「第11回 ちょっ蔵 新酒を祝う会」は無事終了いたしました。多数のご来場、ご協力ご支援に感謝いたします。報告は29年祝う会カテゴリ記事をご覧ください。

おいしいお燗酒が呑める笠間焼の酒燗器 開発しました!

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この度「正しくおいしいお燗酒の文化を茨城県より発信しよう!」と、ご家庭で手軽においしい「湯煎によるぬる燗」が楽しめる酒燗器『笠間燗器 半右衛門(かさまかんき はんえもん)』を開発、発売いたしましたっ!

以下、ご購入の案内、使い方、開発の経緯など紹介いたします。日本酒・燗酒ファンの皆様、ちょっと珍しいご贈答品をお探しの皆様、ぜひご一読ください。

『笠間燗器 半右衛門』とは

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『笠間燗器(かさまかんき) 半右衛門(はんえもん)』は、最もおいしくお酒を温める方法と言われる「湯煎燗」を、ご家庭でもお手軽に楽しめる酒燗器です。茨城県内の3蔵元と笠間焼協同組合が連携し、茨城県デザイン協議会、茨城県窯業指導所等の協力により完成しました。

笠間燗器 半右衛門・単品

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笠間焼の陶工が心を込めて、一つ一つ手づくりしたオンリーワンの逸品です。

笠間燗器 半右衛門・単品
(かさまかんき はんえもん・たんぴん)

  • 内容:台器・徳利
  • 販売価格:3,800円(消費税別)

常陸國酒 笠間燗器 半右衛門セット

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『笠間燗器 半右衛門』開発にかかわった3蔵が、それぞれの製品とセットにして販売する商品です。磯蔵酒造では、純米酒『稲里 純米』をセットにしました。

常陸國酒 笠間燗器 半右衛門セット
(ひたちのくにざけ かさまかんき はんえもんセット)

  • 内容:台器・徳利・稲里 純米 720ml1本
  • 販売価格:5,000円(消費税別)

ご購入について

  • 完全手づくりのため製品の色等には個体差がございます。機能のみでなく色目等にもこだわる方は、ぜひとも店頭で実際に製品を手に取っていただきご購入下さい。笠間観光がてら、ぜひお気軽にご来蔵をお待ちしております。
  • セット品の『稲里 純米』は、お好みの稲里各種に変更も可能です。その際の価格は変更となりますのでお気軽にお問合せ下さい。
  • WEBショップ「酒販部」でもご購入可能になりました。
ご購入・お問合せ

磯蔵酒造有限会社 info@isokura.jp
〒309-1635 茨城県笠間市稲田2281番地の1
電話 0296-74-2002(8:00〜17:00、定休日なし)

磯蔵酒造 有限会社
磯蔵酒造Webサイト

『半右衛門』でつけるお燗の楽しみ方

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「半右衛門」と「熱湯」があれば、どなたでも簡単にお燗酒!保温効果により、最後の一口まで飲み頃の温度をキープできる優れものです。
(※室温20℃ お燗する酒の品温も常温にての実証データです)

  1. コップ状の台器側に熱湯(約100℃)を300ml注ぎます。
  2. 徳利側にお酒を一合(約180cc)注ぎ、台器に乗せると……
    約2分で人肌燗(35℃前後)
    約3分でぬる燗(40℃前後)
    約5分で上燗(45℃前後)の出来上がりです。
    (分数は常温の酒での目安です。冷蔵してあった酒を入れた場合は倍の分数を目安にお試しください)
  3. その後、約30分間、上燗〜ぬる燗でおいしいお燗酒をお楽しみいただけます。

近年、北米は勿論、ヨーロッパ等の高級レストランで日本酒が高く評価された事をきっかけに、世界でも稀な「温めて飲むアルコール」としての「お燗酒」は、その呼び方は勿論、温度帯やおいしいお燗の方法、提供方法が、国内でも見直されつつあります。

一口にお燗酒といってもお燗の方法、お燗の温度、お燗の呼び方、そしてどんな酒をお燗するのか?と本当にバリエーション豊富なのですが……

最もお勧めは「湯煎による"ぬる燗"」

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「湯煎」というお燗の方法は、かつては飲食店は勿論、ご家庭でも普通に行われる最もポピュラーなお燗方法だったのですが、電気式酒燗器や電子レンジの登場で、現在は街の居酒屋さんでも見かける事はめっきり少なくなってしまいました。

これには「お湯を沸かすのが面倒」とか「ついてなければならないので大変」とか「何分で何度になるのか分からない」というような「不便さ」があったのだと思います。
たしかにご家庭なんかでは旦那さんお晩酌の度に「湯煎」する奥様は大変ですよね。

そこでっ!

