私の作品について
2009年10月17日
クラリネット・ジャンクション
昨年度より、京都コンサートホールの主催事業で始まった「○○ジャンクション」シリーズ。
海外から招聘した著名な演奏家を招いて、前半はそのスペシャルゲストのリサイタル。
後半はホストである京都市交響楽団のメンバーと、国内の他のオーケストラからプレイヤーを招いてアンサンブルの演奏会と言う企画。
昨年の「トランペット・ジャンクション」では、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席トランペット奏者のペーター・マスースさんと、フリッツ・ダムロウさんを招いて、私のトランペット8重奏「シンフォニアとカプリス」を演奏して頂きました。
そして、今年はベルリンフィルハーモニー管弦楽団から首席クラリネット奏者のヴェンツェル・フックスさんをお招きして、「クラリネット・ジャンクション」の演奏会が10月14日に、京都コンサートホールで開かれました。
今年はアンコールでL.アンダーソンの「クラリネット・キャンディ」を私がクラリネット八重奏に編曲して頂いたものを演奏して頂きました。しかも、2回!(笑)
本当に豪華なメンバーでの演奏会で、大変盛り上がり、今年のホール主催事業で一番の観客動員だったそうです!
演奏会の後は、ホールの近くにあるカフェで打ち上げ。
左のオレンジ色のシャツを着ているのが、フックスさん。
その隣のパーマの方は、前半で素晴らしいピアノを聴かせてくれた、ヨナタン・アネルさん。
その隣の大きな方は、東京都交響楽団の伊藤圭さん。
その手前の男前は、大学時代の同期でもある、京都市交響楽団の玄宗哲。
奥から少しだけ顔をのぞかせているのが、東京交響楽団首席のエマニュエル・ヌヴーさん。
その隣の黒いシャツを着ているのが、新婚ほやほや、京都市交響楽団の筒井祥夫さん。
その前にいるのが私。
さらにその前にいるのが、元京都市交響楽団の石橋耕三さん。
その後ろで白いえりを少し覗かせているのが、私の先輩でもある、九都市交響楽団の鈴木祐子さん。
その隣の長身のメガネの方は、大阪フィルハーモニー管弦楽団のブルックス・信雄・トーンさん。
そして、一番右端のお金持ち(笑)は、今回この企画に私を誘ってくれた、京都市交響楽団首席の小谷口直子さん。
(後方の方は、マネージメントや出演者の家族、協賛企業の方と思われます)
おかげさまで、素晴らしい音楽家たちと、とても素敵な時間を過ごす事が出来て大変幸せでした♪
小谷口さん、ありがとう♪
海外から招聘した著名な演奏家を招いて、前半はそのスペシャルゲストのリサイタル。
後半はホストである京都市交響楽団のメンバーと、国内の他のオーケストラからプレイヤーを招いてアンサンブルの演奏会と言う企画。
昨年の「トランペット・ジャンクション」では、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席トランペット奏者のペーター・マスースさんと、フリッツ・ダムロウさんを招いて、私のトランペット8重奏「シンフォニアとカプリス」を演奏して頂きました。
そして、今年はベルリンフィルハーモニー管弦楽団から首席クラリネット奏者のヴェンツェル・フックスさんをお招きして、「クラリネット・ジャンクション」の演奏会が10月14日に、京都コンサートホールで開かれました。
今年はアンコールでL.アンダーソンの「クラリネット・キャンディ」を私がクラリネット八重奏に編曲して頂いたものを演奏して頂きました。しかも、2回!(笑)
本当に豪華なメンバーでの演奏会で、大変盛り上がり、今年のホール主催事業で一番の観客動員だったそうです!
演奏会の後は、ホールの近くにあるカフェで打ち上げ。
左のオレンジ色のシャツを着ているのが、フックスさん。
その隣のパーマの方は、前半で素晴らしいピアノを聴かせてくれた、ヨナタン・アネルさん。
その隣の大きな方は、東京都交響楽団の伊藤圭さん。
その手前の男前は、大学時代の同期でもある、京都市交響楽団の玄宗哲。
奥から少しだけ顔をのぞかせているのが、東京交響楽団首席のエマニュエル・ヌヴーさん。
その隣の黒いシャツを着ているのが、新婚ほやほや、京都市交響楽団の筒井祥夫さん。
その前にいるのが私。
さらにその前にいるのが、元京都市交響楽団の石橋耕三さん。
その後ろで白いえりを少し覗かせているのが、私の先輩でもある、九都市交響楽団の鈴木祐子さん。
その隣の長身のメガネの方は、大阪フィルハーモニー管弦楽団のブルックス・信雄・トーンさん。
そして、一番右端のお金持ち(笑)は、今回この企画に私を誘ってくれた、京都市交響楽団首席の小谷口直子さん。
(後方の方は、マネージメントや出演者の家族、協賛企業の方と思われます)
おかげさまで、素晴らしい音楽家たちと、とても素敵な時間を過ごす事が出来て大変幸せでした♪
小谷口さん、ありがとう♪
2009年06月17日
てぃーだ
2009年2月1日。
奈良県バンドフェスティバルで、同県連盟50周年記念委嘱作品が初演された同じ日。
実は、沖縄でも新作の初演がありました。
1年は365日あって、1年に365曲も書かないのに、悲しいかな…初演のダブルブッキング…
実は、何年かに一度。こう言う事があるのですよね。
先に、奈良県の本番にお邪魔する事が決まっていたので、沖縄には演奏会の少し前に、お邪魔して練習の様子を見せて頂きました。
こう言う時は音楽隊長とのツーショットとかを載せるのが良いのでしょうが、そう言う肝心な写真を撮り忘れてしまったようで、打楽器セクション付近の写真です。(笑)
あ、紹介が遅れましたが、沖縄県那覇市の陸上自衛隊第一混成団音楽隊のみなさんです。
指揮をしてくれたのは、大阪音楽大学の後輩(トランペット専行卒業)の柴田昌宜二等陸尉音楽隊長です。
初演は大変盛り上がったようで、ライブ録音がインターネットで配信されているとか。
ちなみに来年の早春、この作品を東京でも演奏出来ないか、画策中です。(笑)
願いが叶うと良いのですが…
ちなみに初演された作品のタイトルは「てぃーだ」
沖縄の言葉で、ずばり「太陽」のこと。
5年前に北海道の市民バンドの委嘱で書いた「ポロヌプ」とは正反対の、沖縄の「熱さ」みたいなものを感じてもらえる作品ではないかと思います。
何人か、譜面の問い合わせを下さったのですが「東京初演を画策中」なので、当分の間、演奏は陸上自衛隊の音楽隊に限らせて頂いてます。秋には結果が出ると思いますので、しばらくお待ちくださいね。
奈良県バンドフェスティバルで、同県連盟50周年記念委嘱作品が初演された同じ日。
実は、沖縄でも新作の初演がありました。
1年は365日あって、1年に365曲も書かないのに、悲しいかな…初演のダブルブッキング…
実は、何年かに一度。こう言う事があるのですよね。
先に、奈良県の本番にお邪魔する事が決まっていたので、沖縄には演奏会の少し前に、お邪魔して練習の様子を見せて頂きました。
こう言う時は音楽隊長とのツーショットとかを載せるのが良いのでしょうが、そう言う肝心な写真を撮り忘れてしまったようで、打楽器セクション付近の写真です。(笑)
あ、紹介が遅れましたが、沖縄県那覇市の陸上自衛隊第一混成団音楽隊のみなさんです。
指揮をしてくれたのは、大阪音楽大学の後輩(トランペット専行卒業)の柴田昌宜二等陸尉音楽隊長です。
初演は大変盛り上がったようで、ライブ録音がインターネットで配信されているとか。
ちなみに来年の早春、この作品を東京でも演奏出来ないか、画策中です。(笑)
願いが叶うと良いのですが…
ちなみに初演された作品のタイトルは「てぃーだ」
沖縄の言葉で、ずばり「太陽」のこと。
5年前に北海道の市民バンドの委嘱で書いた「ポロヌプ」とは正反対の、沖縄の「熱さ」みたいなものを感じてもらえる作品ではないかと思います。
何人か、譜面の問い合わせを下さったのですが「東京初演を画策中」なので、当分の間、演奏は陸上自衛隊の音楽隊に限らせて頂いてます。秋には結果が出ると思いますので、しばらくお待ちくださいね。
2009年04月17日
トランペット協奏曲
2006年に初演された「トロンボーンと吹奏楽のための協奏曲」
2007年に初演された「ちびクラと吹奏楽のためのちっちゃな協奏曲」
2008年に初演された「ユーフォニアム協奏曲」
作者の気まぐれで、「吹奏楽のための」が、ついたりつかなかったりしていますが(笑)これらは、すべて独奏楽器と吹奏楽のための協奏曲。
そして、2009年3月29日に、4曲目の協奏曲が初演されました。
「トランペットと管弦楽のための協奏曲」
そう、バックは吹奏楽ではなく、弦楽器の入ったオーケストラです。
学生時代に、習作的な管弦楽作品を書いた事はあります。
歌謡曲や民謡などをオーケストラにアレンジする仕事をした事もあります。
でも、協奏曲と言うスタイルではあるものの、自分の書いた本格的な管弦楽作品が音になるのは初めてでした。
トランペットの独奏は、NHK交響楽団の栃本浩規さん。
管弦楽は、飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ。
このオーケストラ、飛騨高山出身の栃本さんと、東京フィルハーモニー管弦楽団のファゴット奏者、森純一さんが中心となり、東京のオーケストラで活躍する仲間を集めて立ち上げたオーケストラで、年に一度、早春に飛騨高山で演奏会を行っています。
「オーケストラ日本代表」と言う言葉が相応しい素晴らしいメンバーのオーケストラです。
1楽章はC管、2楽章はフリューゲルホルン、3楽章ではピッコロトランペットと、3種類のトランペットを持ち替えて、それぞれの楽器の特徴を生かした、表情豊かな演奏をして下さりました。なんと言ってもお得意のピッコロトランペットでは、華麗な、でもどこか可憐な表情も持つ私の作品に込められた想いを、会場いっぱいのお客様に伝えてくれました。
オーケストラも伴奏にとどまらず、指揮者がいないとは思えないほどの正確なアンサンブルで、弦楽器はもちろん、管楽器の皆さんが、それぞれ魅力的な歌を聴かせて下さり、とても幸せな時間を過ごす事が出来ました。
なにより、たくさんのオーケストラのメンバーに「素敵な曲ですね」と、声をかけて頂けた事が最高に嬉しかったです。
記念すべき、豪華初演メンバーは以下の皆さん。(スコアの上から、敬称略)
小池 郁江(Piccolo)
斎藤 和志(Flute)
松岡 裕雅(1st Oboet)
杉原 由希子(2nd Oboe)
佐藤 路世(1st Clarinet)
三倉 麻実(2nd Clarinet)
森 純一(1st Bassoon)
向後 崇雄(2nd Bassoon)
今井 仁志(1st Horn)
和田 博史(2nd Horn)
栃本 浩規(Solo Trumpet)
久保 昌一(Timpani & Triangle)
荒井 英治(Concert Master : 1st Violin)
泉原 隆志(1st Violin)
栃本 三津子(1st Violin)
宇根 京子(1st Violin)
中谷 郁子(1st Violin)
松本 蘭(1st Violin)
奥田 雅代(2nd Violin)
戸上 眞里(2nd Violin)
関戸 美樹(2nd Violin)
小池 彩織(2nd Violin)
早川 紗綾香(2nd Violin)
朴 梨恵(2nd Violin)
須田 祥子(Viola)
大島 亮(Viola)
三好 紅(Viola)
金 孝珍(Viola)
織田 百合名(Viola)
金木 博幸(Violoncello)
村井 将(Violoncello)
植木 昭雄(Violoncello)
北口 大輔(Violoncello)
黒木 岩寿(Contrabass)
小笠原 茅乃(Contrabass)
稻川 永示(Contrabass)
作曲の機会を与えて下さった栃本さんにはもちろん、演奏を形作って行く上で、様々な助言を下さったコンサートマスターの荒井英治さんには、心より感謝申し上げます。
オーケストラと言っても、コンパクトな2管編成ですし、また再演の機会があると良いな〜♪
2009年02月17日
センバツ行進曲
22年間、春のセンバツ高校野球開会式の入場行進曲を編曲されてきた、永野慶作さん直々にご指名頂き、今年は私が担当させて頂きました。
センバツの行進曲は、前年話題になったヒット曲を行進曲に仕立てるのですが、出場校に記念に配られるCDの録音を大阪市音楽団が担当していて、そのレコーディングの様子は毎年ニュースで放送されるので、私も「今年の行進曲は何かな?」と密かに楽しみにしていました。
昨年、秋も深まる頃、毎日新聞社より、この依頼があった時は、まさかこの仕事を私がする事になるとは!?
と、かなり興奮したものです。
それよりも、何かとお世話になっている大阪市音楽団の皆さんと一緒に仕事が出来たのが嬉しかったし、楽しかった。
しかも、レコーディングの指揮は、大学時代の同期(コントラバス)の井村誠貴氏。
彼との再会も、嬉しいものでした。
それにしても、レコーディングではNHKの取材もあって驚き!
あらためて、高校野球の注目度の高さを感じました!
恥ずかしい事に、私のインタビューも、全国放送されたようですが、その効果で懐かしい友人たちから、たくさん連絡を貰えたのも嬉しい事でした。
でも、みんなに、
「太ったな〜」「老けたな〜」
と言われましたよ。
ひどいな〜(笑)
ちなみに、今年の行進曲は、Greeeenの「キセキ」でした。
どんな仕上がりになっているかは、3月21日の開会式をお楽しみに。
センバツの行進曲は、前年話題になったヒット曲を行進曲に仕立てるのですが、出場校に記念に配られるCDの録音を大阪市音楽団が担当していて、そのレコーディングの様子は毎年ニュースで放送されるので、私も「今年の行進曲は何かな?」と密かに楽しみにしていました。
昨年、秋も深まる頃、毎日新聞社より、この依頼があった時は、まさかこの仕事を私がする事になるとは!?
