労働問題

2018年04月14日

今いろいろな働きかた改革の本が出ています。
そのほとんどは、残業を減らすことや、果ては残業ゼロや定時退社のお薦めばかりです。


しかし、それで本当に良いのでしょうか。

確かに残業は社員の仕事と私生活とのバランス、ワークライフバランスから良くないことが多いので、過剰残業をなくすことは必要です。


大事なことは、一人ひとりの社員が良い仕事をし、充実した時間を過ごすこと、その結果として、会社も繁栄することです。


残業はあるとき必要です。
あるいは残業をしてでもやりたいこともあります。
研究職のいろいろな研究業務、企画マンや営業が成果を上げるために。残業してでもやらないといけないこと、また仕事のできる人には必要な残業は不可欠です。


だから物理的な労働時間が問題ではありません。

一人ひとりの生活を充実させることが大切であり、充実した仕事をすることが重要です。

そのためには「ワークライフバランス」が大切です。


しかし、ワークライフバランスは、一人ひとりの社員の生活をよくする考え方であり、一つのプロセスにすぎません。
ただ、とても大切なプロセスです。

その向こうに、目的としての充実した人生があります。

そのときの会社の役割りは、「ワーク」の時間の充実に、会社として確実に取り組むことです。


「ライフ」については、その時間を確保してあげるよう配慮する。
「ライフ」の時間まで首を突っ込んで、会社がお節介をしてはいけません。


社員の「ライフ」の時間について配慮すること、「ライフ」の状況を理解し、そのためにできることをすること、この2点が大切です。

そして、前提として、会社として業績を上げることの重要性。
会社が赤字では、満足に給料も支払えません。
そのためにも、業務改善をし、生産性を高めることも極めて重要です。


生産性の高め方については「働き方パート
2」で書きます。 



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2017年03月14日

「インターネット通販の普及で宅配便が急増している問題で、宅配便最大手のヤマト運輸は業界2位の佐川急便、3位の日本郵便と連携し、首都圏の高層ビルなどで3社の荷物を1社に集約して配る取り組みを強化する。」
 

毎日新聞の昨日3月13日の記事です。

 

「3社が同じビル内で配達するのは効率が悪いため、1社が他社の荷物も預かり、一括して届ける。

 

今後はマンションや戸建て住宅にも広げる方向で、ヤマトは「効率化を図り、人手不足の緩和につなげたい」としている。」 (同記事)

 

宅配便業界は成長産業ですが、労働集約産業であり、従業員の労働時間問題が深刻化しています。

 

良い企業の代表のように思われていたクロネコヤマトに監督署が入って指摘されたり、改めて過酷な労働内容の業界ということが明らかになりました。

 

合理化が必要ということです。

 3社が連携するというのは、良い取り組みです。


確かに高層ビルではエレベータ自体の利用も大変です。

 

東京都庁に行って書類の申請などありますが、わかりづらいし、けっこう疲れます。

宅配便のドライバーにとっては、エレベータだけでも時間がかかるとも思います。

 

今後このような取り組み、増えていきますね。(^O^)



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2017年01月31日

「コンビニエンスストア最大手、セブンイレブンの東京都武蔵野市内の加盟店が、風邪で欠勤したアルバイトの女子高校生(16)から9350円の『罰金』を取っていたことが分かった。

 

セブン−イレブン・ジャパンは『労働基準法違反に当たる』として、加盟店に返金を指導した。」

 

毎日新聞2017年1月31日の記事です。

 

「親会社セブン&アイ・ホールディングスの広報センターなどによると、女子生徒は1月後半に風邪のため2日間(計10時間)欠勤した。

26日にアルバイト代を受け取った際、給与明細には25時間分の2万3375円が記載されていたが、15時間分の現金しか入っていなかった。


手書きで『ペナルティ』『9350円』と書かれた付箋が、明細に貼られていた。

 

店側は『休む代わりに働く人を探さなかったペナルティー』として、休んだ10時間分の9350円を差し引いたと保護者に説明したという。

                                                                                       

セブンイレブン本部の広報センター担当者は毎日新聞の取材に『加盟店の法令に対する認識不足で申し訳ない』と話した。

『労働者に対して減給の制裁を定める場合、減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が賃金総額の10分の1を超えてはならない』と定めた労基法91条(制裁規定の制限)に違反すると判断したという。

 

