septembre 2017

17 septembre 2017

蜜蜂とピアノとポルーニンとバレエ

セルゲイ・ポルーニンの映画をみました。
すごいダンサーだ、ということは素人の私にもよくわかる。
ひたむきにバレエのレッスンに打ち込む彼の姿は
天才であっても、いや天才だからこその
バレエに対するひたむきな愛情を感じられる。
その彼は、天才であるがゆえの悩みを抱えて、
バレエを続けることに疑問をもつ。
トップの座に若くして駆け上ったがゆえ
その先の自分が見えなくなってしまう。

若きピアニストたちがそれぞれの思いを抱いて臨む
ピアノコンテストの様子が綴ってある「蜜蜂と遠雷」は
その長さを苦にさせない、やわらかでわかりやすい表現と
飽きさせないストーリーとその取材力で
とても楽しく読めた。
たった一握りの天才と努力する多くの情熱者たち。
それをだれもが承知でありながら、
それぞれのピアノと音楽に対する解釈を抱え
表現していく姿がとても清々しかった。

誰もが羨む才能をもった人の
そうでなければ行き着けない場所が
嫌味なく、美しく描かれている。
そして、コンテストを中心にさらりとまとめてある。

*****
幼い時にその天才の片鱗が姿をあらわすと
周りの大人は奮起して、なんとしてもその才能を伸ばさねばと
やっきになる。
しかし、天が彼に与えたものがとてつもない才能ならば、
いずれ彼は自然にそこへ行き着く。
それをなくしては生きられないような存在であるからだ。
英才教育が必要なのは
凡人だけだ。

この二作品を見て、読んで
感じたことである。

*****
私は凡人だ。バレエも好きで好きでしかたないけど
幼い頃から教育もされていないし、
上手くもなければ、誰かを感動させることなどできない。
それでも
毎日、バレエのことを考えていて、身体を動かし、
レッスンではいつも自分にがっかりして落ち込む。
天才でなかったから、
今こうして、そんな楽しみ方ができているのかもなぁ、なんて
ちょっと負け惜しみ人生を生きている(笑)。

子どもの頃にやっていたピアノを
また始めてみたくなったりもしている。
あ、聴きに行くだけにしておこうかな〜(笑)。




isogaifuki at 11:48|PermalinkComments(0)  | 映画

14 septembre 2017

体験しないとわからないこと

奈良美智さんの美術展にいってきました。

絵を見れば、彼の作品だとわかるくらい、
名前とその作品の個性はよく目にしたし、記憶に残っていました。
それでもイラストとしてそれらを見るくらいで、
本物の作品をみることはありませんでした。
勝手な思い込みで、玖保キリコさんとごっちゃになる感じで
漫画家かイラストレーターなのかと決めつけていましたが、
初期からの作品群を今回みて、
とても奥の深い作品をつくるアーティストなのだとわかりました。

油絵や立体、造形の数々が、なんとも不思議な魅力を放っています。
同じような顔をした女の子の絵がほとんどですが、
とても深く書き込まれていて、
心に何かがぐっと残るのです。
私の中の忘れていた心のどこかを触られ、
もやっとした何かを置いていくような感じです。

いままで、なんとなく忘れられない印象を残していた彼の作品、
その意味が少しわかったような気がしました。

怖いような、可愛いような、
くすぐったいような、さみしいような、
幸せな気分になったり、闇に引き込まれるような気持ちになったり・・・。

今回、足を運んでいって
本当によかったと思います。

行って見て、感じなければわからないこと、
大切なことだな、と改めて気づかされた作品展でした。

よかった。



isogaifuki at 11:49|PermalinkComments(0) 徒然なるままにぃ