と、かなり興奮したものです。
それよりも、何かとお世話になっている大阪市音楽団の皆さんと一緒に仕事が出来たのが嬉しかったし、楽しかった。
しかも、レコーディングの指揮は、大学時代の同期(コントラバス)の井村誠貴氏。
彼との再会も、嬉しいものでした。
それにしても、レコーディングではNHKの取材もあって驚き!
あらためて、高校野球の注目度の高さを感じました!
恥ずかしい事に、私のインタビューも、全国放送されたようですが、その効果で懐かしい友人たちから、たくさん連絡を貰えたのも嬉しい事でした。
でも、みんなに、
「太ったな〜」「老けたな〜」
と言われましたよ。
ひどいな〜(笑)
ちなみに、今年の行進曲は、Greeeenの「キセキ」でした。
どんな仕上がりになっているかは、3月21日の開会式をお楽しみに。
2008年11月17日
梢で
2008年11月2日、岐阜県の羽島市文化センターで、岐阜県の高校生たちによる、吹奏楽の発表会があったのですが、お昼休みのゲスト演奏で、京都市交響楽団の首席フルート奏者、清水信貴さんと、ピアニストの中野聡子さんに、2000年に作曲した、フルートとピアノのための小品「梢で」(こずえで)を初演して頂きました。
中野さんは、私が大阪音楽大学時代に、とてもお世話になった先輩で、何曲か新作も演奏して頂いているのですが、今回の演奏も、中野さんが清水さんに提案してくださり、実現しました。
この「梢で」と言う曲。大学時代にちょっぴり憧れていたフルート科の先輩に贈った曲でした。
とても優しくて綺麗な方で、伴奏を頼まれたときは「先輩のためなら、三段の譜面でも弾きますよ!」と答えたら、本当にピアノのパートの譜面が三段の曲で(笑)大変な思いもしましたが、今でも素敵な思い出です。
2000年の夏、作曲科の先輩の結婚式で、久しぶりに再会し、また仲良く出来たらなと言う思い(下心?)もこめて誕生日に「曲プレ」したのですが、残念ながら連絡は貰えず…
そして、そのしばらく後、卵巣がんで息を引き取ったと言う知らせを受け取りました…
先輩と一緒に演奏する夢は叶いませんでしたが、清水さんと言う素晴らしいプレイヤーに演奏してもらうことが出来、久しぶりに先輩の顔を思い出しました。
どこかで、聴いてくれていたかな…
中野さんは、私が大阪音楽大学時代に、とてもお世話になった先輩で、何曲か新作も演奏して頂いているのですが、今回の演奏も、中野さんが清水さんに提案してくださり、実現しました。
この「梢で」と言う曲。大学時代にちょっぴり憧れていたフルート科の先輩に贈った曲でした。
とても優しくて綺麗な方で、伴奏を頼まれたときは「先輩のためなら、三段の譜面でも弾きますよ!」と答えたら、本当にピアノのパートの譜面が三段の曲で(笑)大変な思いもしましたが、今でも素敵な思い出です。
2000年の夏、作曲科の先輩の結婚式で、久しぶりに再会し、また仲良く出来たらなと言う思い(下心?)もこめて誕生日に「曲プレ」したのですが、残念ながら連絡は貰えず…
そして、そのしばらく後、卵巣がんで息を引き取ったと言う知らせを受け取りました…
先輩と一緒に演奏する夢は叶いませんでしたが、清水さんと言う素晴らしいプレイヤーに演奏してもらうことが出来、久しぶりに先輩の顔を思い出しました。
どこかで、聴いてくれていたかな…
2008年10月17日
今を大切に
私事ですが、今年の3月6日の早朝、祖母が他界しました。97歳でした。
1月の終わりから体調を崩し、高齢でもあったので、覚悟はしていましたが、生まれてからずっと可愛がってもらい、亡くなる直前まで私のことを色々気にかけてくれていたので、亡くなって半年以上経った今でも、ふと、もう本当に合うことが出来ないのかと思うと、なんとも寂しい気持ちでいっぱいになります。
いつもそばにいると、忘れてしまいがちですが、いつかはお別れしなければならない。
当たり前のことですが、分かっていても、いざ直面してみると、結構辛い物です。
だからこそ、今一緒にいる人を大切にしたい。
そんな想いが、この「藍色の谷」と言う作品に重なり合います。
20年前、「たなばた」と言う作品を書いたとき、当時、私が在籍していた吹奏楽部でEuphoniumを吹いていた同級の友人が、Alto Saxophoneを吹いていた後輩と親しくしていたのをヒントに、あの中間部が生まれました。
その二人も、卒業してからはそれぞれの道を歩み、今では別々に家庭を持っていますが、当時の二人の微笑ましい友情は、今でも、この作品の中で若き日の素敵な思い出として輝き続けてくれているように思います。
龍谷大学吹奏楽部にも、羨ましいくらい、素敵な二人がいます。
実は「藍色の谷」6月も半ばを過ぎた頃、プランに少し行き詰まっていました。
伝えたかったことは、先月も書いた通り。
でも、それをどう音にすれば良いのか、随分悩んでいました。
やっぱり、私の気持ちを音に出して代弁してくれる、龍谷大学吹奏楽部のメンバーが、生き生きと語れる言葉を使いたい。
そのときに思い浮かんだのが、その二人です。
思いがけない楽器の組み合わせが、大きなヒント、そしてアイディアになりました。
切なくて、ため息をつくような曲想が続く中に、それに対峙する前向きな要素が加わりました。
悩んで立ち止まるばかりにならないで、今流れている時間を大切に生きたい。そんな音楽。
もちろん、その二人には、これからずっと仲良くいて欲しいけれども、学生と言う立場から社会人になれば当然周りの環境も大きく変わります。ひょっとすると残念だけれども、お互いがそれぞれ自分の決めた道を歩んでいくことになるかもしれません…(;_;)
でも、若き日に出会った大切に想う人と一緒に歩んだ思い出は、「藍色の谷」の中で、色あせること無く光り続けて欲しいのです!
そう思うと、この曲って「たなばた」にとても似ている気がします。
そうですね。タイトルの付け方も♪
全国大会まで、いよいよあと一週間。
作品の中程と最後の方に2回登場する、ClarinetとBaritone Saxophoneのデュエットは一瞬ですので、会場にいらしてくださる方はどうか聞き逃しませんように♪
1月の終わりから体調を崩し、高齢でもあったので、覚悟はしていましたが、生まれてからずっと可愛がってもらい、亡くなる直前まで私のことを色々気にかけてくれていたので、亡くなって半年以上経った今でも、ふと、もう本当に合うことが出来ないのかと思うと、なんとも寂しい気持ちでいっぱいになります。
いつもそばにいると、忘れてしまいがちですが、いつかはお別れしなければならない。
当たり前のことですが、分かっていても、いざ直面してみると、結構辛い物です。
だからこそ、今一緒にいる人を大切にしたい。
そんな想いが、この「藍色の谷」と言う作品に重なり合います。
20年前、「たなばた」と言う作品を書いたとき、当時、私が在籍していた吹奏楽部でEuphoniumを吹いていた同級の友人が、Alto Saxophoneを吹いていた後輩と親しくしていたのをヒントに、あの中間部が生まれました。
その二人も、卒業してからはそれぞれの道を歩み、今では別々に家庭を持っていますが、当時の二人の微笑ましい友情は、今でも、この作品の中で若き日の素敵な思い出として輝き続けてくれているように思います。
龍谷大学吹奏楽部にも、羨ましいくらい、素敵な二人がいます。
実は「藍色の谷」6月も半ばを過ぎた頃、プランに少し行き詰まっていました。
伝えたかったことは、先月も書いた通り。
でも、それをどう音にすれば良いのか、随分悩んでいました。
やっぱり、私の気持ちを音に出して代弁してくれる、龍谷大学吹奏楽部のメンバーが、生き生きと語れる言葉を使いたい。
そのときに思い浮かんだのが、その二人です。
思いがけない楽器の組み合わせが、大きなヒント、そしてアイディアになりました。
切なくて、ため息をつくような曲想が続く中に、それに対峙する前向きな要素が加わりました。
悩んで立ち止まるばかりにならないで、今流れている時間を大切に生きたい。そんな音楽。
もちろん、その二人には、これからずっと仲良くいて欲しいけれども、学生と言う立場から社会人になれば当然周りの環境も大きく変わります。ひょっとすると残念だけれども、お互いがそれぞれ自分の決めた道を歩んでいくことになるかもしれません…(;_;)
でも、若き日に出会った大切に想う人と一緒に歩んだ思い出は、「藍色の谷」の中で、色あせること無く光り続けて欲しいのです!
そう思うと、この曲って「たなばた」にとても似ている気がします。
そうですね。タイトルの付け方も♪
全国大会まで、いよいよあと一週間。
作品の中程と最後の方に2回登場する、ClarinetとBaritone Saxophoneのデュエットは一瞬ですので、会場にいらしてくださる方はどうか聞き逃しませんように♪
2008年09月17日
藍色の谷
「三角の山」「お花たちのパーティー!」「波の通り道」の舞台と違って、「藍色の谷」は意外にも我が家から車で30分ほどのところ。
昨年末あたりから、この道を時々通るようになりました。
並木が綺麗な下り坂から、遠くに見える景色がお気に入りです。
といっても、日本ならばどこにでもありそうな、ごくごく普通の景色なのですけれどね。
もちろん、「藍色の谷」は、この場所そのものを描いた曲ではなくて、この道を通るときに私が巡らせる想いを描いた曲。
期待に胸が膨らむことがあれば、想いが満たされずに切なくなったり。
冷静に振る舞おうとしても、熱い想いを抑えきれなくなったり。
でも、この道を歩んでいると、なぜか前向きな気持ちになれる。
そんな私の心の風景を描いた曲。
「心の風景」なんて、つかみ所の無い物を「音」に変換するのに、今回も大きな大きな力を与えてくれるのが、龍谷大学吹奏楽部の皆さん。
メンバー一人一人の音を思い出して、どこで誰を登場させて、何を語ってもらうか?
8分弱と言う時間に合わせて、物語の脚本を作って行くとき、彼らの個性が重要なヒントになり、プランの作成を助けてくれます。
本当にありがたいことです。
ついつい、多くのメンバーに見せ場を作りすぎて、毎回盛り沢山な曲になってしまうのが、永遠の課題なのですけれど。(笑)
冒頭のクラリネットのソロから、最後のティンパニの超絶技巧まで、聴き所、見所は満載ですので、10月25日の全国大会には、ぜひ応援にいらしてくださいね。会場は大阪国際会議場です。
ちなみに、この下り坂の途中にある左カーブ、どこでブレーキをどのくらい掛けたら、安全、快適、かつスマートに曲がれるか、こだわっています。(笑)
あ。
周囲は閑静な住宅地ですので、くれぐれもチャーターバスで押し掛けて「うた合奏」は、ご遠慮くださいね♪(笑)
昨年末あたりから、この道を時々通るようになりました。
並木が綺麗な下り坂から、遠くに見える景色がお気に入りです。
といっても、日本ならばどこにでもありそうな、ごくごく普通の景色なのですけれどね。
もちろん、「藍色の谷」は、この場所そのものを描いた曲ではなくて、この道を通るときに私が巡らせる想いを描いた曲。
期待に胸が膨らむことがあれば、想いが満たされずに切なくなったり。
冷静に振る舞おうとしても、熱い想いを抑えきれなくなったり。
でも、この道を歩んでいると、なぜか前向きな気持ちになれる。
そんな私の心の風景を描いた曲。
「心の風景」なんて、つかみ所の無い物を「音」に変換するのに、今回も大きな大きな力を与えてくれるのが、龍谷大学吹奏楽部の皆さん。
メンバー一人一人の音を思い出して、どこで誰を登場させて、何を語ってもらうか?
8分弱と言う時間に合わせて、物語の脚本を作って行くとき、彼らの個性が重要なヒントになり、プランの作成を助けてくれます。
本当にありがたいことです。
ついつい、多くのメンバーに見せ場を作りすぎて、毎回盛り沢山な曲になってしまうのが、永遠の課題なのですけれど。(笑)
冒頭のクラリネットのソロから、最後のティンパニの超絶技巧まで、聴き所、見所は満載ですので、10月25日の全国大会には、ぜひ応援にいらしてくださいね。会場は大阪国際会議場です。
ちなみに、この下り坂の途中にある左カーブ、どこでブレーキをどのくらい掛けたら、安全、快適、かつスマートに曲がれるか、こだわっています。(笑)
あ。
周囲は閑静な住宅地ですので、くれぐれもチャーターバスで押し掛けて「うた合奏」は、ご遠慮くださいね♪(笑)
2008年04月15日
飛騨山娘
3月16日、飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラの演奏会で、私が編曲した「飛騨山娘」と言う作品をアンコールで演奏して頂きました。
2006年に初演して頂き、昨年、そして今年と、3回の演奏会で、いつも演奏会の最後に演奏して頂いています。
原曲は、戦後、飛騨地方で音楽の教員をしていた山下笛朗さんと言う方が作曲された、素朴で美しい歌曲で、高山に暮らす人たちの間で愛されている作品だけに、オーケストラでこの作品が演奏されると言うのは、とても特別なことのようです。
それにしても、このオーケストラ!