ご家庭で手軽においしい「湯煎によるぬる燗」が楽しめる酒燗器『笠間燗器 半右衛門』を開発にいたりましたっ!

お燗をするための酒器『笠間燗器 半右衛門』

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『笠間燗器 半右衛門』は、茨城県中小企業団体中央会さんの仲人により、水戸の明利酒類さん、石岡の石岡酒造さん、笠間焼共同組合さんと茨城県工業技術センター窯業指導所さん、そして茨城デザイン協議会さんといっしょに「正しくおいしいお燗酒の文化を茨城より発信しよう!」との思いで開発しました。

と、言う事で『笠間燗器 半右衛門』の詳細、そして『正しくおいしいお燗の豆知識』を追記にてご覧ください。


『笠間燗器 半右衛門(かさまかんき はんえもん)』はどうして生まれたか?

それは約1年半前、茨城県中小企業団体中央会さんからの「茨城の酒蔵と笠間焼のコラボレーションで何か新しいコト、新しいモノができないか?」という声掛けにより、明利酒類さん、石岡酒造さん、そして当蔵という3つの酒蔵と笠間焼協同組合茨城県工業技術センター窯業指導所さん、そして茨城デザイン振興協議会さんが集まった事から物語は始まります。

当初は「笠間焼の龜(かめ)に入った古酒がいいのでは?」等、比較的真面目な案から、「人気作家の器に入ったモノも値段も日本一な最高級の大吟醸を作ろう」等の突拍子もない案まで、たくさんのアイデアが捻出されました。

しかし会議を重ねるうちに「酒と器の関係がもっと本質的なもの」にしようという意見が強くなり、そんな中「素晴しいのにも関わらず、廃れがち、そして正しく伝わっていない日本酒のお燗文化にまつわる器をつくってみたらどうか?」という話しになりました。

そして酒蔵からでた「酒の味の事だけで言うなら『ぬる燗』、そしてできるなら『湯煎』がいい」という声が採用され「旨い湯煎のぬる燗を家庭で手軽に楽しめる器をつくろう」と言うことになりました。

笠間燗器の開発:その1「デザイン」

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実際の器の開発は、みんなで概ねのデザインを決める事から始まりました。

容量も酒の容量と湯煎のお湯の量、そのバランスによる熱伝導効率、それにより決まってくる湯煎時間、冷めにくい形、注ぎやすさ、そして格好良さ等、非常に多角的に時間をかけて会議は進められました。

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やっとの事で、笠間の土の特徴であります「花崗岩」の風化によりできた、鉄分が強く粒子が細かい粘り強い粘土による丈夫な焼き上がりに、釉薬も笠間で最も伝統のある渋い赤褐色の「柿釉」をまとった現在の形にたどり着き、試作に入ります。

また、酒とのセットについては茨城デザイン協議会の藤代範夫氏から「高級感」をテーマにしたセット箱が提案されました。

笠間燗器の開発:その2「試作」

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試作は窯業指導所と「柿釉」を得意とする陶芸家の佐藤 剛氏により開始されました。試作品が焼き上がると我々は実際に使用実験いたします。

それが「家庭で使いやすいかどうか?」をポイントに、何度のお湯を……何CC入れて……そこに何CCの酒を入れると……何分で……何度の酒に……そんな作業を何度も繰り返し今の形に仕上げて行くのですが、ここで思わぬハプニングがありました。それは…

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「お湯を入れる台器」と「酒を入れる注器(徳利)」の関係です。「ガタガタせず冷めにくいように」というような観点からなるべくジャストフィットに作っていただいたのですが、精度が増せば増す程、器の熱膨張により「抜けなくなる」。
それから熱伝導効率を気にしすぎて注器を深く差し込む設定にすると、時間が経つと台器のなかの空気が冷めて収縮することにより注器が「抜け落ちる」等、試行錯誤の繰返し。

「1mm〜2mmレベル」という小さな誤差で起きてしまうあまり嬉しくない「なるほど!?」な現象に悩まされつつも、なんとか現在の仕様にたどり着きました。

笠間燗器の開発:その3「量産」

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今回の開発で最も困難を極めたのがこの「量産」です。
通常、陶器製作ではこのような「1mm〜2mmレベルの誤差」が問題になるような器を量産する場合には、そのほとんどが「型」を使うのだそうですが、『笠間燗器』は「笠間焼は手造りが基本」というテーマを貫こうということから、陶工が一つ一つロクロで手造りする事になったのです。

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ましてや「陶器」は窯に入れ焼く事により2割から3割収縮するので、その収縮率も考えながらロクロをひかねばならず、さらに焼き上がってみないと上手くいくかどうかは分からないという「焼物」、その生産の確立にはとても困難を強いられました。最後は熟練の職人さん達の努力により、なんとか歩留まりよく焼き上げる事に成功しました!

