許可して起した事故は全て御社負担です。
「除雪」した雪をトラックで「廃雪」した雪を「Surachipt雪冷データセンター」は利用する構想です。
中部空知は雪は豊富ですが、裏道の交通量自体がそれほどでもないため非常に清潔な「廃雪」を利用できます。また、「海から雪が降き上がる」とまで道産子が言うオロロン街道から増毛山系を一つ越えた中部空知の雪は塩分も少なく豊富で清潔です。
ちなみに「札幌雪祭り」で使われる雪が「札幌市内」で調達されたものではないことは皆さんご存知だと思います。ほとんど札幌郊外の中山峠あたりで調達されます。札幌市内の雪はどのような不純物があるかはわかりませんが、札幌市の一番見てほしくない季節、4月の埃が全て雪の中から溶け出したアスファルトなどのダストなのです。
それでも、札幌市街近郊のデータセンターが雪熱冷房に有利だと思いますか。
--
ということで、北海道でデータセンターの適地を探しているなら、
「列車とバス、タクシーなどの公共交通機関でどれだけ低コストで迅速に移動できるか」
が重要となります。
また「新鮮で清潔な雪が豊富に得られる」ことも重要です。
--
中部空知のJR函館線沿線では、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川は何れもJR特急で千歳空港から1時間20分から40分程度で移動できます。1時間に1本の直行特急電車と、札幌乗換えも含めれば、函館本線の稚内、北見方面、函館から旭川行きのジーゼル特急電車もあり、ほぼ1時間に2本の「公共交通機関」が利用できます。
また、千歳空港が雪で閉鎖されても旭川空港からの移動もほぼ同じ時間で容易にアクセスできます。
しかも、街自体がコンパクトなので駅からはタクシー数メーター10分程度で適所がゴロゴロしています。もちろんタクシーの運転手さんは半年の間「冬タイヤ」で走るプロですから、安心して移動できます。
※ここで一つちょっとしたアドバイス。
北海道の一般国道はほとんど郊外地では「制限速度なし」つまり一般国道の60Km/hが制限速度です。道産子ドライバーは、「交通の流れ」を乱さない程度の制限速度で走りますが、市街地が近づくと4、50Km/hの速度制限が始まります。ちなみに道央自動車道の制限速度は80Km/hです。
「50Km制限始まり」の標識を見逃して、次の50Km/hの標識があるところではほとんど道警のパトカーやノースウィングが取り締まりをしていますから、いくら周囲に車が走っていないところでも、市街地が近づいてきたら必ずスピードダウンをしてください。「歩行者もいるし、非常に危険なンだよね」とはノースウィングの元隊員だった、従姉妹の話です。
また、どんな裏道農道の見通しの良いまっすぐなド田舎道でも、十字路の一時停止を無視すると、近くの道警交通機動隊の白バイ隊:通称ノースウィングの怖いお姉さんたちが「顔は笑って目が恐い」状態で待っています。スピード感覚が内地とは違うので遠くの対向車の距離感覚を間違えて一時停止を無視すると非常に危険です。
以上アドバイス終わり
石狩川中流域をシリコンバレーにする勝手なプロジェクト
空港から車で1時間**分以内で移動できること
道内各自治体が売り文句としているこの「交通の便の良さ」という言葉でごまかされてはいけません。
ほとんど首都圏の私鉄沿線の不動産広告並みの胡散臭さです。
(ちなみに私が住んでいる駅は不動産広告では「新宿まで直通特急で17分」ですが、それはサッカーの試合がある日だけ。実際には朝のラッシュアワーでは各駅停車で45分くらい、通勤快速では2度乗り換えて40分はかかります.....)
道民は車で移動するのが当たり前なので、「車で何分」というのが基準なのですが、御社では「出張時にレンタカーを利用する」という社内規定はどうなっていますか?