東京のオーケストラで活躍する名手ばかりを集めた、豪華なオーケストラで、凄くうまいですよ!!!
演奏会後のレセプションで、東京フィルの首席奏者も務める、フルート奏者の斉藤和志さんと♪
2006年に初演して頂き、昨年、そして今年と、3回の演奏会で、いつも演奏会の最後に演奏して頂いています。
原曲は、戦後、飛騨地方で音楽の教員をしていた山下笛朗さんと言う方が作曲された、素朴で美しい歌曲で、高山に暮らす人たちの間で愛されている作品だけに、オーケストラでこの作品が演奏されると言うのは、とても特別なことのようです。
それにしても、このオーケストラ!
東京のオーケストラで活躍する名手ばかりを集めた、豪華なオーケストラで、凄くうまいですよ!!!
演奏会後のレセプションで、東京フィルの首席奏者も務める、フルート奏者の斉藤和志さんと♪
2007年06月15日
日本の歌による楽器紹介
久しぶりに大阪市音楽団の依頼で作曲しました。編曲と言った方が良いかも知れません。
日本の歌のメロディーに乗せて、吹奏楽で使われる楽器を次々に紹介して行く曲です。
「春の小川」でフルートとピッコロ、
「花(滝廉太郎)」でオーボエ、
「めだかの学校」でクラリネット(バス、アルト、ベー、エス)
「茶摘み」でサクソフォン(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)
「こいのぼり」でホルン、
「夏の思い出」でトランペット、
「小さい秋見つけた」でトロンボーン、
「夕やけこやけ」でユーフォニアム、
「赤とんぼ」でコントラバスとチューバ、
「たきび」で打楽器。
と言う具合に紹介しています。特に木管楽器は同族楽器の紹介ももれなくしたり、間奏にも凝ってしまったので、演奏時間が16分と、初演を予定していた演奏会の尺に収まらず、前日の練習で大幅カットになってしまいましたが、5月22日の小学生向けの鑑賞会で、無事に初演されました。
全曲版は、「日本の歌による楽器の四季彩」と言う新たなタイトルで、7月21日の演奏会にてお披露目予定です。
写真は、初演の指揮をして下さった、吉田行地さんと、ピロティーホールの楽屋廊下で。
日本の歌のメロディーに乗せて、吹奏楽で使われる楽器を次々に紹介して行く曲です。
「春の小川」でフルートとピッコロ、
「花(滝廉太郎)」でオーボエ、
「めだかの学校」でクラリネット(バス、アルト、ベー、エス)
「茶摘み」でサクソフォン(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)
「こいのぼり」でホルン、
「夏の思い出」でトランペット、
「小さい秋見つけた」でトロンボーン、
「夕やけこやけ」でユーフォニアム、
「赤とんぼ」でコントラバスとチューバ、
「たきび」で打楽器。
と言う具合に紹介しています。特に木管楽器は同族楽器の紹介ももれなくしたり、間奏にも凝ってしまったので、演奏時間が16分と、初演を予定していた演奏会の尺に収まらず、前日の練習で大幅カットになってしまいましたが、5月22日の小学生向けの鑑賞会で、無事に初演されました。
全曲版は、「日本の歌による楽器の四季彩」と言う新たなタイトルで、7月21日の演奏会にてお披露目予定です。
写真は、初演の指揮をして下さった、吉田行地さんと、ピロティーホールの楽屋廊下で。
2007年05月15日
12年越しの初演
5月5日、ヴァイオリン教室の発表会で伴奏をさせてもらったのですが、そのときに、ヴァイオリンの大西秀朋くんと弦楽合奏のお手伝いに来てくれているチェロの上野達弘くんの二人に、1995年の秋に作曲した、ヴァイオリンとチェロの為の「ソナチネ」と言う作品を初演して頂きました。
最初は、ヴァイオリン教室の先生が「上野くんも何かソロを弾かない?」と尋ねられて、「ソロはちょっと大変ですが、大西くんも一緒にトリオならば」と言うことになって、私のピアノを交えて、三重奏を演奏しようか?と言う方向に話が進みかけたのですが、ふと思い出したのが、12年前に書いたこの曲。
大学院生時代、作品発表会の為に書いた作品なのですが、演奏してくれる人がどうしても見つからず、作品が出来ているにもかかわらず、発表することが出来なかったと言う、とても残念な思いをした作品です。
すでに30曲以上、伴奏することになっていた私の負担も軽くなるし、初演してもらえれば一石二鳥かも?と、お願いしたところ、お二人とも引き受けて下さり、作曲してから12年目にして、音になりました。
ひたすら催促をされ続けて、初演の10日前に、ようやく作品が完成すると言うことも、やってしまう私ですが、作品が出来てからなかなか音にならないもの、なっていないものもあるので、やはり苦労して書いた譜面が音になると言うのは嬉しいです。
さて、作曲当時、弦楽器の書法に慣れていなかったこともあって、相当演奏は難しかったようですが、忙しいスケジュールの合間に、なんとか時間を作って本番では素敵な演奏をして頂きました。
フラジオのグリッサンドが結構たくさん出てくるのですが、Vn.の大西くんは、なんと左手の親指の爪を使うと言う必殺技を繰り出していました。楽器を首だけで支えて、左手を楽器の左上から親指の爪でG線を滑らす(こする?)姿は、非常に斬新で、客席で聴いていた東京フィルコンマスの三浦さんも「面白いことやっていたね〜、『火の鳥』でやってみようか?」なんて仰っていました。(笑)
写真は、演奏が終わった後に楽屋で撮ってもらったもの。
左端から、チェロの上野達弘くん。中央がヴァイオリンの大西秀朋くん。そして私。
上野くんも大西くんも京都大学のオーケストラの出身。大西くんは、大手電機メーカーで働いていましたが、プロのヴァイオリン奏者に転向。しっかり演奏活動を続けているのだから大した物です。上野くんは、立教大学法学部の准教授。講義や研究活動などの激務をこなしながら、チェロの演奏を続けている私の大切な友人です。
大西くんが、ご自身のブログで、この初演に関する記事を書いてくれているので、ぜひそちらもご覧下さい。
最初は、ヴァイオリン教室の先生が「上野くんも何かソロを弾かない?」と尋ねられて、「ソロはちょっと大変ですが、大西くんも一緒にトリオならば」と言うことになって、私のピアノを交えて、三重奏を演奏しようか?と言う方向に話が進みかけたのですが、ふと思い出したのが、12年前に書いたこの曲。
大学院生時代、作品発表会の為に書いた作品なのですが、演奏してくれる人がどうしても見つからず、作品が出来ているにもかかわらず、発表することが出来なかったと言う、とても残念な思いをした作品です。
すでに30曲以上、伴奏することになっていた私の負担も軽くなるし、初演してもらえれば一石二鳥かも?と、お願いしたところ、お二人とも引き受けて下さり、作曲してから12年目にして、音になりました。
ひたすら催促をされ続けて、初演の10日前に、ようやく作品が完成すると言うことも、やってしまう私ですが、作品が出来てからなかなか音にならないもの、なっていないものもあるので、やはり苦労して書いた譜面が音になると言うのは嬉しいです。
さて、作曲当時、弦楽器の書法に慣れていなかったこともあって、相当演奏は難しかったようですが、忙しいスケジュールの合間に、なんとか時間を作って本番では素敵な演奏をして頂きました。
フラジオのグリッサンドが結構たくさん出てくるのですが、Vn.の大西くんは、なんと左手の親指の爪を使うと言う必殺技を繰り出していました。楽器を首だけで支えて、左手を楽器の左上から親指の爪でG線を滑らす(こする?)姿は、非常に斬新で、客席で聴いていた東京フィルコンマスの三浦さんも「面白いことやっていたね〜、『火の鳥』でやってみようか?」なんて仰っていました。(笑)
写真は、演奏が終わった後に楽屋で撮ってもらったもの。
左端から、チェロの上野達弘くん。中央がヴァイオリンの大西秀朋くん。そして私。
上野くんも大西くんも京都大学のオーケストラの出身。大西くんは、大手電機メーカーで働いていましたが、プロのヴァイオリン奏者に転向。しっかり演奏活動を続けているのだから大した物です。上野くんは、立教大学法学部の准教授。講義や研究活動などの激務をこなしながら、チェロの演奏を続けている私の大切な友人です。
大西くんが、ご自身のブログで、この初演に関する記事を書いてくれているので、ぜひそちらもご覧下さい。
2007年04月15日
トロンボーンとクラリネット
今からちょうど一年前、プライベートなことでとてもショックな出来事があり、毎日のように涙を流して過ごしていました。
その時の気持ちをノートに書き留めていたのですが、4月3日から18日までで60ページのノートを一冊使い切っていました。改めて読み返してみると、その時のことを思い出して少しばかり苦しくなりましたが、今の私にとって大切な経験だったのかも知れません。
そんな辛い時期に書いたのが、「トロンボーンと吹奏楽の為の協奏曲」です。3楽章からなる20分ほどの曲。思えば、あれほど辛いときに、よくこれだけの曲を書けたなと思います。
1楽章はf-moll:多少シベリウスのVn.協奏曲の影響があるかもしれません。(特にTimpaniの使い方に)私の作品にしてはドラマチックな曲想が特徴かもしれません。
2楽章はF-dur:シューマンのピアノ協奏曲の2楽章を少し意識しています。この楽章では独奏Trb.と対等にClarinetのソロが重要な役割を果たします。ある時はTrb.とCl.が対話し、ある時は共にユニゾンで歌います。
3楽章はf-moll:ビゼーの影響があるかも。Trb.の凛々しい音色を生かした舞曲のような曲想ですが、中間部ではTrb.がロマンチックに朗々としたメロディーを歌います。
と、自分でも「影響を受けたな〜」と思う作曲家がはっきりした曲なのですが、やっぱりそれでもこの時の自分でないと書けなかった曲だと改めて思います。2楽章を書く時のヒントをくれたやっちゃん、どうもありがとうね。(笑)
写真は、2006年5月28日の初演後、秋田県の湯沢市文化会館で。独奏Tromboneを演奏してくれた(2007年1月よりNHK交響楽団首席奏者を務める)新田幹男君と、2楽章で素敵なClarinetのソロを聴かせてくれた秋田県立湯沢高校吹奏楽部の白石さん。そしてちょっぴり笑顔の私です。
その時の気持ちをノートに書き留めていたのですが、4月3日から18日までで60ページのノートを一冊使い切っていました。改めて読み返してみると、その時のことを思い出して少しばかり苦しくなりましたが、今の私にとって大切な経験だったのかも知れません。
そんな辛い時期に書いたのが、「トロンボーンと吹奏楽の為の協奏曲」です。3楽章からなる20分ほどの曲。思えば、あれほど辛いときに、よくこれだけの曲を書けたなと思います。
1楽章はf-moll:多少シベリウスのVn.協奏曲の影響があるかもしれません。(特にTimpaniの使い方に)私の作品にしてはドラマチックな曲想が特徴かもしれません。
2楽章はF-dur:シューマンのピアノ協奏曲の2楽章を少し意識しています。この楽章では独奏Trb.と対等にClarinetのソロが重要な役割を果たします。ある時はTrb.とCl.が対話し、ある時は共にユニゾンで歌います。
3楽章はf-moll:ビゼーの影響があるかも。Trb.の凛々しい音色を生かした舞曲のような曲想ですが、中間部ではTrb.がロマンチックに朗々としたメロディーを歌います。
と、自分でも「影響を受けたな〜」と思う作曲家がはっきりした曲なのですが、やっぱりそれでもこの時の自分でないと書けなかった曲だと改めて思います。2楽章を書く時のヒントをくれたやっちゃん、どうもありがとうね。(笑)
写真は、2006年5月28日の初演後、秋田県の湯沢市文化会館で。独奏Tromboneを演奏してくれた(2007年1月よりNHK交響楽団首席奏者を務める)新田幹男君と、2楽章で素敵なClarinetのソロを聴かせてくれた秋田県立湯沢高校吹奏楽部の白石さん。そしてちょっぴり笑顔の私です。
2007年03月15日
私の好きな女の子
と言うタイトルの、クラリネットオーケストラの為の作品があります。1999年に作曲、そして初演されました。
タイトルがタイトルだけに、結構注目を集めましたが、初演のプログラムノートも少しばかり話題になりました。
こちらでご紹介しましょう。
**
君と初めて会ったとき
君は一番前の席で
小さなクラリネットを持って
大きな目をくるくるさせながら
僕の話を聞いていたよね
君はこの小さなクラリネットが
大好きだと言っていたよね
僕が作った新しい曲では
この小さなクラリネットが大活躍するよ
君がフルートと音を合わせるのに苦労していた
高い「ミ」よりもっと高い音も出てくるよ
コンクールの会場で
小さな手を大きく振って
元気な声で僕の名前を呼んでくれたよね
あのとき君がうんうん言いながら運んでいた
バスクラリネットよりもずっと大きくて低い音の出る
コントラバスクラリネットって言う楽器も登場するよ
君のいた学校にはなかったけれども
アルトクラリネットって言う楽器もあって
僕の作った曲はどの楽器にもいっぱいメロディーがあるんだ
先輩のクラリネットの音は優しい風のようで
私の音は遊園地みたい
そんなことを君は言っていたっけ?
でもクラリネットって
楽しい音や悲しい音
そしてとっても優しい音
本当に色々な音が出せるんだよ
だから僕も広い緑の原っぱを吹き抜けていく優しい風
遊園地で楽しそうに回るメリーゴーランド
そして君とあった時のこと
色々な場面を思い浮かべながら
この曲を作ったんだ!