笠間燗器の開発:その4「命名」

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今年の春、東京・銀座にあります「茨城マルシェ」にて「笠間燗器と茨城の地酒」(100セット)のテスト販売が決定しました。

そこでこの燗器に名前を付けようと言うことになり、今回の仲人である茨城県中小企業団体中央会の千葉専務から「燗太郎」「燗兵衛」「燗衛門」等、割と「単純で伝統を感じさせるような名前が覚えやすくて良いのでは?」と言うアイデアがでましたが、すでに使われているケースも多い状況。そこでこれまた千葉専務の発案で「それじゃあ、笠間焼の発祥に縁ある『半右衛門』または『長右衛門』にしよう」という事になり、検討の結果『笠間燗器 半右衛門』に決定いたしました。

笠間燗器の開発:その5「発売」

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と、言う事で、一年半以上にもなる開発期間を経て『笠間燗器 半右衛門』は発売となりました。

今後は随時出荷量を増やして行く事となりますが、なにせ一つ一つ陶工が手づくりで作っているため、一回のロットが100個前後となってしまいます。

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因に今回のロットは約120個で、開発に参加した当蔵と石岡酒造さん、明利酒類さんのみの取り扱いとなっております。「ぜひ購入したい」と思っていただいた方々は、各酒蔵までお問い合わせ下さい。

当蔵では製品の性質上、当面の販売は「酒蔵店頭での販売」及び「メールでのご注文」とさせていただきます。また『笠間燗器 半右衛門』は完全手づくりのため製品の色等には個体差がございますことをご了承ください。

お燗の機能のみでなく燗器の色目等にもこだわる方は、ぜひとも店頭で実際に製品を手に取っていただきご購入下さい!

正しくおいしいお燗の豆知識

『笠間燗器 半右衛門』での燗酒をより楽しんでいただくため、最後に、当蔵思う所の「お燗の豆知識」を紹介いたします。ぜひご参考になさってください。

お燗の方法あれこれ

その1. 湯煎燗(ゆせんかん)
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お湯に徳利などを浸け加熱する方法。
まず徳利が温まり、その熱がじんわりとお酒に伝わり、アルコ−ルの揮発より低い状態で燗が行なわれ過加熱を引き起こしません。よって「ツン」とした刺激臭の無い「まあるい」味わいかつ、香味全般が明確なおいしい燗酒に仕上がります。『笠間燗器 半右衛門』で叶う理想的なお燗方法が、この湯煎燗になります。

その2. 蒸し燗(むしかん)
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蒸し器やせいろなどに徳利などを入れ蒸す方法。
水分やアルコール香気成分などが逃げ難い、焦げ臭などがつかない等メリットが多いが、容器、温度等様々な要因の中、酒質にあった方法を模索する事が重要になります。

その3. 直火燗(じかびかん)
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鍋やヤカンに酒を入れ直接加熱する方法。
メリットは迅速に目的温度に達する事。デメリットは、熱源に接している部分が過加熱されアルコ−ルが揮発、刺激が強い酒になります。また酒の表面で、焦げや、脱水がおこり香りもゆがみがちです。

その4. 電気式酒燗器による燗
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居酒屋さん等で多く利用される方法。
専従者がいらない、省スペース、短時間などのメリットの一方、好みの温度に対応できない、次の一杯がお燗された状態で提供を待っている事等から、長時間おくと酒質の劣化があるなどのデメリットも多くあります。

その5. 電子レンジ燗
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通称「チン」と呼ばれる方法。
電磁波の特性上、容器の細い部分は熱くなり、太い部分はぬるいなどの不都合が生じます。また1500Wクラスのレンジでは過加熱が起こり、酒質を損なうので、あまりお勧めできない方法です。

よく使われる燗酒の表現と温度

お燗の種類による名称と、温度の目安を紹介します。ご参考にどうぞ。

  お燗の名称 温度の目安








日向燗(ひなたかん) 30℃以下
あったかいかな?という位でしょうか?
人肌燗(ひとはだかん) 35℃前後
昔から酒通の間では最も美味しい温度と言われます
ぬる燗(ぬるかん) 40℃前後
近年、最も注目されている温度帯です
上燗(じょうかん) 45℃前後
お燗酒の全国的に平均的な温度帯です
熱燗(あつかん) 50℃前後
関東では「ぬるい」と言われますが…
飛切燗(とびきりかん) 60℃以上
関東で言う「熱燗」ですが、酒質的には?

楽しい「燗酒ライフ」を!

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皆様、この冬はぜひ、茨城県の地酒『稲里』を『笠間燗器 半右衛門』の「湯煎燗」による、ゆったりと本格的なおいしいお燗酒でお試しください。
長文をお読みいただきありがとうございました!


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カテゴリー:営業部│投稿:2013年11月21日 07:55