2012年07月07日
未知の危険
印刷会社で働く人に胆管癌が相次いでいます。
時効の壁が労災認定にたちふさがっています。
過去の公害問題も同じ道をたどりました。
現在発症している人たちに労災を認めて十分な治療の機会を与えることが必要でしょう。大至急です。
印刷業界の人はリスク分析を見直すことが急務です。
限られた業界に多発する特定の疾患がある時、因果関係の確定を待っていてはいけません。
リスクとして位置づけ、予防的に動くことが、結果として会社を救うことになります。
1950年代、安全な薬として世界中に販路を拡大していた薬がありました。
精神安定剤のサリドマイドです。安全性が高く妊婦にも良い薬として認証され、ヨーロッパや日本でも使われました。当時の常識には母親の飲んだ薬が胎児に影響を与えるという考えはありませんでした。
各国で新薬として承認される中、アメリカのFDA医務官のフランシス・O・ケルシー女史は承認を拒否しました。
当時のFDAのルールでは60日以内に承認の結論を出さなければなりませんでしたが、実験データの不備や不足を感じ承認を保留にしました。
ケルシーは申請者のメレル社との間で1年以上に及ぶ激しいやり取りを行い、追加データの要求は14回にもおよびました。政治家を抱き込んでの圧力もあったようです。
その後、世界中で手や足の奇形を持つ赤ちゃんがたくさん生まれました。
1961年にドイツのレンツ博士が、これらの奇形の原因がサリドマイドであるという説を出し、ヨーロッパでは禁止に。米国でもメレル社が申請を取り下げました。
この間、ドイツでは約5000人の奇形児が生まれ、日本での被害者も300人を超えました。
しかし米国での被害は、臨床試験(治験)中に投与された母親から生まれた9人にとどまりました。
ケルシーはこの功績により、ケネディ大統領から連邦市民勲章を受章し、米食品医薬品局(FDA)の部長を務めました。
未知の危険に対処するのは難しいですが、何らかの兆候や情報が得られたらリスクとして捉え、評価を行うことが大切です。従業員の命にかかわるようなリスクがあれば、予防的な活動を是非行ってください。
時効の壁が労災認定にたちふさがっています。
過去の公害問題も同じ道をたどりました。
現在発症している人たちに労災を認めて十分な治療の機会を与えることが必要でしょう。大至急です。
印刷業界の人はリスク分析を見直すことが急務です。
限られた業界に多発する特定の疾患がある時、因果関係の確定を待っていてはいけません。
リスクとして位置づけ、予防的に動くことが、結果として会社を救うことになります。
1950年代、安全な薬として世界中に販路を拡大していた薬がありました。
精神安定剤のサリドマイドです。安全性が高く妊婦にも良い薬として認証され、ヨーロッパや日本でも使われました。当時の常識には母親の飲んだ薬が胎児に影響を与えるという考えはありませんでした。
各国で新薬として承認される中、アメリカのFDA医務官のフランシス・O・ケルシー女史は承認を拒否しました。
当時のFDAのルールでは60日以内に承認の結論を出さなければなりませんでしたが、実験データの不備や不足を感じ承認を保留にしました。
ケルシーは申請者のメレル社との間で1年以上に及ぶ激しいやり取りを行い、追加データの要求は14回にもおよびました。政治家を抱き込んでの圧力もあったようです。
その後、世界中で手や足の奇形を持つ赤ちゃんがたくさん生まれました。
1961年にドイツのレンツ博士が、これらの奇形の原因がサリドマイドであるという説を出し、ヨーロッパでは禁止に。米国でもメレル社が申請を取り下げました。
この間、ドイツでは約5000人の奇形児が生まれ、日本での被害者も300人を超えました。
しかし米国での被害は、臨床試験(治験)中に投与された母親から生まれた9人にとどまりました。
ケルシーはこの功績により、ケネディ大統領から連邦市民勲章を受章し、米食品医薬品局(FDA)の部長を務めました。
未知の危険に対処するのは難しいですが、何らかの兆候や情報が得られたらリスクとして捉え、評価を行うことが大切です。従業員の命にかかわるようなリスクがあれば、予防的な活動を是非行ってください。
