2008年08月22日

「男のための自分探し」4

伊藤健太郎さんの著書で「男のための自分探し」は、
今月出版されたばかりの、一見軽い感じの本なのですが、
読み始めると、様々な哲学者の警句を織り交ぜながら、
人生に避けて通れない、根本的なことが書かれていてました。
と言っても、内容が難しくて読み進みにくいものではなく、
むしろ普段は気が付かないようにしている大切なことを、
サラッと表現して、気付かせてくれるのです。

「男は自分のいのちよりも女が欲しい!」
「男は自分の精子に散々利用されたあげくに捨てられる」
「男は単純なので欲しいものを手に入れようと奮闘する」

なんだか男を馬鹿にしたような内容が続くのですが、
指摘してあることは、納得出来ることばかりなのです。
そのあげくに、男の求める「美人」に関する見解が見事です。

「男の脳が美人だと感じる女性には、いつの時代でも、
 どこの国でも、変わらない共通点がある」として、
左右対称の健康体で「ウエスト÷ヒップ」が 0.7の女性!
これが一番妊娠しやすい状態の女性の比率でもあるらしいのです。
つまり男が感じる女性の魅力とは、遺伝子染色体の精子が望む、
少しでも妊娠しやすい女性を求めているだけだというのです。
なんだかな〜、と思う一方で、確かにそんな気もします。

オードリー・ヘップバーンとマリリンモンローは、
あれだけボリュームが違っているのに、二人とも 0.7だとか。
いわれてみれば、僕も多少足フェチのところがありながら、
実際には、ウエストからヒップを含めたライン全体を見ている。
女性の外見で何を一番重視するかといえば、それは肌ですが、
ウエスト〜ヒップのラインは、間違いなく感じているのです。

こんな感じで、男の考えることを丸裸にした後で、
それでも人間は、他の動物と違って目的を持って生きられる!
この点、遺伝子に振り回されるだけでない自由もあると言います。
ただ問題は、多くの人が自分の生きる目的を考えないで、
ひたすら遺伝子の欲求をどのように手に入れるかの手段に終始し、
自由に自分を生きることを考えていない、と指摘されるのです。

「負担が重い自由よりも、手っ取り早い安心を求め、
 せっかくの自由を捨てて、みんなと同じような人生を選ぶ」
これでは人生のほんとうの喜びを味わえるはずもなく、
「人間は、本当のことを知りながらも、
 都合が悪ければ、知らないことにしてしまう」
と言われてみれば、まったくそうかも知れないのです。

それでは、本当に自分を生きるにはどうすればいいのか?
伊藤さんは、哲学的見地から「私とは何か」をもう一度考えます。
モーニング娘がモーニング娘であり続ける理由から、
昨日の私と今日の私は同じなのか違うのか?と言った検証を通し、
単なる肉体的いのちに終わらない「私」に向き合うのです。

こうして行き着く一つの視点は、
「恋人を愛することは、恋人の肉体を愛することとは違う!」
となって、自分の本当の望みが何であるかに迫っていきます。
この随所に、ソクラテス、デカルトなどの哲人の声がちりばめられ、
簡単に読める文章を追っている内に、人生の深い洞察に触れるのです。
読みやすく大切な何かを示して、あとは自分次第でしょうね!
何とも軽妙で、面白い本でした。


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isop18 at 12:30│Comments(0)TrackBack(0)ノンフィクション書評 | 哲学

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