2008年02月05日

全日本吹奏楽コンクール2006 Vol.11

41cc492a.jpgいたる作品収録CD紹介第八弾♪

全日本吹奏楽コンクール2006 Vol.11(2006年)
[KICG-3325]

2006年10月28日、宇都宮市文化会館で開催された、2006年度(第54回)全日本吹奏楽コンクール全国大会のライブ録音盤で、静岡大学、福岡工業大学、立命館大学、福岡教育大学、神奈川大学、山形大学、金沢大学、文教大学、山口大学の演奏とともに、龍谷大学吹奏楽部が演奏してくれた「波の通り道」が収録されています。

今は、すっかり元気になってしまい、何故あの時、あれほど辛かったのだろう?と不思議にすら思うのですが、2006年の春以降、私の心はバランスを失っていました。
当時のメモを書き綴っていたノートを読み返すと、やはりその時の辛さがよみがえってきて、涙が溢れてきました…

**
夜通し、何度も大きな声を出して泣く。
一睡も出来ず、朝を向かえて、起きても涙が止まらない。
何度も不安に耐えきれず、友人たちに[*1]メールを書く。
父が心配して心療内科に追加の薬を貰いに行ってくれる。
**
(2006年5月23日の日記より)
[*1]実際には、メールを送った友人たちの名前が書いてありました。

私の身体の中で、何が起こっていたのだろう?
今思うと、不思議に思うくらいですが、この日の辛さは、それまでの人生で体験したことの無い感覚でした。

おそらく6月の初め頃、若林先生に
「もう、何も書けません…」
と、メールを送りました。

返事は、
「じゃあ、やめる?」

ひょっとしたら、
「元気出して、なんとか書いてよ。」
とか、暖かい励ましの言葉が返ってくるかと期待していたのでしょうね。

でも、突き放されました。
「もし、ここで書くことを諦めてしまったら、大切な仲間を失ってしまう…」
そんな恐怖感と、
「絶対、諦めずに書いてみせる。」
ちょっとした意地も、あったかもしれません。

「書きます。」
と、電話で伝える声は、どのように伝わったのでしょうか…

Clarinetの友人が、一枚の写真を送ってくれました。
以前、私が旅の報告をかねて、その友人に送った写真でした。

2002年9月のある日の、素敵な時間の記憶がよみがえってきました。
「素敵な思い出を忘れることなんて無理。だったら思い出を曲にしてしまえば良いのかも。」
そして、完成したのが「波の通り道」です。

この景色がどこなのかは、自分の心の中に留めておきたいので、内緒モードだったのですが、若林先生に漏らしてしまったため、学生にもバレてしまい…

全国大会を控えた、10月のある日、学生たちはバスをチャーターし、なんと、この風景を見に、出かけたのです!
この景色の前で、波の音を聴きながら、みんなで「波の通り道」を合唱?したとか。

中には音大生顔負けの実力を持った学生もいるけれど、ほとんどは、ごく普通の学生たち。
でも、7月に作品が出来てから、3ヶ月半、ほぼ毎日「波の通り道」に向き合い、練習してくれた彼らの演奏は、本当に素晴らしいものでした。
ただ32分音符が並んでいるだけなのに、まるで本当に波が引いて行くかのような自然なルバートは、もちろん若林先生の指揮が素晴らしいからだけれど、なによりバスで片道8時間かけて訪ねた「波の通り道」で聴き、見て、全身で感じた波の音とリズムが、55人の学生たちのアンサンブルを、支えてくれたようにも感じました。

