2012年07月07日

登録認定機関の取り消し

有機農産物等の登録認定機関である「特定非営利活動法人 食・エネ・環境総合研究所(佐賀県)」の登録の取り消しのための聴聞会の開催について農水省のHPで公表されました。
弁明の機会として聴聞会が7月6日に行われ、正式に取り消しの決定が出る見込みです。

◆ 経緯は次のようなものです。(農水省HP全文)
1.農林水産省は、食エネ研が認定業務を適切に実施していないことを確認したことから、平成23年9月2日に、JAS法違反で業務の改善及び停止(60日間)を命じました。
このことについて、農林水産省 九州農政局及び独立行政法人 農林水産消費安全技術センターが、食エネ研の業務の改善状況を確認するため、平成23年11月7日から平成24年3月21日までの間に、食エネ研に対して立入検査を実施しました。
2.その結果、農林水産省は、食エネ研が、業務の改善命令に従わず、以下の行為を行っていたことを確認しました。

(1)一部の認定事業者が使用する肥料等資材について、有機農産物の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1605号)に適合していることを確認していないこと。

(2)一部の認定事業者が有機農産物及び有機飼料(調製又は選別の工程のみを経たものに限る。)についての生産行程管理者及び外国生産行程管理者の認定の技術的基準(平成17年11月25日農林水産省告示第1830号)に適合していることを確認していないこと。

(3)自らが行う認定に関する業務のうち、一部の事項について、国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた製品の認証を行う機関に関する基準に適合する方法により行われていることを確認していないにもかかわらず、農林水産大臣宛ての改善報告書に、確認結果が適正であった旨の報告を行ったこと。

*取り消しの理由は適合性の確認が行われていない、虚偽の報告を行ったという致命的なものです。
登録認定機関としての機能を果たしていないということになれば取り消しは免れないでしょう。
登録認定機関が取り消された場合、認定を受けていた事業者の認定も自動的に効力を失うので、影響は甚大です。損害賠償に発展するかも知れませんね。



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2010年09月01日

不正表示

8月17日 農水省が次の2件の有機食品不正表示に関するプレスリリースを行いました。

1.有機JASの認定を受けていない事業者が、偽造した認定証の写しを使って、不正に有機JASマークを商品に付け、有機である旨の表示をして販売した。

2.輸入した商品に有機JASマークが付されていないにもかかわらず、「ORGANIC」の表示をして販売した。

認定証の偽造などもってのほかですが、有機JAS制度が分かり難いのも事実です。規格について、簡単におさらいしておきましょう。

【有機JAS規格】次の4つの有機JAS規格があります。
1)「有機農産物のJAS規格」
2)「有機加工食品のJAS規格」
3)「有機飼料のJAS規格」
4)「有機畜産物のJAS規格」

それぞれの規格に、生産の原則、定義、生産方法などの基準が決めてあります。

「有機農産物=無農薬・無化学肥料」の農産物という定義ではありません。
農薬や化学肥料に頼らないで生産された農産物であり、やむを得ない場合に限り、指定された農薬などを使用することも認められています。

有機加工食品も100%有機原料を使用した加工食品という定義ではありません。有機原料を95%以上使用するほか、物理的又は生物の機能を利用した加工方法を用い、化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用を避けるなどして生産されています。

有機農産物と有機農産物加工食品は、JASマークを付けていないと、「有機○○」や「オーガニック○○」といった表示ができません。

「有機」や「オーガニック」といった表示をするためには、生産者・製造者は有機JASの認定を取得する必要があります。
有機JASの認定は第三者機関が行っています。
認定は一度取得すればOKではなく、毎年継続して検査を受けて、一定の基準を満たしていることを証明しなければなりません。
私たち検査員(ISOでいう審査員です)が、毎年1回、現地に出向いて製造状況や文書の確認を行っています。
 
【今後の有機JAS規格】
JAS規格は、5年に1度見直しされ、来年は有機JAS規格の見直しの年になります。今年の2月に意見交換会が開催されたのも規格見直しの準備です。
意見交換会では、指定農林物資に有機畜産物等が含まれていないことや、
酒類、化粧品がJAS法の対象外であることなど、ルールが統一されておらず
消費者に分かりにくいなどといった意見が出されました。

参考:有機食品の検査認証制度(農林水産省)


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2010年02月02日

島原

ISOの審査、有機の検査で日本中に出掛けますが、審査の準備や報告書作成で忙しく、なかなか観光する余裕はありません。
日本中を歩いているのに、知っているのは駅前と企業様の工場の中だけです。
観光するくらいの余裕が欲しいなあ。
今月は有機の検査で島原にお邪魔しますが、てきぱきと準備して半日でも観光したいですが、果たして実現するでしょうか?


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2010年01月07日

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

バタバタと一年が過ぎ去って、また新しい年が始まりました。
昨年も有機JAS違反のニュースが飛び交いましたが、今年はそんな事件で世間を騒がせることのないようにみんなで頑張りましょう。

以下、9001ブログの転載です。
有機JAS+9001、有機JAS+22000、有機JAS+14001なども検討の余地はありますね。

今年はISOの複合審査(ISO9001と14001、22000)の仕事が増えそうです。
複合審査は単独審査に比べて企業の経済的負担が少ないため、今後増加していくでしょう。
企業はいろいろな活動を同時に行っていて、品質だ、環境だといった細切れの活動をしている訳ではありません。
企業が複合審査を求めるのは当然の方向とも言えます。