当然、レンタカーを使ってデータセンターへ「出張」する場合、その移動中に発生した交通事故は「労働災害」扱いになります。
また、北海道警や住民の努力により、1970年代の「交通事故死日本一」の汚名は返上できるようになりましたが、一年の半分をスタッドレスタイヤで過ごす北海道のドライバーならまだしも、内地のドライバー、特にスタッドレスタイヤを必要としない関東地方のドライバーにとっては、
「吹雪の中の運転は地獄」を見ます。特に国道275や道央新道、オロロン街道あたりの冬場の国道は、士別出身の身内に言わせると、トヨタのテストコース並みに吹雪がひどく1月2月頃は恐くて「おっかない」道路だと言います。
空港から往復4時間もの間、道央自動車道と札幌近郊の市街地を走るという行為がどういう危険性があるかを知っているのは道産子ドライバーだけです。雪道の脱出用プレートや、大きめの金属製スコップが装備されているレンタカーを借りなければなりません。
エンジニアがこんな緊張した2時間を過ごしてから冷静に「仕事」に取り掛かるのは、エンジニアとして経験している私にとっても困難です。
もちろん私も北海道のド田舎出身ですが、正直申し上げて、除雪された一般国道でさえかなり怖いものです。もちろん道央自動車道なんか雪道に慣れていなければ冬はまず走れないと申し上げます。(私も実際走ったことはありませんし、地元の親戚一同、誰もETCをカードを持っていません)ちなみに、道央自動車道より、幹線国道の方が除雪も早く、事故も少なく、規制解除もなく安全に走れます。
冬の間、JR函館線で平行して走っている国道12号線で、どの車もトラックも同じ車間距離を取りながらコンボイを組んで走行しているバランス感は、首都高C1環状線で飯田橋あたりのジャンクションで車間距離を詰めて走る感覚とはまったく違います。
もっと怖いのは、市街地の裏道です。除雪されていても、道路と歩道との間には3mの雪の壁があり、その間から子供が飛び出したり、ツルツルのスノーボードのハーフパイプ状態の道路で車が乗り上げてしまってひっくり返ったりすることは日常茶飯事です。雪道経験数十年の私の父もやっやっちゃったことがあります。そこで発生した「事故」は全て御社の損害として跳ね返ってきます。自損事故であればまだしも、人身事故や物損事故が発生したときの危険性を考えると普通の「出張」ではまず会社としてレンタカー利用は許可されません。
道産子は「事故は全て自己責任」のが当たり前で通勤などでは自動車を使いますが、内地の「雪道素人の出張会社員」がレンタカー利用を許可して起した事故は全て御社負担です。
「除雪」した雪をトラックで「廃雪」した雪を「Surachipt雪冷データセンター」は利用する構想です。
中部空知は雪は豊富ですが、裏道の交通量自体がそれほどでもないため非常に清潔な「廃雪」を利用できます。また、「海から雪が降き上がる」とまで道産子が言うオロロン街道から増毛山系を一つ越えた中部空知の雪は塩分も少なく豊富で清潔です。
ちなみに「札幌雪祭り」で使われる雪が「札幌市内」で調達されたものではないことは皆さんご存知だと思います。ほとんど札幌郊外の中山峠あたりで調達されます。札幌市内の雪はどのような不純物があるかはわかりませんが、札幌市の一番見てほしくない季節、4月の埃が全て雪の中から溶け出したアスファルトなどのダストなのです。
それでも、札幌市街近郊のデータセンターが雪熱冷房に有利だと思いますか。
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ということで、北海道でデータセンターの適地を探しているなら、
「列車とバス、タクシーなどの公共交通機関でどれだけ低コストで迅速に移動できるか」
が重要となります。
また「新鮮で清潔な雪が豊富に得られる」ことも重要です。
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中部空知のJR函館線沿線では、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川は何れもJR特急で千歳空港から1時間20分から40分程度で移動できます。1時間に1本の直行特急電車と、札幌乗換えも含めれば、函館本線の稚内、北見方面、函館から旭川行きのジーゼル特急電車もあり、ほぼ1時間に2本の「公共交通機関」が利用できます。
また、千歳空港が雪で閉鎖されても旭川空港からの移動もほぼ同じ時間で容易にアクセスできます。
しかも、街自体がコンパクトなので駅からはタクシー数メーター10分程度で適所がゴロゴロしています。もちろんタクシーの運転手さんは半年の間「冬タイヤ」で走るプロですから、安心して移動できます。
※ここで一つちょっとしたアドバイス。
北海道の一般国道はほとんど郊外地では「制限速度なし」つまり一般国道の60Km/hが制限速度です。道産子ドライバーは、「交通の流れ」を乱さない程度の制限速度で走りますが、市街地が近づくと4、50Km/hの速度制限が始まります。ちなみに道央自動車道の制限速度は80Km/hです。
「50Km制限始まり」の標識を見逃して、次の50Km/hの標識があるところではほとんど道警のパトカーやノースウィングが取り締まりをしていますから、いくら周囲に車が走っていないところでも、市街地が近づいてきたら必ずスピードダウンをしてください。「歩行者もいるし、非常に危険なンだよね」とはノースウィングの元隊員だった、従姉妹の話です。