厚生労働省労働基準局の担当者は『代わりの人間を見つけるのは加盟店オーナーの仕事』と話す。

母親は『高校生にとっては大金。立場の弱いアルバイトが差し引かれ、せつない』と語った。
」(同記事)

 

●賃金は全額支払いの大原則があります。
今回の事件はその違反です。

減給の制裁に違反とセブンイレブン本部広報センター担当者が判断したとありますが、減給の制裁は全く不当であり、減給の制裁の適用があるはずもありません。

セブンイレブン担当者がこのような判断をしたとの事実もかなりの問題です。

 

働き方改革がアベノミクスの目玉ですが、それ以前の話です。
仕事の現場では、いろいろなことが起きていること、あらためて感じます。(-_-;)



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2016年07月10日

「会社の歓送迎会から残業へ戻る途中に交通事故で死亡した男性会社員の遺族が、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付の支給を認めなかった労働基準監督署の決定の取り 消しを求めた訴訟の上告審判決で

最高裁第一小法廷
(小貫芳信裁判長)8日、遺族の請求を棄却した。
2審東京高裁判決を破棄し、不支給決定を取り消した。」

2016
79日の毎日新聞朝刊の記事です。

「遺族側の逆転勝訴が確定した。


小法廷は「歓送迎会は会社の活動に密接に関連しており、事故時は会社の支配下にあった」と判断した。


判決によると、男性は福岡県菊田町にある子会社に出向中の
201012月、残業途中に中国人研修生の歓送迎会に出席した。

酒は飲まず、車を運転して研修生をアパー卜へ送る途中で事故に遭った。

その後、会社に戻る予定だったという。


1審、2審判決は「歓送迎会は従業員の私的な会合で参加も任意だった。
死亡は業務に起因していない」として補償を認めなかった労働基準監督署の決定を支持していた。」(同記事)

だが小法廷は、上司の意向で会に参加せざるを得なかった、

会費を会社が支出し、会社の行事の一環だった、と判断した。

「上司に代わって研修生を送ったことなどから「業務上の災害に当たる」と結論付けた。」
(同記事
)