2009年01月14日
小さな勇気
会社を経営するための仕組みのことをマネジメントシステムと言います。
この仕組みにはいろいろな要素があります。
品質を良くする仕組み、環境を良くする仕組み、情報の管理を向上させる仕組みなどです。
会社にとって従業員は掛け替えの無い財産であり、苦労を共にする戦友です。
仲間を労働災害から守り、生き生きとした職場を作り上げるのも重要な仕事です。
この仕事は社長や衛生管理者だけの仕事ではありません。他の仕事と同じように、みんなが協力して作り上げていくべきものです。
OHSAS18001に取り組む会社は、労働安全に注意を払わずに仕事をした場合に想定される、様々なリスクを分析し、そのリスクを回避する仕組みを社内に作り上げなければいけません。
その仕組みは文書にして内容を明確にし、そこで決めたことは実行して下さい。
その仕組みは普遍的なものではなく、状況が変わった場合には、仕組みを変更して、仕組みが常に最適に動いている状態にして下さい。
労働安全活動は、法があるから行う活動ではありません。
一緒に働く仲間を守るため、自分自身を守るための活動です。
勤めていた職場の上司が自分に責任が掛からないように逃げ回る姿を何度も見ました。人間として情けないですね。
そんな姿を晒してしまえば、部下の信頼は得られず、生き生きとした職場にはなりません。
不安全行為をきちんと叱る、責任をきちんと取る、ルールをきちんと守る・・・・
仲間を守るための仕組みを作り、維持、改善していくには小さな勇気が必要です。
この仕組みにはいろいろな要素があります。
品質を良くする仕組み、環境を良くする仕組み、情報の管理を向上させる仕組みなどです。
会社にとって従業員は掛け替えの無い財産であり、苦労を共にする戦友です。
仲間を労働災害から守り、生き生きとした職場を作り上げるのも重要な仕事です。
この仕事は社長や衛生管理者だけの仕事ではありません。他の仕事と同じように、みんなが協力して作り上げていくべきものです。
OHSAS18001に取り組む会社は、労働安全に注意を払わずに仕事をした場合に想定される、様々なリスクを分析し、そのリスクを回避する仕組みを社内に作り上げなければいけません。
その仕組みは文書にして内容を明確にし、そこで決めたことは実行して下さい。
その仕組みは普遍的なものではなく、状況が変わった場合には、仕組みを変更して、仕組みが常に最適に動いている状態にして下さい。
労働安全活動は、法があるから行う活動ではありません。
一緒に働く仲間を守るため、自分自身を守るための活動です。
勤めていた職場の上司が自分に責任が掛からないように逃げ回る姿を何度も見ました。人間として情けないですね。
そんな姿を晒してしまえば、部下の信頼は得られず、生き生きとした職場にはなりません。
不安全行為をきちんと叱る、責任をきちんと取る、ルールをきちんと守る・・・・
仲間を守るための仕組みを作り、維持、改善していくには小さな勇気が必要です。
2009年01月07日
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
昨年くらいから企業のOHSAS18001への関心が活発化してきた気がします。
9001でCS(顧客満足)を満たし、14001でSS(社会的満足)を満たしと、外に向かっていた意識が、OHSAS18001ではES(従業員満足)へと社内に向かいます。
従業員が安全で働きやすい環境になければ、顧客満足や社会的な満足に目が向くはずもありません。
すべての始まりは自社の労働安全から。
今年も無事故で行きましょう。
昨年くらいから企業のOHSAS18001への関心が活発化してきた気がします。
9001でCS(顧客満足)を満たし、14001でSS(社会的満足)を満たしと、外に向かっていた意識が、OHSAS18001ではES(従業員満足)へと社内に向かいます。
従業員が安全で働きやすい環境になければ、顧客満足や社会的な満足に目が向くはずもありません。
すべての始まりは自社の労働安全から。
今年も無事故で行きましょう。