2007年04月

2007年04月15日

トロンボーンとクラリネット

1ad37625.jpg今からちょうど一年前、プライベートなことでとてもショックな出来事があり、毎日のように涙を流して過ごしていました。
その時の気持ちをノートに書き留めていたのですが、4月3日から18日までで60ページのノートを一冊使い切っていました。改めて読み返してみると、その時のことを思い出して少しばかり苦しくなりましたが、今の私にとって大切な経験だったのかも知れません。
そんな辛い時期に書いたのが、「トロンボーンと吹奏楽の為の協奏曲」です。3楽章からなる20分ほどの曲。思えば、あれほど辛いときに、よくこれだけの曲を書けたなと思います。

1楽章はf-moll:多少シベリウスのVn.協奏曲の影響があるかもしれません。(特にTimpaniの使い方に)私の作品にしてはドラマチックな曲想が特徴かもしれません。
2楽章はF-dur:シューマンのピアノ協奏曲の2楽章を少し意識しています。この楽章では独奏Trb.と対等にClarinetのソロが重要な役割を果たします。ある時はTrb.とCl.が対話し、ある時は共にユニゾンで歌います。
3楽章はf-moll:ビゼーの影響があるかも。Trb.の凛々しい音色を生かした舞曲のような曲想ですが、中間部ではTrb.がロマンチックに朗々としたメロディーを歌います。

と、自分でも「影響を受けたな〜」と思う作曲家がはっきりした曲なのですが、やっぱりそれでもこの時の自分でないと書けなかった曲だと改めて思います。2楽章を書く時のヒントをくれたやっちゃん、どうもありがとうね。(笑)

写真は、2006年5月28日の初演後、秋田県の湯沢市文化会館で。独奏Tromboneを演奏してくれた(2007年1月よりNHK交響楽団首席奏者を務める)新田幹男君と、2楽章で素敵なClarinetのソロを聴かせてくれた秋田県立湯沢高校吹奏楽部の白石さん。そしてちょっぴり笑顔の私です。

ismusic at 03:00|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 私の作品について | ┣吹奏楽のための作品