もちろん、ライブ録音ですから、ちょっとしたキズもありますが、録音状態も良く、波が轟くような大太鼓の音や幻想的な「おりん」の響き、演奏が終わったあとの一瞬の静寂と熱狂的な拍手が臨場感たっぷりに収録されています。私の作品に興味を持って下さっている方達には、心から聴いて頂きたいと思う録音です。
特に1回生のときから、私の作品を毎年コンクールで演奏してくれて、私が龍谷大学に練習でお邪魔したときには、いつも笑顔で声をかけてくれた、とびきり可愛い二人のソロの掛け合いが、最初の方にあるのも嬉しいです。
いつまで発売されるか分かりませんが、私と龍谷大学の学生たちのかけがえの無い思い出が、この作品とともに、いつまでも輝き続けてくれるような気がして、本当に幸せに感じます。

Saxophoneの後輩から、
「心って、何なのでしょうね〜
 でも、悲しいことがあって辛いと感じることが無かったら、
 美しい音楽を聴いて感動することも無いと思います。」
とメッセージを貰いました。

その通りかもしれませんね。

と言う訳で購入は、
http://worldwindbandweb.com/brainmusic/7.1/KICG-3325/
からどうぞ〜♪

最後に…
気づく人は、ほとんどいないと思いますが、この曲で2回「紫陽花」が咲いてます。
1回目は優しく、2回目は力強く。
またいつか、このことについて話を出来ることがあればと思います。

ismusic at 03:00│Comments(5)TrackBack(0)いたる作品収録CD 

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この記事へのコメント

1. Posted by ハナ   2008年02月05日 16:37
5 曲調が大好きでこの曲をコンクール自由曲として選曲しましたが、こんなに大変なご苦労があったとは知りませんでした…

これからの曲も自信を持って書いてください!
2. Posted by h-ongendo1964   2008年02月06日 09:51
「当時」酒井さんのファンとして、とっても心配していました。私ごときが何を申上げてよいのか判らず、ずっとずっと迷っていましたが、思い切って「波の通り道」の記事にコメントを投稿させていただいたことを思い出します。
ご苦悩の日々を超えて、こんなに素敵な音楽が生み出されたことは本当に素晴らしいですね!

龍谷大のみなさんのご努力、ハードな練習だけでなく作品により肉薄したいという想いがあの名演に結実したのですね。改めて、感動でした。
3. Posted by hiro   2008年02月10日 21:54
ご無沙汰いたしております。hiroです。

先日は、素敵な曲をありがとうございました。
2月3日の定期演奏会のオープニングで演奏させていただきました。

私が以前にMIDIで送らせて頂いた曲(覚えてらっしゃいますか?)ですが、3月23日に、今勤めている職場の吹奏楽部の定期演奏会で初演が決まりました。

私があの曲を作った時…。今では思い出したくもないほど「落ち込み」「辛い」時期でした。
私はアマチュアですので、酒井先生とは違うかもしれませんが、何となくわかるような気がします。(私も同じような状況でした…)
私も今ではすっかり元気になりましたが、やはり不安定な時もあります。
そんな時は、無理に歩を進めず、ゆっくりと立ち止まるように心がけています。
また、私の作品が出来上がったら聴いて下さい。
お願いします。
4. Posted by らふぁ〜れ   2008年03月02日 12:05
はじめまして!

『波の通り道』を聴いて、旋律の美しさと色彩感そして浮遊感の心地よさに、私の疲れた心は癒されました。

中学校で音楽を教え吹奏楽部顧問をしている私にとって、「いつか演奏したい曲リスト」の第一位が『波の通り道』です。

私の勤務する学校は日本海に面した小さな町にあります。夕日がとても美しいです。
酒井先生、よろしかったら、ドライブにいらしてください。
5. Posted by 初めまして★!   2008年08月03日 20:10

こんにちは♪

もう本当に、
波の通り道
大好きですっ!!

毎日聴いています★

辛い時、この曲に
何度も助けられ
ましたっ(^O^)!

わたしが出逢った
吹奏楽曲の中で
一番大好きな曲
ですっ(´>ω<`)

いつかは演奏
したいなあっ
と思っています♪

素敵な曲を
本当に有り難う
ございます(^ω^)!

大ファン
ですっ∩^ω^∩

これからもずっと
応援しています♪

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