しかし審査機関側としては複数の規格を審査できる審査員を確保するのが大変だという事情もあり、複合審査の数はまだこれからという状況です。

昨年10月からコンサルを開始したM社では基本をISO22000に置きながら、ISO9001とAIBを複合させたシステムを構築中です。また思想としては環境やCSR、BCPも視野に入れたものになる予定です。
このように最初のシステム構築時に、複数の視点を入れておきたいという企業が増えてくるでしょう。

大変ではありますが、一気に改革が進みます。
ISO導入をお考えの場合、選択肢の一つに加えてみてはどうでしょう。
もちろん、複数の規格を盛り込んで、認証は一つだけという手もあります。


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2009年02月02日

不知を許さず

有機肥料を使い、農薬も使わず、汗を流して育てた野菜を「有機野菜」と表示して売る。

現在の日本では、これは違法行為になります。
これは「有機」の表示をするには、有機JAS認証を受けることが法律で決められているからです。

本人が法律の存在を知らなくても、それを理由に違法性がなくなることはありません。
これを法律の世界では「法の不知は許さず」なんて言います。
厳しい言葉ですねえ。

でも正直なところ、有機JAS制度の認識率はまだまだ低いですねえ。


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2009年01月13日

有機JASマーク

日本で「有機」食品を名乗るためには「有機JASマーク」を取得しなくてはなりません。
有機JASマークは法定要件なので、違反すると罰則があります。

「有機JASマーク」の交付を受けるには、次のような手順を踏む必要があります。
1. まず有機のガイドラインを満たしているか自己確認しましょう。
2. 認定登録機関の行う講習を受講し、登録の申請をします。
3. 書類審査(申請内容の検査員による確認)
4. 実地審査(現場と書類申請内容が適合しているか、検査員による確認)
5. 認定登録機関の判定委員会で合格なら認定登録手続きが行われます。
  (不合格なら適合するまで認定はおりません。)
6. 認定書交付 JASマーク貼付の許可が下ります。
以後、毎年1回、検査(書類・実地)を受けて、認定を維持していきます。



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2009年01月04日

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

昨年秋に北海道に行きました。
農場の審査をやったのですが、さすがに北海道、広いですねえ。
その企業は無農薬で野菜を栽培しているのですが、有機ではなくISOを取得しています。
広い広い農場には虫食いだらけの作物が並んでいて、じっと耐えて耐えて頑張っているみなさんの顔が浮かびました。
農薬さえ撒けば虫食いは減らせますが、無農薬野菜を望んでいるお客様のために、ぐっと我慢しているのです。
これだけ頑張っているのに、虫食いを理由に買い叩かれる・・やるせないですね。
頑張っている人が報われる仕組みにしないといけないですね。




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2008年07月02日

苦痛

5月、6月は有機加工食品の検査にたくさん行きました。
多くの企業が検査に苦痛を感じているように思います。
検査員は企業に必要以上の負担を掛けさせてはいけません。

有機性が保たれていることを保証するのが有機の検査です。
有機性を保つには色々な方法とレベルがあります。

例えば洗浄で考えて見ましょう。
「有機を製造する前には通常の2倍の水で洗浄しています」
良く聞く言葉です。

でも、なぜ2倍の水で洗浄する必要があるのでしょう?
通常の洗浄できれいに洗えるのなら、原料が有機であろうが、非有機であろうが
きれいに洗えるはずですよね。

私はここに疑問を持たないといけないと思います。
企業側も検査員もです。

通常の洗浄で有機性が保てるなら、2倍の水で洗浄を行うのは明らかに過剰防衛です。
検査員にとやかく言われないために無駄と知りつつやっているのではないでしょうか?
また検査員もそれが当たり前だと思い込んでいたりしないでしょうか?
あるいは企業がやるというならそれに越したことはないと考えていないでしょうか?

無意味で非科学的なルールに縛られてはいけません。
形式的なルールが有機のコストを上げ、消費の拡大を阻害しているのかも知れませんね。




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2008年01月27日

オオカミ少年

ブログの更新頻度を上げる予定が、全然更新できずにいます。
理由は僕のぐうたらな性格ですが、審査が建て込んでいるのも理由の一つです。
来週は月曜日に松山でISO22000のコンサルをするのを皮切りに、山梨と茨木でISO9001の審査が続きます。
移動日もあるので2月の6日まで家に帰れません(**)
しかし、出来ない理由は100個でも1000個でも見つかると言います。
オオカミ少年にならないようにと、とりあえず書き込みすることにしました。

さて、先週、大手のめんつゆ屋さんの有機JAS検査に行ってきました。
大きくて良く整理された工場でした。
ここはISOもHACCPも取得しているので管理はしっかり行われています。
しかし大きな会社には大きな会社の悩みがあるようです。
ISO、HACCP、有機JAS・・・それぞれに対応した膨大な文書が負担を大きくしています。
品質管理のメンバーがメンテナンスをしていますが、大変な作業です。
一番範囲の広いISOに他を吸収させるのが良いと分かっていても、統合に手を付けるのが恐ろしい(^^)

巨大化する前に、出来るだけ早い段階で、文書の数を減らしましょう。
そうしないと本来の仕事をやる時間が無くなっちゃいますよ〜!



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2007年12月07日

自業自得

最近喉が良く渇きます。
半年前から糖尿の薬を飲んでいるのですが、薬を飲むのを言い訳に間食が増えていました。
今日、病院で検査値を見たら、案の定、結果がよくありません。
自業自得ですね。

ちょっと本気にならないといけません。
とりあえず間食をやめ、朝の散歩を始めることにします。
検査値もグラフ化して貼り出しましょう。
家族の協力がないと意志の弱い私は続けられませんから(^^)

来週は月曜から土曜までコンサル、ISO審査、有機検査で出張です。
家族の目の届かない出張中にハメを外さずにいられるでしょうか。
それも大きな問題です。

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