今日はこの曲を
君と同じようにクラリネットが大好きで
毎日一生懸命この楽器を勉強している
お兄さんやお姉さん達が演奏してくれるよ
素敵な演奏がきっと君のところまで届きますように!
**
1996年。当時、大学院をなんとか修了し「たなばた」「おおみそか」と2曲の吹奏楽作品が出版されてはいたものの、作曲だけで食べて行くにはほど遠く、主にピアノのバイトに精を出していて(ピアノを弾くのも好きだったので)作曲することへの情熱も失いつつありました。
でもそんな時、ふとしたことで、私の「たなばた」を演奏すると言う中学校の吹奏楽部の指導に出向くことになりました。そしてそこで出会ったのが、このプログラムノートに登場する「小さなクラリネットを持った女の子」でした。
本当に可愛くてエスクラが大好きで、そして私の作品を愛してくれていることが、素直に伝わってきて、嬉しかったです。と言うか、自分の曲をあれだけ「大好き!」と言われたことがそれまでなかったので、ちょっと信じられないくらいの幸福感に包まれて、作曲に対して自信を失いかけていた自分にとって、心強い存在でした。
そして、彼女が大好きだったエスクラ!実は私、高校時代、吹奏楽部に所属していたものの、私の学校にはエスクラは無く、高校時代に書いた「たなばた」と言う曲のエスクラは、かなりぞんざいな扱いだったりします。音大に入って多少その存在は認識したものの、ひとつの楽器としては大して注目していませんでした。
でも、彼女に出会ってからは私もエスクラと言う楽器に興味を持つようになりました。当時彼女は中2でしたが、エスクラがとても上手で彼女のチャーミングな音色、何より目を輝かせて生き生きとエスクラを演奏する姿に心から惹かれました。
そんな彼女に元気を貰えたこともあって、私はまたポツポツと作品を書くようになりました。
そして1998年、私は奈良県吹奏楽連盟の委嘱で新作を書くことになりました。しかも初演は大阪市音楽団!自分の作品が大舞台でしかもプロのバンドで演奏して貰える!もちろん嬉しかったです。
その時にふと思い浮かんだのが、あのエスクラの女の子です。出来れば初演を聴きに来て貰いたい!
私は、彼女の出身中学校の先生に連絡を取りました。「あの子はどうしていますか?どちらの高校に進学されましたか?新作の初演を聴きに来て貰いたいのですが連絡は取れますか?」
返って来た言葉は…信じられないものでした…
急性の血液疾患で中3の時に亡くなった、と…僅か15年の生涯…
私、泣きました。今でもあの時の事を思い出すと涙が浮かびます…。それまで親しい人の死を経験したことが無かった訳でも無いのに、「あの子に二度と会えないの?」「もう二度とあの子のエスクラを聴けないの?」「もう二度とあの子に私の新しい曲を吹いて貰えないの?」そう思うと悲しみが止まりませんでした…
もう、作曲を続けても仕方が無いような気すらしました…
でもそんな落ち込んだ私に、母校である大阪音楽大学Clarinet科教授の本田先生が「クラオケの新作を書いてくれない?」と頼んでくれました。その時に書いたのが、「私の好きな女の子」と言う曲です。
エスクラの魅力を私に教えてくれたあの子。
作曲を続ける私の心の支えとなってくれたあの子。
彼女に「ありがとう」の気持を込めて書きました。そして今度は彼女が私に伝えてくれたように、私がエスクラの魅力をみんなに伝えたいと思いました。そしていつか、エスクラと吹奏楽の為の協奏曲を書いてみたいと思っていました。そして書いたのが、18日に東京芸術劇場で開催される、第10回「響宴」で初演して頂く「ちびクラと吹奏楽の為のちっちゃな協奏曲」と言う作品です。
初演でエスクラのソロを引き受けてくれた、小谷口直子さんから、私のエスクラ観を知りたい、と尋ねられましたが、私のエスクラ観は、その彼女の人生です。小さな身体で、可愛くてチャーミングで、でもとても素直で何事にも前向きで、とにかく健気で…
小谷口さんが練習のときにエスクラを持って「可愛いでしょう!」と私に楽器を持たせてくれたことがあったのですが、そのとき小谷口さんと彼女のイメージが重なって、少し胸が熱くなったことがあります。
今でも元気にしていれば今年で25歳になっていたのかと思うと、なんともやりきれない気持もありますが、今でも私の心の支えとなっている子で、私の曲の中で生き続けてくれている。そんな気がします。
小谷口さんは、このブログでも何度か紹介していますが、第71回日本音楽コンクールのクラリネット部門で優勝し、2003年4月に京都市交響楽団に入団。そして2006年4月からは首席クラリネット奏者を務める、日本を代表する若手クラリネット奏者です。もちろん私も、京響の定期演奏会で何度も素敵な演奏(首席になってからはA管B管が中心でEs管を聴く機会は少なくなりましたが)を聴かせてもらい、大ファンでもあるので、今回、私の新作を演奏してもらえることになり、とても嬉しく、光栄に思っています。小谷口さん曰く「エスクラの弱点を集中攻撃してくる、酒井さんの曲じゃなかったら二度と吹きたくない超難曲」らしいですが、並クラに比べてはるかにコントロールの難しいエスクラに、京響の激務もこなしながら、真正面から向き合ってくれています。
バックを務めるのは、これまた私が大変お世話になっている龍谷大学吹奏楽部。指揮はもちろん、若林義人先生です。
こんな素敵なメンバーでの初演。本当に夢のようです。私って幸せかもしれません。
「素敵な演奏がきっと君のところまで届きますように!」
きっと、届くような気がしています。
写真は、「ちびクラの魅力をみんなに伝えるプロジェクト」に大きく貢献してくれた、龍谷大学吹奏楽部の名ちびクラ奏者(2002年春から2006年春まで在籍)入谷真由子さんと。彼女も1回生の時から「三角の山」「森の贈り物」「七五三」と、コンクールで私の難しい?エスクラのパートを見事に演奏してくれましたが、なんと言っても「七五三」のチャーミングなソロがとても印象的です。もちろん、「私の好きな女の子」の一人。(笑)
タイトルがタイトルだけに、結構注目を集めましたが、初演のプログラムノートも少しばかり話題になりました。
こちらでご紹介しましょう。
**
君と初めて会ったとき
君は一番前の席で
小さなクラリネットを持って
大きな目をくるくるさせながら
僕の話を聞いていたよね
君はこの小さなクラリネットが
大好きだと言っていたよね
僕が作った新しい曲では
この小さなクラリネットが大活躍するよ
君がフルートと音を合わせるのに苦労していた
高い「ミ」よりもっと高い音も出てくるよ
コンクールの会場で
小さな手を大きく振って
元気な声で僕の名前を呼んでくれたよね
あのとき君がうんうん言いながら運んでいた
バスクラリネットよりもずっと大きくて低い音の出る
コントラバスクラリネットって言う楽器も登場するよ
君のいた学校にはなかったけれども
アルトクラリネットって言う楽器もあって
僕の作った曲はどの楽器にもいっぱいメロディーがあるんだ
先輩のクラリネットの音は優しい風のようで
私の音は遊園地みたい
そんなことを君は言っていたっけ?
でもクラリネットって
楽しい音や悲しい音
そしてとっても優しい音
本当に色々な音が出せるんだよ
だから僕も広い緑の原っぱを吹き抜けていく優しい風
遊園地で楽しそうに回るメリーゴーランド
そして君とあった時のこと
色々な場面を思い浮かべながら
この曲を作ったんだ!
今日はこの曲を
君と同じようにクラリネットが大好きで
毎日一生懸命この楽器を勉強している
お兄さんやお姉さん達が演奏してくれるよ
素敵な演奏がきっと君のところまで届きますように!
**
1996年。当時、大学院をなんとか修了し「たなばた」「おおみそか」と2曲の吹奏楽作品が出版されてはいたものの、作曲だけで食べて行くにはほど遠く、主にピアノのバイトに精を出していて(ピアノを弾くのも好きだったので)作曲することへの情熱も失いつつありました。
でもそんな時、ふとしたことで、私の「たなばた」を演奏すると言う中学校の吹奏楽部の指導に出向くことになりました。そしてそこで出会ったのが、このプログラムノートに登場する「小さなクラリネットを持った女の子」でした。
本当に可愛くてエスクラが大好きで、そして私の作品を愛してくれていることが、素直に伝わってきて、嬉しかったです。と言うか、自分の曲をあれだけ「大好き!」と言われたことがそれまでなかったので、ちょっと信じられないくらいの幸福感に包まれて、作曲に対して自信を失いかけていた自分にとって、心強い存在でした。
そして、彼女が大好きだったエスクラ!実は私、高校時代、吹奏楽部に所属していたものの、私の学校にはエスクラは無く、高校時代に書いた「たなばた」と言う曲のエスクラは、かなりぞんざいな扱いだったりします。音大に入って多少その存在は認識したものの、ひとつの楽器としては大して注目していませんでした。
でも、彼女に出会ってからは私もエスクラと言う楽器に興味を持つようになりました。当時彼女は中2でしたが、エスクラがとても上手で彼女のチャーミングな音色、何より目を輝かせて生き生きとエスクラを演奏する姿に心から惹かれました。
そんな彼女に元気を貰えたこともあって、私はまたポツポツと作品を書くようになりました。
そして1998年、私は奈良県吹奏楽連盟の委嘱で新作を書くことになりました。しかも初演は大阪市音楽団!自分の作品が大舞台でしかもプロのバンドで演奏して貰える!もちろん嬉しかったです。
その時にふと思い浮かんだのが、あのエスクラの女の子です。出来れば初演を聴きに来て貰いたい!
私は、彼女の出身中学校の先生に連絡を取りました。「あの子はどうしていますか?どちらの高校に進学されましたか?新作の初演を聴きに来て貰いたいのですが連絡は取れますか?」
返って来た言葉は…信じられないものでした…
急性の血液疾患で中3の時に亡くなった、と…僅か15年の生涯…
私、泣きました。今でもあの時の事を思い出すと涙が浮かびます…。それまで親しい人の死を経験したことが無かった訳でも無いのに、「あの子に二度と会えないの?」「もう二度とあの子のエスクラを聴けないの?」「もう二度とあの子に私の新しい曲を吹いて貰えないの?」そう思うと悲しみが止まりませんでした…
もう、作曲を続けても仕方が無いような気すらしました…
でもそんな落ち込んだ私に、母校である大阪音楽大学Clarinet科教授の本田先生が「クラオケの新作を書いてくれない?」と頼んでくれました。その時に書いたのが、「私の好きな女の子」と言う曲です。
エスクラの魅力を私に教えてくれたあの子。
作曲を続ける私の心の支えとなってくれたあの子。
彼女に「ありがとう」の気持を込めて書きました。そして今度は彼女が私に伝えてくれたように、私がエスクラの魅力をみんなに伝えたいと思いました。そしていつか、エスクラと吹奏楽の為の協奏曲を書いてみたいと思っていました。そして書いたのが、18日に東京芸術劇場で開催される、第10回「響宴」で初演して頂く「ちびクラと吹奏楽の為のちっちゃな協奏曲」と言う作品です。
初演でエスクラのソロを引き受けてくれた、小谷口直子さんから、私のエスクラ観を知りたい、と尋ねられましたが、私のエスクラ観は、その彼女の人生です。小さな身体で、可愛くてチャーミングで、でもとても素直で何事にも前向きで、とにかく健気で…
小谷口さんが練習のときにエスクラを持って「可愛いでしょう!」と私に楽器を持たせてくれたことがあったのですが、そのとき小谷口さんと彼女のイメージが重なって、少し胸が熱くなったことがあります。
今でも元気にしていれば今年で25歳になっていたのかと思うと、なんともやりきれない気持もありますが、今でも私の心の支えとなっている子で、私の曲の中で生き続けてくれている。そんな気がします。
小谷口さんは、このブログでも何度か紹介していますが、第71回日本音楽コンクールのクラリネット部門で優勝し、2003年4月に京都市交響楽団に入団。そして2006年4月からは首席クラリネット奏者を務める、日本を代表する若手クラリネット奏者です。もちろん私も、京響の定期演奏会で何度も素敵な演奏(首席になってからはA管B管が中心でEs管を聴く機会は少なくなりましたが)を聴かせてもらい、大ファンでもあるので、今回、私の新作を演奏してもらえることになり、とても嬉しく、光栄に思っています。小谷口さん曰く「エスクラの弱点を集中攻撃してくる、酒井さんの曲じゃなかったら二度と吹きたくない超難曲」らしいですが、並クラに比べてはるかにコントロールの難しいエスクラに、京響の激務もこなしながら、真正面から向き合ってくれています。
バックを務めるのは、これまた私が大変お世話になっている龍谷大学吹奏楽部。指揮はもちろん、若林義人先生です。
こんな素敵なメンバーでの初演。本当に夢のようです。私って幸せかもしれません。
「素敵な演奏がきっと君のところまで届きますように!」
きっと、届くような気がしています。
写真は、「ちびクラの魅力をみんなに伝えるプロジェクト」に大きく貢献してくれた、龍谷大学吹奏楽部の名ちびクラ奏者(2002年春から2006年春まで在籍)入谷真由子さんと。彼女も1回生の時から「三角の山」「森の贈り物」「七五三」と、コンクールで私の難しい?エスクラのパートを見事に演奏してくれましたが、なんと言っても「七五三」のチャーミングなソロがとても印象的です。もちろん、「私の好きな女の子」の一人。(笑)
2006年07月07日
2006年06月03日
2006年03月05日
行進曲「剱の光」(5)
行進曲「剱の光」の初演レポート、第五弾、最終回です。
前回は「剱の光」の紹介を全然していなかったので、ちょっと紹介。と言っても言葉で紹介するのもなかなか難しいですね。
作品の構成は、
・船が波を立てて進む様子を現した動機(A)
・マーチのメインテーマ(イメージとしては勇壮、華麗)(B)
・美しい海の風景を現したテーマ(C)
と言う、三つの要素から成り立っています。
で、フレーズ構成を小節単位で見ると、以下のような感じ。
[1-12](A)による8小節の序奏と、4小節間の「つなぎ」。
[13-28](B)マーチのメインテーマ登場。C-durでTrp.が派手に吹きます。
[29-44](B)マーチのメインテーマ繰り返し、でも後半は次の部分に向けて転調します
[45-60]間奏。後半の8小節間は(A)の要素を使っています。
[61-76](B)マーチのメインテーマ。またやるか!でも、旋律を担当する楽器を変えてみました。
[77-88]小結尾。(A)の要素を使っています。後半4小節間はつなぎ。
[89-104]トリオと呼ばれる部分。Euph.のソロで(C)を演奏。As-durに転調して甘い感じになります。
[105-120](C)を木管楽器で繰り返します。ここの後半8小節は作曲者のお気に入り。
[121-128]展開部。まずは(B)の要素が登場。
[129-142]つづいて(A)の要素が展開します。
[143-152](B)の要素を使ったファンファーレでコーダになだれ込みます。
[153-184]C-durに戻って(C)の要素[89-120]をほぼそっくり再現します。
[185-192](A)(B)の要素で華やかに曲を締めくくります。
演奏時間は3分半くらいです。
今のところ、出版の予定はありませんが、海上自衛隊があちらこちらで演奏してくれれば、そのうち出版の話も出てくるのではと期待しています。
写真は、演奏会のあと、初演をして下さった隊員の方達と。
真っ白な、制服が眩しいですね!
