2007年05月

2007年05月15日

12年越しの初演

5ab30017.jpg5月5日、ヴァイオリン教室の発表会で伴奏をさせてもらったのですが、そのときに、ヴァイオリンの大西秀朋くんと弦楽合奏のお手伝いに来てくれているチェロの上野達弘くんの二人に、1995年の秋に作曲した、ヴァイオリンとチェロの為の「ソナチネ」と言う作品を初演して頂きました。

最初は、ヴァイオリン教室の先生が「上野くんも何かソロを弾かない?」と尋ねられて、「ソロはちょっと大変ですが、大西くんも一緒にトリオならば」と言うことになって、私のピアノを交えて、三重奏を演奏しようか?と言う方向に話が進みかけたのですが、ふと思い出したのが、12年前に書いたこの曲。
大学院生時代、作品発表会の為に書いた作品なのですが、演奏してくれる人がどうしても見つからず、作品が出来ているにもかかわらず、発表することが出来なかったと言う、とても残念な思いをした作品です。

すでに30曲以上、伴奏することになっていた私の負担も軽くなるし、初演してもらえれば一石二鳥かも?と、お願いしたところ、お二人とも引き受けて下さり、作曲してから12年目にして、音になりました。
ひたすら催促をされ続けて、初演の10日前に、ようやく作品が完成すると言うことも、やってしまう私ですが、作品が出来てからなかなか音にならないもの、なっていないものもあるので、やはり苦労して書いた譜面が音になると言うのは嬉しいです。

さて、作曲当時、弦楽器の書法に慣れていなかったこともあって、相当演奏は難しかったようですが、忙しいスケジュールの合間に、なんとか時間を作って本番では素敵な演奏をして頂きました。
フラジオのグリッサンドが結構たくさん出てくるのですが、Vn.の大西くんは、なんと左手の親指の爪を使うと言う必殺技を繰り出していました。楽器を首だけで支えて、左手を楽器の左上から親指の爪でG線を滑らす(こする?)姿は、非常に斬新で、客席で聴いていた東京フィルコンマスの三浦さんも「面白いことやっていたね〜、『火の鳥』でやってみようか?」なんて仰っていました。(笑)

写真は、演奏が終わった後に楽屋で撮ってもらったもの。
左端から、チェロの上野達弘くん。中央がヴァイオリンの大西秀朋くん。そして私。
上野くんも大西くんも京都大学のオーケストラの出身。大西くんは、大手電機メーカーで働いていましたが、プロのヴァイオリン奏者に転向。しっかり演奏活動を続けているのだから大した物です。上野くんは、立教大学法学部の准教授。講義や研究活動などの激務をこなしながら、チェロの演奏を続けている私の大切な友人です。

大西くんが、ご自身のブログで、この初演に関する記事を書いてくれているので、ぜひそちらもご覧下さい

ismusic at 03:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 私の作品について | ┣二重奏