業務災害と認められれば、遺族に遺族補償が付きます。

業務災害でなければ、遺族補償は出ません。


上司の意向に沿った中国人の研修生を研修生のアパートに送る途中に事故だった。
それなのに、1審、
2審では業務災害とみなされなかった。

常識的に考えると納得できない。


業務災害と認められるには、業務遂行性と業務起因性の
2つの要件を満たす必要があります。

やはり業務命令での運転中の事故かどうかがあいまいなので、業務災害とは言えないということです。

業務命令でなく歓送迎会に参加した。
また、上司に代わりを本人の意思で申し出ての送迎だった。


歓送迎会に参加して、また余計な送迎をしなければ、余計な事故は起こさなかったということでしょうか。


しかしちょっと腑に落ちません。


歓送迎会もその後の送迎も上司の意向が確実にあった。
だから、業務遂行性はもちろん、業務起因性もあったと最高裁は判断しました。


「業務遂行性」と「業務起因性」は業務災害判断の基本要件ですので、ここでまとめておきます。

「業務遂行性」とは、労働契約に基づいて会社の支配下にある状態をいいます。

「業務遂行性」というよりも「会社管理可能性」といったほうがピッタリです。
それが認められるのは

1) 労働者が事業主の支配下かつ管理下にあって、業務に従事している際に生じた災害である場合(事業場内で勤務中)。


2)
労働者が事業主の支配下かつ管理下にあるが、業務に従事していない際に生じた災害である場合(事業場ないだが勤務していない)。→休憩中など


3) 労働者が事業主の支配下にあるが、管理下をはなれ、業務に従事している際に生じた災害である場合(事業場外での勤務中) →営業先での業務など

・なお、出張中は移動中や宿泊場所での時間についても業務遂行性が認められると解されています。

) 上記、1)の業務遂行性が認められる災害については、原則として業務起因性も認められる。

・ただ、災害が私的行為(私用による行為)、業務逸脱行為、規律違反行為、天災事変、外部の力に基づく場合は例外的に業務起因性は認められません。

) 上記、2)については業務遂行性が認められても、原則として業務起因性は認められません。 休憩中の事故は自己責任ということです。

・ただ、災害が事業場施設・設備の不備や欠陥に基づくものである場合は、例外的に業務起因性が認められます。

会社に責任があるからです。

) 上記、3)の業務遂行性が認められる災害については、業務起因性も広く認められています。


今回の事件は、3)のケースです。

業務命令であることが明白ならば、業務災害になるということです。

今回は、実質業務命令にも近いものでした。
だから、業務災害として認められました。

今回の事件、最高裁の判決がどう考えても適切と思います。(^_^)v


業務起因性」は
災害が業務に原因があることとの要件です。


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2015年02月07日

毎日新聞の今日(2015.2.7)の朝刊にとても気になる記事がありました。

「共産・吉良氏『ブラック企業』対応ただす。首相、取り締まり強化に理解。」との見出し。


6日の参院決算委員会で、共産党の吉良佳子氏が劣悪な労働環境が問題になっているブラック企業」の実態を取り上げて政府の対応をただし、安倍晋三首相も取り締まり強化の必要性に理解を示す場面があった。


吉良氏は若者の雇用環境改善を訴え、2013年夏の参院選で初当選した。


首相と議論を交わすのはこの日が初めてで、複数の大手外食チェーンの企業名を挙げながら「ブラックバイト」と呼ばれるアルバイト現場の状況を告発。


『行政は 悪質企業の社名を公表すべきだ』と迫った。


塩崎恭久厚生労働大臣は公表に慎重な答弁を繰り返したが、吉良氏は食い下がり、

最後は首相が

『例として挙げられた企業は相当悪質だ。

指導に従わせるために、さまざまな手段を検討する必要がある』

と引き取った。」(同記事)


NHKEテレでも取り上げられました。

「オトナへのトビラTV

http://www.nhk.or.jp/otona/p2014/140925.html


実態が放映されていました。

・休憩がない!

僕は居酒屋でアルバイトをしていて、午後3時30分に仕込みが始まります。店は夜中の2時まで営業しているのですが、休憩は全くありません。

12時間以上も立ちっぱなしです。

閉店後も後片付けがあるのでなかなか帰れず、終わるのは午前4時。きつくてたまりません。(男性)


• 無理なシフト変更

私は近所のスーパーで働いています。

アルバイトを始めた時は週に4日の契約でしたが、無理やりほぼ毎日のシフトに変更され、テスト期間中も休ませてくれません。

いつも人手が足りないので、頼まれると断りきれないんです。(女性)


• 休ませてくれない

アパレルメーカーで働いた時のことです。

社員はたまに来ますが、多くの場合アルバイトだけでシフトを回していました。いつも忙しく、20日間休みなしは当たり前です。


疲労がピークに達したある日、風邪をこじらせて39度の熱が出ました。

社員に休ませてもらえないかと連絡したところ、代わりを探さないとダメだと言われました。

バイト仲間に必至でメールをして、3時間後にようやく代わりが見つかり、休むことができました。(男性)


• サービス残業

僕が働いている塾では、バイト代がもらえるのは授業の分だけです。塾の運営会議に出席したり、保護者との面談を任されたり、テキスト作りにも時間がかかりますが、その分の時給はもらえません。


さらに、自分が担当している生徒の成績が上がらないと、無給で補講を命じられるのです。思い切って働いている分の時給を払ってほしいと伝えましたが、『生徒とお金とどっちが大事なんだ!』と言われ、泣き寝入りでした。(男性)


• 商品を買い取らされる

私がアルバイトをしているコンビニの店舗では、ケーキの売り上げにノルマが課せられています。ノルマが達成できないと、売れ残ったケーキの代金が給料から天引きされるんです。そんなこと全く聞いていませんでした。さらに、レジの会計が合わないとなかなか帰れません。足りない分を弁償までさせられるんです。(女性)


• ケガは自腹で・・・

飲食店の厨房(ちゅうぼう)で働いていたある日、ふいにフライパンを触ってしまい、大やけどをしたんです。

病院に行きましたが、治療費や薬代は自腹でした。

お金はかかるし、ケガでバイトもできないし、踏んだりけったりです。(男性)


実態、凄いですね。

これらに対処する学生が作った労働組合があります。

「ブラックバイトユニオン」です。


ブラックバイトユニオン

http://blackarbeit-union.com/aboutUs/aboutBlackarbeit/index.html


「ブラックバイト」、労働問題として、かなり重要です。(-_-;)



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プロフィール

平松 徹
株式会社ソフィア
代表取締役

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