本当にありがとうございました!
このあと、皆さんとお別れして、湾岸長島PAで足湯を楽しんだあと、はまぐりのせんべいを買って大阪への帰路についたのでした。
前回は「剱の光」の紹介を全然していなかったので、ちょっと紹介。と言っても言葉で紹介するのもなかなか難しいですね。
作品の構成は、
・船が波を立てて進む様子を現した動機(A)
・マーチのメインテーマ(イメージとしては勇壮、華麗)(B)
・美しい海の風景を現したテーマ(C)
と言う、三つの要素から成り立っています。
で、フレーズ構成を小節単位で見ると、以下のような感じ。
[1-12](A)による8小節の序奏と、4小節間の「つなぎ」。
[13-28](B)マーチのメインテーマ登場。C-durでTrp.が派手に吹きます。
[29-44](B)マーチのメインテーマ繰り返し、でも後半は次の部分に向けて転調します
[45-60]間奏。後半の8小節間は(A)の要素を使っています。
[61-76](B)マーチのメインテーマ。またやるか!でも、旋律を担当する楽器を変えてみました。
[77-88]小結尾。(A)の要素を使っています。後半4小節間はつなぎ。
[89-104]トリオと呼ばれる部分。Euph.のソロで(C)を演奏。As-durに転調して甘い感じになります。
[105-120](C)を木管楽器で繰り返します。ここの後半8小節は作曲者のお気に入り。
[121-128]展開部。まずは(B)の要素が登場。
[129-142]つづいて(A)の要素が展開します。
[143-152](B)の要素を使ったファンファーレでコーダになだれ込みます。
[153-184]C-durに戻って(C)の要素[89-120]をほぼそっくり再現します。
[185-192](A)(B)の要素で華やかに曲を締めくくります。
演奏時間は3分半くらいです。
今のところ、出版の予定はありませんが、海上自衛隊があちらこちらで演奏してくれれば、そのうち出版の話も出てくるのではと期待しています。
写真は、演奏会のあと、初演をして下さった隊員の方達と。
真っ白な、制服が眩しいですね!
本当にありがとうございました!
このあと、皆さんとお別れして、湾岸長島PAで足湯を楽しんだあと、はまぐりのせんべいを買って大阪への帰路についたのでした。
2006年02月27日
行進曲「剱の光」(その4)
行進曲「剱の光」の初演レポート、第四弾です。
演奏会は満員のお客さん。行進曲「剱の光」も演奏会の比較的初めの方で無事に初演され、あとはすっかりお客さんモードで演奏会を楽しみました。
演奏会の性格上、短くて親しみやすい作品が多かったのですが、私が特に気に入ったのは、
A.シュライナー作曲:次第に短く"IMMMER KLEINER"
プログラムを見た時、どんな曲だか想像がつかなかったのですが、独奏クラリネットとバンドのための作品でした。
クラリネットのソリストが、楽器のケースを持って登場したので、もしや?!と思ったのですが、その通りでした。
華麗なコンチェルトを思わせる曲想、軽やかなクラリネットのソロが一段落して間奏が始まると、ソリストはクラリネットのベルをはずしてケースの中へ。(笑)
ベルをはずして少し短くなった楽器で、またもや軽やかなソロ。それが一段落すると、下管を外してケースの中へ。(お客さん、大いに盛り上がる:笑)
最終的には、マウスピースとバレルだけでの独奏になりました!
下管を外した時点で、出る音はかなり限られてくるわけで、その音を有効に使うために転調していくのですが、その加減が絶妙!かなり気に入りました。
龍谷シンフォニックバンドの演奏会、アンコールに如何でしょう?(ソロはボスか…?)
ピアノ伴奏版の譜面も出版されているようなので、手に入ったら友達にも吹いてもらおう〜
すっかり話が脱線しましたが、写真は演奏会の後、ロビーで横須賀音楽隊の隊長、手塚裕之3等海佐と。
私のジャケット、サイズが大きすぎますね…一つ買わないと…
演奏会は満員のお客さん。行進曲「剱の光」も演奏会の比較的初めの方で無事に初演され、あとはすっかりお客さんモードで演奏会を楽しみました。
演奏会の性格上、短くて親しみやすい作品が多かったのですが、私が特に気に入ったのは、
A.シュライナー作曲:次第に短く"IMMMER KLEINER"
プログラムを見た時、どんな曲だか想像がつかなかったのですが、独奏クラリネットとバンドのための作品でした。
クラリネットのソリストが、楽器のケースを持って登場したので、もしや?!と思ったのですが、その通りでした。
華麗なコンチェルトを思わせる曲想、軽やかなクラリネットのソロが一段落して間奏が始まると、ソリストはクラリネットのベルをはずしてケースの中へ。(笑)
ベルをはずして少し短くなった楽器で、またもや軽やかなソロ。それが一段落すると、下管を外してケースの中へ。(お客さん、大いに盛り上がる:笑)
最終的には、マウスピースとバレルだけでの独奏になりました!
下管を外した時点で、出る音はかなり限られてくるわけで、その音を有効に使うために転調していくのですが、その加減が絶妙!かなり気に入りました。
龍谷シンフォニックバンドの演奏会、アンコールに如何でしょう?(ソロはボスか…?)
ピアノ伴奏版の譜面も出版されているようなので、手に入ったら友達にも吹いてもらおう〜
すっかり話が脱線しましたが、写真は演奏会の後、ロビーで横須賀音楽隊の隊長、手塚裕之3等海佐と。
私のジャケット、サイズが大きすぎますね…一つ買わないと…
2006年02月23日
行進曲「剱の光」(その3)
行進曲「剱の光」の初演レポート、第三弾です。
リハーサルが終わった後、開演まで少し時間が合ったので、指揮者の小林1尉に、若い隊員さんと一緒にお茶を御馳走になりました。
私のすぐ隣に座っている女性隊員さんは。大阪音楽大学の後輩です。愛用のバストロは彼女の師匠で京響トロンボーン奏者の小西さんのお古だそうです。世の中狭いな〜と思ったら、彼女の中学時代の友人は、龍谷大学の吹奏楽部で、私の「Mi-na-to」の1st Clarinetを吹いてくれたKさんと言うことが判明。さらに明浄学院高校時代の友人も何人か龍大のメンバーで知っている名前が次々と!世の中狭すぎます。(笑)
手前の窓側に座っている女性隊員さんはトランペット。「最初のGが鳴らないんです〜なんでいきなりこんなに低い音なんですか〜?」とダメ出しをされました。(笑)
そうなのです。行進曲との依頼だったので、確かに人が歩ける行進曲ではあるのですが、海上自衛隊からの依頼ですから、まず思い浮かぶのが船、そして海。船が颯爽と波の上を駆けていく様子をイメージしたモチーフで序奏が始まるのですが、6小節目に登場するトランペットの低いGの音は「船の汽笛」。(笑)
自衛隊の船が、どんな汽笛を鳴らすのか聞いたことがないので、私の想像なのですが、「力強く、でも渋い音」を求めて、トロンボーンやホルンではなく、あえてトランペットの低い音を使ってみました。
別に特別低い音でもなくて、シューベルトのグレートの2nd Trp.にもたくさん出てくる音なのですが、曲の一番最初に"f"で吹くのは少々シビアだそうです。ちなみにこの行進曲のトランペットは4パート。最初のGは全員で吹きます。
ちなみにこの行進曲。C-dur、2/4拍子です。
さて、写真左側に写っている男性の隊員さんは、手前の方がClarinetかSaxophone、奥の方がTubaだったと思います。さすがに半年以上経つと記憶が…(女性はちゃんと覚えているのに…爆)
リハーサルが終わった後、開演まで少し時間が合ったので、指揮者の小林1尉に、若い隊員さんと一緒にお茶を御馳走になりました。
私のすぐ隣に座っている女性隊員さんは。大阪音楽大学の後輩です。愛用のバストロは彼女の師匠で京響トロンボーン奏者の小西さんのお古だそうです。世の中狭いな〜と思ったら、彼女の中学時代の友人は、龍谷大学の吹奏楽部で、私の「Mi-na-to」の1st Clarinetを吹いてくれたKさんと言うことが判明。さらに明浄学院高校時代の友人も何人か龍大のメンバーで知っている名前が次々と!世の中狭すぎます。(笑)
手前の窓側に座っている女性隊員さんはトランペット。「最初のGが鳴らないんです〜なんでいきなりこんなに低い音なんですか〜?」とダメ出しをされました。(笑)
そうなのです。行進曲との依頼だったので、確かに人が歩ける行進曲ではあるのですが、海上自衛隊からの依頼ですから、まず思い浮かぶのが船、そして海。船が颯爽と波の上を駆けていく様子をイメージしたモチーフで序奏が始まるのですが、6小節目に登場するトランペットの低いGの音は「船の汽笛」。(笑)
自衛隊の船が、どんな汽笛を鳴らすのか聞いたことがないので、私の想像なのですが、「力強く、でも渋い音」を求めて、トロンボーンやホルンではなく、あえてトランペットの低い音を使ってみました。
別に特別低い音でもなくて、シューベルトのグレートの2nd Trp.にもたくさん出てくる音なのですが、曲の一番最初に"f"で吹くのは少々シビアだそうです。ちなみにこの行進曲のトランペットは4パート。最初のGは全員で吹きます。
ちなみにこの行進曲。C-dur、2/4拍子です。
さて、写真左側に写っている男性の隊員さんは、手前の方がClarinetかSaxophone、奥の方がTubaだったと思います。さすがに半年以上経つと記憶が…(女性はちゃんと覚えているのに…爆)
2006年02月19日
2006年02月15日
行進曲「剱の光」(その1)
みなさま、覚えているでしょうか?2005年7月26日の記事を。
と言うわけで、随分初演から時間が経ってしまいましたが、2005年7月24日、三重県桑名市で初演された、行進曲「剱の光」の初演レポート、序章に続き、今日が第一弾です。(やっちゃん!お待たせ!)
今回の作品は、海上自衛隊横須賀音楽隊の委嘱作品と言うことで、私にしては?何やら勇ましいタイトルがついています。「つるぎのひかり」と読みますが、これは刃物に光が差して「きら〜ん」と反射しているのではなく、海上自衛隊横須賀基地の近くにある、三浦半島にある灯台。剱崎灯台にヒントを得ています。だから字も「剣」じゃなくて「剱」。ちなみに場所はここ。
そうなのです。海に囲まれた我が国を守るため、日々任務にあたる自衛隊の艦船を送りだし、また迎える灯台の光。様々な色彩を見せる雄大な海、そこを航行する船の颯爽とした姿こそが、この作品のモチーフなのです。
と言うわけで、写真は初演の指揮をして下さった、小林一孝1等海尉と。
と言うわけで、随分初演から時間が経ってしまいましたが、2005年7月24日、三重県桑名市で初演された、行進曲「剱の光」の初演レポート、序章に続き、今日が第一弾です。(やっちゃん!お待たせ!)
今回の作品は、海上自衛隊横須賀音楽隊の委嘱作品と言うことで、私にしては?何やら勇ましいタイトルがついています。「つるぎのひかり」と読みますが、これは刃物に光が差して「きら〜ん」と反射しているのではなく、海上自衛隊横須賀基地の近くにある、三浦半島にある灯台。剱崎灯台にヒントを得ています。だから字も「剣」じゃなくて「剱」。ちなみに場所はここ。
そうなのです。海に囲まれた我が国を守るため、日々任務にあたる自衛隊の艦船を送りだし、また迎える灯台の光。様々な色彩を見せる雄大な海、そこを航行する船の颯爽とした姿こそが、この作品のモチーフなのです。
と言うわけで、写真は初演の指揮をして下さった、小林一孝1等海尉と。
2006年02月11日
舞踏会
「夢、そして舞踏会」初演レポート第三弾です!