また、どんな裏道農道の見通しの良いまっすぐなド田舎道でも、十字路の一時停止を無視すると、近くの道警交通機動隊の白バイ隊:通称ノースウィングの怖いお姉さんたちが「顔は笑って目が恐い」状態で待っています。スピード感覚が内地とは違うので遠くの対向車の距離感覚を間違えて一時停止を無視すると非常に危険です。
以上アドバイス終わり
石狩川中流域をシリコンバレーにする勝手なプロジェクト
2012年06月20日
大嵐の中のDC
昨日の台風は全く不意を付かれました。出かける時はまだ九州だったのに、帰るころには東京直撃。帰りは大変でした。
長いことシステムの仕事をやっていると、このような「悪天候だから」という理由が許されない場合がよくあります。
何しろDCは嵐の中でも、顧客のところはひどく天気がよいこともあるわけですね。
私も、台風の中、深夜顧客のサーバー室で作業を行ったこともあるし、サーバ室で震度5クラスの地震に遭遇したこともあります。
中部空知は多雪ですが、雪と風の強い状態、いわゆる交通が途絶するほどの「吹雪」はそこそこにありますが、比較的短時間です。また、豪雪地帯で周囲が幹線道路であるため、除雪も早く、交通の途絶は比較的短いと言えるでしょう。、
このあたりは、海岸部から距離が十分にある中部空知のメリットです。
江戸時代、松前藩の「番屋」と呼ばれる交易所はほとんど冬季は閉鎖されていました。閉鎖しないと陸の孤島となって餓死者が大勢出たこともあります。年中、猛吹雪で、船を出すことも、接岸することも出来ません。連日の吹雪で、番屋の松前藩兵は松前に、アイヌ人たちは、より気候がマイルドな内陸地方にもどりました。
長いことシステムの仕事をやっていると、このような「悪天候だから」という理由が許されない場合がよくあります。
何しろDCは嵐の中でも、顧客のところはひどく天気がよいこともあるわけですね。
私も、台風の中、深夜顧客のサーバー室で作業を行ったこともあるし、サーバ室で震度5クラスの地震に遭遇したこともあります。
中部空知は多雪ですが、雪と風の強い状態、いわゆる交通が途絶するほどの「吹雪」はそこそこにありますが、比較的短時間です。また、豪雪地帯で周囲が幹線道路であるため、除雪も早く、交通の途絶は比較的短いと言えるでしょう。、
このあたりは、海岸部から距離が十分にある中部空知のメリットです。
江戸時代、松前藩の「番屋」と呼ばれる交易所はほとんど冬季は閉鎖されていました。閉鎖しないと陸の孤島となって餓死者が大勢出たこともあります。年中、猛吹雪で、船を出すことも、接岸することも出来ません。連日の吹雪で、番屋の松前藩兵は松前に、アイヌ人たちは、より気候がマイルドな内陸地方にもどりました。
東京は大嵐、さてそれでも稼動を続けるデータセンター
昨日の台風は全く不意を付かれました。出かける時はまだ九州だったのに、帰るころには東京直撃。帰りは大変でした。
長いことシステムの仕事をやっていると、このような「悪天候だから」という理由が許されない場合がよくあります。
何しろDCは嵐の中でも、顧客のところはひどく天気がよいこともあるわけですね。
私も、台風の中、深夜顧客のサーバー室で作業を行ったこともあるし、サーバ室で震度5クラスの地震に遭遇したこともあります。
中部空知は多雪ですが、雪と風の強い状態、いわゆる交通が途絶するほどの「吹雪」はそこそこにありますが、比較的短時間です。また、豪雪地帯で周囲が幹線道路であるため、除雪も早く、交通の途絶は比較的短いと言えるでしょう。、
このあたりは、海岸部から距離が十分にある中部空知のメリットです。
江戸時代、松前藩の「番屋」と呼ばれる交易所はほとんど冬季は閉鎖されていました。閉鎖しないと陸の孤島となって餓死者が大勢出たこともあります。年中、猛吹雪で、船を出すことも、接岸することも出来ません。連日の吹雪で、番屋の松前藩兵は松前に、アイヌ人たちは、より気候がマイルドな内陸地方にもどりました。
長いことシステムの仕事をやっていると、このような「悪天候だから」という理由が許されない場合がよくあります。
何しろDCは嵐の中でも、顧客のところはひどく天気がよいこともあるわけですね。
私も、台風の中、深夜顧客のサーバー室で作業を行ったこともあるし、サーバ室で震度5クラスの地震に遭遇したこともあります。
中部空知は多雪ですが、雪と風の強い状態、いわゆる交通が途絶するほどの「吹雪」はそこそこにありますが、比較的短時間です。また、豪雪地帯で周囲が幹線道路であるため、除雪も早く、交通の途絶は比較的短いと言えるでしょう。、
このあたりは、海岸部から距離が十分にある中部空知のメリットです。
江戸時代、松前藩の「番屋」と呼ばれる交易所はほとんど冬季は閉鎖されていました。閉鎖しないと陸の孤島となって餓死者が大勢出たこともあります。年中、猛吹雪で、船を出すことも、接岸することも出来ません。連日の吹雪で、番屋の松前藩兵は松前に、アイヌ人たちは、より気候がマイルドな内陸地方にもどりました。
2012年04月19日
国道12号は21世紀のITストリート
旭川市で初となるデータセンターが開設
大地震発生確率は全国最小!IBMが旭川のDC構築を支援
冷涼で冷却に有利、地震や水害、塩害の少ない旭川にもデータセンターが開設されました。
こうして一歩一歩IT企業が進出している北海道石狩川流域です。
石狩川流域をIT産業拠点にする勝手なプロジェクト
大地震発生確率は全国最小!IBMが旭川のDC構築を支援
冷涼で冷却に有利、地震や水害、塩害の少ない旭川にもデータセンターが開設されました。
こうして一歩一歩IT企業が進出している北海道石狩川流域です。
石狩川流域をIT産業拠点にする勝手なプロジェクト