今回の依頼の際「高校生でも演奏可能な」と言うことだったので、長瀬さんにも譜面をチェックしてもらったのですが「頑張ったら高校生でも十分演奏できる」とのお言葉を頂きました。ピアノもこのくらい弾ける高校生はいくらでもいるでしょう。ショパンのエチュードよりかはずっと易しいはずです。(笑)
演奏会前、仕事も忙しく、なかなか練習の時間もとれなかったようですが、本番では大勢のお客さんの前で、素敵な演奏をしていただきました。
そして、何よりも嬉しいのが、新谷さん自身の演奏で、すでに2回の再演予定があると言うことです!
3月21日に、淡路島のしづかホールと、4月17日に奈良市の秋篠音楽堂です!
詳しい情報が分かりましたら、またお知らせしますが、今回の初演を聴くことが出来なかった!と言うみなさん!ぜひ、お出かけ下さいね!
さて、プログラムに「私を応援してくれる人がいない」みたいなことを書いてしまいましたが、とんでもない話です。
当日は、新谷さんと土居さんに、勇気づけられる演奏をしていただけたのは、これからも私が作曲を続けていくための最大の応援だったし、ミックスベジタブルトロンボーンカルテットのメンバーや、龍谷シンフォニックバンドのメンバーなど、遠くから私の友人も演奏会に駆け付けてくれました。
みなさんの応援、そして暖かい感想の言葉がとても嬉しかったです。本当にありがとう!
■JUNKOさん(龍谷シンフォニックバンド)の感想
■新谷さんの初演レポート
こちらも、ぜひご覧下さいね♪
写真:1月2日に新谷邸の新年会にて、譜面をチェックして下さった長瀬敏和さん、そして新谷さんのお嬢さんと。
今回の依頼の際「高校生でも演奏可能な」と言うことだったので、長瀬さんにも譜面をチェックしてもらったのですが「頑張ったら高校生でも十分演奏できる」とのお言葉を頂きました。ピアノもこのくらい弾ける高校生はいくらでもいるでしょう。ショパンのエチュードよりかはずっと易しいはずです。(笑)
演奏会前、仕事も忙しく、なかなか練習の時間もとれなかったようですが、本番では大勢のお客さんの前で、素敵な演奏をしていただきました。
そして、何よりも嬉しいのが、新谷さん自身の演奏で、すでに2回の再演予定があると言うことです!
3月21日に、淡路島のしづかホールと、4月17日に奈良市の秋篠音楽堂です!
詳しい情報が分かりましたら、またお知らせしますが、今回の初演を聴くことが出来なかった!と言うみなさん!ぜひ、お出かけ下さいね!
さて、プログラムに「私を応援してくれる人がいない」みたいなことを書いてしまいましたが、とんでもない話です。
当日は、新谷さんと土居さんに、勇気づけられる演奏をしていただけたのは、これからも私が作曲を続けていくための最大の応援だったし、ミックスベジタブルトロンボーンカルテットのメンバーや、龍谷シンフォニックバンドのメンバーなど、遠くから私の友人も演奏会に駆け付けてくれました。
みなさんの応援、そして暖かい感想の言葉がとても嬉しかったです。本当にありがとう!
■JUNKOさん(龍谷シンフォニックバンド)の感想
■新谷さんの初演レポート
こちらも、ぜひご覧下さいね♪
写真:1月2日に新谷邸の新年会にて、譜面をチェックして下さった長瀬敏和さん、そして新谷さんのお嬢さんと。
2006年02月07日
そして
「夢、そして舞踏会」初演レポート第二弾です!
作品の構想を色々と考えている時、新谷さんのお嬢さんが10歳の誕生日を迎えて、その時に新谷さんのブログを見て、胸が熱くなったのを今でも覚えています。そう言えば、ステーキを御馳走になった後、枚方まで送ってもらったのですが、お嬢さんは帰りに車の中で寝てしまったらしく(そりゃ、もう真夜中でしたから)そんなことを思い出していたら、「娘がやりたい道を見つけた時」→「夢」そんな言葉が浮かんで、「そうだ、前半が夢で、後半が夢に向かって羽ばたく様子にしよう!」とアイディアが閃いたのです。
「夢」と言えば「夜」。「夜」と言えば「夜想曲」。そう言えば、2004年に発表した「夜想曲第二番」の初演を聴きに来てくれたやっちゃんが、「誰もいないお城で、二人きりの舞踏会!」なんてメルヘンチックな感想を伝えてきてくれたのを思い出して、「舞踏会!」そうだ、やっぱり大人になって「舞踏会デビュー!」後半は、ワルツにしよう!夢に向かって羽ばたいていくイメージにもぴったり!
そんないきさつを経て、この曲は完成したのでした。
やっぱり、曲のアイディアって、どこに転がっているか分からないけれど、初演してくれる演奏家との思い出から、創作のきっかけが出来ると言うのは、私としては嬉しいことです。
と言うわけで、前半がDes-durで3/4拍子、ゆったりとしたテンポの「夢」後半は、As-durの「舞踏会」もちろん3/4拍子、Tempo di Valseです。
「夢」の部分は、いかにも「夢」っぽいメロディーが何度か現れるのですが、その間に「ちょっぴり寂しい思いをさせた」部分が挿入されたり、「夢」の最後の部分は、夢の扉を開けるのに「ちょっと不安を感じる場面」なんかも表現してみました。(ちなみに長瀬さんは、この部分が気に入ってくれたらしいです)
「舞踏会」は、第一主題がワルツようの新しい主題(と言っても「寂しい」メロディーの変奏)、第二主題が「夢」の主題とする、ソナタ形式。短いながらも展開部とコーダを備えています。
演奏時間は、約10分。(つづく)
写真:今回の演奏会でお世話になった、島村楽器奈良店店長、吉村さん。だったかな…(汗)でしたよね。
作品の構想を色々と考えている時、新谷さんのお嬢さんが10歳の誕生日を迎えて、その時に新谷さんのブログを見て、胸が熱くなったのを今でも覚えています。そう言えば、ステーキを御馳走になった後、枚方まで送ってもらったのですが、お嬢さんは帰りに車の中で寝てしまったらしく(そりゃ、もう真夜中でしたから)そんなことを思い出していたら、「娘がやりたい道を見つけた時」→「夢」そんな言葉が浮かんで、「そうだ、前半が夢で、後半が夢に向かって羽ばたく様子にしよう!」とアイディアが閃いたのです。
「夢」と言えば「夜」。「夜」と言えば「夜想曲」。そう言えば、2004年に発表した「夜想曲第二番」の初演を聴きに来てくれたやっちゃんが、「誰もいないお城で、二人きりの舞踏会!」なんてメルヘンチックな感想を伝えてきてくれたのを思い出して、「舞踏会!」そうだ、やっぱり大人になって「舞踏会デビュー!」後半は、ワルツにしよう!夢に向かって羽ばたいていくイメージにもぴったり!
そんないきさつを経て、この曲は完成したのでした。
やっぱり、曲のアイディアって、どこに転がっているか分からないけれど、初演してくれる演奏家との思い出から、創作のきっかけが出来ると言うのは、私としては嬉しいことです。
と言うわけで、前半がDes-durで3/4拍子、ゆったりとしたテンポの「夢」後半は、As-durの「舞踏会」もちろん3/4拍子、Tempo di Valseです。
「夢」の部分は、いかにも「夢」っぽいメロディーが何度か現れるのですが、その間に「ちょっぴり寂しい思いをさせた」部分が挿入されたり、「夢」の最後の部分は、夢の扉を開けるのに「ちょっと不安を感じる場面」なんかも表現してみました。(ちなみに長瀬さんは、この部分が気に入ってくれたらしいです)
「舞踏会」は、第一主題がワルツようの新しい主題(と言っても「寂しい」メロディーの変奏)、第二主題が「夢」の主題とする、ソナタ形式。短いながらも展開部とコーダを備えています。
演奏時間は、約10分。(つづく)
写真:今回の演奏会でお世話になった、島村楽器奈良店店長、吉村さん。だったかな…(汗)でしたよね。
2006年02月03日
夢、
1月28日、Alto SaxophoneとPianoのための新作「夢、そして舞踏会」が、奈良県大和郡山市にある、やまと郡山城ホールで初演されました。
と言うわけで初演のレポート第一弾です!
写真は、演奏会の後、初演をして下さったSaxophone奏者の新谷紀子さん(向かって右側)とPianistの土居由枝さん。フラッシュが届かなかったのか、写真があまりにも暗かったので、ちょっと明るく加工してみました。Photoshopで便利ですね〜
さてさて、新谷さんは、演奏活動の傍ら、奈良県の島村楽器でSaxophoneの指導もされているSaxophone奏者で、「山辺の道」を初演してくれたNara Wind Concert Familyに賛助出演されていたり、何かとお世話になっている大阪市音楽団のコンサートマスターでSaxophone奏者の長瀬敏和さんのお弟子さんでもある、そんな色々な御縁もあり親しくなり、今回新作を書かせて頂けることになりました。
また、新谷さんは音楽家であると同時に、母親でもあって、昨年8月、新作の依頼を受けた時にステーキを御馳走になったのですが、その時、お嬢さんにもお会いしました。この出会いが、今回の作品が生まれる大きなきっかけになりました。(つづく)
と言うわけで初演のレポート第一弾です!
写真は、演奏会の後、初演をして下さったSaxophone奏者の新谷紀子さん(向かって右側)とPianistの土居由枝さん。フラッシュが届かなかったのか、写真があまりにも暗かったので、ちょっと明るく加工してみました。Photoshopで便利ですね〜
さてさて、新谷さんは、演奏活動の傍ら、奈良県の島村楽器でSaxophoneの指導もされているSaxophone奏者で、「山辺の道」を初演してくれたNara Wind Concert Familyに賛助出演されていたり、何かとお世話になっている大阪市音楽団のコンサートマスターでSaxophone奏者の長瀬敏和さんのお弟子さんでもある、そんな色々な御縁もあり親しくなり、今回新作を書かせて頂けることになりました。
また、新谷さんは音楽家であると同時に、母親でもあって、昨年8月、新作の依頼を受けた時にステーキを御馳走になったのですが、その時、お嬢さんにもお会いしました。この出会いが、今回の作品が生まれる大きなきっかけになりました。(つづく)
2006年01月31日
べにくじゃく
「三つの花ことば」レコーディングレポート、第三弾です。
三曲目は「べにくじゃく」花ことばは「夜の美人」です。
さてさて、色々と想像をかき立てられる花ことばですよね。やはり、「水商売系」の女性を思い浮かべられる方が多いでしょうか?(笑)一応断っておきますが、今回の作品は「中学生でも演奏できるように!」と依頼されて書いていますので、お色気路線は期待しないで下さいね。最近は、深夜(だから飲食店や風俗だけじゃ無いですよ!)に働く女性も増えましたが、やはり私にとって身近で「凄いな〜!」と思うのは、夜勤の看護師さん。もちろん、看護師さんの描写をした音楽では無いのですが、私達が眠っている間に、力強く、そしてある時は優しく繊細に、信念を持って社会のために献身的に働く女性にも「夜の美人」と言うことばがあてはまるような気がします。
で、どんな花なのか気になるところですが、特定の花を指すのではなく、花の品種の一つのようで、バラや牡丹等、様々な花に「べにくじゃく」と名付けられたものがあります。フリージアのレポートでしめじさんが持っている「べにくじゃく」は菖蒲の一種のようです。
さて、この曲は、三曲から成る組曲のフィナーレでもあるので、他のに曲にくらべて少し規模が大きく、基本的にテンポも速く、華やかな曲想です。でも、一番演奏しやすい曲でもあるようで、英史さんも加養さんも「おお!これは良いね〜!」と一番食いつきが良かったです。確かに、中学生がコンクールにやるには良い具合なのかも知れません。英史さん曰く「スペインのブラームス、って感じだね〜」とのことです。なるほど。そうかな。
2/4拍子でg-moll、Trp.とTrb.のユニゾンで提示される第一主題[A]とSaxophoneのソロで提示される第二主題[B]が、変奏されたり速度を変えたりしながら、交互に何度も現れる、ロンド形式の作品です。Alto Saxophoneのソロが結構活躍して、これをあまり艶かしく演奏してしまうと「夜の美人」がどう言うものなのか、少々誤解を招きそうですが、やはり表情豊かに演奏して欲しいので、Saxophoneに良いメンバーがいるバンドには特にお薦めです。
演奏時間は約5分。
写真はTrombone 1stを演奏してくれた、ちっぽさんと。(写真提供:ちっぽさん)
「フリージア」「ゆうがお」では、どちらかと言うと木管楽器が活躍するのですが、この曲では金管楽器と打楽器が活躍します。今回レコーディングで使用したパート譜は、ユニバースの堤さんが作成してくれたのですが、「べにくじゃく」のパート譜は、どのパートも1ページ半だったようで、右下の余白は、作曲者のサイン用のスペースとなりました。(笑)
さて、すっかり紹介が遅れましたが、今回のレコーディングで演奏してくれたのは、文教大学吹奏楽部、指揮は佐川聖二さんでした。本当にどうもお世話になりました!
ちなみに、今回作成されたCDと譜面は3月25日に発売予定だそうです。
詳しくは、いたろぐ2月5日号で紹介出来ればと思います。
三曲目は「べにくじゃく」花ことばは「夜の美人」です。
さてさて、色々と想像をかき立てられる花ことばですよね。やはり、「水商売系」の女性を思い浮かべられる方が多いでしょうか?(笑)一応断っておきますが、今回の作品は「中学生でも演奏できるように!」と依頼されて書いていますので、お色気路線は期待しないで下さいね。最近は、深夜(だから飲食店や風俗だけじゃ無いですよ!)に働く女性も増えましたが、やはり私にとって身近で「凄いな〜!」と思うのは、夜勤の看護師さん。もちろん、看護師さんの描写をした音楽では無いのですが、私達が眠っている間に、力強く、そしてある時は優しく繊細に、信念を持って社会のために献身的に働く女性にも「夜の美人」と言うことばがあてはまるような気がします。
で、どんな花なのか気になるところですが、特定の花を指すのではなく、花の品種の一つのようで、バラや牡丹等、様々な花に「べにくじゃく」と名付けられたものがあります。フリージアのレポートでしめじさんが持っている「べにくじゃく」は菖蒲の一種のようです。
さて、この曲は、三曲から成る組曲のフィナーレでもあるので、他のに曲にくらべて少し規模が大きく、基本的にテンポも速く、華やかな曲想です。でも、一番演奏しやすい曲でもあるようで、英史さんも加養さんも「おお!これは良いね〜!」と一番食いつきが良かったです。確かに、中学生がコンクールにやるには良い具合なのかも知れません。英史さん曰く「スペインのブラームス、って感じだね〜」とのことです。なるほど。そうかな。
2/4拍子でg-moll、Trp.とTrb.のユニゾンで提示される第一主題[A]とSaxophoneのソロで提示される第二主題[B]が、変奏されたり速度を変えたりしながら、交互に何度も現れる、ロンド形式の作品です。Alto Saxophoneのソロが結構活躍して、これをあまり艶かしく演奏してしまうと「夜の美人」がどう言うものなのか、少々誤解を招きそうですが、やはり表情豊かに演奏して欲しいので、Saxophoneに良いメンバーがいるバンドには特にお薦めです。
演奏時間は約5分。
写真はTrombone 1stを演奏してくれた、ちっぽさんと。(写真提供:ちっぽさん)
「フリージア」「ゆうがお」では、どちらかと言うと木管楽器が活躍するのですが、この曲では金管楽器と打楽器が活躍します。今回レコーディングで使用したパート譜は、ユニバースの堤さんが作成してくれたのですが、「べにくじゃく」のパート譜は、どのパートも1ページ半だったようで、右下の余白は、作曲者のサイン用のスペースとなりました。(笑)
さて、すっかり紹介が遅れましたが、今回のレコーディングで演奏してくれたのは、文教大学吹奏楽部、指揮は佐川聖二さんでした。本当にどうもお世話になりました!
ちなみに、今回作成されたCDと譜面は3月25日に発売予定だそうです。
詳しくは、いたろぐ2月5日号で紹介出来ればと思います。
2006年01月27日
ゆうがお
「三つの花ことば」レコーディングレポート、第二弾です。
二曲目は「ゆうがお」花ことばは「はかない恋」です。
夏の夕方に、美しい白い花を咲かせるのですが、翌朝にはしおれてしまう、そんな花です。
さてさて、この曲は、昨年私が龍谷シンフォニックバンドの演奏会に参加させてもらった時のレポートに書きましたが、アンコールに演奏したスウェアリンジェンの「ロマネスク」を意識して書いたものです。
演奏しやすい音域で、難しいパッセージも無く、それでいて出来る限り美しい作品を、と心掛けて書きました。ある程度の水準以上のバンドであれば、演奏会前日からの練習でも、十分演奏可能なレパートリー!と言いたいところですが、英史さんに「これ、難しいよ〜!」と一蹴されました。う〜ん…
音域も無理は無いし(でも1st TromboneにGが出てきます。初心者には少し高め?Bassoonにも高い音がありますが、演奏が困難な時や、Bsn.が無いバンドのためにT.Sax.にも小さな音符を書いてあります。)細かいパッセージもいっさい無し!なのになぜ難しいのか?「ロマネスク」もそうだと思うのですが、結局、シンプルな曲であるほど、美しく演奏することがシビアに問われる、そんな難しさがあるのかも知れません。でも、いつか小学生や中学生の名演奏が聴けるのでは無いかと言う予感がしています。わくわく。
曲はEs-durの3/4拍子のゆったりしたメロディーがまず木管楽器のアンサンブルで提示され、それに金管楽器のアンサンブルが答える、そんな構成で始まり、中間部はc-mollに転調してOboe、Flute、そしてTrumpetのソロに続いて、ちょっとドラマチックな盛り上がりがあった後、最初のメロディーが戻ってきます。
そして、コーダにはすべてのパートにカデンツァがあります。もちろん、実際に演奏する時は一人だけですが、それを選択するのはバンド、または指揮者の自由。全部で21通りのカデンツァがあることになります。
実は初め、打楽器にはカデンツァがありませんでしたが、英史さんのアドバイスを受けて、打楽器にもカデンツァを書きました。「本当に書いたの?」と爆笑されましたが…吹奏楽コンクールで、もし演奏された時は、どの楽器のカデンツァが演奏されたか、報告して下さるそうです。楽しみ。わくわく。
ちなみに、陸上自衛隊中央音楽隊の武田晃二等陸佐は「コントラバスがいいな〜」とのことです。今回のレコーディングでは1st Clarinetで収録しました。
演奏時間は約4分半です。
写真は、約束通りOboeのソロを吹いてくれた、「はいちゅう」さんと。じ〜んとなるような淡く切ない、素敵なソロを演奏してくれました。(三曲目では低音のppに悪戦苦闘させてしまいましたけれど…)本当にどうもありがとう!アンコン全国大会も頑張ってね〜
尚、Oboeの無いバンドのためにFluteに小さい音符を書いてありますが、このソロはやっぱりOboeの音が一番合います。実は、昨年、龍谷大学の練習場で、この曲をピアノで弾いて若林先生に聴いてもらったのですが、「すごくきれいなメロディーだね〜」と言ってもらいました。私自身、「森の贈り物」のAlto Saxophoneのメロディー以上にお気に入りです。(^^)
二曲目は「ゆうがお」花ことばは「はかない恋」です。
夏の夕方に、美しい白い花を咲かせるのですが、翌朝にはしおれてしまう、そんな花です。
さてさて、この曲は、昨年私が龍谷シンフォニックバンドの演奏会に参加させてもらった時のレポートに書きましたが、アンコールに演奏したスウェアリンジェンの「ロマネスク」を意識して書いたものです。
演奏しやすい音域で、難しいパッセージも無く、それでいて出来る限り美しい作品を、と心掛けて書きました。ある程度の水準以上のバンドであれば、演奏会前日からの練習でも、十分演奏可能なレパートリー!と言いたいところですが、英史さんに「これ、難しいよ〜!」と一蹴されました。う〜ん…
音域も無理は無いし(でも1st TromboneにGが出てきます。初心者には少し高め?Bassoonにも高い音がありますが、演奏が困難な時や、Bsn.が無いバンドのためにT.Sax.にも小さな音符を書いてあります。)細かいパッセージもいっさい無し!なのになぜ難しいのか?「ロマネスク」もそうだと思うのですが、結局、シンプルな曲であるほど、美しく演奏することがシビアに問われる、そんな難しさがあるのかも知れません。でも、いつか小学生や中学生の名演奏が聴けるのでは無いかと言う予感がしています。わくわく。
曲はEs-durの3/4拍子のゆったりしたメロディーがまず木管楽器のアンサンブルで提示され、それに金管楽器のアンサンブルが答える、そんな構成で始まり、中間部はc-mollに転調してOboe、Flute、そしてTrumpetのソロに続いて、ちょっとドラマチックな盛り上がりがあった後、最初のメロディーが戻ってきます。
そして、コーダにはすべてのパートにカデンツァがあります。もちろん、実際に演奏する時は一人だけですが、それを選択するのはバンド、または指揮者の自由。全部で21通りのカデンツァがあることになります。
実は初め、打楽器にはカデンツァがありませんでしたが、英史さんのアドバイスを受けて、打楽器にもカデンツァを書きました。「本当に書いたの?」と爆笑されましたが…吹奏楽コンクールで、もし演奏された時は、どの楽器のカデンツァが演奏されたか、報告して下さるそうです。楽しみ。わくわく。
ちなみに、陸上自衛隊中央音楽隊の武田晃二等陸佐は「コントラバスがいいな〜」とのことです。今回のレコーディングでは1st Clarinetで収録しました。
演奏時間は約4分半です。
写真は、約束通りOboeのソロを吹いてくれた、「はいちゅう」さんと。じ〜んとなるような淡く切ない、素敵なソロを演奏してくれました。(三曲目では低音のppに悪戦苦闘させてしまいましたけれど…)本当にどうもありがとう!アンコン全国大会も頑張ってね〜
尚、Oboeの無いバンドのためにFluteに小さい音符を書いてありますが、このソロはやっぱりOboeの音が一番合います。実は、昨年、龍谷大学の練習場で、この曲をピアノで弾いて若林先生に聴いてもらったのですが、「すごくきれいなメロディーだね〜」と言ってもらいました。私自身、「森の贈り物」のAlto Saxophoneのメロディー以上にお気に入りです。(^^)
2006年01月25日
夢に向かって
22日、奈良市内の楽器店で28日に初演される「夢、そして舞踏会」の練習を聴きに行ってきました。
なかなか二人で合わせる時間が無かったようで、私が伺った時は少し悪戦苦闘していましたが、私が帰った後、夜遅くまで練習して、かなり合うようになったそうです。26,27日も練習して下さるそうですし、28日はきっと素敵な「夢、そして舞踏会」になるでしょう。
演奏会は28日の19:20にやまと郡山城ホール(小)で開演です。駐車場(1回500円)もありますので、ぜひぜひみなさん聴きにいらして下さいね。私ももちろん、初演スーツで参ります。
写真は、楽器店のスタジオで(夜は、グランドピアノのある部屋で練習できたそうです)ピアニストの土居さんと、サキソフォン奏者の新谷さん。
なかなか二人で合わせる時間が無かったようで、私が伺った時は少し悪戦苦闘していましたが、私が帰った後、夜遅くまで練習して、かなり合うようになったそうです。26,27日も練習して下さるそうですし、28日はきっと素敵な「夢、そして舞踏会」になるでしょう。
演奏会は28日の19:20にやまと郡山城ホール(小)で開演です。駐車場(1回500円)もありますので、ぜひぜひみなさん聴きにいらして下さいね。私ももちろん、初演スーツで参ります。
写真は、楽器店のスタジオで(夜は、グランドピアノのある部屋で練習できたそうです)ピアニストの土居さんと、サキソフォン奏者の新谷さん。
2006年01月23日
フリージア
12月26日、15時過ぎ、私の「三つの花ことば」の収録が始まりました。
まず一曲目は「フリージア」花ことばは「清香・無邪気」です。
明るくて可愛らしくて、そして元気な曲。ポロネーズのスタイルで書いてあります。
英史さんには「ほとんどシューマンの世界だね〜」と言われました。
シューマンでポロネーズと言えば、Op.2「蝶々」の11曲目だったかにポロネーズがあって、結構好きなのですが、どちらかと言うとOp.82「森の情景」の方が雰囲気としては近いかもです。
ClarinetとSaxophoneによる第一主題は、私自身も結構お気に入りですが、さりげなく色々なリズムを使っているので、リズムの特徴をしっかり掴んで(ぎくしゃくせず)自然に歌えるかどうかで、演奏に差がつきそうです。
金管楽器による第二主題は、華やかさ、元気さは欲しいのですが、あくまでも上品に演奏してもらいたいところ。短い間奏の後、再現部、そしてEuphoniumやFluteのソロで三たび第一主題が再現されるコーダになります。演奏時間は約4分弱。
多分、三曲の中で一番指揮者のセンスが問われる曲です。花ことば通り、素直な演奏が一番。でも素っ気無いのもダメ。マッチョな曲ばかり振っていらっしゃる指揮者さん、たまにはこういう曲も如何でしょう?(笑)
写真は、Fluteの「しめじ」さんと。コーダに出てくるFluteのソロ、素敵でしたよ〜!
「三つの花ことば」に登場する花の写真をお持ちだったので、花の写真も一緒に記念撮影。
私が持っているのが「フリージア」です。そろそろ花屋で良い香りをただよわせる季節ですね。
まず一曲目は「フリージア」花ことばは「清香・無邪気」です。
明るくて可愛らしくて、そして元気な曲。ポロネーズのスタイルで書いてあります。
英史さんには「ほとんどシューマンの世界だね〜」と言われました。
シューマンでポロネーズと言えば、Op.2「蝶々」の11曲目だったかにポロネーズがあって、結構好きなのですが、どちらかと言うとOp.82「森の情景」の方が雰囲気としては近いかもです。
ClarinetとSaxophoneによる第一主題は、私自身も結構お気に入りですが、さりげなく色々なリズムを使っているので、リズムの特徴をしっかり掴んで(ぎくしゃくせず)自然に歌えるかどうかで、演奏に差がつきそうです。
金管楽器による第二主題は、華やかさ、元気さは欲しいのですが、あくまでも上品に演奏してもらいたいところ。短い間奏の後、再現部、そしてEuphoniumやFluteのソロで三たび第一主題が再現されるコーダになります。演奏時間は約4分弱。
多分、三曲の中で一番指揮者のセンスが問われる曲です。花ことば通り、素直な演奏が一番。でも素っ気無いのもダメ。マッチョな曲ばかり振っていらっしゃる指揮者さん、たまにはこういう曲も如何でしょう?(笑)
写真は、Fluteの「しめじ」さんと。コーダに出てくるFluteのソロ、素敵でしたよ〜!
「三つの花ことば」に登場する花の写真をお持ちだったので、花の写真も一緒に記念撮影。
私が持っているのが「フリージア」です。そろそろ花屋で良い香りをただよわせる季節ですね。
2006年01月21日
カタツムリの大冒険(後編)
8日のアンコンレポート第三弾です。会場で一緒に撮影できなかったホルン八重奏の初演メンバーの御紹介。
左側が宇代君(7th)龍谷大学吹奏楽部が全国大会で「森の贈り物」を演奏した時の幹事長で、彼はフリューゲルホルンで出演しました。「あれ?『森の贈り物』にフリューゲルなんてあったっけ?」と思われたマニアの方。そうなのです。なんと言っても龍谷のコンクール専用、と言うか彼のためのスペシャルパートを書いたのです。(笑)懐かしい…
右側は井上君(1st)彼は、第四回響宴で「Mi-na-to」の1st(鉄琴のソロに続いて管楽器で最初に音を出すのはHorn 1stです!)を吹いてから「湖の畔で」「三角の山」そして今回の「カタツムリの大冒険」などなど。私の曲は1stしか吹いたことが無い!と言う猛者です。いたる作品の初演も今回が四曲目になりました。
それにしても、二人とも、とても良い顔をしていますね〜
この後、日付けが変わるまで、楽しい打ち上げが続きました。
卒業しても、こうやって楽器を続けて、学生時代からの仲間とアンサンブルができると言うのは、本当にとても素敵なことですね。
私も、楽器が吹きたくなりました。(でも、3月の終わりまではピアノと作曲・編曲で手一杯…涙)
左側が宇代君(7th)龍谷大学吹奏楽部が全国大会で「森の贈り物」を演奏した時の幹事長で、彼はフリューゲルホルンで出演しました。「あれ?『森の贈り物』にフリューゲルなんてあったっけ?」と思われたマニアの方。そうなのです。なんと言っても龍谷のコンクール専用、と言うか彼のためのスペシャルパートを書いたのです。(笑)懐かしい…
右側は井上君(1st)彼は、第四回響宴で「Mi-na-to」の1st(鉄琴のソロに続いて管楽器で最初に音を出すのはHorn 1stです!)を吹いてから「湖の畔で」「三角の山」そして今回の「カタツムリの大冒険」などなど。私の曲は1stしか吹いたことが無い!と言う猛者です。いたる作品の初演も今回が四曲目になりました。
それにしても、二人とも、とても良い顔をしていますね〜
この後、日付けが変わるまで、楽しい打ち上げが続きました。
卒業しても、こうやって楽器を続けて、学生時代からの仲間とアンサンブルができると言うのは、本当にとても素敵なことですね。
私も、楽器が吹きたくなりました。(でも、3月の終わりまではピアノと作曲・編曲で手一杯…涙)
2006年01月17日
カタツムリの大冒険(前編)
8日のアンコンレポート第二弾です。プログラム25番目に登場したのは、龍谷大学吹奏楽部のOBバンドである「龍谷シンフォニックバンド」のホルンチームです。なんとホルンばかりの八重奏!みなさん、ホルンの構え方も揃えて、入場する時からかなり決まっていました!
「さかいいたるさっきょく、『カタツムリの大冒険』」と、アナウンスがあった時には、会場が少しざわつく。想定の範囲内。(笑)
さてさて、このタイトル、昨年の春「四つの練習曲」でホルンを演奏してくれた、京都市立芸術大学の大学院でホルンを専攻している、Yakkoさんが「ホルン八重奏を書かれるのなら、タイトルは『でんでんむしの主題による変奏曲』略して『でんばり』にして下さい。」と言われていたのを思い出し、それをヒントに思い付きました。と言うかYakkoさんの一言で「ホルン=カタツムリ」と言うイメージから抜けだせなくなっていました。(爆)
でも、このタイトルにしたおかげで、とても楽しい作品に仕上げることが出来たと思います。
こちらでも少し触れていますが、ホルン八重奏→八→ハチ→蜂、と言うことで、池の畔のお花畑でチョウチョを助けるためにカタツムリが熊蜂と戦います。
作曲家の友人には「遅い曲なのか、速い曲なのか、想像がつかないタイトルだ」と言われましたが、ゆっくりの序奏のあと、速い主部が続き、コーダの直前で序奏が少し回想された後、速いコーダで幕を閉じる。と、アンコン規定の5分以内に収めつつ、盛り沢山な内容となっています。まさにコンクール向け。
八人揃っての練習が、本番前日と当日だけだったと言うこともあったのか、結構傷だらけの大冒険になってはしまいましたが、本当にホルンアンサンブルの魅力が存分に伝わってくる、ある時はスリリング、ある時は爽快(痛快?)なとても楽しい演奏で、なんとなんと、まさかの金賞を受賞してしまいました。打ち上げで録音を聴いた若林先生が「(この日、出演したクラリネットアンサンブルや、トロンボーンアンサンブルとくらべて)ホルンが一番へたくそ!」とおっしゃっていましたが、金賞は金賞!やっぱり、音楽は楽しいことも大切です。(笑)
写真は、演奏終了後、メンバーと会場のロビーで。
後列左から、ニッシー(2nd)今回のメンバーでは最年長ですが私よりは年下。まだまだ若いですよ〜!
今回のコンクールのために高知から駆け付けてくれた土居さん(6th)
「森の贈り物」のタイトルの由来?ですっかり有名になった森君(3rd)。現在はトヨタのWISHに乗っています。メンバー一の爆音奏者でゲシュトップはプロにも負けません。(但し中音域限定!)今回は、わざわざ家まで譜面を取りに来てくれたり、私がチーズが苦手なのを知らずに「チーズフォンデュセット」を差し入れしてくれたりと、本当にお世話になりました。(^^;
後列右端は、「ペダル君」と言う新たなニックネームがついてしまったと言う大前君(8th)。今回の作品ではペダルBの超低音を吹いてアンサンブルを支えてくれました。低音を出すため今回特製のマウスピースを買ってくれたそうです。ペダルB、ばっちり聞こえていましたよ〜!ちなみにこの音、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の2番ホルンにもたくさん出てきますよね。スコアには書いてあるのですが、手持ちのCD(ウィーンフィル&バーンスタイン)では、あまりよく聞こえません…
さてさて前列左は、真紀さん(4th)。彼女は2002年度の吹奏楽コンクールで、私の「三角の山」を演奏してくれています。8thの次に低い音を受け持つパートですが、とてもていねいに演奏して、低い音から始まるソロも素敵でした!
で私の右側は、美奈さん(5th)。1stと共に、この曲では主旋律を担当することが多いのですが、メンバー随一の表情豊かな音色の持ち主で、優しい柔らかな音から、男前な音まで、多彩な音色を聴かせてくれました。
みなさんに本当に感謝!
あれ?1stと7thがいませんが、21日に紹介させていただく予定です。
「さかいいたるさっきょく、『カタツムリの大冒険』」と、アナウンスがあった時には、会場が少しざわつく。想定の範囲内。(笑)
さてさて、このタイトル、昨年の春「四つの練習曲」でホルンを演奏してくれた、京都市立芸術大学の大学院でホルンを専攻している、Yakkoさんが「ホルン八重奏を書かれるのなら、タイトルは『でんでんむしの主題による変奏曲』略して『でんばり』にして下さい。」と言われていたのを思い出し、それをヒントに思い付きました。と言うかYakkoさんの一言で「ホルン=カタツムリ」と言うイメージから抜けだせなくなっていました。(爆)
でも、このタイトルにしたおかげで、とても楽しい作品に仕上げることが出来たと思います。
こちらでも少し触れていますが、ホルン八重奏→八→ハチ→蜂、と言うことで、池の畔のお花畑でチョウチョを助けるためにカタツムリが熊蜂と戦います。
作曲家の友人には「遅い曲なのか、速い曲なのか、想像がつかないタイトルだ」と言われましたが、ゆっくりの序奏のあと、速い主部が続き、コーダの直前で序奏が少し回想された後、速いコーダで幕を閉じる。と、アンコン規定の5分以内に収めつつ、盛り沢山な内容となっています。まさにコンクール向け。
八人揃っての練習が、本番前日と当日だけだったと言うこともあったのか、結構傷だらけの大冒険になってはしまいましたが、本当にホルンアンサンブルの魅力が存分に伝わってくる、ある時はスリリング、ある時は爽快(痛快?)なとても楽しい演奏で、なんとなんと、まさかの金賞を受賞してしまいました。打ち上げで録音を聴いた若林先生が「(この日、出演したクラリネットアンサンブルや、トロンボーンアンサンブルとくらべて)ホルンが一番へたくそ!」とおっしゃっていましたが、金賞は金賞!やっぱり、音楽は楽しいことも大切です。(笑)
写真は、演奏終了後、メンバーと会場のロビーで。
後列左から、ニッシー(2nd)今回のメンバーでは最年長ですが私よりは年下。まだまだ若いですよ〜!
今回のコンクールのために高知から駆け付けてくれた土居さん(6th)
「森の贈り物」のタイトルの由来?ですっかり有名になった森君(3rd)。現在はトヨタのWISHに乗っています。メンバー一の爆音奏者でゲシュトップはプロにも負けません。(但し中音域限定!)今回は、わざわざ家まで譜面を取りに来てくれたり、私がチーズが苦手なのを知らずに「チーズフォンデュセット」を差し入れしてくれたりと、本当にお世話になりました。(^^;
後列右端は、「ペダル君」と言う新たなニックネームがついてしまったと言う大前君(8th)。今回の作品ではペダルBの超低音を吹いてアンサンブルを支えてくれました。低音を出すため今回特製のマウスピースを買ってくれたそうです。ペダルB、ばっちり聞こえていましたよ〜!ちなみにこの音、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の2番ホルンにもたくさん出てきますよね。スコアには書いてあるのですが、手持ちのCD(ウィーンフィル&バーンスタイン)では、あまりよく聞こえません…
さてさて前列左は、真紀さん(4th)。彼女は2002年度の吹奏楽コンクールで、私の「三角の山」を演奏してくれています。8thの次に低い音を受け持つパートですが、とてもていねいに演奏して、低い音から始まるソロも素敵でした!
で私の右側は、美奈さん(5th)。1stと共に、この曲では主旋律を担当することが多いのですが、メンバー随一の表情豊かな音色の持ち主で、優しい柔らかな音から、男前な音まで、多彩な音色を聴かせてくれました。
みなさんに本当に感謝!
あれ?1stと7thがいませんが、21日に紹介させていただく予定です。
2006年01月07日
おちゃめホルン
1月3日、龍谷大学吹奏楽部の卒業生たちが、本願寺でアンサンブルの練習をしていると言うので、お邪魔してきました。
練習後は、そのまま新年会に突入です。
今年はトロンボーン四重奏と、ホルン八重奏が私の新作を演奏すると言う、なかなか凄いことになっています。(笑)
ホルンのメンバーのために書き下ろしたのは「カタツムリの大冒険」と言うタイトル。
タイトル通り、とても楽しい曲ですが、演奏メンバーのキャラクターが、曲の楽しさをいっそう引き立ててくれています。
本番が楽しみです。1月8日の16:30頃、京都こども文化会館にて初演です。
写真は、練習後の新年会?でClarinetの美女二人と、ホルンアンサンブルのメンバー、その他。
後ろでこんな顔をしているとは気付きませんでした…
練習後は、そのまま新年会に突入です。
今年はトロンボーン四重奏と、ホルン八重奏が私の新作を演奏すると言う、なかなか凄いことになっています。(笑)
ホルンのメンバーのために書き下ろしたのは「カタツムリの大冒険」と言うタイトル。
タイトル通り、とても楽しい曲ですが、演奏メンバーのキャラクターが、曲の楽しさをいっそう引き立ててくれています。
本番が楽しみです。1月8日の16:30頃、京都こども文化会館にて初演です。
写真は、練習後の新年会?でClarinetの美女二人と、ホルンアンサンブルのメンバー、その他。
後ろでこんな顔をしているとは気付きませんでした…
2006年01月05日
オシャレトロンボーン
2005年のクリスマスイブ、ラーメンを食べた後、14時過ぎの新幹線で東京に帰る中橋君たちを京都駅で見送った後、時間を潰して17時から大津市内でトロンボーン四重奏の練習にお邪魔しました。
龍谷大学吹奏楽部の卒業生で、演奏してもらうのは私がメンバーのために書き下ろした「季節の律動」副題は「Le Rythme des Saisons」です。「あれ?どこかで見たことがあるようなタイトルだな〜?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。(笑)
さてさて24日の練習には、京都市交響楽団トロンボーン奏者の井谷さんが駆け付けてくれました。
色々なパートを、メンバーと一緒に吹いて下さって、とても楽しかったです。
社会人になっても、こうやって仲良くアンサンブルが出来るって、本当に素敵なことですよね。
しかも私の曲を吹いてもらえるなんて、仲間に入れてもらったみたいでとても嬉しいです。
本番は1月8日の15:39頃に、京都こども文化会館にて。これが初演になります!
うきうきするような楽しいスウィングワルツになりますように〜!
写真は、左から京都市交響楽団トロンボーン奏者の井谷さんと四重奏のメンバー。
龍谷大学吹奏楽部の卒業生で、演奏してもらうのは私がメンバーのために書き下ろした「季節の律動」副題は「Le Rythme des Saisons」です。「あれ?どこかで見たことがあるようなタイトルだな〜?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。(笑)
さてさて24日の練習には、京都市交響楽団トロンボーン奏者の井谷さんが駆け付けてくれました。
色々なパートを、メンバーと一緒に吹いて下さって、とても楽しかったです。
社会人になっても、こうやって仲良くアンサンブルが出来るって、本当に素敵なことですよね。
しかも私の曲を吹いてもらえるなんて、仲間に入れてもらったみたいでとても嬉しいです。
本番は1月8日の15:39頃に、京都こども文化会館にて。これが初演になります!
うきうきするような楽しいスウィングワルツになりますように〜!
写真は、左から京都市交響楽団トロンボーン奏者の井谷さんと四重奏のメンバー。